本日のテーマは「イノベーションを組織文化に」です。
来週16日(火)から18日(木)までの3日間、ドリームスタジオ大阪で、恒例のパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(1.麺ビジネスのイノベーション、2.究極の人手不足解決法はこれだ、3.究極の売上対策)を用意しました。
※イベントは終了しましたが、大和製作所では定期的にイベントを開催しております
残り席は少し、ご希望者の方はお早めに!。
昨日のラーメン学校の最終日は、最初の経営講義の日と打って変わり、とても熱心に取り組み、真剣でありながら、楽しい、有意義な最終日になりました。
今回のラーメン学校には、過去まったく、料理もしたことのない生徒さんが約半数いましたが、そのような生徒さんでもキチンとプロの味を作り出すことが出来たことに生徒さん自身が驚いていたのです。
その中の1人は、スルメイカにこだわっていて、どうしてもスルメイカを使いたいとか、スルメイカを使った塩ラーメンにこだわっていたのですが、このような魚介類をスープの材料にする場合に、ほとんどの生徒さんが間違っている調理法は、食材を直接スープベースに煮込もうとするのです。
このような魚介の生の材料をスープに煮込むと、スープが生臭くなり、ラーメンスープにならないのです。
また、比較的に高価な材料の場合は、スープベースに使うと、量がたくさん必要になり、コストがかかる割には、十分なエキス分が抽出出来ないのです。
従って、当社のラーメン学校では、このような生の海産物、或いは乾燥している海産物を使う場合のノウハウを確立しているので、スープベースに煮込んで生臭くなるような方法は一切教えないのです。
このような方法を見つけ出すことが出来たのも、私自身が料理に非常に興味を持っていたこと、エンジニアであったので、違った方向からものごとを考えることが出来たこと、深い思考が好きなこと、遠方から当社の麺学校を信頼して参加してくれた生徒さんの存在があり、そのための大きな責任を背負っていること等々、さまざまな要素があります。
現在の日本には、私が知っているだけで4~5校のラーメンを教えている学校があり、たくさんあるラーメン学校の中から当社のラーメン学校を選び、参加してくれた生徒さんを、ラーメン・ビジネスで大成功させてあげたいと願っているのです。
当社のラーメン学校を卒業した生徒さんたちが、他のラーメン学校を卒業した生徒さんたちには、絶対に負けるようなことの無いようにしたいのです。
だから、学校中は勿論、生徒さんが大成功するような製法、ノウハウ、精神的なバックボーンを植え付けてあげたいと思っています。
例えば、今回のラーメン学校では、ある地方都市で、煮干しのインパクトが強烈なラーメン店開業を目指している生徒さんがいたのですが、味に濁りがなく、インパクトが徹底的に強くなるような製法をご指導したのです。
だから、当社の麺学校が目指しているのは、常に業界トップのレベルであり、味自体もトップ、盛り付けのレベルも時代の最先端の最高レベルです。
現在のラーメン業界の競争レベルは、非常に激しいレベルなので、普通程度のレベルを教えても、生徒さんは成功しないのです。
併せて、業界の悪い癖の染みついてしない素人の方が、デジタル・クッキングにも馴染みやすく、レベルの高い商品を簡単に作ってしまうのです。
当社は、小型製麺機ではダントツの業界トップシエアで、各地のドリームスタジオのスタッフから、日々、製麺機の問題点について、さまざまな情報が寄せられ、本社では開発部門、製造部門がレベルを上げるための改善改良を行ない続けているのですが、うどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校においても、業界ダントツのトップのレベルに更に磨きをかけて、レベルを上げ続けるための改善改良を日々続けていきます。
そのためには、学校の講師のレベルを上げ続けること、社内のIT化をさらに進め、情報の共有化、デジタル化のレベルを進化させ続けるための各種測定機の導入、更新等を行ないます。
業界ダントツのレベルを保ち続けるには、イノベーションが欠かせず、現在の安心領域にどっぷりつかっていると、いつの間にか異業種から参入したライバルに越されてしまうのです。
同業者は、手の内が分かっているので、そんなに怖くははないのですが、最も手強いのは、異業種からの参入組であり、過去のラーメン業界とか、麺業界の栄枯盛衰の歴史を見ても、新しい時代を創っている人たちは、異業種参入組であり、常に異業種参入組が業界にイノベーションを起し、業界を大きく変えているのです。
異業種参入組が大きなイノベーションを業界に起こすと、既存業者はなす術がなく、うどん業界にセルフの業態を定着させた「はなまる」と「丸亀製麺」がこれに当たるのです。
大切なことは、常に一貫性を持ち、イノベーションを起し続けることであり、会社全体をイノベーション体質にすることであり、評価制度にそのような指標を盛り込むことにより、仕組化することが大切なのです。
そして、これからは社外でのイノベーションは勿論ですが、社内の仕組みにもイノベーションを起こし続けることが大切で、会社全体を常にイノベーションを起し続ける組織にして、陳腐化しないことが勝ち残るための要点なのです。
昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
◆イノベーションのための組織つくり
ここまで、イノベーションの起こし方を学んできて、以下のすべてが必要か、或いは、かえって起業家精神や創造性を殺してしまうことにならないかとか、起業家的たるためには絶対に必要なことか、という疑問が生じるかもしれないのです。
1.廃棄の制度化
2.診断のための分析
3.イノベーション・ニーズの把握
4.起業家としての計画
5.機会についての報告と会議
6.成功の秘訣の報告
7.若手との会合
8.イノベーションの評価
9.個々のプロジェクトの評価
10.イノベーションの定期点検
11.イノベーションの業績評価
12.起業家精神のための組織構造
13.既存のものからの分離
14.担当トップヘの直結
15.最初の負担は軽く
16.評価も別に行う
17.責任体制
答えは、「必要ないかもしれない。しかし、これらのことを抜きにしては、あまりうまくいかないし、長続きもしない。」のであり、起業家精神については、トップ・マネジメントの人間、とくにCEOの個性や姿勢に焦点があてられることが多く、もちろんトップは新しい考えに対し、ことごとく「ノー」と言い、それを何年か続け、新しい考えをもった人たちが、報奨や昇進を得ることのないようにし、すぐ辞めてしまうようにするだけで、社内の起業家精神を傷つけ、殺すことが簡単にできるのでが、起業家精神についての書物の多くが少なくとも暗に述べているように、トップ・マネジメントの個性や姿勢だけの力で起業家的な事業を生み出すことはありえないのです。
たしかに、ドラッカーが知っている企業のなかにも、創業者自身が自分流にマネジメントをしている企業がいくつかあったのですが、それらの企業は、たとえ最初のうちは成功しても、起業家としてのマネジメントを行わないかぎり、すぐに起業家的ではなくなってしまっていて、トップ・マネジメントの個性や姿勢だけでは十分でなくなるのは、中堅企業でさえ、すでにかなりの大きさだからであり、中堅企業といえども、行うべきことを知り、それを行おうとし、それを行うための手段を手にする大勢の人たちを必要とし、実際にそのような人たちがいなければ、すべてが口先に終わり、起業家精神も、CEOのスピーチに出てくるだけのことになり、ドラッカーの知るかぎり、創業者が起業家精神のためのマネジメントを、組織のなかに確立していなかった企業で、創業者がいなくなっても起業家的でありつづけたところは1つもなく、起業家としてのマネジメントを欠くならば、遅くとも数年で臆病になり、後ろ向きになり、しかも通常、そのような企業は、自分たちを抜きんでた存在にした基本的な特質を失ったことを、手遅れになるまで認識できず、これを認識するためにも、既述した起業家的な成果の測定が不可欠であるのです。
創業者のマネジメントのもとで際立って優れた起業家的事業を行っていた2つの企業、ウォルト・ディズニー・プロダクションと、マクドナルドがそのよい例であり、それぞれの創業者ウォルト・ディズニーとレイ・クロックは、想像力と活力にあふれ、創造性、起業家精神、イノベーションのかたまりで、どちらも、日常業務のための強力なマネジメントをつくりあげたのですが、彼らは、起業家的な責任は自分1人でもちつづけ、いずれも自らの起業家的な個性に頼り、起業家精神を定着させなかったので、その結果、彼らが亡くなって数年後には、両社はともに活力を失い、後ろ向きになり、臆病になり、防衛的になったのです。
これに対し、起業家的なマネジメントを組織構造のなかに確立している企業、P&G、ジョンソン・エンド・ジョンソン、マークス・アンド・スペンサは、CEOの交代や景気の動向にかかわりなく、数十年にわたってイノベーションと起業家精神のリーダーでありつづけ、起業家的なマネッジメントを組織の中に確立して、それが企業文化になるまで高め続けて来たから、数十年にわたりイノベーションを起こし続けることが出来ているのです。
日本の戦後に出発して、既に大企業になっている会社の多くは、イノベーションのDNAが薄れてきていて、イノベーションが企業文化になり、定着するまでトップのリーダーシップは欠かせないのです。
6起業家精神のための人事
既存企業は、イノベーションと起業家精神のために、いかに人事を行うべきかは重要課題であり、「そもそも既存企業に起業家なるものは存在するのか」、「起業家とは特殊な人種ではないのか」と言うような問いが、起きるのです。
意味のない問題
この問題をめぐる文献はたくさんあり、起業家的な個性や、イノベーションしか行わない人間についての物語は多いのですが、経験の教えるところによれば、それらの議論にはほとんど意味がなく、そもそも起業家的であることが苦手な人たちが、進んでそのような仕事を引き受けるはずがなく、はなはだしいミスマッチは起こりようがなく、イノベーションと起業家精神の原理と方法は、誰でも学ぶことができ、ほかの仕事で成果をあげた経営管理者は、起業家としての仕事も立派にこなし、起業家的な企業では、誰が仕事をうまく行えるかを心配する者はおらず、明らかに、あらゆる性格や経歴の人たちが、同じようによい仕事をしているのです。
3Mでは、トップ・マネジメントにアイデアを提案する若手の技術者は、実際に自分でそれを手がけるものとされていて、起業家的な事業に成功した人たちのその後についても、心配する必要はなく、たしかに、新しいものを始めることには興味があるが、その後のマネジメントはしたくないという人たちはいて、まだイギリスに乳母なるものがいた頃、赤ん坊が口をきき、歩くようになり、もはや赤ん坊ではなくなると、辞めていく人たちがいたのですが、赤ん坊が子供へと育ったあとも世話をすることに抵抗を感じず、そのままとどまる乳母も大勢いたのです。
そもそも、起業家以外のものにはなりたくないような人たちは、初めから既存企業にそう多くはなく、いわんや、既存企業で成功していることなど、さらになく、既存企業において起業家として優れた仕事をする人たちは、通常、それ以前に、その組織において経営管理者としての能力も示している人たちであり、したがって彼らは、イノベーションを行うことと、既存の事業をマネジメントすることの両方を行えると考えてよいのです。
P&Gや3Mにも、1つのプロジェクトを成功させるや、直ちに新しいプロジェクトに着手するという人たちがいるのですが、両社においても、マネジメントの上層部のほとんどは、プロジェクト・マネジメント、プロダクト・マネジメント、マーケット・マネジメントというように、全社的な高い地位に順次のぼってきていて、ジョンソン・エンド・ジョンソンやシティバンクについても、同じことがいえるので、上記のように、結局のところ、既存企業においてイノベーションを成功させるのは、イノベーション・マネッジメント+起業家精神で、起業家精神とは、大和魂のようなもので、自分がやらねば誰がやるというような、リーダーシップの精神に尽きるのではと思います。
画像は、ラーメン学校で作っている香味油の一部で、香味油だけで約30種類の香味油を準備し、生徒さんの希望で、今回はレギュラー以外に、海老の頭の香味油、スルメイカの香味油、鯛の香味油を準備しました。
生徒さんの希望で作った鯛のラーメンには、生徒さんたちが絶賛していました。
このようなことが簡単に出来るのは、元ダレの種類も数多く、通常の火入れした元ダレだけでなく、火入れをしない生の元ダレも準備し、生徒さんの希望するどんな味にも対応し、ラーメン学校も既に12年の歴史があり、過去に何千通りもの、ラーメンスープのデータベースが完成しているためなのです。
来週、再来週は2週連続で、本社でのラーメン学校があり、翌週はシンガポールでのラーメン学校と、ラーメン学校が4回連続で続くのです。
海外での本格的なラーメン学校がいよいよ始まり、当社のラーメン学校のグローバル化の始まりなのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。