ラーメン・そば・うどん屋開業・繁盛店を目指す|名言集 17-4 ピーター・ドラッカー解説(自らの強みの分析)

スタッフと食べるキムチ鍋

昨日からドリーム・スタジオ名古屋では私のセミナーが始まり、熱心な参加者の方がたから、多くの質問を受けました。

今回もこのような経営セミナーを開催し、そして参加者からさまざまな質問を受けると、私自身が持っていた問題が明確になっていきます。

参加者の方がたと話し合っていると、今までもう一つ理解度が低かったものが、理解度が高まるのです。

特に、価値観と使命、コンセプトの関係が非常に明確になってきました。

そして、デザイン・フィロゾフィー(設計思想)と価値観の関係も明確になりました。

使命、デザイン・フィロゾフィーにおいても、価値観の順序が根底にあり、価値観の順序が明確になると、すべてが決まってくるのです。

従って、使命とか、コンセプトを明確にする過程がすべて、明確になってきました。

これも常時、経営講義とか、今回のようなセミナーを継続して開催しているお蔭です。

今回も多くの参加者がありましたが、もっと早く、当社の麺学校とか経営講義に御参加戴いたら、現在持っている課題を早く解決出来るのにと思えるような参加者が多数いました。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは、自らの強みの分析です。

9.自らの強みは案外わからないもの

誰でも自らの強みについてはよく分かっている。
だが、たいていは間違っている。
わかっているのはせいぜい弱みである。
それさえ間違っていることが多い。

(解説)誰でも、自らの強みについてはよくわかっていると思っているのですが、たいていは間違っていて、わかっているのは、せいぜい弱みであるのです。

そして分かっているはずの弱みさえ、間違っていることが多く、何事かを成し遂げるのは、強みによってのみであり、弱みによって何かを行うことはできないのは自明の通りなのです。

要するに、ドラッカーは、「知るのは強みだけで良い」と言っていて、そしてドラッカーは、以下の方法で自身の強みの分析をしていたのです。

「強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。
何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書き留めておく。
9か月後、一年後に、その期待と実際の結果を照合する。
私自身、これを50年続けている。そのたびに驚かされている。」

以上について、深い思考を繰り返してみると、ドラッカーですら、最初に何をするかを決め、何を期待するかを書きとめておいたことと、9か月後、1年後の照合の結果、その度に驚かされているということは、期待と結果が相反することが多かったのです。

ここで最近学んだ、サービス・プロフィット・チェーンの概念のインターナル・マーケテイングを当てはめてみると、自分自身の真の強みを知ることは、究極の インターナル・マーケテイングであり、ビジネスにおいて、最も重要でありながら、ほとんど人たちが出来ていないことであると気づきました。

先ず、マーケテイングには、エクスターナル・マーケテイング、即ち、お客様を対象にしたマーケテイング(一般的には、マーケテイングと言えば、ほとんどの 場合、これを指します)と社内の従業員を対象にしたインターナル・マーケテイングがあり、サービス・レベルを上げ、カスタマー・サテイスファクション、更 には、カスタマー・ロイヤルテイを勝ち取るには、エクスターナル・マーケテングよりもむしろ、インターナル・マーケテイングの方が重要であり、最優先事項 なのです。

カスタマー・サテイスファクションとカスタマー・ロイヤルテイの大本になるのが、従業員サテイスファクションであり、従業員ロイヤルテイであるのですが、 従業員一人ひとりのサテイスファクションとロイヤルテイを高めるために、インターナル・マーケテイングにより、従業員一人ひとりによって異なるニーズを理 解することが重要なのです。

そして、従業員一人ひとりのインターナル・マーケテイングにおいても、弱みではなく、強みの理解がインターナル・マーケテイングの一番の重要事項でなければならなかったのです。

外部のお客さまに対するエクスターナル・マーケテイングよりも、社内の従業員に対するインターナル・マーケテイングがもっと大切であったように、更にもっ と大切なことは、自分自身に対するインターナル・マーケテイングであり、ここでも、自分自身の強みの理解であったのです。

ここで、私自身の強みの理解を上記のフィード・バックを活用して行ってみます。

私のビジネスを振り返り、成果が上がったことだけを振り返ってみると、以下のようなエポック・メーキングな出来事があることが分かります。

1)製麺機ビジネスを始めるに当たり、製麺機ビジネスの本質を理解し、麺の基礎研究を行ない、うどん用製麺機「真打」を開発し、更に、麺の製造販売を行なう関連会社「讃匠」の創業に繋がった。(製麺機ビジネスの本質は、麺の美味しさであると理解した)
2)トップになる事を目指した
3)ビジネスを成功させるために、販売の大切さ、マーケテイングの大切さを理解出来たこと(最初、うどん用製麺機から始まり、九州地区での営業で、ラーメン用製麺機「リッチメン」を開発し、関東地区の営業で、蕎麦用製麺機「坂東太郎」を開発した)
4)ビジネスを成功させるために、マネッジメントの大切さを理解したこと(その後のドラッカー・マネッジメントの学習に繋がる)
5)使命(麺専門店繁盛支援会社)を明確にし、その結果、業界で初めての年中無休365日メンテナンスが始まった
6)麺の美味しさを極めるための、麺専用塩「46億年」の研究、開発、販売
7)うどん学校を開校して、多くの生徒に教えることを始め、その結果、デジタル・クッキングが生まれた
8)全国各地での展示会、イベントの開催を開始し、継続し続けた
9)新しい2つの使命(美味しい日本の麺文化を世界中に広める、人生の成功ストーリー販売会社)
10)ラーメン学校、蕎麦学校を開校し、その結果、デジタル・クッキングの概念が完成した
11)うどん学校、ラーメン学校、蕎麦学校の経営講義を通じて、経営講義の教科書が4冊出来上がり、マネッジメントの基礎が出来た
12)海外1ヶ所、国内8ヵ所のドリーム・スタジオの開設
13)北米市場向けの規格「UL」、「NSF」,ユーロ市場向けの規格「CE」を取得し、本格的な北米、ユーロ市場への輸出を始める

そして、気が付けば、10年前に念願であった、国内小型製麺機市場でのシエアトップになり、うどん用製麺機「真打」、ラーメン用製麺機「リッチメン」、蕎 麦用製麺機「坂東太郎」がいずれも業界トップになり、ベスト・セラーでありながら、ロング・セラー商品になったのです。

従って、私の強みを上げるとすると、次のようなものが考えられるのです。
1)諦めないこと、ネバー・ギブ・アップと一貫性
2)ものごとの本質を考え抜く力
3)着想、アイデア
4)デザイン、企画、構想、設計、もの作り
5)実行
6)集中力

私の強みとして、以上のような項目が見つかりました。

そして、これからもこれらの強みをさらに強化し、この強みを活かし、同時に、私と相互互換性のある、私に足りないものを持っている強いスタッフたちとタッグを組むことで、出来ないことを成し得ることが出来るのです。

但し、以上の強みは、ドラッカー博士が行なったように、更なる自己に対する継続した強みの分析が必要なのです。

今日は、今回の経営セミナーでも実例のあった負け戦について、触れてみます。

ビジネスモデル(負け戦)

店主にとって一番厳しい状態は、お店が儲かっていない状態で、その中でも更に厳しいのは毎月赤字が出ていて、お店にお金を入れている状態です。

他の事業をしていて余力があれば別ですが、大半はご自分も店に入り、一生懸命に働いているのに、それでも赤字で自分の給料も取れない状態で、更にお金を入れ足さなければいけない状態になることがあります。

しかし、往々にしてその店主たちは大変まじめな人達が多く見受けられ、成功の可能性の非常に低い場所で、成功の可能性の非常に低い方法で店舗をやっている場合が大半です。

例えば、セルフのうどん店の場合は郊外で開業すれば、席数は80席、都心であれば、50席確保できないと難しく、郊外の場合、駐車場台数は、最低でも席数の6割から7割は必要です。

ところが、失敗する大抵の方はこのことを知らないで始め、例えば、30席の郊外型のセルフを作ってみたりします。

セルフの場合は、客単価が低いので、席数が充分でないと、売上が上がらないのです。

しかし、時々は飛び切り有能な人がいて、そのような店舗でも成功させる人がいますが、その様な事例は大変稀な事例で、大抵の平凡な人達にとっては至難の技です。

まして素人の新規開業は、人、モノ、カネに、さまざまなハンデイキャップを背負っているので、私は普通の人が普通にやって成功し易い店作りをお勧めします。

以上はセルフ店ですが、次は、フルサービス店の話で、10年前位から田舎で、つけ麺の店をやっているが、なかなかうまくいかないので、今の状況を変えたいと思い、思い切って麺学校の経営講義に参加した方の事例です。

この方がつけ麺の店をやっている目的は、家族を幸せにすることで、起業するに当たっては誰も人を雇わないで、一人で店を切り盛りする事を前提に開業したので、田舎であるにも関わらず、10席しかない店をやっていたのです。

何故、人を雇わないで1人でやるのかといえば、人を雇うとコストがかかるので雇わない様に決めたとのことでした。

その結果、10席の店ですが1人でやっているので、平日は客数が少なく、問題なくこなせているのですが、土日の昼間は平日よりもお客様が多いために、間に合わなくて大変だそうです。

その様な状態で無理して1人でやっている為に、売上が全然上がっておらず、経営的に厳しい状態が続いています。

田舎の場合、都会と違って食事の時間帯が限られているので、席数を十分確保していないと売上が上がらず、麺専門店の売上は席数で決まるのです。

最近、都心型のラーメン店では、9席程度で1日40回転もして、非常に高い売上を上げている店があります。

これは、あくまで都会の話しで、都会では朝から晩まで、人が沢山いて、決まった食事時間帯以外でもお客様は沢山いるので、朝から深夜まで行列を作ることは可能です。

ところが田舎は状態が全然違い、平日は昼食時間が限られているので、客席が十分ないと田舎では売り上げが上がりません。

土日は家族客が多く、多い家族連れの場合、10人位の大人数で来る場合もあるので、10席の店では家族客を収容するのは難しく、最低でも40席は必要で、出来れば50席以上が望ましいのです。

この方の場合は1人での営業にこだわり過ぎて、売上を上げることが出来ず、結果、家族を幸せに出来ていないのです。

何が最終目的であるのかを明確にして、それを達成するために必要なことは、自分にとって苦手なことであっても、妥協しないで実行することです。

麺学校の経営講義を行なっていると、1人での開業にこだわる人が時々います。

1人での営業にこだわる理由は、人件費が惜しいとか、人を使うのは面倒だから、使いたくないという理由が多いのです。

ビジネスを始めれば、多くの人達の助けがあって初めて成功するのであって、1人で出来る事は限界があります

人を使う事に慣れていない人もいますが、人を使うことにより、自分が成長することが出来、多くの人を使うことによって、更に成長する事が出来ます。

だから、人を使うこと自分自身の成長を高めるためにも大切なので、多くの人を使うことは日本の雇用を生み、日本を少しでも経済的に豊かにすることに影響を及ぼしています。

「ビジネスの秘訣は先に与えること」で、自分の目先の損得勘定を優先せずに、お客様に最高の心地良さ、お客様の問題解決に焦点を当てるべきなのです。

自分の問題に絶対に先に焦点を当てるべきではないのです。

このことは、初めてビジネスを始める人達には、なかなか理解して貰えないのですが、これを理解しないと、ビジネスは上手くいかないのです。

そして、絶対に負け戦はやらないことです。

ローカルで勝ち戦を仕掛けるなら、十分な規模(席数)が勝つための方程式になります。(都会では、全体の客数が非常に多いので、昼食時以外でもお客さまが見込めるが、ローカルでは昼の一刻しか、お客さまが来店しないので、十分な席数がないと、売上が上がらない)

特にローカルではほとんどのお客様は、自動車で来るので、広い十分な駐車場は勝ち戦の絶対条件です。

麺業界を見渡してみると、田舎でありながら規模が小さく、駐車場の足りない店を開店する方が後を絶ちません。

これは、明らかに初めから、負け戦に臨むようなもので、大きくても小さくても、経営する以上、勝ち戦を仕掛け、勝ち続けることで人生の風景が変わります。

予算が十分にないのであれば、その予算に合った戦い方が必要で、勝ち戦をやろうと思うと、今までの常識に従って、他人がやっているのと同じことをやったのでは到底、勝ち戦になりません。

例えば、戦国時代に非力であった織田信長が桶狭間の戦いで、大軍を率いた今川義元勢に大勝利しました。

当然、非力であった織田信長が敗戦すると、その当時、誰でも思っていたはずです。

今川義元も大軍を率いていたので、まさか、自分が織田信長に負けるとは夢にも思っていなかったはずです。

これも、練りに練った戦略の結果で、資金等の経営資源が少ないときは練りに練った戦略が重要です。

これは戦国時代の戦において有効なだけではなく、ビジネスの勝敗においても、全く同様のことが言えます。

経営資源が十分な時もそうでない時も、練りに練った戦略は大切です。

使命を明確にしたり、コンセプトを明確にする作業は、お金をかけない時こそ、更に重要になってくる。

お金をかけて、大きな規模の店舗を作る場合は、その規模自体が十分に戦略の差になってきます。

戦略を持たないで、他店と同じようなことをやっている、殆どの個人開業者は、立ち上げた時点で、「負け」が約束されているようなものです。

最初から負け戦をしている事例としては、駐車場の重要性を理解していない場合があります。

郊外型で、自動車で来なければ、来れない店なのに、駐車場の足りない店がほとんどです。

幾ら席数が充分あっても、駐車場台数が足りないと、お客さまは来店することが出来ないのです。

まさに闘う前から、負け戦に臨んでいるようなもので、反対に席数が少なくても、駐車場が充分あれば、一旦駐車したお客さまは、並んで待ってくれるのです。

料理の品質はそれほどでもないのに、駐車場がシッカリあって、成功している店があり、駐車場が何台必要であるかは、商圏分析をすれば簡単に分かります。

他に負け戦をしている事例は以下の通りです。

1.95点以上の高いレベルの商品、サービスではなく、60点~80点レベルの商品、サービスで妥協し、満足している。
2.品質に満足出来ない商品が出来ても、平気で提供してしまう。
3.お客さまからのクレームに敏感に反応しない。
4.同業者、異業種の素晴らしい点を理解し、取り入れようとしない。
5.お客さまの問題解決よりも、自店、自分の問題解決を優先している。
6.お客さまの満足度よりも、コストを優先している。
7.衛生に注意していない、店がきれいでない。
8.雇ってはいけない従業員を雇っている。
9.自分自身と従業員のレベルを上げ続けていない。
10.業界の進化、世の中の進化の速さを理解しておらず、常に、去年と同じことをやっている。

ビジネスの失敗方程式を表すと、以下のようになるのではないでしょうか。

1.安心領域に安住し、チャレンジしない
2.お客さまの問題解決に焦点を当て、真剣に取り組んでいない
3.お客さまの価値創造に取り組んでいない
4.顧客満足度を最高に上げ続けることに取り組んでいない
5.自分自身、社員、スタッフのレベルを上げ続けていない
6.提供する商品、サービスのレベルを上げ続けていない
7.イノベーションを起こし続けていない
8.業界の変化、社会の変化を理解し、対応していない
9.リスクを避け、リスクを進んで取ろうとしていない
10.ライバル等の真似をしようとする

画像はドリーム・スタジオ名古屋でのスタッフたちの昼食で、賄い食です。

藤澤常務が今日は、キムチ鍋を作ってくれ、篠原さんが美味しそうに食べていますが、今日の昼食は本当に美味しかったです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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