うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「脱大組織化の始まりマネッジメントの原理と方法、イノベーションと起業家精神、起業家の定義、起業家とは何か?」

山梨の手打ちでやっているうどん屋さんにて

本日のテーマは「さまざまな麺ビジネス」です。

昨日は朝早くホテルを出て、営業企画の柿本さんと一緒に山梨県の田舎にある、40年間、製麺機類は一切使わず、手練りから始まり、完全な手打ちでやっている、化石のようなうどんの製麺所に行ってきました。

おまけに最後の仕上げも、手打ち蕎麦とまったく同じ、手切りの包丁切りで、ガイド用の小間板も使わずに、包丁だけで切っているのです。

香川県もさぬきうどんの本場ではありますが、手打ちと書いていても、今では手練りからの完全な手打ちの製麺所は私の知る限り、まったくなく、少なくともミキサーとか、どこかで製麺機を使っているのです。

私と同年齢くらいのお父さんと40歳の息子さんと2人で、うどん打ちと茹でを行ない、麺を袋に包装し、近所のスーパーとか、飲食店に販売しているそうです。

作業場の隣の部屋で食事を出来るようにして、熱い釜揚げ状態と冷たいざる状態のうどんを提供しているのです。

但し、香川県の製麺所のように、釜揚げだしとか、ざるだしは置いておらず、お客さまが勝手に、醤油とか、置かれているさまざまな薬味を工夫して、自分で味を付けて食べるのです。

釜揚げ状態で戴いたのですが、私の小さいころ、近所で手打ちでやっていた、製麺所で食べたうどんそのものの素朴で、シッカリした噛みごたえのある、昔ながらの美味しいうどんでした。

うどんの味同様、お父さんと息子さんも素朴で、人柄な方がたで、昔の時代にタイムトリップしたような気持になりました。

香川県のようなうどんの本場ではなく、むしろ蕎麦の本場に近い場所の田舎で40年間もこのような素朴な麺ビジネスが成り立ち、親子で楽しく仕事をしていることに感激しました。

当社は、うどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校を主催していますが、参加する生徒さんのほとんどは、うどん店、蕎麦店、ラーメン店の開業希望者であり、他の麺ビジネスをやろうという生徒さんはほとんどいないのです。

平成27年4月より外食の消費税が10%になるのですが、テークアウトとか出前の消費税は8%に据え置きになるので、ヨーロッパと同じように、テークアウトビジネスが活発になることが想定されます。

だから、これからはイートインビジネス(店内飲食)だけでなく、テークアウト、デリバリー、出前、移動販売等のありとあらゆる麺ビジネスも、フレキシブルに考えるべきなのです。

特にこれからは、少子高齢化の加速とともに、外に出られないお年寄り等が増え、買物難民が増えることも想定されているので、余計にお届けビジネスの可能性は高いのです。

これからの日本は、今までの日本とは大きく変わっていくので、これからの日本のニーズに合ったビジネスが必要になり、これは麺ビジネスにとってもまったく同じことであるのです。

多分、コンビニが小売業を変えてしまったように、大きく変わりゆくニーズにあったビジネスが世の中を大きく変えてしまい、往々にしてそのようなビジネスは、既存の外食の人たちではなく、外食以外の人たちが始めるのです。

現に、うどん業界を大きく変えた「はなまる」とか「丸亀製麺」は、もともとうどん業界出身者ではなく、異業種からの参入が業界を大きく変える力を持っているのです。

もっと言えば、業界に革命を起こすのは、業界以外からの参入者であることがほとんどで、私も麺業界を大きく変えるのは、異業種からの参入であると思っています。

本日も東京支店で、うどん学校の最終日の盛り付けの実技の日で生徒さんたちが熱心に取り組んでいますが、私が生徒さんに教えているのは、今まで通りのありふれたメニューの当たり前の盛り付けではなく、世の中に衝撃を与えるような盛り付けです。

日々の生活の中でもすべてチャレンジで、チャレンジする癖付をして、常に新しいことに取り組めば、どこかで世の中を変えるような場面に遭遇する可能性があるのです。

常に安心領域からはみ出し、チャレンジングな生き方をすれば、自分自身、日々楽しみながら、生きることが出来るのです。

朝の散歩にしろ、筋トレにしろ、常にチャレンジしていると、筋トレの能力も徐々にではありますが、確実に伸びているのです。

チャレンジングな人生は、やっているときは少したいへんですが、実に楽しいので、飽きない人生を送ることが出来ます。

本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

「脱大組織化の始まり」

第2次世界大戦の終わりから少し前まで、組織の進歩とは大規模化を意味し、企業、労働組合、病院、学校、大学などあらゆる分野で見られ、大規模化には、いろいろ原因があり、大企業はマネッジメント出来るが、中小企業はマネッジメント出来ないという思い込みが、その最大の原因の1つであり、アメリカにハイスクールの大規模化をもたらしたのもこの思い込みであり、教育は専門家によるマネッジメントを必要とし、そのマネッジメントは、中小の組織ではなく大組織においてのみ可能であるとされたのが、遂にこの傾向が逆転を始め、脱工業化ではなく、脱大組織化を始めたのです。

われわれは、すでにある程度マネッジメントが行なわれている大組織よりも、中小の起業家的な組織こそ、マネッジメントが必要で、かつ大きなインパクト(良い影響)を持ち、マネッジメントが既存の事業同様に、新しい起業家的な事業にとっても大きな力になり、アメリカでは19世紀に誕生したハンバーガー店が、第2次世界大戦後に、あらゆる街角で見られるようになり、無数にあったハンバーガー店の中でマクドナルドは、パパママ・ストアに初めてマネッジメントを適用し、最大の成功物語となり、マクドナルドで行なわれたマネッジメントとは、以下の通りです。

1.マクドナルドは、最終製品を規定した
2.次に製造プロセスを規定した
3.設備を再検討し、牛肉、玉ねぎ、パン、フライドポテトの一片に至るまで、同一のものを、同一の時間で、自動的に生産できるようにした
4.顧客にとっての価値が何であるかを考え、それは品質と同質性、サービスの速さ、清潔さと親しみやすさであると結論した
5.そして仕事の基準を定め、従業員を訓練し、給与システムを決めた

以上がマクドナルドのマネッジメントであり、その当時は、きわめて進んだマネッジメントで、同じように取り入れることにより、日本での閉店率の極めて高い飲食店ビジネスも、規模の大きいビジネスになれる可能性があるのです。

「マネッジメントの原理と方法」

第2次世界大戦後のアメリカ経済を起業家経済として成功させたのは、科学や発明ではなく、このマネッジメントという「技術」であり、マネッジメント「技術」が、アメリカ社会そのものを起業家社会に変え、しかもマネッジメントは、やがてアメリカのみならずあらゆる先進国において、教育、医療、政府、政治、企業や経済に対してより大きなインパクトを与え、あらゆる先進国社会が切実に必要としている起業家精神そのものが、新しい問題や機会へのマネッジメントの適用なくしては成立しなくなり、イノベーションと起業家精神についても、イノベーションと起業家精神にかかわるマネッジメントの原理と方法を確立することであるのです。

第一章 イノベーションと起業家精神

1.起業家の定義

1800年頃、フランスの経済学者J・B・セイは、「起業家は、経済的な資源を生産性が低いところから高いところへ、収益が小さいところから大きなところへ移す」と言い、ドラッカーは、この定義は起業家が何者であるかは述べておらず、200年前に、セイが「起業家」なる言葉を作って以来、未だに起業家と起業家精神の定義は確立していないのです。

「起業家とは何か?」

アメリカでは、起業家とは小さい事業を始める人を言いますが、新しい小さな事業のすべてが起業家的であるわけではなく、起業家精神の現れであるわけでもなく、例えば、郊外でファースト・フードの店や、メキシコ料理店を始める夫婦は、リスクを冒しているのですが、何か新しいことをやろうとしているわけではなく、外食という風潮に乗ってはいるが、新しいニーズや欲求を創造していないので、事業はベンチャーですが、彼らは起業家ではなく、マクドナルドの創始者レイ・クロックは起業家で、何も発明していないし、ハンバーガーは、アメリカのレストランならばどこにでもあり、レイ・クロックは、マネッジメントの原理と方法を適用し、顧客にとっての価値は何かを問い、製品を標準化し、製造のプロセスと設備を再設計し、作業の分析に基づいて従業員を訓練し、仕事の標準を定めることによって、資源が生み出すものの価値を高め、新しい市場と新しい顧客を創造し、結果として、世界中で多くの事業家を創出し、彼らを豊かにし、世界中の人たちの食に関するライフスタイルを変え、これこそが起業家精神であったのです。

現在の日本においても、多くの若者とか、脱サラ組がうどん店開業とか、ラーメン店開業を目指し、リスクを冒して、新しい人生にチャレンジしていますが、そのほとんどは既存店の真似であり、何ら新しい試みはなされておらず、開業したとしても、生み出すものの価値を高め、新しい市場と新しい顧客を創造していないだけでなく、既存の競争の厳しい市場に分け入り、更に競争を激化させ、市場を疲弊させ、自らも競争に疲弊し、早期に市場から退場するのがほとんどで、新しく開店しても、40%以上が1年以内に閉店し、彼らのほとんどはリスクを減らすために、初期投資を減らし、規模の小さい店を開店したり、業績不振で閉店した後を居抜きで借りて同じ業種を同じようなスタイルで開店し、早期に閉店するケースが後を絶たず、社会を変革し、豊かにしたり、良くすることには、何ら貢献していないのです。

マネッジメントとは、本来、社会に存在する多くの人たちを豊かにし、幸せにするためのものであるので、その意味で、社会に貢献しておらずに、自分自身も幸せになれず、彼らの事業を始める最終目的は、自分とか、家族が幸せになるためであったはずですが、それさえも達成することが出来ておらず、本当に自分たちの幸せを目指すのであれば、多くの人たちに貢献することを目指す、即ち、起業家精神を発揮して、今までにないもので、多くの人たちの幸せに貢献出来ることを目指した方が、結果が早いのです。

私も以前からこの事実には気付き、既存の競争の厳しい市場に、既存店と同じようなスタイルで参入しても、得るものが少ないことを常に麺学校の生徒さんたちに伝えていたのですが、ドラッカーが明確に同じことを説明し、競争の厳しい市場に、同じスタイルの店舗を出し、同質化競争に拍車をかけているので、レッド・オーシャンの典型的な事例であり、資源の乏しい新規参入者が取る戦略ではなく、競争を避け、ブルー・オーシャン戦略を取り、小さい企業が大企業に勝てる戦略を取るべきで、要するに、①競争変数を増やすか、②強烈な個性で勝負するか、のどちらかを選択しなければいけないのです。

数十年前、アメリカ中西部のある起業家が夫婦で始めた鋳造業も極めて起業家的であり、彼らは、アラスカを横断する天然ガス・パイプラインの敷設工事に使われる大型ブルドーザーの車軸などの精密鋳造品を製造し、この事業に必要な科学知識は既知のものであり、新しいものはほとんどないのですが、彼らは技術情報を体系化し、要求される性能をコンピュータに入れると、必要な工程が自動的に明らかになるようにし、工程を体系化し、形状、組成、重量、材質が同じ製品を半ダース以上受注することは殆どないのですが、バッチ生産ではなく、コンピュータ制御によるプロセス生産を採用しているので、不合格品が30%から40%出るのが普通ですが、この鋳物メーカーでは製品の90%以上が合格品であり、大企業並みの賃金や福利厚生費を支払いながら、コストは最も強力な競争相手(韓国の造船所)の3分の2以下で、急成長はしているものの、彼らが起業家的であるのは、単に新しい事業だからではなく、決して新しいビジネスではない精密鋳造が、1つの独立事業たり得ること、需要の伸びが隙間(ニッチ)市場の形成を可能にしていたこと、技術特にコンピュータ技術が、職人芸を科学的プロセスに転換できることを利用したからだったのです。

これと似たようなことは、当社で行なっている「デジタル・クッキング」では、例えば、蕎麦学校では、だしの材料をすべて単独でだしを取り、生徒さんたちがそれぞれ単独のだしの味を確認して、どの材料を何%入れると、どのような味になるかを確認しながら、自分自身の味を作り上げていき、そして、毎回のデータはすべて記録され、データ・ベース化されているので、何度やっても、まったく同じ味が再現でき、味を変えたい時も、既に出来上がっているデータ・ベースを参照しながら、簡単に変更できるのです。

画像は、昨日、訪問した山梨の純粋な手打ちでやっているうどん店で、私とほぼ同年齢のお父さんが精根込めて、毎日、うどんを打ち続ける姿に感動を覚えたのです。

もちろん、うどんは素朴で、噛みしめのある美味しいうどんでした。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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