うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「ギャップを探す – 第2の機会、業績ギャップ、鉄鋼業と製紙業の例」

元旦の本社の様子

明けましておめでとうございます。

清々しい元旦を迎え、新しい年の始まりにあたり、決意を新たにしているところです。
今年1年、宜しくお願いします。

本日のテーマは「得意分野に置き換える」です。

新年に因んで、過去の当社の上手くいった部分を振り返ると、麺学校の功績は大きかったのですが、麺学校の成功は本来の当社の本業でない部分でしたが、敢えて、本業でない部分ですが、本業を補強することが出来る部分を伸ばしたことが、本業との相乗効果を発揮したのです。

但し、当社の麺学校は、今までの他社がやっていた学校のようでもなく、他の料理学校が教えているような内容でもなく、私のエンジニアとしての特質を活かした方法、デジタル・クッキングを取り入れたので大成功したのです。

何ごとにおいても、自分の強みで勝負すれば勝ち易いので、自分の強みを最大限に発揮出来るような土俵を自分で作り、そこで勝負するとビジネスは勝ち易く、自分が勝ち易いルールを自分で作り上げるのが近道なのです。

もし、今まで他社がやっていたような、ありきたりの麺学校を運営したのでは、現在のような成果は上がっておらず、従って、当社は麺学校を当社流に再設計したと言えるのです。

従って、これから当社は新しいことに取り組みますが、すべて、当社流の強みに置き換え、デジタル・クッキングのように新しい概念を取り入れ、再設計し、過去にないものを作り出せば良いことが分かります。

アップルは、ウオークマンを自社のハードとソフトを一気通貫している強みを活用し、ジョブズ流に再設計して、ipodを作り出し、同じく、ノートブックをipadに、携帯電話をiphoneにと再設計し、大成功したのです。

アップルの大成功は、もともとアップルが長い時間をかけて培ってきた、他社にない強みのハードとソフトを一気通貫しているところにあったのです。

過去のITの大手は、マイクロソフトのようにソフトに特化したり、デルのようにハードに特化するビジネスモデルの企業が成功を収めてきたのですが、現在成功して企業は、ハードからソフトまで一気通貫している企業が強みを発揮しているのです。

だから、多くのIT企業は、アップルを真似て、ソフトだけでなく、ハードにも手を出すようになり、グーグルが自動運転の自動車に取り組んだり、マイクロソフトも携帯電話のノキアを買収し、ハードの製品群を拡充しているのです。

当社は、もともと、製麺機のハードからスタートした企業ではありますがが、麺の研究、だしの研究、盛り付けの研究、繁盛の研究等々、ソフトにも非常に力を入れてきたのです。

そして、これからはメンテナンスも含めた、トータルでお客さまとつながっているメーカーが最も力を発揮する時代です。

アップルもiphoneのような卓越したハードの性能の影に隠れ、その存在が軽視されがちなのですが、アップルストアの貢献度も非常に大きいのです。

ITの世界は、ネットでつながっているので、実際の売り場は必要ないように思われがちですが、ネットだけでは解決しないのが、メンテナンスを含めたサービス部門であり、この部分だけはどうしても、人の手で行なわなければいけないのです。

アップルストアの機能は販売よりもむしろ、お客さまサービスで、さまざまな商品の使い方を指導していて、当社のドリームスタジオもアップルストアをモデルにしたのです。

こうして考えてみると、新しく始めるものは、すべて、自分の得意分野と噛み合わせて、再設計していることがよく分かるのです。

本書の「イノベーションと起業家精神」で以前に学んだ、大規模なチェーン展開している書店が米国、日本で全国に張り巡らされたのですが、これらの書店は、もともとの出身は書店ではなく、小売業であったのです。

それまでの書店には、本の目利きがいて、本の中身についても、詳しい店員がお客さまの応対をしていたのですが、新しいチェーンの書店では、本を単なる消費財として販売していて、通常の小売の商品と同じように、売れ筋商品だけを置き、売り場の坪効率を追求し、小売店のノウハウを本の販売に持ち込んで大成功したのです。

また、お金の世界でもITを駆使して、金融商品を作り、売買する仕組みが出来上がっていますが、金融工学が生まれ、ここでも活躍しているのは、エンジニアであり、世の中のさまざまな部分で、工学系のエンジニアの出番がたくさんあるのです。

ところが、残念ながら、今の日本ではエンジニアになりたがる若い人は少なく、学生時代こそ、新しい時代に必要な知識を身に付けるチャンスであり、日本の若い人はもっと工学系を目指すべきなのです。

私も機械工学を学んだことが、人生でどれだけ役に立ったか分からないので、これから学ぶ人たちには、ぜひ、勧めたいと思います。

私の子供たちは残念ながら工学系ではないので、孫の時代に期待したいと思っています。

既に始まった、新しい年ですが、今年こそ、学び続けているイノベーションを大きく展開させる年にしてみます。

本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

「ギャップを探す – 第2の機会」

ここでいうギャップとは、現実にあるものとあるべきものとの乖離、あるいは誰もがそうあるべきとしているものとの乖離であり、不一致であり、原因は分からないことがあり、検討さえつかないこともあるのですが、それにも関わらず、ギャップの存在は、イノベーションの機会を示す兆候であり、それは、地質学でいう「断層」の存在を示し、まさに断層はイノベーションへの招待であり、断層では、わずかな力が、社会を動かし、経済構造や社会構造に変化をもたらす不安定状態を生み出すのです。

このギャップは、通常、マネッジメントに提示され、検討を加えられるような数字や報告の形では現れないで、定量的というよりは定性的であり、ギャップとは、予期せぬ成功や失敗と同じように、すでに起こった変化や起こり得る変化の兆候であり、ギャップは予期せぬ事象と同じように、1つの産業、市場、プロセスの内部に存在するので、その産業や市場、プロセスの内部、或いは周辺にいる者は、ハッキリ認識することが出来、まさに彼らの目の前にあるのですが、同時に、ギャップは、それを当然のこととして受け止めてしまいがちな、内部の者が見逃しやすいものであり、彼らは「ずっとそうだった」と言うのですが、多くの場合、その「ずっと」が、実は最近のことにすぎなく、イノベーションの機会としてのギャップは、以下のように、幾つかに分類できるのです。

1.業績ギャップ
2.認識ギャップ
3.価値観ギャップ
4.プロセス・ギャップ

「業績ギャップ」

製品やサービスに対する需要が順調に伸びているならば、業績も順調に伸びていなければならないし、需要が順調に伸びている産業では、利益を上げることは容易なはずであり、しかも、上げ潮に乗っているはずであり、そのような産業にありながら業績が上がっていないのであれば、何らかのギャップが存在すると見るべきであり、それらのギャップは、1つの産業全体、あるいは、社会的部門全体におけるマクロ的な現象であることが多いのです。

通常、それらのギャップをイノベーションの機会として利用するのは、中小の専門企業であり、しかも、この機会を利用する者は、長期にわたってその利益を享受することが出来、予期せぬできごとによるイノベーションは、大企業の方が有利であったのですが、ギャップをイノベーションの機会として利用出来るのは、中小の専門企業であり、長期にわたり、その利益を享受出来るので、われわれ中小企業は最もギャップに注目すべきなのです。

ほかの企業や社会的機関が、この危険な競争相手に気づくのは、かなり経ってからであり、ほかの企業や社会的機関は、需要の増大と業績不振とのギャップを埋めるのに忙しく、誰かほかの者が何か別のこと、成果の上がること、需要の増大を利していることに気づかないのです。

しかし、イノベーションを行なうためには、必ずしも、ものごとが動くべきであるのに、動かない原因を知ろうとして苦労する必要はなく、「このギャップをイノベーションの機会として利用するためにはどうすべきか、何がそれを機会に変えてくれるか、何が出来るか」を問えばよいのです。

「鉄鋼業と製紙業の例」

業績ギャップは行動を要求し、問題が明らかでなくとも、とるべき行動が明らかなことがあり、もちろん、問題が明らかでありながら、取るべき行動が明らかでないこともあり、鉄鋼業における電炉の例は、ギャップをイノベーションの機会として利用することに成功した良い例であり、第一次大戦後から今日に至るおよそ50年間、先進国の高炉メーカーがブーム的な好業績をあげたのは、戦時中だけで、鉄鋼に対する需要は、少なくとも1973年までは着実に伸びていましたが、平時における高炉メーカーの業績は、失望させられることが多く、この業績ギャップの原因は昔から明らかだったのです。

高炉の場合、需要の増加に応じた生産量の増加の最小単位がきわめて大きく、必要とされる設備投資が巨額にのぼり、生産能力が大幅に増大してしまうからであり、新設の高炉の稼働率は、需要が新たな生産能力に追いつくまでの間、低いものとならざるを得なく、しかも、戦時を除き、需要は徐々にしか増加せず、需要が増加しているときに、生産設備の増設を行なわないことは、シェアの喪失、ときには恒久的な喪失を意味するので、そのようなリスクを冒せる高炉メーカーはないので、高炉が高収益は享受できるのはごく限られた期間、すなわちあらゆる高炉メーカーが、設備の更新を開始してから完成するまでのわずかな期間と言うことになるのです。

その上、1870年代に発明された製鉄のプロセスそのものが、これも昔から知られているように、基本的に不経済であり、物理の法則に反し、従って経済の法則に反し、物理の世界では、温度の変化は、重力や慣性に対する抵抗に次いで大きなエネルギーを要求し、一貫製鉄所では、加熱と冷却を4度繰り返し、そのうえ高熱の重量物を持ち上げ、相当の距離を運ばねばならないので、このような高炉の特有の弱みを緩和するイノベーションを行なえば、鉄鋼の生産コストを大幅に引き下げられることは、かなり前から明らかになっていたのです。

そして、電炉が行なったことが、まさにそれであり、電炉は、決して小さな製鉄所ではなく、最低規模の電炉さえ、年間売上1億ドルであるのですが、最低規模の一貫製鉄所と比べて、6分の1から、10分の1に過ぎず、従って、電炉は、すでに市場に存在する需要に合わせて、生産能力の増大を小刻みに行なうことが出来、しかも、電炉は一度加熱するだけであり、冷却を行なわず、そのまま全プロセスを終了し、電炉は、原料として鉄鉱石の代わりに鉄屑を使い、最終製品も鋼板や棒鋼に特化しているので、高炉が労働集約的であるのに対し、オートメ化が容易であり、電炉の生産コストは高炉の半分以下であるのです。

各国の政府、労働組合、一貫製鉄所は、あらゆる方策をもって電炉の発展を抑えようとしたのですが、電炉は増え続けていて、2000年には、アメリカで消費される鉄鋼の半分以上が電炉によるものかもしれないのですが、その間、高炉のよる大規模一貫製鉄所のシェアは低下していったのです。

私は機械工学出身でしたが、上記の高炉一貫生産製鉄所のジレンマを知らなかったので、改めてドラッカー博士の見識の広さに驚くと同時に、一つの産業の中にこのような問題の存在にも驚き、ライバルとの競争に明け暮れる以上に、業界の構造にメスを入れ、自社が存在している、業界の特質を理解することの大切さを改めて理解しました。

多分、どのような業界でも深く掘りすると、恐らくこのようなギャップ、ジレンマを抱えているはずで、ほとんどの業者は、ライバル業者との間の競争に明け暮れていて、このようなギャップの存在を掘り下げようとしている者はいないのです。

日本の外食産業は、ピークの1997年(18年前)まで右肩上がりで成長し、その後、ほぼ一貫して右肩下がりで落ち続け、それはまさに、1995年にピークを打った生産年齢人口の推移と、ほぼ同じ推移を辿っているのですが、生産年齢人口の減少幅(12%)よりも落ち幅が大きく、ピーク時より約20%程度減少しているのです。

この余分な落ち幅がギャップであり、サラリーマンの小遣いの半減(ピーク比)が大きく影響をしているはずで、サラリーマンの小遣いの半減が、居酒屋市場を直撃して、居酒屋市場はピークと比べると、市場規模を3分の2以下にしているのですが、外食市場全体の数字に比較して、うどん蕎麦店市場は堅調で、2014年のデータでも過去最高の市場規模を誇っているのは、生産年齢人口の落ち込みを完全にカバーしているシニア世代の影響が大きく、以上より、私はこれからうどん蕎麦、ラーメン店が狙っていくべきお客さまは、女性とシニアであるとの結論を導き出し、この事実を麺学校で指導し、現に、サラリーマンを対象の麺専門店ビジネスは苦戦し、女性、シニアを狙っている坂東太郎とか、ラッキー・ピエロのような飲食店が成功しているのです。

当社の場合も、麺市場の規模と、製麺機市場の間のギャップの存在に気づいていて、製麺機を購入するお客さまは、新規にうどん蕎麦店、ラーメン店を開業するお客さまと、既に開業しているお客さまが大きな需要者であり、新規開業者が増えれば増える毎に、需要は大きくなり、製麺機市場は、麺市場の景気の波に左右されたのですが、現在は景気よりも製麺機を使用する人手の過不足に影響をされているのです。

画像は本日の本社の様子で、元旦もメンテナンス担当者が出勤して、お客さまよりの電話に対応していました。

本社に挨拶の後、家族で郷土料理のあん餅雑煮を戴きます。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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