ラーメン屋開業・うどん屋開業・そば屋開業で繁盛店を目指す|名言集 17-55 ピーター・ドラッカー解説(できることより正しいことを)

ブダペスト国会議事堂の夜景

 昨日も、朝早くホテルを出て、スイスの田舎の山の中にある、お客さまの工場を見学しました。

山間には、ところどころ雪があり、標高も高い山の中ですが、このような村の中のような場所に工場があるのは、スイスでは当たり前のようです。

チューリッヒと比べて、田舎なので、従業員の賃金も低く、人の採用も都会よりは楽だとのことでした。

山の中の工場ですが、最新鋭の生産設備が並び、グローバルに高い競争力を持っている製品を作っていることがよく分かりました。

昨日のフライトは12時半で、時間が充分ではなかったので、工場見学は短時間で引き揚げ、また、景色の素晴らしい山間部をドライブしながら、チューリッヒ空港へ向かい、更に、スイス・エアラインで、最後の目的地、ハンガリーのブダペストに向かいました。

ブダペスト空港は、今回の空港の中で一番規模の小さい、田舎の空港といったイメージで、空港に到着しても、迎えのお客さまが来ておらず、空港内で、だいぶ待たされました。

海外旅行をしていると、アクシデントがあるのが当たり前なので、こんなことには慣れっこになっています。

暫くすると、お客さまが現われて、ブダペスト市内に向けて車を走らせると、同じヨーロッパですが、ロンドン、パリ、ドイツ、スイスと比べると、街の景色が色あせて見えました。

短期間で、ヨーロッパの街並みを比較しているので、余計に違いが分かり、昔は非常に栄えていたが、今は停滞している様子が、街の風景から読み取れました。

但し、住宅の建て方は、それまでのヨーロッパと同じで、古くて頑丈な建築物を何世代にもわたり、大切に使っていました。

昨晩は、ご案内戴いたお客さまのご自宅で、たいへんな美人の奥さまの手料理でおもてなしをして戴きました。

築後100年以上の建物ですが、高級マンションで、室内はとても豪華に改装してあり、室内だけを見ると、建物の古さはまったく分かりません。

昨日は、市内にある規模の大きい市場、ショッピング・センターのフード・コート等にもご案内戴きましたが、今回、訪問した国の中で一番遅れていました。

人口は約1千万人で、世界44位の国ですが、西はオーストリアと面していて、これからの急速な発展が見込める国の一つであると思います。

昼間に建造物を見ると、古くて掃除等が行き届いてなくて、余りきれいではないのですが、ライトアップされた夜景は非常にきれいでした。

まるで、ナポリの夜景を見る様で、特に国会議事堂等は素晴らしい建造物で、他にもきれいで、規模の大きい建造物がたくさんあり、スイスのようにきれいにすれば、もっと世界中から観光客を呼ぶことが出来る街になると思いました。

このような国の間にあるギャップとか、他国にない、自国の強みを磨くことにより、国も永く栄えることが出来ることが、今回の出張で良く分かりました。

併せて、企業も同様で、強みを磨き続け、他のライバルたちが逆立ちしても絶対に負けないような強みを持ち続けることが大切であることを改めて感じた次第です。

世界を見て歩くと、普段、見えないものが客観的に見えてくるので、このような視察旅行は欠かせないのです。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「できることより正しいことを」です。

62.できることより正しいことを

できることから始めるのではなく、正しいことから始めるのです。
Start with what is right rather than what is acceptable.

(解説)過去の私自身も含めて、多くのビジネスを新規に始める人たちが陥る罠がここにあります。

多くの新規開業者は、目先の損得、自分の予算、能力、都合、好み、一般常識にこだわり過ぎて、ビジネスを始めようとしている人が多いのです。

或いは、ビジネスを既に始めていても、何か新しいことに取り組むときに往々にして、同じような間違いを起こすのです。

お客さまにも種類があり、過去のお客さま、現在のお客さま、未来のお客さまがいらっしゃいます。

当社が製麺機の製造販売を始めた頃のお客さまは、皆さん、麺ビジネスのプロで、麺のノウハウ、出汁のノウハウ、マネッジメントを教える必要はありませんでしたと言うか、当社自身がそれほどノウハウを持っていませんでした。

ところが、現在のお客様は、すべてお教えしないと上手くいかないお客さまがほとんどになりました。

すると、まだ当社のお客さまになっていない、未来のお客さま方がいて、当社が最もこれから力を入れていかなければいけないのは、現在のお客さまと共に、まだ当社のお客さまになっていない未来のお客さま方です。

そうでなければ、ビジネスの本質である、お客さまの数を増やし続けることが出来ないのです。

以上のように、お客さま自身も時間の経過とともに、変化し続けるので、われわれ自身もお客さまの変化に合わせて、変化し続けないと、対応出来なくなり、取り残されてしまうのです。

次に、自分はうどんが好きだから、うどん店を始めるとか、ラーメンが好きだから、ラーメン店を始めるという人が跡を絶たないのです。

しかし、ここでは、お客さま方の変化、社会の変化が見落とされているのです。

約40年前に開業した時には、自分自身もそうでしたので、これは痛いほど、良く分かることなのです。

自分自身の余裕がなかったりして、お客さまの都合は、ほとんど考慮されていない場合が多いのです。

例えば、普通のお客さま方にとって、自宅よりもお粗末な内装、外装の店に行きたいと思うでしょうか、自宅で使っている食器より、お粗末な食器で食事をとり たいと思うでしょうか、或いはほとんどの自宅には、ウオッシュレットが完備されているのに、まだウオッシュレットが付いていないホテルに、泊まりたいと思 うでしょうか。

この様に、お客さまを招いて、お金を戴くには、最低限、自宅のレベルよりも上げておく必要があるのです。

但し、このようなことを考慮しなくても良いお客さまを選んだ場合は、考慮は必要ないので、従って、どのような価値観を持ったお客さまを選定するのかは、重要な要素になります。

新規開業者を見ていると、最初の投資をケチってしまって、負け戦をしている場合が多いのです。

しかし、負け戦と思わないから、平気で負け戦をして、大切な虎の子のお金をなくしてしまうのは、何が正しいかの判断が出来ないためなのです。

ビジネスを始める人たちに問われるのは、何が正しいかの判断が出来る能力であり、一旦それが分かったら、妥協しない一貫性なのです。

例えば、次週から始まる本社の麺学校での経営講義に、生徒さんから次のような質問が来ています。

事前に私の教科書を読んでいるはずなので、このような質問が未だあること自体が問題なのですが、これが現実なのです。

「チラシを打たず手間ひまをかけなさい」という言葉に対して、理屈はわかりますが従業員を抱えたり、目先の売上がどうしても気になってきますが、この成功例などがあるならば詳しく教えて欲しいです。

従業員を抱えたり、リスクを抱えているので、余計にチラシを打ってはいけないのです。(その理由は、私の4冊の教科書に詳しく書いてあります。

チラシを打たないのは、今では当たり前なのに、殆どの生徒さんがその理由を理解しなかったり、上記のような誘惑に負けてしまって墓穴を掘っているのです。

正しいことを理解するには、学びを得て、自分自身で深く思考し、腹から納得することが重要であり、ビジネスにおいて正しいことを行なうには、ビジネスの基本原則を理解する必要があり、それには深い学びが欠かせないのです。

ドラッカーは、「事業を定義するには、顧客を知れ、事業は顧客によって定義される。」と言っているのです。

顧客が本当に欲しいもの(ニーズ)を提供出来、顧客がワクワクするような、想像以上のものを提供することが、今の時代には求められているのです。

先日訪問した、シュツットガルトのアルガイヤー恵子さんから、次のような、面白いメールを戴きました。

「昨日のお昼のお食事、喜んでいただいてよかったです。
その前日に私は、オーストリアとドイツの国境の町、Bregenzという町の郊外で、Thomas Guthさんというやはり有名な人がやっているレストランに連れられて行ってきましたが、正直言って、私は、そちらの方がおいしいと思いました。
料金は、Wielandshoheと同価格でしたが、私は、Guthさんの方がおいしかったと思いました。

理由は、簡単です。
Thomasさんの方の食事には、驚きがありました。
未知の美味しい味覚があったので、決して、高いモノとは感じませんでした。
白身魚をオレンジジュースのソースで食べるとは、考えてもみませんでしたし、すべての料理の味が発見でした。
一方、Wielandshoheの方は、もちろん、美味しいものではありましたが、知らない味ではなく、やはり、ベテランのシェフがやっているだけあって、オーソドックスな印象がありました。

美味しいものを食べさせてもらい、さらには知らなかった美味しい味覚の食事を頂くとき、人は喜んでお金を支払うものだと思います。
以前、北ドイツで、不味いものを食べさせられたと、お客と言い争い、日本人シェフが殺された事件がありました。
それは、10ユーロ(現在の価値で1500円程度)の金額での話です。
不味いものを食べさせられてお金を支払わなければならない場合、それが10ユーロであろうと人は、高いものに感じます。」

アルガイヤー恵子さんは、もともと、ドイツの名誉領事館で働いていた方で、飲食ビジネスはまったく素人の方ですが、情熱を持って熱心に取り組んでいるので、上記のように鋭い観察を常に行っている方です。

私が先日ご案内戴いたのは、「WIELANDSHOHE ヴィーランツフィーエ」の方ですが、もし、私もThomasさんのお店に行っていたら、もっと感動したかも知れません。

やはり、ビジネスにおいて更に難しさが増しているのは、期待通りではなく、期待以上が要求されていることをわれわれは片ときも忘れてはいけないのです。

従って、本日の名言である、「できることから始めるのではなく、正しいことから始める」について、出来ることは、期待通りか、期待以下のことであり、正しいことは、期待以上のことであったのです。

画像は、ブダペスト国会議事堂の夜景で、このような素晴らしい夜景が街のあちこちに見られます。

歴史のある素晴らしい観光地であり、本日は今回の出張の最後の日程になり、明日はブダペストを出発し、ロンドンのヒュースロー空港経由で羽田に向かいます。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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