ラーメン・そば・うどん屋開業・繁盛店を目指す|名言集 17-11 ピーター・ドラッカー解説(トップは常に孤独)

ラーメン学校の生徒さんの作品事例

昨日は、合計5軒の麺学校の生徒さんとお客さま訪問を行ないました。

その中で、非常に上手くいっている店とそうでない店がありましたが、上手くいっていない店は、うどん学校の生徒さんの1軒だけですがありました。

この生徒さんは、既に別の事業を行なっていて、新規事業でうどん店を開店したのですが、昨日訪問してみると、営講義で教えたことをほとんど実行していないのです。

但し、麺とかだしの品質自体は問題なく、美味しいのですが、その地方の事情と商品が合っていないのです。

また、日本は今年も寒い冬を迎えていますが、冬に合った商品になっていないのです。

おまけに価格の安い商品をたくさん出して、そのような客をたくさん集めているので、客単価が非常に低く、そのために良いお客さまを集めることが出来ていないのです。

そして、こんな状態でやっているのであれば、早く相談してくれればと思うような状態でした。

じっくり落ち着いて考えてみると分かる問題点ですが、思考不足で、経営者の意識の問題も見えました。

いつも客先訪問していて感じるのは、ほとんどの上手くいっていない生徒さんの場合、学校で教えたことをやっていないし、基本的なことを理解していなかったり、周りのいろんな人たちに言われて、妥協してしまっているのです。

反対に上手くいっている店、最初に訪問した店等も、昼のピークの時間を過ぎても女性客が多くいて、賑わっていました

メニューを見ても、女性客を狙っていることがよく分かり、客単価も高めです。

4軒目に訪問した店も、カフェの様な佇まいのうどん店で、女性客を意識したメニュー構成でした。

やはり、女性とシニアを意識し、客単価は高めな店が、今は上手くいっている様です。

こういった内容は、常に麺学校の経営講義でお伝えしています。
是非麺店だけでなく、特に飲食店経営をされている方には聞いていただきたいと思います。

⇒ 経営ノウハウ講義の詳しい内容ははこちらから見られます。


本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「トップは常に孤独」です。

17.トップは常に孤独

決断の場面においては、トップは常に孤独である。

(解説)以前に掲載したセコム創業者、飯田亮(いいだ・まこと)氏の名言集から、上記に関する話を拾ってきました。

「9.部下が全員反対したことをやり、全員賛成した案件は考えなおす。
私は決して物わかりのいいタイプではありません。
会議で私が提案したことを部下が全員反対したら、よし、やってやろうと考えます。
逆に、部下が全員賛成した案件については、ちょっと待てよと思ってしまいます。
部下の意見におもねることはしないから、物わかりのいい上司ではありません。」

一見、天邪鬼のように聞こえますが、経営者の思考並びに決断は、この様に、非常に厳しいものです。

幾ら部下が反対しようと、これは良いと思ったことは、命懸けで実行しなければいけないし、そうでないと、経営者の存在価値はないのです。

「13.上司が物わかりの悪いタイプの方が、部下が育つ
思うのですが、物わかりのいい上司の下では部下は育たないんじゃないか。
部下は頑固な上司を説得することで自分の力をつけるんだ
上司に持つのなら物わかりの悪いタイプがいいのです。」

思い返せば、私が一番成長したと思えるのは、川崎重工、航空機事業部の機器課で、厳しい上司に仕えた時で、何ごとも簡単に許可を下さないのです。

最初は、徹底的にいじめ抜かれているような気になりましたが、これにはたいへん鍛えられました。

今日、何とか仕事が出来ているのも、この時に徹底的に鍛えられたお蔭だと、感謝しています。

「22.自分の中の弱い自分に打ち勝ち決断する(主力の巡回警備から、まだ契約数の少ない機械警備に全面的にシフトすると決めたときを振り返っての発言)
私自身の中でも「巡回警備で十分儲かっている。
何もリスクを負わなくても」と、もう一人の弱い私がささやくのです。
両者を併用する安全策を取ってもいいじゃないか。
しかし、逃げ道を作っていたのではもう一段上には上がれない。
弱いもう一人の自分をいかに追い払うか。
このときは事業を大きくしようという欲が、ビジョンとロジックを与えてくれ、その結果、弱い自分に勝つことができました。」

これは、セコムが人手による警備で十分に儲かり始めた時(安心領域)から、安心領域から出て、まだ成功するかどうかの保証のない機械警備に移行する決定を下した時のことです。

安心領域から逸脱する決断は、経営者にとってたいへん厳しい決断ですが、この決断があったからこそ、今日のセコムが存在するのです。

経営者は、現在が既に安心領域でいるとすると、安心領域に留まらないで、安心領域から逸脱し、上位の安心領域を求め、そこにたどり着いたら、更に上位の安心領域を目指し続けることが必至なのです。

これの一番大きな抵抗は、安心領域から出たくない、社内の抵抗で、経営者は常に孤独なのです。

「24.会社は潰れるからこそ緊迫感を持って経営できる
企業は潰れるからいいんだと思う。
経営に失敗しても救済されるというのでは、緊迫感がない。」

会社経営は、常にこのような緊迫感を伴っているものですが、安心領域にどっぷり浸かると、忘れてしまうのです。

飯田さんは、会社が潰れることをたいへん肯定的に捉えているのです。

「27.経営者にとって最も避けるべきこと
経営のトップにある者が最も嫌うべきことは「逡巡」ではあるまいか。
決すべきことを決せないで逡巡し、一日延ばしにすれば、そのツケは後輩に回って、結局は経営を危うくしかねない。」

これは、現在の日本を見ればよく分かります。

現在の日本が背負っている莫大な借金は、今までの政治家の難しい決定を先延ばしにしてきた、逡巡の結果なのです

難しい決定ほど、絶対に先延ばしにしてはいけないのであり、因みにドラッカー・マネッジメントにおける意思決定のステップは次の通りです。

1.意思決定する必要があるかどうかを判断する
【外科医が決定の必要性を見極めるための3つのルール】
①自然治癒や症状の緩和が見込めるときは、定期的な診察と検査のみを行い、切開手術はしない。(意思決定が不要な場合)
②症状が進行していて、患者の生命が脅かされているときは、速やかに可能な限りの処置を施す。
③自然治癒は期待できないが、生命が脅かされているほどでもないときは、回復の見込みとリスクを比較検討し、手術するかどうかを決定しなければならない。

2.問題を分類する
 ①個々の問題は、それの単なる徴候にすぎないところの真に一般的な問題
 ②その組織にとっては特殊の問題でありながら、実際には一般的な問題であるという問題
 ③真に例外的な問題、特殊な問題
 ④特殊なように見えるが、これから一般的になっていく問題
→「一般的」な問題の場合は、ルール、方針、原則、制度で問題を解決することが出来る。

以上の様に、ほとんどの問題は一般的な問題で、それらはデイズニーの行動指針(SCSE)のようなルールを決めておけば解決をするのです。

3.問題の本質を見極める
本当の問題を見つけ、それを明らかにする。
この段階では、いくら時間をかけてもかけすぎるということはない。
問題の本質は、大抵、見かけとまったく異なると仮定すべきである。
問題が正しく捉えられているかどうかを確認する一つの方法は、「把握した問題」と「観察可能な事実」と突き合わせて検討すること。
把握した問題が事実をすべて説明していないなら、問題の捉え方がまだ不十分か、さもなければ見当はずれ。

4.意思決定が満たすべき要件を明確にする
「その意思決定の目的は何か」「達成すべき最低限の目標は何か」「満足させるべき要件は何か」を明らかにする。
満たすべき要件を満足させるうえで何が正しいかを知らないならば、正しい妥協と間違った妥協を見分けることができない。
その結果、間違った妥協をしてしまう。

5.決定に対する周囲の賛同を得る
意思決定のプロセスに、周囲の同意を得るという手順を組み込んでおく。
実行に当たるべき人たちが、意思決定のプロセスに、責任をもって参画していなければならない。

6.複数の解決案の作成
意見の不一致を活用する。
意思決定は、相反する意見の衝突、異なる視点の対話、異なる判断の間の選択があって、初めてよく行いうる。

7.最善の解決策の選択
リスク、経済性、タイミング、人的制約を考慮して決定する。

8.行動を決定に組み込む
決定を行動に移すには、「この決定を知っていなくてはならないのは誰か」「この意思決定において必要な行動は何か」「誰がどのような責任を持つのか」「いつまでに実行するのか」「どのような行動なら担当者の手に負えるだろうか」「評価の基準をどのように変えるべきか」等々を考える必要がある。

9.意思決定の成果を検証する
決定が遂行されている間は、9ヶ月後から1年ごとに、実際の結果と期待していた結果を比較して、フィードバックを続ける必要がある。

更に、ドラッカーは名言集の中で、「事業の成功に必要なのは決断で、誰かが勇気ある決断をしなければ、どんな事業も成功しないだろう。」と述べています。

そして、この勇気ある決断とは、ほとんどの場合、現在の安心領域を逸脱しなければいけないので、ほとんどのスタッフは反対するのです。

私もそのような体験はいくつもありますが、そのうちの一つが最初の使命「麺専門店繁盛支援会社」を明確にしたことでした。

以下は、私の著書「儲けを目指さない店が繁盛する」よりの引用です。

・・・すると、同じ機械を使っていても、期待どおりとても繁盛しているお店もあれば、客入りが悪く閉店に追い込まれるお店もあることがわかりました。
納入業者として、閉店に追い込まれていくお店を見ることほど、辛いことはありません。
何とか頑張ってほしいとは思うものの、本音を言えば、納入先を心配している余裕などありません。
手をこまねいていれば、こちらも倒産の憂き目に遭うかもしれないので、納入先の心配ばかりしていたら、身の程知らずと言われてしまいます。
「お客さまのお店、そして自分の会社ともども、発展・成長する道はないものか。お互いに喜びを分かち合えたら、素晴らしいんだけど……」
そんなことを考えているうちに、心境が少しずつ変化してきました。
「私のやっていることは、どうも違う、本当にやるべきことはほかにあるのではないか……」 そう、思い至ったのです。

そんな思いを抱いて仕事をしているとき、ある衝撃的な言葉を教えてくれた方がいました。
当時はちょうど、コンビニエンスストアのセブン・イレブンが、破竹の勢いでマーケットを席巻していた頃です。
そのセブン・イレブンは、経営が傾きかけた酒屋さんのような生業店をコンビニエンスに変えることで生き返らせている。
つまり、「生業店支援会社」がセブン・イレブンの使命だというのです。
これを聞いたとき、私の悩みが一気に解決しました。
当社がこれからやらなければいけないことは、製麺機の開発や製造販売ではない。〝麺専門店繁盛支援業〟だ、と。
それからは、「当社は麺専門店繁盛支援会社である。当社の使命は麺専門店を支援することだ」と、社内で言い続けました。当然、スタッフたちは戸惑い、「社長がわけのわからないことを言い出した」と思っていたはずです。
しかし、スタッフたちがどう思おうと、私は言い続けました。
すると不思議なもので、当社がやっていることで、使命に沿っていないことがいくつもあることに気が付きました。
その一つがメンテナンスです。
むろん、それまでもメンテナンス・サービスは行なっていました。
しかし、日曜と祝祭日はお休みで、年中無休365日のメンテナンスではありません。
それは当社にかぎらず、全国の製麺機メーカーどこも同じでした。
しかし、機械は日曜祝日を避けて故障するわけではないのですから、こちらの都合でメンテナンスを休みにするというのは、ちょっとおかしい。
「日曜祝祭日もやってほしい」、と思っているお店はいっぱいあるはずだ。
「そうだ! 年中無休のメンテナンス・サービスを開始しよう」
私は即座に、スタッフに提案しました。
それに対する反応は、全員揃って「ノー」でした。
社員にとっては負担が増すだけの話なのですから、反対して当然です。
しかし私は説得を続けました。
最終的に半ば無理やり、年中無休のメンテナンス・サービスをスタートさせました。
同調しなかった何人かの社員が会社を去っていったのは残念でしたが、それは使命感の違い。
これ以上の説得は無理、と割り切るほかありませんでした
こうして、業界初の365日メンテナンス・サービスがスタートしたわけですが、ほどなくして思いもよらない現象が起きてきました。
前述したように、機械は曜日を選ばず故障し、もちろん元旦でも、故障することがありますので、そのような日に故障されたら本当に大変です。
お店の人は、すぐに修理依頼の電話をかけますが、かけたところで出るはずないと思いながら、電話をかけるのです

ところが、思いがけず電話がつながり、すぐに来てくれると、これに感激しない人はいませんし、また、修理に向かった当社スタッフも、これ以上ない感謝の言葉を掛けていただけるのですから、モチベーションは黙っていても上がります。「ああ、喜んでもらえた。お客さまのお役に立てた。自分は素晴らしいことをやっているんだ」

こういうことを地道に繰り返していくうち、お客さまの信頼が徐々に増し、これまで小型製麺機市場でずっと業界2位に甘んじていたのが、いつしか当社がトップメーカーになっていたのは、おそらく、お客さまの信頼が増した結果に違いありません。

以上の様に、経営者は常に難しい決断の連続ですから、そのために経営者は存在しているのです。

画像は、ラーメン学校の生徒さんの作品事例です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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