昨日は恒例の経営講義が本社で始まり、海外からの生徒さんたち、国内から海外出店を計画している人たちを含め、75%の生徒さんたちが海外展開組で、熱心な人たちが多く、質問が多かったので、終了時間も夜8時半になり、楽しい1日になりました。
最近の予期せぬ傾向としては、半年以前と比較して、麺學校に参加する生徒さんたちのレベルが全体に上がり、熱心な方がたが多くなったような気がします。
桜が全開で、本来であれば、最高の花見時期の土日ではあるのですが、花見よりも楽しい、意味ある授業に参加して、熱心にビジネスの本質についての質疑応答も素晴らしい人生の体験になります。
もし、当社の麺學校の経営講義に参加しなければ、長い人生において、絶対に学ぶことの内容な、価値観、使命、コンセプトについて深耕することは、これからの人生において、ビジネスにおいて、大いに意味あることなのです。
私も長く経営講義に携わり、日々、このようなフェイス・ブックでの文章を作り、思考を深めることにより、最初は十分理解していなかった、価値観と使命の関係性がよく分かるようになりました。
使命、経営理念、コンセプトもすべて、大本の源は価値観を基にして始まり、それらの関係性が明確に分かるようになり、体系化出来たことは、私にとっても、参加する生徒さんたちにとっても、素晴らしい学びになったのです。
価値観と使命の関係性が明確になったもの、そんなに前ではなく、ほんのこの1年程度のことなのですが、このようなことが明確になるにつれて、経営講義の完成度もより高まり、生徒さんたちへの指導内容もより明確になってきます。
当社の麺學校の大きな特徴は、授業内容はすべてデジタル・クッキングで行ない、独立開業して経営者になるのに一番重要なマネッジメントの学習に力を入れて、生徒さんたちが麺打ち職人ではなく、麺店の経営者になり、生徒さんたちの人生の成功をサポートすることなのです。
そして、正しい学びを教えることにより、短期間だけの成功ではなく、長い成功を目指し、生徒さんたちの人生の時間のロスをなくすことが目的なのです。
北米から参加し、外資系の大企業に勤務している、現役のIT関連の技術者で、奥さま他、家族全員が反対している中で、ラーメン店開業を志している生徒さんがいました。
私は、この生徒さんの話の全貌を聞いた上で、退職して、ラーメン店の開業を絶対にしないように強く求めました。
年齢も48歳だったので、かなりの給料を貰っているはずであるし、小さいラーメン店を1軒開業しても、現在得ているだけの給料は、絶対に得ることが出来ないのです。
だから、新規にビジネスを始めるのであっても、今までの蓄積の上にビジネスを始めるのは、比較的有利であるのですが、まったく蓄積のない場所で始めるのは、学ぶことが多く、かなり難易度が高いのです。
しかし、生徒さんの年齢が若く、まださまざまな蓄積が多くない場合はそうではないのですが、48歳という年齢を考えると、今までの蓄積をまったく利用出来ない分野への進出は、今までの人生の時間をすべて無駄にするのと等しいのです。
そして、もし、この生徒さんの本気度が高ければ、もっとラーメン店ビジネスについて、事前に深く研究を行なっているはずなのです。
まだまだ、ラーメンが単に好きだからという理由で、軽く考えて、ラーメン店開業を目指す生徒さんが多いようです。
現在のラーメン店ビジネスは、多くの生徒さんが考えているような簡単なビジネスではなくなってきているのです。
次に中国で開業希望の生徒さんが2組いて、一人は日本人、もう一人は日本在住の中国人で、日本人の奥さんは中国人でしたが、過去のさまざま事例を体験し、私は奥さんが幾ら中国人でも、日本人には、基本的に中国での開業は勧めていないのです。
他には、オーストラリア在住で、飲食店を4店成功させたベトナム人が、今度は母国ベトナムで150席のラーメン店を開業しようとしている青年がいました。
話の内容を聞き取りながら、この人は成功率が高いと思えました。
生徒さんそれぞれの今までの生き方、考え方、それぞれの計画を聞いていると、この生徒さんは成功しそうだとか、或いは、難しそうだとか分かります。
15年間の長きにわたり、麺學校を運営してきて、多くの生徒さんたちの栄光と挫折を見てくると、最初の段階で、成功するかどうかがよく分かるようになります。
従って、成功の可能性の高い生徒さんたちには、思い切り勧めますが、そうでない生徒さんには、ビジネスを始めないように勧めるのです。
始めないように勧めるのは、さまざまな方法があり、単に断念するように勧めたりする場合もありますが、それよりももっと効果があるのは、到底出来ないような高いハードルの理想形の話をするのです。
すると、ハードルが高すぎてスタートを切ることが出来なくなるのです。
来週、4月7日(火)~9日は、東京支店でパワー・アップ・イベントを開催し、私もセミナーで参加します。
(http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2024&ref=top)
私3つのセミナー・タイトルは、【オリンピック景気 必勝法!】、【スタッフのモチベーションアップセミナー~オーナー様、店長、スタッフ必聴~】、【富裕層客の獲得必勝法!】で、今年になってから訪問した、ロンドン、香港、台中、LAの最新店舗のご紹介を致します。
新規開業の方がたにとっても、今から開業する方がたにとっても、世界の最新外食情報を知るチャンスです。
本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(上)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。
ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。
◆戦略の必要性
第二に、知識によるイノベーションを成功させるためには、戦略を持つ必要があるのです。
知識によるイノベーションを成功させるには、本腰を入れて取り組まなければならないのは、大反響を呼び、多くの人を引きつけるがゆえに、スタートを誤ってばならないし、チャンスは一度しかないのです。
ほかのイノベーションの場合には、成功しても、かなり長い間放っておいてもらえるのですが、知識によるイノベーションでは、そうはいかないのは、直ちに、思いがけないほど多くの人が寄ってくるので、一度つまずくだけで、押しつぶされてしまうのです。
知識によるイノベーションの位置づけには、下記の3つの戦略しかないのです。
1.エドウィン・ランドが、ポラロイドカメラについてとった戦略、すなわちシステム全体を自ら開発し、それをすべて手に入れようとする戦略である。
これは、IBMがその初期の時代に、コンピュータを売るのではなく、リースすることにしたときに採用した戦略であり、IBMは、ソフトウェア、プログラム、プログラマーに対する教育、顧客の経営管理者に対する教育など、もろもろのサービスを提供したのです。
これは今世紀の初め、GEが大型蒸気タービンという知識によるイノベーションによって、トップの地位を確立したときの戦略でもあり、現在ではジェット・エンジンで同じような戦略を取り、インターネットで、世界中の飛んでいる旅客機に搭載されているエンジンから、刻々と情報を受け取り、分析し、問題点を顧客であるエアラインにフィードバックしているのです。
2.システム全体ではなく、市場だけを確保しようとする戦略であり、知識によるイノベーションは市場を創造し、デュポンは、ナイロン製のストッキング、女性用下着、自動車タイヤの市場を創造し、それを確保し、ナイロンへの需要を自ら創造し、ナイロンを使うメーカーに対し、ナイロンを供給することとしたのです。
アルミニウムのメーカーも、1886年のチャールズ・M・ホールによるアルミ還元法の発明の後、フライパンや鍋や棹など、アルミ製品の市場を確保し、しかもアルミ・メーカーの場合は、自ら最終製品まで生産し、販売することによって、競争相手など生まれようのない市場を確保したのです。
3.戦略的に重要な能力に力を集中し、重点を占拠してしまおうとする戦略であり、イノベーションを行った者が、産業内部の激動から超然としていられるための場所を見つけなければならないのです。
ファイツァーが、ペニシリンの製造でトップの地位を獲得したのは、この点を検討し抜いたうえで、培養の技術の開発に力を入れたおかげだったのです。
ボーイングが、旅客機メーカーとしてトップの地位を獲得し、今日までそれを守りつづけることができたのも、マーケティング、すなわちジェット機の設計と融資について、航空会社と旅客のニーズを把握することに全力をあげたおかげだったのです。
コンピュータの鍵たる部品、すなわち半導体メーカーの何社かも、今日のコンピュータ産業の激動にかかわらず、コンピュータ・メーカーそのものの浮沈とはかかわりなく、トップの地位を享受していて、インテルがその良い事例であるのです。
いかなる産業にあっても、これら3つの戦略のうちいずれかを選ぶことが出来、例えば、デユポンは市場を創造する戦略を選んだのに対し、競争相手であるダウ・ケミカルは重要拠点を占拠する戦略をとったのです。
およそ100年前、J・P・モーガンは重点を占拠する戦略を選び、アメリカの産業、さらには資本不足国としてのアメリカそのものに、ヨーロッパ資本を投資させるためのパイプ役となった同じ頃、ドイツのゲオルク・ジーメンスと、日本の渋沢栄一は、システム全体を手に入れる戦略を選んだのです。
「戦略の威力は、エジソンの成功によって知ることができる。」
電球の製造に必要な発明を行ったのは、エジソンだけではなく、イギリスの物理学者ジョゼフ・スワンも同じような発明を行い、スワンは、エジソンと同時期に電球を開発し、技術的にはむしろ彼の電球のほうが優れていたのですが、エジソンは技術的なニーズを研究しただけではなく、その後の戦略についても徹底的に検討したのです。
ガラス球、真空、密閉、フィラメントなどの技術的な研究に着手する前から、システム全体の構想を描いていて、自ら財政的な支援を行なっていた電力会社の電力に合った電球を考え、利用者に電気を引く権利や、電球の流通システムについてまで構想したのです。
スワンは科学者として製品を生み出したが、エジソンは産業を生み出し、そのため、スワンが自らの技術的な成果に関心を持ってくれる人を探している頃、すでにエジソンは電力を売っていたのです。
このように、知識によるイノベーションを行おうとする者は、戦略を定めなければならないのであり、もちろん、ここにあげた3つの位置づけに関する戦略のいずれもが、大きなリスクを伴うのですが、明確な戦略を持たないことや、同時に2つ以上の戦略を持つことは、大きなリスクが伴い、致命的に大きなリスクが伴うのです。
◆マネジメントの必要性
第三に、知識によるイノベーション、とくに科学や技術の知識によるイノベーションに成功するには、マネジメントを学び、実践する必要があり、事実、知識によるイノベーションは、ほかのいかなるイノベーションよりも、マネジメントを必要とするのです。
リスクが大きいだけに、マネジメントと財務についての先見性をもち、市場中心、市場志向であることが大きな意味を持つのですが、今日、知識によるイノベーション、とくにハイテク分野のイノベーションでは、ほとんどマネジメントが行われていないのですが、マネジメントに成功したほんの一部の企業、例えば、アップル、グーグル、フェイス・ブック、アマゾン等が大きく成功しているのです。
知識によるイノベーションが失敗するのは、起業家自身に原因があり、彼らは高度の知識以外のもの、とくに自分の専門領域以外のことに関心をもたなく、自らの技術に酔い、しばしば、顧客にとっての価値よりも、技術的な複雑さを価値としてしまうのは、21世紀の起業家というよりも20世紀の発明家に近いのです。
しかしハイテクを含め、知識によるイノベーションにおいても、マネジメントを意識的に行うことによって、リスクを大幅に小さくできることを教えてくれる企業は多いのです。
スイスの製薬会社ホフマン・ラロッシュがその一例であり、ヒューレット・パッカードやインテルも同様であり、知識によるイノベーションには、特有のリスクが伴うがゆえに、起業家としてのマネジメットが必要とされ、大きな効果をあげるのです。
日本国内における知識によるイノベーション、すなわち、技術革新での成功企業としては、ファナックが挙げられ、非常に高い利益率で有名なグローバル企業であり、他の企業の追随を許さないのです。
他には、コマツとか、キーエンス等もマネッジメントの優れた知識によるイノベーションで成功した企業です。
上記では知識によるイノベーションの成功企業の事例を取り上げていますが、知識によるイノベーション以外のあらゆるイノベーションにおいても、マネッジメントは欠かせない重要な事項であるのです。
特に、ビジネスがますます複雑化し、多様化し、変化が大きい時代において、リスクの高まりとともに、マネッジメントの重要性はさらに高まっているのです。
セブン・イレブンのような規模型ビジネスであり、社会型のイノベーションにおいても、マネッジメントの勝利であり、国内における他のコンビニとの差は埋まらないどころか、ますます広がり、セブン・イレブンの優位性はますます大きくなっているのです。
クロネコ・ヤマトのような宅配ビジネスのイノベーション企業も同様であり、マネッジメントの巧拙がその後の勝敗を決していて、国内においては、クロネコ・ヤマトの一人勝ちの状態になりました。
ますます、世の中がグローバル化し、複雑化し、変化が早くなるビジネス全般において、マネッジメントの巧拙でビジネスの勝敗が大きく分かれるようになり、マネッジメントを深める企業とそうでない企業の差はより大きくなってくるのです。
画像は、昨日の緊迫した経営講義の様子です。
多分、朝の9時から夜8時半までの長時間のセミナーで、一人か二人くらいは居眠りをする生徒がいても当たり前ですが、そのような生徒は一人もおらず、全員が熱心に授業に参加しているのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。