本日は讃匠の年内業務に最終日であり、讃匠の会議が夕方から始まります。
私は相変わらず、経営講義の教科書「ラーメン、うどん、蕎麦店の教科書」の改訂版の仕上げに取り組んでいます。
出来るだけ、最高の作品に仕上げたいと思って取り組んでいると、一部分の修正であっても、思考のための時間がかなりかかるし、私自身の復習になります。
昨日も、TOC理論について、再度取り組んでいると、世界中でTOC理論の進化を進めている熱心な人たちがいることが分かりました。
私が熱心にTOC理論を学んだ5,6年前は、TOC理論は主に製造分野には素晴らしい成果を上げていましたが、販売分野についてはまだこれからといった段階でした。
ところが、現在では販売分野についての実績も増えて来ているようなので、TOC理論も再度深く学ばねばと思っています。
以上のように一冊の本を仕上げることは、著者はたいへんなエネルギーを込めているのです。
従って、本を読むことは自分が考えられなかったような、新しい世界に簡単に浸ることが出来、本を読むことによって、他の人が体験してきた世界に踏み込むことが出来るのです。
従って、本を読むことによって得られるものは、非常に大きく、本の値段はその価値に比較して、非常に安いのです。
本屋に並んでいるほとんどの本は、2千円程度で買うことが出来るので、本を活用しない手はないのです。
反対に本を書くことは、自分の思考をまとめる、絶好のチャンスであり、出版というチャンスがあるので、無理やりでも時間を取ってまとめることが出来るのです。
本を読むことで、多くの情報、知識を吸収し、それを頭の中でまとめて、本を書くことにより、アウトプットするのです。
アウトプットするチャンスは、私の場合、本を書く以外に経営講義で話したり、セミナーで話すチャンスがあり、これも思考を深める素晴らしいチャンスです。
このようなさまざまなチャンスをわざと作ることにより、自動的に思考を深め、インプットを増やし続けることが出来ます。
ドラッカーが言っているように、われわれは成果を上げるために、片時も休むことなく、日々、賢くなり続けなければいけないのです。
それには、多くの役立つ本を読み、素晴らしい概念に触れ、インプットを増やし、またアウトプットのチャンスを増やすことにより、加速学習が行なえます。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「昨日を捨てろ」です。
44.昨日を捨てろ
昨日を捨てよ。
自分が得意だと思っていることに溺れるな。
物事の「本質」を鋭く透察する心を持て。
(解説)昨日を捨てない人と、簡単に昨日を捨ててしまう人がいるのです。
どんなに素晴らしい昨日があっても、簡単に昨日を捨て去ることが出来る人は、常に安心領域に留まらない人なのです。
10年余り前にLGの創業者の別荘で、創業者に夕食を御馳走になったことがあります。
その時に、LGの常務も同席していたので、私はLGの常務に尋ねたのです。
「どうして、サムスンは韓国であんなに強いのですか?」と、すると、常務は、「サムスンのオーナーは、調子が良い時も、悪い時も、どんな時でも絶対に手綱を緩めない。」と、教えてくれました。
過去の素晴らしい成果があればあるほど、栄光の安心領域は往々にして、心地よく、心地よい安心領域に浸っていたくなるのです。
ライバル企業の幹部でも称えた、韓国でも一番成功している財閥企業を率いたオーナーの李健熙(イゴンヒ)の執念を垣間見た思いでした。
過去、大成功した企業が大成功した故に、失敗している事例は枚挙にいとまがないのです。
この世の中の本質を見ていると、常に景気は繰り返しているし、バブルも必ず忘れたころに繰り返しているのです。
世の中を冷静に見ていると、本質が見えてくるように思えます。
バブルの崩壊前に、私も何となく、この状態はおかしいと気づいていました。
現在も同じ思いがあり、世の中を真剣に見ていると、感じることがあるのです。
更に、ものごとの本質について、常に考えていることが大切なのです。
日々の喧騒に流されるだけではなく、常に深く思考することの大切さをいろんな人、いろんな偉人、いろんな事象が教えてくれるのです。
ドラッカーの名言録より、私のドラッカー・マネッジメントの師である国永先生は、次のような説明をしています。
ドラッカー名言録75① 「過去から脱却せよ」
ドラッカーが95歳でこの世を去ってから、すでに2ヵ月近く経った。
過去40年近くにわたって、ドラッカーから学んだ中の重要なポイントの一つが、今回の名言である「過去から脱却せよ」だ。
ドラッカーは最近まで、この言葉をうるさいくらいに我々に説き聞かせていた。
ドラッカーは、効率のよい企業が必ず身につけている思考習慣の1つとして、この「過去からの素早い脱却」を強調する。
効率的な企業は、決してセンチメンタルではない。
その製品や工程や市場に対しても、決して感傷的にはならない。
物理的な物品に対してよりも、人々とその考え方にむしろ愛着と親しみを持つと、かつてから語っていた。
こうした企業においては、「これこそ我が社の今日を築き上げた製品である。したがって、我々はこの製品を放棄しないし、また放棄することはできない」などというような言い方は、口が腐っても言わないようにしている。
むしろ、そうではなくて「この製品も時々刻々流行後れ、時代後れになっている。したがって、どのくらい迅速に製造をやめて別な製品の開発に取り組めるか」という言葉を耳にするのである。
このような、本当に効率的なあり方を身につけた企業は、「○○のような製品の市場は、いつの世の中にも存在する」などという戯言は、口にしない。
逆に、「仮に成熟した製品の改良に、さらにより多くの資金や人材を導入したとして、果たして有効な場を発見できるだろうか」という発想を重視するのである。
ドラッカーはかつてから、自分のよく知っている効率のよい企業は、各製品や各業務の寿命は3、4年ごと、最近では1、2年ごとに再検討していると話していた。
そして、「この仕事をすでにやめているものと仮定して、今から我々はこの仕事に着手する気が果たしてあるだろうか」という問いかけをする。
もしも、この設問に対する答えが「ノー」である場合には、「では、一体どういう方法で迅速にこの仕事をやめられるか」という問題を提起するのである。
このように、過去からの脱却を絶えず心し、希望的な考え方には溺れず、何とか「若返らせる」という甘い見方をしないのが、適応力に優れた効率企業の実際なのである。
以上の様に、成功している企業は常に過去を捨てている企業だけであることをわれわれはもっと理解しなければいけないのです。
そして、ドラッカーは常に、下記のように、未来を見据えていたのです。
ドラッカー名言録74 「我々が行動可能なのは現在であり、また未来のみである」
著者の大恩師であり、このシリーズのベースをなしているピーター・F・ドラッカー博士が、2005年11月11日、95歳にて突然逝去されたので、本号は通常とはやや変えて、特別な原稿を発表したい。
過去は絶えず過ぎ去るものとして、ドラッカーの心も眼も、いつも未来に向けられていた。
企業も経営も経済活動も、これからいかに行動するかが最も肝心であり、過去は取り戻しようがないというのが、ドラッカーの本音であった。
したがってドラッカーに、今まで著した作品の中で一番優れていると思うのはどれかと尋ねると、必ず「ネクスト・ブック」(次の著書)であるとの答えが、判で押したように返ってきた。
そして、これは単なる言葉のあやではなく、実際にドラッカーが思い込んでいる考えの表明であった。
かつてドラッカーに、日本には6代目尾上菊五郎という、非常に素晴らしい歌舞伎の名人がいて、モットーは「次なる作品である」といつも語り、辞世の句は「まだ足らぬ、踊り踊りてあの世まで」であったと話したことがある。
ドラッカーが「まさにその通り」といたく感銘していたのが、今でもありありと思い出せる。
いつでも今日を超える明日を願い、明日の活動がこれまでよりもベターであり、またベストであることを強く希求している、ドラッカーらしい生き方を具現した言葉だと言える。
ドラッカーの考え方のもう1つの特徴は、明日を志向すると同時に、明日をよりよくせんとするだけではなくて、明日にはまだよく知らないさまざまの現象と可能性があり、それに十分に目配りしつつ、自分達の今日の努力を累積することが肝心だという気持ちを持っていた点である。
『グッド・トゥ・グレイト』(優秀なことから偉大なことへ)を著したスタンフォード大学のジム・コリンズは、ドラッカーは「自分は何を達成することができるか」ではなくて、「自分は何を貢献し得るか」を一番重要な問いとして、自ら問い続けたと強調している。
またコリンズは、「とにかく外に出て、自分自身を有益な存在にせしめよ」という、ドラッカーの言葉を、肝に銘じて行動しているとも言っている。
未来を見つめ続けるドラッカーの眼差しから紡がれた名言に感謝すると共に、生きた知恵であるそうした珠玉の言葉を次の世代に伝えていきたいと思う。
画像は、無化調の美味しい、塩ラーメンにスモーク・サーモンで作った花びらと海老のトッピングです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。