ラーメン屋・うどん屋・そば屋・パスタ屋開業で繁盛店に|名言集 17-83 ピーター・ドラッカー解説(「まだ行っていなかったとして、いまこれに手を付けるか」を問うことの大切さ)

ラーメン学校スープの指摘

昨日は、2月の本社でのラーメン学校の最終日で、生徒さんたち9名の最終作品のチェックを行なっていきました。

最近のラーメン学校では、実習の事前に資料として、「味の組み立て成功方程式」というたいへん便利な道具を渡しているので、素人の生徒さんでも早く安定した味にたどり着いています。

昨年以前の過去に参加したラーメン学校の大半の生徒さんで、「味の組み立て成功方程式」をまだ貰っていない人は、松原先生に申し出て下さい。

当社の麺學校では、このような新しいツールを次々と開発しているので、新規に入学してくる生徒さんたちにとって、より早く、より多く学ぶことが出来る仕組みを作り続けているのです。

当然、無添加、無化調で教えているので、今回、参加された生徒さんたちも、無化調の野菜だけのスープ等に何人かチャレンジしていましたが、無化調でありながら、インパクトがあり、美味しいスープに驚いていました。

野菜スープでも、どんなスープでも共通なのが、さまざまな種類の野菜スープをブレンドする前に、必ず、単独で抽出したスープの味を確認した上で、ブレンドすることです。

単独のスープの味に納得出来なかったら、絶対にブレンドしないことです。

美味しいスープのポイントは、スープ・ベースとして完成した時点で、元ダレ等を入れる前のスープ・ベースだけの時点で既に美味しいことが重要です。

この時点で美味しくて、納得がいく味でなければ、後から幾ら元ダレと香味油をブレンドしても味の調整は難しいのです。

このような勘所は、ラーメン学校に参加しないと、なかなか分からないのです。

以前から、当社ではラーメン学校でのスープ取り作業の内容をまとめた教科書「誰も教えたがらないラーメンの大和流スープ基礎編」を販売し、勘の鋭い人はこ の本を買っただけで、素晴らしいスープを作り上げていますが、ほとんどの人たちは、本を買うだけではなく、ラーメン学校に参加して、細かい情報を得ないと 理解出来ないようです。
http://www.yamatomfg.com/book/ramensoup.php

そして、この教科書も既に何回か、改訂していますが、更に指導内容が増えてきているので、近々に改訂予定です。

この様に、麺學校で教えている内容は常に新しくリニューアルされているので、1年前に参加しても、1年経つと、教えている内容はかなり変わっているのです。

教える立場としても、1年前からずっと同じことを教え続けていると、飽きてしまうので、新しいことにチャレンジして、変え続けていくことにより、余計にワクワクして楽しくなるのです。

従って、お客さまの立場だけではなく、働く側にとっても、どのような分野においても、飽きさせない、イノベーションは欠かせないのです。

反対に、イノベーション体質がなくなり、安心領域から絶対にはみ出さないのが、典型的なお役所体質であり、結果として働いている人自身の人生を駄目にしているだけでなく、周りに悪い影響を及ぼしているのです。

昨日もご連絡しましたが、ドリーム・スタジオ高崎で22日から24日までの3日間開催され、私のセミナーも合計3本入っています。
http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=1898&ref=top

今週の名古屋のイベント同様、現在の時流に合ったテーマばかりで、直ぐに役立つ内容ばかりです。

因みにドリーム・スタジオでの私のセミナー・タイトルは次の通りです。

1.従業員満足度UP=いい人材確保 ~そのために店づくりをどうしなければならないか~

2.利益倍増計画~多店舗展開へのステップアップ~

3.従業員満足度UP=いい人材確保 ~そのために店づくりをどうしなければならないか~

その他にも、新規開業者と既存店の双方に役立つ面白い内容のセミナーとか、イベントを準備しているのです。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「「まだ行っていなかったとして、いまこれに手を付けるか」を問うことの大切さ」です。

90.「まだ行っていなかったとして、いまこれに手を付けるか」を問うことの大切さ

集中するための第一の原則は、もはや生産的でなくなった過去のものを捨てることである。
そのためには、自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、いまこれに手を付けるか」と問わなければならない。

(解説)われわれは、歴史からさまざまなことを学ぶことが出来ます。

例えば、ほとんどの人たちは知らないと思いますが、今から117年前の明治時代に製麺機の製造販売からスタートし、現在では工作機械の分野でグローバル企業になっている会社があるのです。

その会社は愛知県に本社のあるオークマ株式会社で、年商規模は1340億円程度で、総従業員数は約2千名強の会社です。

1898年(明治31年)に故大隈栄一が個人経営により「大隈麺機商会」を興し、製麺機の製造・販売を開始し、1904年(明治37年)に工作機械の製 造・販売を開始し、1918年(大正7年)に、株式会社大隈鐵工所設立し、OS型旋盤の市販開始、1937年(昭和12年)には工作機械生産額が国内第1 位になり、現在では国内9位の規模になっています。

この様に、製麺機から出発し、その頃大きく伸びていた工作機械に着目して、新しい市場を開拓して大成功した事例です。

既に117年も前に、当社と同じ、製麺機から出発した企業がグローバル企業になっているのには、たいへん驚きました。

同時に、今回のテーマである「もはや生産的でなくなった過去のものを捨てること」を行なったので、オークマは世界的な工作機械メーカーになることが出来たのです。

もし、製麺機から撤退しないで、今もずっと製麺機を作り続けていたら、現在のような規模の会社にはまずなり得なかったのは間違いないのです。

製麺機の市場自体が、そんなに大きな市場ではないのですから。

従って、事業ドメインの選定は、ビジネスを行なう上でたいへん重要な要素であることが分かります。

振り返ると、当社は40年前の創業から数年間は生きるために、お客さまから依頼のあったものは何でも作っていたのです。

例えば、その頃は自動搬送ライン等も手掛けていて、食肉製造会社のウインナーとか、ベーコンの搬送ラインも作っていましたし、貨物エレベーター、小僧寿し向けの寿司ネタ海老自動ボイル、背開き機械とか、出来ることはあらゆることをやっていたのです。

もし、お客さまの依頼で何でも屋になっていれば、いまだに町の鉄工所の規模で、私も工場の片隅で、工員として働き続けていることでしょう。

しかし、それらの製造からすべて足を洗い、製麺機だけに絞ったのが創業後10年以内であったと思います。

最初はうどん用製麺機だけであったのが、ラーメン、蕎麦、大型機と広げていき、途中で大型機から撤退したのです。

大型機から撤退した頃に使命を明確にして、365日年中無休のメンテナンスを始め、その後、麺学校を始めるようになったのです。

こうして振り返ってみると、当社にとっての大きな廃棄は創業した頃の何でも屋から脱皮したころ、次に約20年前に大型機から撤退した頃の2回で、後から振り返ってみると、たいへん賢明な廃棄ではなかったかと思います。

しかし、最近はこのような廃棄が出来ておらず、新しく始めることばかりなので、そろそろ、古いビジネスの棚卸が必要な時期になっているのですが、1年後には、このことは既に明らかになっていることでしょう。

良く言われることですが、香川県はさぬきうどんの本場でありながら、世界に打って出る讃岐うどんの会社が育っていないのです。

その大きな理由は、イノベーションに成功しておらず、過去に捉われたビジネス展開しか出来ていないためではないかと思います。

これは、讃岐うどんの本場だけではなく、各地のラーメンの本場についても言えることで、博多一風堂も元々、博多ラーメンを古くからやっていた訳ではなく、 異業種からの新規参入組であったので、業界にイノベーションを起こして、グローバルなラーメン・チェーン店になる事が出来るのです。

そして、ラーメン業界は常に新規参入者がいて、イノベーションが起きているのですが、うどん蕎麦業界は、ある程度、新規参入業者がいるのですが、少し前の「はなまる」とか、「丸亀製麺」のような、イノベーションを起こすような元気の良い、新規参入業者がいないのです。

従って、うどん蕎麦業界は現在、元気の良い新規参入者がほとんどなく、無風地帯であり、イノベーションを起こすような、元気のある新規参入者にとっては大きなチャンスなのです。

だから、ラーメン業界で大成功している人たちは、隣の業界のうどん蕎麦業界にもっと関心を持ち、既にラーメンで成功したノウハウで、うどん蕎麦業界に参入し、イノベーションを起こせば、十分に勝てる可能性があるのです。

私はいつも麺学校をやっていて感じるのは、新規に参入する生徒さんのほとんど、90%以上の人たちは、イノベーション体質を持っておらず、既存店と同じような道を選ぼうとします。

要するに、安心領域から逸脱しようとしないで、より安全な道を行こうとしているのです。

その結果、安全ではあるのですが、鳴かず飛ばずに人生を終わったり、場合によっては、安全と思った道が安全ではなかったりするのです。

以下は、私のドラッカー・マネッジメントの師である、国永先生の5分で学ぶドラッカーより、引用します。

「組織をイノベーションが生まれやすい体質にすること」「2つの決定」

変化の激しい時代、自分たちの行ってきたことを変えざるを得ないような事象に遭遇することが、多々あり、変化の後追いばかりでは、組織は消耗し危機に瀕してしまうので、自ら正しい方向に向け、変化を起こしていかねばなりません。

そこで必要になってくるのが、イノベーションで、しかも変革期においては、一つ限りのイノベーションではなく、連続して新しい知識・方法・製品・サービス モデルをつくり出していく、イノベーションのための体質が必要で、イノベーションで成功するためには、次の2つの決定が必要です。

1.古くなったものを廃棄する決定
2.新しいことを行う決定

新しいことを行うには古いものの廃棄こそが大切ですが、これが盲点になりがちで、古くなったものの計画的な廃棄こそが、新しい物事を強力に進める唯一の方法なのです。

組織のトップにとって、このような時代は大変な難所であると同時に、多くのチャンスを見つけることのできる力の振るいどころであり、イノベーション体質をつくり、組織を成功に導くためには、
・昨日を陳腐化させ、明日を創造する
・組織の資源と労力を、最大の機会、成果の上がる分野に適切に配分する
ということが、ますます重要なポイントになってくるでしょう。

「体系的廃棄」

「まさに廃棄は、資源を解放し、古いものに代わるべき新しいものの探求を刺激するがゆえに、イノベーションの鍵である」(『創造する経営者』上田惇生訳、ダイヤモンド社)

これまで一所懸命にやってきた仕事、一時代の花形であった商品を、もう陳腐化したからと言って廃棄するのは勇気のいることですが、それにしがみついていると、限りある資源、資金、人材が、過去の事業に充てられ続けることになります。

廃棄を迷ってしまうとき、最終的な決断は常にトップの勇気にかかっているでしょう。判断するときの問いのひとつとして、「まだこれを行っていなかったとして、いまからこれを始めるかどうか」を考えてみてください。

画像は、昨日のラーメン学校の様子で、生徒さんのスープを修正しているところです。

このように生徒さんたちと、真剣勝負で向き合っていて、集中力の塊りになっています。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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