本日のテーマは「価値感、企業文化が差異を作る」です。
明日16日(火)から18日(木)までの3日間、ドリームスタジオ大阪で、恒例のパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(1.麺ビジネスのイノベーション、2.究極の人手不足解決法はこれだ、3.究極の売上対策)を用意しました。
※イベントは終了しましたが、大和製作所では定期的にイベントを開催しております
残り席は少し、ご希望者の方はお早めに!。
昨日の継続で、シンガポールの経営講義で発表する、「麺ビジネスの成功方程式」の体系化したレジメを作成しているのですが、大まかな内容は次の通りです。
1.麺ビジネスに必要なマインド・セット
2.麺ビジネスにおける価値感、使命、企業文化、コンセプトの関係の理解
3.事業計画書(ビジネス・プラン)を作成し、ビジネスの全貌を理解する
4.店舗力に関しては、商圏分析、物件分析、レイアウト等の説明
5.商品力に関しては、美味しい麺、スープ、トッピング、盛付等の実技中心
6.サービス力に関しては、麺ビジネスにおけるサービスの理解
以上が大まかな体系であり、これらの詳細については、必要に応じて、細かい内容にブレークダウンするのですが、上記の番号順は重要な順序になっているのです。
ところが、ほとんどの参加する生徒さんは5番目の商品だけに集中し、1から3番目には、ぜんぜん興味を示さない生徒さんもいるのです。
要するに、美味しい商品さえ出来れば、このビジネスは大成功すると思っている人が多いのです。
古い事例にはなりますが、私が過去の事例で知っているのは、名古屋で美味しいカレーうどんを創りだした人がいて、その味でお店は大成功するのですが、そのオーナーはお金を使い方が分からずに、入ってくるお金より、たくさんのお金を浪費してしまうので、幾ら繁盛しても最終的にはお金が足りずに破綻し、商品でいくら成功しても、マネッジメントで成功しなかったので、長い成功が出来なかったのです。
だから、以上のように1から6番目までの番号を付けていますが、この番号順に意味があり、もっとも大切なことはマインドセットです。
現在読んでいる書籍で、意味のある書籍で、私が大きな衝撃を付けた書籍は、「最強の未公開企業 ファーウエイ 冬は必ずやってくる」で、中国の場合は、国営企業が多いのですが、1988年創業で、全くの民営企業であるだけでなく、CEOの任正非氏は軍人上がりで、経営経験がまったくなかったにも関わらず、国営企業を抜き去っただけでなく、欧米の大企業も抜き去り、世界でトップの通信機器メーカーになったのです。
この間の成長率はリニアではなく、エクスポーネンシャルな非常に大きな成長率を達成したIT企業で、このようなエクスポーネンシャルな成長を達成した企業と普通の企業の違いがこの書籍から読み取れるのです。
その違いの要素として、随所に出てくるのが、自己否定でどんなに成果が上がっている時でも、油断がなく、常にこれではいけないという自己否定だけなのです。
人の常として、何かが少しでも上手くいき始めると、安心とか、油断が出るのですが、ファーウエイの企業文化は常に、自己否定であり、現状否定であり、絶対に安心領域に止まることはなく、これが15万人の社員のいる会社の企業文化になっていることなのです。
先ほども社内のスタッフで、過去の会社でファーウエイの社員と接したことのあるスタッフからの話として、ファーウエイの社員の7割は、営業職であっても図面が理解出来るので、営業担当者が技術的な商談も即、出来るのです。
今回のファーウエイに関する書籍を読んでみて、普通の企業とこのような飛び抜けた企業を比較して、その違いをもたらす違いを調べてみると、さまざまな点が見受けられるのです。
そして、企業文化が最終的に一番大切であることがわかるのです。
強固な企業文化を作るには、トップであるCEOのたゆまない、一貫性を持った社内へのアピールが欠かせないのです。
だから、企業のトップの大きな役目の一つは企業文化作りであり、ホンダ技研も創業者の本田宗一郎が命を懸けて、企業のDNAを作り続けたのです。
ファーウエイの任正非も人生をかけて、自分の持っている価値観を企業に植え付け、且つ、一貫性を持ち、オープンで、透明感の高い企業を作り続けているのです。
昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
◆人事のリスクは同じ
もちろん、起業家的なプロジェクトを成功させるためには、組織の構造が正しくなければならないのは当然であり、もろもろの関係が適切でなければならず、報酬や報奨がふさわしくなければならないのですが、誰にイノベーションのための部門を担当させるか、彼らが成功したあといかに処遇するかという問題は、裏づけのないあれこれの心理学ではなく、あくまでも人物本位で決めるべきことであり、起業家的なプロジェクトのための人事も、ほかの人事と同じであり、そこにはリスクが伴い、人事にはつねにリスクが伴うので、もとより人事の決定は、慎重かつ細心に行わなければならないだけでなく、下記のような注意が必要なのです。
1.正しく行わなければならない
2.徹底的に考えなければならない
3.大勢の候補をあげなければならない
4.1人ひとりの実績を調べなければならない
5.そして1人ひとりについて、一緒に慟いたことのある人からヒアリングしなければならない
しかし以上のことは、あらゆる人事においても行うべきことであり、しかも起業家的な仕事のための人事の平均打率も、ほかの経営管理者や専門職の人事のそれと変わることはないのです。
7起業家精神にとってのタブー
既存企業において起業家的たるためには、行ってはならないことが、下記のようにいくつかあります。
◆片手間ではすまない
最も重要なタブーは、管理部門と起業家的な部門を一緒に合わせたり、起業家的な部門を、既存の管理部門のもとにおくことで、既存の事業の運営、利用、最適化を担当している人たちに、イノベーションを任せてはならないのは、それまでの原理や方法を変えることなく、起業家的たろうとしても、無理であり、ほとんど失敗は必至であり、片手間に起業家的たろうとしても、うまくいく訳がないのです。
◆異質の人たちとでは
この10年ないし15年間、アメリカの大企業の多くが、起業家たちと合弁事業を組んでいるのですが、成功したものはあまりなく、起業家たちは、官僚的、形式的、保守的な大企業の原則、ルール、文化に息を詰まらせ、彼らのパートナーとなった大企業の人たちも、起業家たちが行おうとすることが理解できなく、彼らが、規律に欠け、粗野で、夢想家のように見えるので、大企業が起業家として成功しているのは、多くの場合、自らの人材によって新しい事業を手がけたときであり、互いに理解しあえる人たち、信頼できる人たち、ものごとの進め方を知っている人たち、一緒に仕事をしていける人たちを使ったときだけであり、企業全体に起業家精神が浸透していること、すなわち企業全体がイノベーションを望み、イノベーションに手を伸ばし、イノベーションを必然の機会と見ていることが前提であり、組織全体が「新しいものに貪欲」になっていることが前提であるのです。
◆多角化は不要
いかなる組織であろうとも、不得手な分野でイノベーションを行おうとしても成功することはめったになく、イノベーションが多角化であってはならず、いかなる利点があるにせよ、多角化はイノベーションや起業家精神とは相容れないだけでなく、新しいものは、理解していない分野で試みるには難しすぎ、既存企業は、市場や技術について卓越した能力をもつ分野でのみ、イノベーションを行うことができ、新しいものは必ず問題に直面するのですが、そのとき、事業に通暁していなければならないのです。
多角化は、市場や技術について既存の事業との共通性がないかぎり、うまくいかないだけでなく、たとえ共通性があったとしても、かつてドラッカーが論じたように、多角化にはそれ自体の問題(ドラッカー著『マネジメント』参照)があり、多角化に伴う問題に、起業家精神に伴う問題が加わってしまったら、結果は最悪であり、イノベーションは、自らが理解しているところでしか行うことができないのです。
以上のことは、「ビジョナリー・カンパニー②」のハリネズミの原則で取り上げられている通り、情熱が持てないことに絶対に取り組んではいけないのであり、情熱があり、世界一になれ、収益が上がる部分しか、絶対に取り組んではいけないのです。
要するに、自分の得意分野だけであるのです。
◆丸ごと買収ではない
最後に、買収、すなわちベンチャー・ビジネスの取得によって、起業家的な企業になろうとしてはならないだけでなく、もし買収しても、買収先の企業にかなり早い段階でマネジメントを送り込まないかぎり成功せず、買収された側の経営管理者が長くとどまってくれることはほとんどなく、オーナーならば、すでに金持ちになっていたり、雇われ経営者ならば、さらに地位があがりそうな場合しかとどまってくれないので、買収した側は、買収後1、2年のうちにうまくいかなくなり、買収された側にマネジメントを送り込まなければならなくなり、このことは、とくに起業家的ではない企業が、起業家的な企業を買収したときにいえるのであり、買収されたベンチャー・ビジネスのマネジメントの人間は、新しく親会社となった企業の人たちとは一緒にやっていけないことを知り、或いは、その逆も起こり、私自身、「丸ごと買収」がうまくいった例を知らないのです。
この急激な変化の時代にあって、イノベーションを行い、成功し、繁栄したいのであれば、起業家的なマネジメントを自らの組織のなかに、構築しなければならず、全組織にイノベーションの意欲を醸成し、イノベーションと起業家精神のためのマネジメントを確立しなければならず、大企業であれ小企業であれ、既存企業が起業家として成功するためには、起業家的企業としてマネジメントしなければならないのです。
画像は、おかげ横丁にある「赤福本店」で、赤福の戦略は、われわれに多くのことを教えてくれるのです。
伊勢神宮と門前町の双方が、素晴らしい戦略で繁盛を続けている稀有な事例であり、他の国内の多くの門前町とはまったく異なる佇まいです。
おかげ横丁にある多くの異なった特徴のある店舗は、どれも入ってみたいような店舗ばかりでした。
おかげ横丁では、多くの参拝客が楽しい1日を過ごしていたのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。