本日も来客が多く、あちこちから、次々と来られました。
来客だけではなく、電話、会議、打ち合わせと、本社でいれば、休みなく業務が続きます。
本日も生徒さんからの質問の続きで、私の著書「トップになりたきゃ、競争するな」より、次は、「金儲けを目指さない店だけが繁盛する」より、引用しています。
(質問)P189:月商500万の売り上げに線引きがあるが、その根拠はどういうデータか。
(回答)これは、過去のたくさんの事例による、経験則です。
自分が店舗に入っている場合と、他人ばかりを雇って、運営している場合では店舗の利益構造が異なるのです。
自分が店舗に入っている場合は、200万円でも利益が出るかも知れませんが、人を雇った場合は、経費が余分にかかり、自分ほど、熱心に取り組んで貰えない限り、採算分岐点は高くなり、普通500万円程度の販売額が無ければ、利益の確保は難しいのです。
(質問)P191:お客様がまだ気づいていない問題を先回りするのがビジネス..は共感している。問題とはネガティブに捉えた内容であるが、見えていない「課題」を先読みする又は仮説から考えるというポジティブ思考も同様か。
(回答)これもP118の回答とほぼ同じで、お客さま自身が気付いていない問題というのは、お客さまのニーズであり、ニーズを解決すると、イノベーションが起こり易いのです。
私は、この部分がネガテイブ思考であるとは思わないのですが。
先読みと言うよりも、現実を深く追及することなのです。
お客さまが現在、困っている課題を解決するのです。
未来で困りそうな課題ではないのです。
(質問)P193:中高年の女性は、「話し相手は欲しい」という問題点は共感する。 一方、実例であるが、「私だけの特別感」を抱きやすく、他顧客への嫉妬感が強いことからトラブルやクレームに発展し対応に困る(その方が来店すると固定客 が帰りだす)という事業主がいたが、その場合の対処はどうすればよいか。
(回答)国内では、このような店の成功事例はそれほどありませんが、海外では当たり前で、良いレストランでは、女性客同士のそのような状態を見ることはありませんでした。
また、国内でも女性客で賑わっているスターバックス等を見ても、そのような様子を見たことはありません。
これは、女性に対する偏見ではないかと思います。
(質問)P202:絶対にライバル店と競争してはいけないとあり、共感します。逆にライバル店がひしめく競争地区に出店(いわゆるその地区では需要があると思われた地区)すれば、却って集客地区の中で「差別化」を強調した戦略がとれる考えられるか。
(回答)ライバルと競争しないということは、ライバル店がひしめく地区に出店しないということになります。
人が多く、需要が多いと思われても、ライバルの数が多いと、競争が激しくなり、結果、消耗戦になり、誰も儲からない市場になってしまうのです。
反対に、それほど、人が多くない場所であっても、ライバルがいなくて一人勝ち出来れば、楽なビジネスが出来るのです。
集中した地区で差別化しても、ライバルたちが真似てしまうと、差別化も薄れてしまいます。
(質問) P208:上質は高級とは意味が違うとあるが、上質を追求すると、顧客経験価値は上がるが、結局、価格転嫁へといってしまわないか。(それ以上の価値とお 客様が感じる方向を追求するのだが) 「教科書のP66その価格差を納得して払っているスターバックスの事例とも被ります。
(回答)上質はあくまで上質で、高級とは違い、誰でもその気になれば、払える金額です。
価格設定において、Willing to pay で、喜んで払って貰える一番高値設定が重要です。
要するに、お客さまに喜んで払って貰える極限の高値設定を行なうわけです。
昨年も、セブン・イレブンが100円コーヒーを始めましたが、同じ100円コーヒーのマック・カフェは影響が出たかも知れませんが、スターバックスには、影響が出ていないと思います。
これは、コンセプトが違い、お客さまが異なるのです。
(質問)P216:世界中に日本の美味しい麺文化を広めるとあり、その使命に共感します。
日本の麺文化が世界に羽ばたけば、世界にどういう結果をもたらすのか?想定しているならばご教授いただきたい。
(回答)アメリカは、コカコーラとハンバーガーでアメリカ文化を世界中に広めました。
その国の文化を広めるのに、食べ物を通して広めると、非常に広まり易いのです。
日本の素晴らしい文化を世界中に広める、例えば、謙虚、和の精神、おもてなしの精神等々、日本人が本来持っていた素晴らしい精神性を、美味しい麺文化と一緒に広めることにより、世界が良くなることに貢献することが出来ると思います。
(質問)以下「情熱」より、 P26:添加材のいらない美味しくて健康によい麺づくり。添加剤は、自然食材の成分による添加材は使用しても同様といえるか。
(回答)ここで言っている添加剤とは、防腐剤の意味で使っています。要するに身体に良くない可能性の高い材料を使わないという意味です。
(質問)P46:朝はネガティブなものに触れるのを避けるとあり同感ですが、新聞、ニュースを見ていないと昼営業した揚合、お客様とのコミュニケーションに不具合が生じないか。(藤井社長はいつ情報収集しているのでしょうか?)
(回答)今の時代は、周りにたくさん、情報があり過ぎる位にたくさん情報が氾濫しています。
ネットからも、常に新しい情報が収集出来ます。
日経新聞以外の新聞、朝のテレビ等でのネガテイブな情報を入れないことが大切です。
また、昼の営業で差し支えるような大切な情報は、ほとんどテレビとか、新聞にはないと思います。大切な情報は、人から伝わる情報です。
(質問)P108他:業界で初めて熟成の概念を取り入れた…、うどん麺以外でも熟成の概念を取り入れているのか。
(回答)熟成の概念はさまざまな食品、食品以外でも取り入れられています。パンの発酵、チーズ、味噌、牛肉、ハム、酒、タイヤ等の熟成があります。従って、熟成は広い分野で取り入れられているのです。
人の場合も年齢とともに、円熟したりするわけです。
ピーター・ドラッカーは、コンサルタントとしての私の最大の長所は無知になり、いくつかの質問をすることであるとか、コミュニケーションで最も大切なことは、相手の言わない本音の部分を聞くことである等、人生の達人そのものです。
そして、先進国における最大の問題は高齢化ではない、少子化のほうであると、説いていますが、私もその通りだと思います。
70.マネジメントとリーダーシップ
マネジメントは物事を正しく行う事で、リーダーシップとは正しい事をすることである。
71.良いコンサルタントの条件
コンサルタントとしての私の最大の長所は無知になり、いくつかの質問をすることである。
My greatest strength as a consultant is to be ignorant and ask a few questions.
72.コミュニケーションの極意
コミュニケーションで最も大切なことは、相手の言わない本音の部分を聞くことである。
The most important thing in communication is to hear what isn’t being said.
73.経済発展に必要なのは人
経済的発展において最大の資源となるのは人間である。
経済を発展させるのは、人間であって、資本や原料ではない。
74.効率と有効性
効率とは物事を正しく行うことで、有効性とは正しいことを行うことである。
75.管理職が指導力を発揮するには
管理者は、高潔な品性をもってこそ、指導力を発揮し、多くの人の模範となりうる。
76.アイデアを生む人間が企業には必要
企業はなによりも”アイデア”であり、アイデアを生むことのできるのは個々の人間だけである。
勇を鼓して自ら思考し、”既成観念”にあえてそむける人なくして、その企業の成長と繁栄は望めない。
77.高齢化より少子化の方が問題
21世紀の最大の不安定化要因は人口の構造変化である。
ただし、先進国における最大の問題は高齢化ではない。
少子化のほうである。
78.全力を尽くせ
全力を注がなければ、単に約束と希望があるだけで、計画はない。
79.現在やっていることを洗練させる
効率とは、現在既に行われている事をより洗練させることである。
80.まずは「学び方」を学べ
学ぶという事は一生続く、変化に遅れないようについていくためのプロセスだという事実を、私たちは今では受け入れている。
そして、最も緊急な課題は人々に学び方を教えることである。
81.より少ない努力で成功するには
自らに求めるものが少なければ、成長しない。
多くを自らに求めるなら、成長しない者と同程度の努力で巨人に成長できる
82.成功する経営者の条件
効果的な経営者の共通点は、ひたすらひとつの作業に集中する点にある。
彼らは最も大切なことのみを行い。
そのことが完了するまで、他の事に目を向けないという集中力を持っている。
83.純利益とは利益の蓄積ではなく、未来に発生するコストの留保
会計学者や経営者は「純利益」という言葉を使うが、企業経営ではそんな言葉を使ってはいけない。
「フューチャー・コスト(未来費用)」と呼ぶべきだ。
企業というのは、リスクを負うために失敗することもある、そのときのために未来のコストを留保してあるのであって、利益の蓄積ではないのだ。
84.現実とつじつまが合わないイノベーションを手掛けてはいけない
現実とつじつまが合わないイノベーションを手掛けてはいけない。
そのようなイノベーションが実を結ぶことは希である。
たんにその新奇さのゆえに、魅力的に見えることが少なくない。
しかし、それらの多くはたとえ失敗しなくとも、莫大な資金と時間を要する。
画像は、来社されたお客さまと一緒に食べた、オーガニックの昼食です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。