昨日は、同行している讃匠の武内常務と一緒に、ホテル近くにある、以前から香港に来たらよく訪ねたお粥の店、「糖朝」を行き、朝食と昼食を兼ねた食事を摂りました。
お粥と海老ワンタン麺、蒸しエビ餃子、エビの入ったスイーツと、「糖朝」の美味しい朝食メニューをいくつか取り、武内常務と一緒にシェアしました。
今回も「糖朝」に来て感じたのは、いつ食べても非常に美味しくて、ぶれない、高い品質です。
高いサービス力は求めることが出来ませんが、商品力は、いつ来ても安心感があり、香港が初めてだった武内常務も美味しさに驚いていました。
この一貫性のある美味しさは、この店の信頼性につながり、安心して自分自身も来店できるし、親しい友人を安心して、案内出来るのです。
レストランの信頼を高めるには、このような、一貫性のある、ぶれない、95点以上の品質を、日々安定して創り出す必要性があるのです。
午後からはお客さま訪問をして、夕食はお客様が香港での由緒ある高級ホテル「ペニンシュラ」の中華料理にご招待して戴きました。
「ペニンシュラ」は、87年前の1928年12月11日に開業し、当時の客室数は250室で、当時としては珍しく、全室にバスルームとトイレが付いていたのです。
香港のみならずアジアを代表する最高級ホテルの一つとしての地位を確立し、内外装のリニューアルが数回に渡り行われたが、手狭になったことや啓徳空港の閉 鎖を受けて尖沙咀地区の建設制限が緩和されたこともあり、1994年には新館となる30階建てのザ・ペニンシュラタワーが完成したのです。
香港を代表するランドマークの一つとしてその存在が世界的に有名な上、ビクトリア・ハーバーが見渡せる尖沙咀の中心地に位置することから、ショッピング・ アーケードやロビーには世界各国の観光客が数多く訪れる素晴らしいホテルで、こんなに、世界的に有名なホテルですが、私は、まだ一度も来たことがなかった のです。
レストランで注文した料理は、北京ダックから始まり、広東料理の味付けは、決して濃い、インパクトの強い味ではありませんが、深みのある、重厚な味付けでした。
どの食材も吟味され、中華料理としての完成度は高く、以前、日本の高級中華の店で食べた中華料理とはまったく別物の料理でした。
本物の料理とはこのようなモノだと、感じさせてくれる素晴らしい内容でした。
朝食の「糖朝」も、夕食のペニンシュラの中華も、本物のぶれない、一貫性のある料理であり、改めて香港の食の素晴らしさを教えられたような気がします。
夕食の後、宮殿の内部のようなホテル内にある珈琲ショップに移動し、お客さまと一緒に、世間話に花を咲かせました。
このお客さまは、当社の東京支店はしょっちゅう来られているのですが、本社には7年前に来られたままで、最近は来られていないので、ぜひ、今年は新しくなっている本社に来社されるようにお誘いしました。
日本から香港までは、片道4時間であり、たいへん親日的なエリアであり、私にとっては訪問しやすい場所でもあるのです。
今回は5年ぶりでしたが、今後は定期的に世界の食の進化の方向性を探るための定点観測地点として、スタッフにもぜひ、紹介したいと思っています。
先月訪問した、ロンドン、ドバイ、香港、シンガポール、オーストラリア等は、元イギリス領で、イギリス文化を色濃く残した場所でもあり、先月ロンドンに訪 問して気づいたように、イギリス人と日本人の資質の共通性があることからも、これらの国々には、親密さを感じるのではと思います。
これからも単に料理の研究だけではなく、深くその国自体を理解し、お互いのビジネスの成果が上がり易いような研究が欠かせないことに気づきました。
イギリス、ドイツ、スイスでも日本文化に近い国民性を感じ、世界を回っていると、世界のほとんどの国は、日本に対して好感を持っていることが分かります。
これからのグローバル時代はお互いの国民性を理解し、相手のパーソナリテイを理解しながら、お互いに「WIN=WIN」の関係が築けるような、ビジネスを進めていく必要があると思います。
今回訪問した香港は、メンタリテイが日本人に近い人が多い国であるのと、税率が低いので、日本人がビジネスをし易い国であると、改めて思いました。
私は、韓国から始めて、過去30年間にわたり、海外ビジネスに取り組んできました。
昔は何も分かっていなかったので、大きな失敗をしながらでしたが、少しづつノウハウも出来、スタッフたちにも恵まれ、徐々に失敗が減ってきています。
これからもスイスのように、日本にとって、海外ビジネスは欠かせない部分になると思います。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「成功する経営者の条件」です。
81.成功する経営者の条件
効果的な経営者の共通点は、ひたすらひとつの作業に集中する点にある。
彼らは最も大切なことのみを行い、そのことが完了するまで、他の事に目を向けないという集中力を持っている。
(解説)私の作った小冊子「失敗しない麺専門店の始め方」より、引用します。
「忘れてしまった大切なこと」
あなたは小学校の理科の実験で、虫めがねの様な拡大鏡で太陽光線を集めて、紙を燃やす実験を行ったことを覚えているだろうか。
太陽光線を虫めがねで集めて焦点を合わせて、しばらくすると紙に焦げ目がつき始め、やがて煙が出てついに発火する実験である。
少年の頃の好奇心をかきたてる面白い実験だからきっと覚えている筈だ。
これはたわいのない、理科の実験のように思えるが、我々に貴重な人生の生き方を教えてくれている。
もし、焦点を一点に集中させなければ、いつになっても発火しない。
光を集めるレンズを常に紙の同じ一点に集中させないで、あちこちにふらふら移動しているといつまで経っても発火しない。
発火するまではしばらくの忍耐を必要とする。
又、焦点が一点に集中しておらずに、ぼやけていたら多少温度は上がっても発火点には到達しない。
あなたが目指そうとしている麺専門店ビジネスも全く同様だ。
今まで多くの人達が麺専門店ビジネスを将来性の高い、可能性のあるビジネスとして、人生をかけて始めたが、正しいスポットに焦点を定めなかった為に、貴重なお金と大切な人生の時間を浪費した人達をたくさん見てきた。
或いはまだ失敗するまでに至らなくても、毎日のマンネリ化した退屈な商売に精根使い果たして、疲れ果てた人達が如何に多いことか・・・。
このように「麺専門店ビジネスにとって本当に大切なことは何か」を理解せずに始めた人達、或いは忙しい毎日の中で忘れ去った人達が沢山いる。
以上の虫眼鏡と太陽光の話は、集中することの大切さを、分かり易く説明するには非常に良い材料です。
私が意識せずに、集中力を発揮しているのは、うどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校の実技最終日の生徒さんの盛り付けの手直しと、経営講義での質疑応答の時間です。
どちらも、私にとっては、真剣勝負の時間です。
集中について深く思考していると、以下のビジネスの成果方程式とほぼ同じであることに気づきました。
「ビジネスの成果=責任×夢×情熱×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐力」
大きな責任が伴うほど、集中力は上がり、組織の最終責任者として重大な決断をしなければいけないときには、自然と集中力は高まるので、常に大きな責任を背負えば、背負うほど、集中力は上がるのです。
夢の大きさ、大きな目標設定も同様で、大きな夢を持てば持つほど、大きな障害が立ちはだかり、大きな努力を要するので、集中力は自然に高まります。
強い情熱を持つことが出来れば出来るほど、或いは、情熱が持てるようなことに取り組むほど、または、好きなことに取り組むことほど、集中力は高まり、成果は上がり易くなるのです。
例え苦手なことでも、打ち込むことにより情熱が生まれ、集中力が生まれるのです。
一貫性を持ち、毅然とした、強い意志力を持てば持つほど、集中力が高まるのは言うまでもありません。
成果を挙げるには、集中力の必要性は、言うまでもなく、多くの経験を重ね、経験が深まれば深まるほど、集中力も高まり易いのです。
直観力と集中力はお互いに似た関係にあり、直観力を働かせる上でも集中力は欠かせないのです。
上記の8要素の中で一番重要な忍耐力は、集中力を伴っていないと、忍耐力は発揮されないのです。
従って、成果を挙げるには、集中力は欠かせないのですが、私自身は自分では気づいていなかったのですが、麺学校で生徒さんの盛り付けを修正していたり、自分の盛り付けに没頭している時に、スタッフたちから指摘されるのが、集中力の強さです。
経営講義での、真剣勝負での質疑応答も集中力が発揮されていると思います。
私自身の体験から、このような集中力を発揮するようにするためには、上記の8要素は勿論ですが、それ以外に以下のような項目が大きな助けになっていると思います。
1.早朝の瞑想、散歩、筋トレ
(意志力を高めるには、最高の方法であり、良い習慣が身に付きます。特に瞑想は潜在意識に働きかけるので、非常に効果が大きいのです。)
2.十分で、良質な自然な睡眠
(目覚まし時計は常に一切使わずに、部屋のカーテンは開け、自然光が入るようにして、自然に目覚めるようにし、身体のリズム に合った睡眠を取る。最適な睡眠時間は人によって異なりますが、夜10時から早朝2時までのゴールデン・タイムの睡眠は外さないようにします。)
3.朝晩の入浴
(自宅では、晩だけですが、出張していると最低、朝晩の2回、或いは、3回湯船でリラックスし、心身をリラックスさせます)
4.食事の注意
(まず、食べ過ぎないことで、食べ過ぎが内臓の疲労を起こし、内臓疲労が疲労の中で一番大きな負担になります。十分な水分補給、酵素活性の 高いフルーツの摂取(朝食)、新鮮で、農薬の少ない野菜の摂取、必要最低限の良質なタンパク質、脂質、でんぷん質の摂取で、良質な食事の摂取は、コストが かかります。)
5.休憩
(人が何かに集中出来る時間は90分と言われています。90分ごとに休憩を入れると、集中力は戻ります。)
6.気分転換
(集中力が切れてきたのが分かったら、自分の好きな、モチベーションが上がることを行ないます。散歩、音楽、ストレッチ、姿勢を変える、何か好きな作業をする等です。)
7.自分自身とのポジテイブ・コミュニケーション
(自分自身の集中力が高い状態にあることをポジテイブな言葉で自分自身に語り掛けて、潜在意識の中から自分自身を変えていきます。)
8.価値観への注目
(自分自身の価値観の順序を確認し、本当にやりたいこと、やらなければいけないことを明確にあぶり出し、世の中の大きなトレンドと掛け合わせてみる。これがあいまいであると、間違ったことに集中していることになり、成果が上がらない。)
9.一貫性とぶれない心
(日々のあらゆる言動、行動を振り返りながら、ぶれていないこと、一貫性があるかどうかを常にチェックしてみる。自分では案外気づかずにぶれていることが往々にしてあるのです。)
この他にも集中力を挙げる方法はたくさんあり、普段から集中力を挙げることに取り組むことにより、人生の時間のロスが大幅に防ぐことが出来るのです。
画像は、昨日、「糖朝」で注文した海老ワンタン麺で、何も具材のない麺みたいに見えるのですが、実は、大きなプリプリした海老ワンタンを5個、麺の下に隠しているのです。
お粥の中にのシッカリと美味しい具材が隠れていました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。