うどん・ラーメン・そば屋開業・繁盛店を目指す|名言集17-29 ピーター・ドラッカー解説(変化に即応するためには高度な分権化が必須)

蕎麦学校の生徒さんの作品

昨日で、今年最後の経営講義が終了しましたが、今年の最後を飾るに相応しい、活発で、たいへん楽しい経営講義でした。

今回は9月のラーメン学校の生徒さん3名が、経営講義が中止になったために今月御参加戴いたのですが、中止になったために、代わりに経営講義のDVDを送り、内容を見た上で参加して戴いたので、活発な質問がありました

以上の結果より、来年以降の生徒さん全員には過去の経営講義のDVDを送り、事前に経営講義の様子を理解してから参加して貰おうと思っております。

昨日の経営講義では、事業計画書の作成の折りに、席数の違いで、大きな利益の差(10倍くらい)になることが分かりました。

大きいお金の絡んだ問題であったので、生徒さんたちは熱心に聞いていました。

経営講義の折に大切な話をたくさんするのですが、生徒さんたちには余りピンと来ていない場合が多いので、今後はすべてお金に絡めて話をすると、もっと分かり易いのではと思いました。

本当はやりたくないのですが、使命も、コンセプトもお金に絡めて話してみると今までピンと来ていない生徒さんたちにとっても、面白い結果が出るかも知れません。

価値観を明確にして、使命を明確にすることにより、それが売上数字にどのように反映されるのかが明確になると、もっと生徒さんたちは、眼の色を変えて価値観とか、使命について真剣に考えるのではと思います。

商品力、サービス力の源が使命であり、コンセプトであるので、商品力とか、サービス力を高めようとしても、どのように高めるのかが明確でないと上手くいく訳はないのです。

そして、価値観、使命、コンセプト、顧客の選定、商品力、サービス力等が、売上と利益に影響する影響度を明確にし、売上と利益が計算できるようになれば、面白い結果が得られるはずです。

来年以降の経営講義では、さまざまな工夫をしようと思っています。

現在の経営講義の教科書「ラーメン・うどん・蕎麦店の教科書」は3年前に発刊し、3年間経営講義の教科書として使ってきたのですが、3年の間に経営講義の内容が相当進化したので、内容が講義内容とは、そぐわなくなってきたのです。

現在の経営講義の内容に合わせて、進化させた内容の改訂版が、3月には完成する予定です。

しかし、改訂した途端にまた新しい内容が加わり、だんだん内容が古くなっていくのです。

このように、私は自分の教えている内容をどんどん新しくしていくのが好きで、以前と同じことを繰り返して話すのは苦痛なのです。

だから、最近の生徒さんほど、難しい内容を理解しなければいけないようになっているのです。

これは一見厳しいように見えますが、現在の日本のビジネス環境が、ますます厳しくなっているので、当然のことであると思います。

従って、ITビジネスにしろ、うどん店ビジネスにしろ、どんなビジネスにしろ、独立起業することは、20年前、30年前よりは、はるかに難しくなっているのです。

しかし、ほとんどの新規開業者はそのことを理解していないのです。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「変化に即応するためには高度な分権化が必須」です。

35.変化に即応するためには高度な分権化が必須

組織は変化に対応するために高度に分権化する必要がある。
意思決定を迅速に行わなければならないからである。
その意思決定は、成果と市場に密着し、技術に密着し、さらにイノベーションの機会として利用すべき社会、環境、人口構造、知識の変化に密着して行わなければならない。

(解説)これも既に、ビジネスの主体になっているが、生産性の向上が遅れている知識労働者の生産性を飛躍的にあげるための考え方なのです。

当社を振り返ってみても、生産部門に携わるスタッフの数は、ここ20年近くほとんど増えていないのですが、サービス部門に携わる人員の数は大幅に増えているのです。

そして、売上の伸び以上にサービス部門の人員数は増えていて、これは多分、当社だけの課題ではなく、多くの日本企業の課題ではないかと思います。

従って、これからはサービス部門の知識労働者の生産性向上が企業の業績向上の大きなカギを握っていて、それには現在の問題を抱えている企業の実態を理解することが重要なのです。

以上を説明する上で重要な前提になるのが、分散化する知識労働者の仕事であり、これについてドラッカーは次のように説明を加えているのです。

分散化する知識労働者の仕事

「肉体労働では、人は一時に1つの仕事しかしない。テイラーの研究対象となった肉体労働者は砂をすくったが、同時に、炉に燃料を入れることはなかった。メ イヨーが研究した配線室の女性たちは、ハンダ付けを行ったが、出来上がった電話機のテストを行うことはなかった。トウモロコシを植え付けているアイオワの 農民が、仕事の合間にトラクターを降りて会議に参加することもない。」

「(知識労働においても、集中の必要が知られていないわけではない。外科医は手術室で電話に出ることはないし、弁護士も、依頼人の相談中に電話に出ることはない。)」

「ところが今日、知識労働者の仕事はますます分散しつつある。もし本社ビルの最高層部にいるのであれば、集中するということもたまにはできるかもしれない が、そうしてみようという経営トップもほとんどいない。今日、技術者、教師、販売員、看護婦、現場の経営管理者など、知識労働を実際に組織で行っている人 たちは、仕事や給与にはほとんど関係がなく、かつ、ほとんど意味のない余分の仕事を課せられて、忙しさを着実に増大させている。」

「(最悪のケースが、アメリカの病院における看護師である。看護師不足についてはいろいろと言われている。しかし、どうして看護師不足などということが起 こりに得るのか。看護学校を卒業し、看護師という職業につく人たちは増えている。同時に、入院患者は急速に減りつつある。こうした矛盾が生じるのは、次の ような理由からである。」

「看護師たちは、看護学校で学んだこと、給与を支払われている本来の仕事、つまり看護のための時間の半分しか使っていない。時間の半分は、看護師としての 技能や知識を要しない医療的にも経済的にも価値のないこと、患者の世話や患者の満足とは関係のないことに使わされている。いうまでもなく、メディケア(高 齢者向け政府医療保障)、メディケイド(身障者、低所得者向け政府医療援助)、医療保険、医療過誤訴訟防止策などのために、膨れ上がる一方のペーパーワー クがそれである。」

「高等教育機関の状況もさして変わらない。あらゆる調査が、大学の教員は、授業、学生指導、研究よりも委員会の類に多くの時間を費やしていることを示して いる。それら委員会のうち、絶対に出席しなければならないものなどほとんどない。かえって、委員を7人ではなく3人にすれば、よりよい仕事をより少ない時 間で行うことができる。)」

「店員の仕事も多岐にわたる。デパートでは店員が書類にかかりきりになっている。客と話をし、サービスをする時間がない。おそらくこれが、売り上げと収益 を生み出すべき店員の生産性を確実に低下させている原因である。営業所の所長たちは、時間の3分の1を客に電話するよりも諸々のレポートの作成に使わされ ている。技術者は、ワークステーションに向かっているべき時間に、会議に出させられている。」

「知識労働者の仕事は、充実するどころか不毛化している。当然、生産性は破壊される。動機づけも士気も損なわれる。看護師の意識調査を見ても、自分が看護 の世界でしようと思ったこと、そのために訓練を受けてきたことができないことにいらだっている。当然のこととして、「仕事に見合う給与が支払われていな い」と感じている。他方、これまた当然のこととして、病院の方は、彼ら、彼女らが行っている事務の仕事に対し、給与を払わされすぎていると感じている。」

「対策は、いたって簡単である。すでにいくつかの病院では、電話に答えたり、花を活けたりする病棟職員にペーパーワークを回している。とたんに、看護師に 余裕がうまれ、看護に費やす時間も急激に増えた。それらの病院では、看護師の数を4分の1削減し、人件費を増やすことなく給料を引き上げることができたと いう。」

「この種のことを実現するには、知識労働のそれぞれについて、「何のために給与を払うか」「この仕事には、どのような価値を付加すべきか」を考えればよい。答えは、必ずしも明白ではなく、議論の余地もありうる。」

「(あるデパートでは、定員の仕事は「売ること」という答えを出した。ところが、場所も客層も同じような別のデパートでは、「客にサービスすること」とい う答えを出した。答えの違いによって、売り場の仕事をどう変えるかは異なった。しかしいずれの場合も、フロア当たり、一人当たりの売り上げは急速かつ実質 的に増大した。生産性と収益性が伸びた。)」『プロフェッショナルの条件(P・ドラッカー)』より

ビジネスが複雑化するにつれて、スタッフたちの仕事も複雑化しているのです。

以前は、電話の受付の女性は、お客さまの電話を受け付けて、それを担当者に引き継ぐのが仕事であった時代があります。

しかし、現在は担当スタッフが直接に電話を受け、お客さまの用件を確認し、自分で処理をしているのです。

自分で製麺機を使って、麺サンプルを作ったりします

要するに、一人のスタッフが複雑な多くの仕事を処理するようになっているのです。

そうすることにより、お客さまのニーズをたらい回しにせずに、ワンストップで処理でき、お客さまにとっては、たいへん便利なのです。

しかし、これも度が過ぎると、一人ひとりの担当者が、雑用も含めて、多くの仕事をこなす必要があり、生産性が落ちてしまうのです。

従って、生産性を上げるために、本当に担当者がやらなければいけない仕事と誰か専門家に任せたら良い仕事を明確に分類し、分権化すべき仕事は分けるべきなのです。

これには、高度な判断が伴います。

その場合の判断基準が、生産性を手っ取り早く向上させる3つの質問で、知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、以下の3つです。

1. 何が目的か。
2. 何を実現しようとしているか。
3. なぜそれを行うか。

手っ取り早く、しかも、おそらく最も効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義しなおすことであり、行う必要のない仕事をやめることであったのです。

画像は、先週の蕎麦学校の生徒さんの作品事例です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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