うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「目的の大義化、いくつかの成功例」

広島の「太閤うどん」の新店舗用色紙を書きました

本日のテーマは「食べ物の進化の歴史」です。

シンガポールのラーメン学校の経営講義で使用するコンテンツを「ラーメン、うどん、蕎麦店の教科書」より、抜粋しますが、本日は第1章からです。
http://www.yamatomfg.com/book/schoolbook.php

長い食べもの歴史を簡単に表現すると、食べやすさの追求であり、保存性・美味しさの追求もさることながら、食品をより口当たり良く、食べやすく加工するのは調理の基本でした。

食べものは、時代とともに食べやすく進化し、この歴史が逆戻りすることは、まずありえません。

例えば、私が幼い頃は、スルメイカなどの硬く、食べるのに苦労するようなおやつが主流でしたが、今ではシュークリームやケーキなど、ほとんど咀嚼せずに食べられるものが増えました。

一度、このような「食べやすい」おやつが登場してしまうと、再びスルメイカのような食べ難い食品がおやつの主力に復活することはありません。

同じように麺も、小麦粉の食べやすさを追求した結果誕生した食品で、大昔は、小麦粉を水で捏ねて、スイトンとか、団子のようにして食べていたのですが、これは食べ易くなかったので、薄い板状に圧延し、包丁でカットして、麺状に細く切り、食べ易くしたのです。

また、肉体労働が中心だった時代において、麺類はおやつ代わりで、主食としては、軽すぎたのですが、現代の日本では肉体労働者がほとんどいなくなり、毎日の労働によるカロリー消費が少なくなり、麺類は主食としても支持されるようになりました。

さらに、ラーメンの登場により、夜の食事にも進出し、少子高齢化という時代背景も手伝い、麺類は徐々に、夜の食事としての存在感を増してきています。

次は、戦略の話で、小が大に勝つための戦略で、小が大に勝ち、生き残る戦略には、次の2つがあります。

①競争変数を増やす
②際立った個性を出す

①競争変数を増やす戦略は次の通りで、個人経営のお店が大手チェーン店に勝てるのがラーメン業界で、うどん業界はセルフの大手企業が成功し、ラーメン業界には、超大手チェーンは存在しないのですが、その理由は、ラーメンは、麺、スープ、元ダレ、香味油と差別化の要因、すなわち競争変数が非常に多いためなのです。

その複雑さのために、ラーメン業界は、うどんやそば業界と比べ、大手チェーン店よりも比較的規模の小さい個店レベルの方が、非常に活性化しているので、新規に開業する場合は、麺、だし、トッピング、盛り付け、サービス方法、店舗作りとあらゆる方向で他店の真似をせずに、差別化要因を徹底的に磨くことによって、個人経営のお店でも大手に立ちうちできるのです。

ボストン・コンサルテイング・グループが提唱しているアドバンテージ・マトリックスによれば、競争変数が多ければ多いほど、企業規模が大きくなるほど、儲からなくなり、大企業は参入出来ず、ラーメン業界はこの状態なのです。

その最たる事例が博多一風堂であり、一風堂のHPより拝借して来た文章によれば、次の通りです。

「歴史とこれから 博多一風堂」

「博多 一風堂が産声を上げたのは1985年10月16日。
「ラーメン業界に一陣の風を巻き起こす」カウンター10席だけの小さな店「一風堂」の店名に込められた熱い想いとともに提供される1杯は「豚骨ラーメン」の常識を覆す。
店主・河原成美がつくり上げたのは、豚の臭みを除去したマイルドな味の豚骨ラーメン。
まるで木工彫刻家のアトリエのような、木をふんだんに使った洒落た店内は隅々まできれいに磨き上げられていた。
流れるBGMはモダンジャズ。
心の行き届いた温かい接客は店に活気を呼び込んだ。
何もかもが画期的だった店は、それまでラーメンとは無縁だった女性客の支持も集め、博多のラーメン業界に一陣の風を巻き起こした。」

以上のように競争変数を増やす戦略は、単なる商品だけではなく、サービス面、店舗面とあらゆる部門で活用できるのです。

次に②番目の戦略の際立った個性とは、次の通りです。

芸能界での長く生き残っているタレント、俳優、女優は強力な個性のある人だけで、単なる、美男子であるとか、美人であっても長く生き残ることは出来ないのです。

ビジネス業界でも同じで、自動車業界のような数量で勝負する業界でも、販売台数の非常に少ないフェラーリとかポルシェ、ロールス・ロイスはしっかり生き残り、他の車と全く異なる圧倒的な差別化で成功しているのです。

どんなビジネスにおいてもこの原理原則は同じで、うどん業界でも、「つるとんたん」のように圧倒的な差別化で強いポジションを築いているお店があり、永く成功しているのは、強い個性を打ち出して成功している店舗ばかりです。

うどん蕎麦業界でも、「つるとんたん」のように圧倒的な差別化で強いポジションを築いているお店があり、海外のレストランビジネスも全く同様で、長く成功しているのは、圧倒的な個性を打ち出して成功している店舗ばかりです。

昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

◆目的の大義化

第3に最も大きな障害として、つまるところ、社会的機関は、善を行うために存在するので、自らの使命を道義的な絶対的存在とみなし、経済的な費用効果の対象とはみなさないことを意味し、経済の世界では、より大きな成果を得るために、つねに資源の配分を変え、すべてが相対的ですが、社会的機関においては、より大きな成果などというものは存在せず、善を行うのであれば、より大きな善などというものはなく、善を求める活動において目標を実現できないということは、努力を倍加すべきことを意味し、予想した以上に悪の力が強かっただけのことであり、さらにいっそう闘わなければならないのです。

何千年も前から、あらゆる宗教の伝道師たちが、肉欲に克つべきことを説いてきたのですが、ほとんど成功していないこの事実は、彼らの活動の是非にとっては関係のないことであり、確実に成果を生むことのできる使命に力を入れるべきであるといっても、耳は貸してもらえないだけで、努力を倍加すべき理由にされるだけであり、肉欲に克つことは倫理の問題であり、費用対効果を超えた絶対のものであり、もちろん、自らの目標をこれほど絶対視している社会的機関は、それほどはないのですが、企業の人事や製造部門のスタッフでさえ、自らの任務は善を行うことであり、費用効果を超えた絶対のものであると考える傾向があり、つまり社会的機関は、最適化ではなく最大化を目指すのです。

したがって、飢餓撲滅運動のリーダーは「地球上に飢えている子供が1人でもいるかぎり、われわれの使命は終わらない」とし、「現在の配給システムが到達しうる地域の子供たちの可能なかぎり多くが、発育不全にならないだけ食べられるようになれば、われわれの使命は終わる。」と言おうものなら、リーダーの地位を追われるだけであるのです。

目標が最大化にあったのでは、目標はけっして達成されることがなく、それどころか、達成に近づくほどいっそうの努力が求められるのは、目標の75パーセントあるいは80パーセントという最適値を超えるや、得られる成果は指数関数的に小さくなり、必要とされるコストは指数関数的に大きくなるからであり、こうして、社会的機関は目標の達成に近づくほど不満を感じ、よりいっそう力を入れることになり、しかも成果があがらなくとも、成果があがっているときと同じように行動するのです。

社会的機関は、その目標の成否にかかわらず、イノベーションや新しい事業を、自らの基本的な使命、存在、価値、信念に対する攻撃として受けとり、これがイノベーションにとって深刻な障害となり、これこそが、社会的機関におけるイノベーションが、なぜ既存の機関からではなく、ベンチャー的な機関から生まれるかの理由であり、その最もよい例が、おそらく労働組合であり、先進国では、今世紀最も成功した社会的組織は労働組合であり、それは明らかに所期の目的を達成し、先進国においてGNPに占める労働者の取り分が90パーセントにおよび、オランダをはじめとするいくつかの国においては、ほぼ100パーセントになっている今日、もはやより多くの取り分は残っていないのですが、今日、労働組合は、新しい挑戦、目標、貢献について検討することさえできず、彼らが行うことは、相も変わらず昔からのスローガンを繰り返し、昔ながらの闘いをするだけで、労働者の大義は絶対の善だからで、見直すことはもちろん、考えてみることさえしてはならないのです。

大学も、労働組合に次ぐ成功と成長を実現したために、労働組合と同じ状況にあり、社会的機関でも、成果を上げる必要性、重要性は企業の場合と変わらず、時代、時代に合った明確な目的がないと、社会的機関も世の中の荷物に成り下がるだけで、最近、国内で話題になっているNHKも社会的機関の一つであり、多くの国民から税金徴収と同じような形で、視聴料を集めているので、国民からの理解を得ることは欠かせず、社内においても、総務部門等は同じことが言えるのです。

◆いくつかの成功例

もちろん社会的機関のなかには、既成の大組織を含め、イノベーションを行っているものも多く、アメリカのあるカトリック司教区では、百貨店の元人事担当副社長などの既婚女性を事務長に任命するとともに、秘蹟(サクラメント)を除くあらゆる活動を一般信者に任せていて、その結果、全米の司教区が司祭不足に悩んでいるなかにあって、この司教区だけは司祭の数に余裕があり、秘蹟を充実させているのです。

科学団体のなかでも最も歴史のあるアメリカ科学振興協会は、1960年から80年にかけて自らの性格づけを変え、科学界のリーダーとしての地位を維持しつつ、国民的組織へと脱皮し、そして週刊の機関誌『サイエンス』を、科学政策に関する権威ある解説誌、素人にもわかる充実した大衆誌へと刷新したのです。

アメリカ西海岸のある大病院は、1965年頃、アメリカの医療制度がまさに医療の成功の結果、変化しつつあることを知り、ほかの都市部の病院が病院のチェーン化や外来診療センターの設立という趨勢に抵抗していたなかで、進んでイノベーションを行い、変化の先頭に立ち、アメリカではじめて宿泊中心の格安の妊産婦センターを設置し、外来の外科センターをつくり、マネジメント上のサービスを中心にして、地域の小病院をチェーン化したのです。

今世紀初めに創設され、数百万人の隊員を擁するアメリカのガールスカウトは、1975年頃から、隊員、活動、ボランティアの3本柱についてイノベーションを行い、黒人、アジア系、ラテン系の女の子たちの隊員を募集し、その結果、今日ではマイノリティの子供たちが、全隊員の5分の1を占めるにいたり、また、女性が専門職や経営管理者の地位に就くことが一般化したことを受けて、主婦や看護婦に加えてキャリアウーマンを役割モデルとすべきことを認識し、訓練プログラムの内容を変えたのです。

ガールスカウトは、自らの活動にとって決定的な制約要因であるボランティアの供給源だった専業主婦の母親の減少にも見舞われたのですが、社会進出した母親たちが一つの機会であり、彼女たちに提供しうるものがあることを知り、ボランティアとしての仕事を、働く母親たちにとって、自分の子供と楽しみつつ、その成長に手を貸すための魅力ある機会とし、さらには、まだ小さな自分の子供に十分な時間を割けない働く母親たちのために、就学前の女の子を隊員とするスカウトをつくり、こうしてガールスカウトは、隊員とボランティアを減少させるどころか増加させたのですが、その間、歴史があり資金的にも豊かで、規模も大きかったボーイスカウトは、低迷を続けていたのです。

以上のように、社会的機関も役割が明確である場合と、役割が明確でない場合では、結果がまったく異なり、役割分担、目的の明確化は欠かせないのと、企業と同じように、イノベーションの機会を探っていかないと、いつかは時代遅れになり、不要な存在になってしまい、弱体化するのです。

昨日は、中四国担当スタッフである高本さんの依頼で、広島の「太閤うどん」の新店舗用色紙を書きました。

毛筆で書こうと思って準備していたのですが、毛筆を会社に忘れてきたので、取り敢えず、太字のマジックインキで書きました。

後程、毛筆で書いた色紙と交換したいと思っています。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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