今日も社内でいると、朝から年末のあいさつ等で、お客さまが次々と来社され、年の瀬の慌ただしさが余計に感じられます。
銀行関係のお客さまも、年末は短時間で多くの客先を訪問しなければいけないので、十分なアポイントもなしに来社されます。
従って、年末、年始に社内でいれば、常に急な来客で、時間を取られてしまいそうです。
12月も中旬を過ぎると、ビジネスの進展がほとんどなくなるので、私のように、出張を繰り返し、社内に居ない方が、時間の有効活用になるかも知れません。
本日も夕方便でソウルに入り、2日間ほど、ソウル市内の客先訪問を繰り返し、麺学校の卒業生たちのその後の実態を見てくる予定です。
国内でも卒業生たちの店の訪問を繰り返しているので、卒業生の問題点をかなり把握してきましたし、以前からも同じことを繰り返し、新規開業のシビアさを生 徒さんに繰り返し話していますが、なかなか、在学中は理解せずに、開業してから、どの生徒さんも経営講義で話したことが身に染みているようです。
それらを踏まえて、麺学校の講師たちと打ち合わせ、学校の授業の進化のために役立てる予定です。
当社がうどん学校を開校したのは14年前ですが、その頃の生徒さんのレベルと現在の生徒さんのレベルはこの14年間で、大きく変わったように思います。
時代が経つにつれて、当社でやらなければいけない範囲が、確実に広がっています。
例えば、40年近く前の創業のころは、当社の製麺機を購入するお客さまのほとんどはプロの職人でした。
従って、麺の打ち方を教えることもほとんど不要であったのですが、そのうちに麺の打ち方、出汁の取り方、天ぷらの揚げ方、盛り付けの仕方等の実技はもちろん、マネッジメントの指導が重要な役目になったのです。
これは、創業のころには、想いも寄らぬことであったのです。
従って、当社がやらなければいけないことの難易度はだんだん高まり、更に、エンドレスに高まっています。
当社がこのような取り組みを次々と行なっているので、お客さまである麺学校の生徒さんたちもそのような人たちが集まっているのかも知れません。
大和へ来れば、何でもしてくれると思っている方が多いようです。
当社へ来られる場合は、麺専門店開業については、真っ白な状態で来て戴いたら良いのですが、自分自身のポリシー、即ち、価値観は明確にしておいて欲しいのです。
価値観の大切さを教えることは出来るのですが、その生徒さん自身の一人づつの価値観を教えることは出来ないのです。
14年前にうどん学校を始めたころは、当然、当社もこのようなことを理解していたかと言えば、まったくそうではなかったのです。
時代の変化の大きさを改めて、さまざまな面で教えられ、世の中の心理の理解の大切さが思い知らされます。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「知識労働者はすべてエグゼクティブだ」です。
29.知識労働者はすべてエグゼクティブだ
組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである。
組織の活動や業績とは、企業の場合新製品を出すことであり、市場で大きなシェアを獲得することである。
病院の場合は、患者に優れた医療サービスを提供することである。
組織のそのような能力に実質的な影響を及ぼすために、知識労働者は意思決定をしなければならない。
命令に従って行動すればよいというわけにはいかない。
自らの貢献について責任を負わなければならない。
(解説)要するに、知識労働者はすべて、経営者としての思考を持たない限り、即ち、誰からに言われてから行動したり、自分の考えを持たずに仕事に取り組ん だり、本当は自分はもっとやりたいことがあるのに、自分の考えを押し殺していては、ビジネスの成果を上げることが出来ないのです。
知識労働者が身につけなければいけない素質は、経営者が身につけなければいけない素質と何ら変わらないのですが、現在の日本のほとんどの知識労働者はそのような意識を持っていないと思います。
知識労働者、即ち、現在のほとんどの企業の一般的な従業員にそのような意識を植え付けることが、これからの経営者の非常に重要な仕事のうちの一つであることは間違いないと思います。
同時に、このような意識を持つ自主性の高い従業員を採用し、更に進化させ続けることが要求されているのです。
従って、一番重要な意識改革は経営者の頭の中であり、上記を思考していると、少し前に書いた下記の内容を思い出します。
20.事業の成功に必要なのは決断
誰かが勇気ある決断をしなければ、どんな事業も成功しないだろう。
「企業経営のエッセンスは、何かに『卓越』することと、『決断』することである」
ドラッカーは、何かに「卓越」するには、本を読んだり、原料や機械を意のままに操作するだけでは達成できにくいとする。
それは、人間の心と、人間の精神の質の問題であると言い切る。
だから、金銭で買うこともできない。
それは、その代償として、一人ひとりの人間のみが支払える努力、決断、良心が請求されるからであると説く。
そして、企業がどの面で卓越しているかが、その企業に興味を抱いて従業員となる人の質をも決定する。
したがって、有能で野心的な人間が求める職場は、自らが貢献し得る長所を備えた職場であるという。
自由社会では、人は常に会社を辞める権利を持っていることを忘れてはならない。
企業の持つ特質は、またその企業の製品やサービスを買う人の質をも決定する。
市場経済の世の中における消費者は、いつでも自分が気に入らないものを買わないでいられること、を忘れてはならないと手厳しい発言が続く。
この名言の後半の「企業経営のエッセンスは『決断』である」については、すべての決断は過去の経緯によって確かめられる事実などではなく、未来を対象にした意思決定であることを強調する。
こうした決定に常につきまとうものは、躊躇と疑念、論争と妥協、五分の成功率と五分の失敗率、辛くて地味な仕事と突如ひらめく素晴らしいインスピレーショ ン、適当なところで手を引こうという誘惑と新しいものをトコトン究極まで見極めたいという誘惑、老人の持つ知恵・経験と若者の持つ情熱とエネルギー…など との間の、絶え間ない葛藤である。
そして、何よりも、この決断には絶対に確実だということはないということであるとドラッカーは言い切る。
しかも、その正誤・成否が明らかになったときには、すべてがもはや手遅れになっているとする。
多くの優れた経営者の話を聞いてみると、「私の決断は、ごく普通の確率からみても、正しいものより、間違ったもののほうが多いに違いない」と思い悩んでいることを知る人は少ない。
聡明なエグゼクティブでも、常に割り切れない不安と同居していることを知る人は少ない。
多くの決定の背後には、何度かの決定が日の目を見ずにお流れになったことを知る人も少ないとドラッカーは指摘する。
そして傑出するための決断ほど、経営者にとって難しいものは、ほかにないと喝破するのである。
以上の様に、決断をすることは現状の安心領域との決別であり、未来の新しい安心領域を求めての行動のための決断なのです。
既に現状の安心領域から決別する位、勇気のいる決断はなく、経営に求められるのは、勇気なのです。
ドラッカー名言録80
「この世界では何らかの仕事ができる人間はむしろ稀である」
この考え方は、かねてからドラッカーが抱いていた発想である。
ここからドラッカーは、経営者の仕事とは、その関係した仕事に何らかの形で強さを与え、弱点を心配しなくてすむようにすることだと主張する。
効率的な企業は、自らの強みを基礎として築き上げるというドラッカーの発想にベースを置くものである。
ドラッカーはかつて、「彼に1人で仕事をやらせるのはどうも心許ない」「人々とうまく折り合っていけない」などといった場合に、こうした人間に対して強みではなく、弱みの上にビジネスを築き上げていると主張した。
ある人間に関して、そのできないことを心配するのは適切なあり方ではないとドラッカーは言うのだ。
逆に、「誰々は税務会計の担当だが、その仕事の邪魔になる人々に煩わされないで仕事ができるようにするのが、自分の仕事だ」と言っている経営者や管理者がいる会社は、よい結果を生むと言う。
なぜならば、こうした会社はアクセントを強さの上に築いているからである。
人間に関してどんな仕事ができないとか、弱いという点に立脚するのではなくて、その逆に、できる点、こなせる点に立脚して仕事を与えているからである。
さらにそうした経営者は、自らの仕事は、こうした部下の強さを着実に活用することであると正しく理解しているからである。
ドラッカーはこのような正しいアプローチをしない会社が多いのは、部下に対する評価の方式が間違っているからであると言う。
現在の評価制度はいまだに弱点にウエートを置いているところが多い。
これはそもそも、仕事の評価方式が臨床心理学者の仕事から発展してきたことを考えれば、十分に納得はできる。臨床心理学者は、ドアを開けて入ってくる人間は病気にかかっており、どこが悪いのかと尋ねてくるのだという仮定の上に立っているからである。
確かに臨床心理学者が人間の弱点を探求するのは、それなりに正当化されるし、そこへ皆が行くのは、助けてもらい、癒してもらうためだから当然である。
しかしドラッカーは、経営におけるマネジャーの仕事は、それとは明らかに異なった仕事だと強く言う。経営での仕事とは、自分の強さを仕事に十全に投入して、仕事をよりよく達成する助けになることだと主張する。
人々が成し得ることを活用して業績を上げることが重要だと考えるので、評価方式を弱点とか短所とか粗探しに基づかせているのは、考え得る限りの最悪のアプローチであると、ドラッカーはきっぱりと断定する。
日本の教育制度は、平均点主義であるので、日本の教育制度に慣れているわれわれにとっては非常に難しいのが、長所を見つけ、更にその長所を伸ばし続けることの大切さを理解することです。
過去、平均点主義に馴らされているので、なかなか癖が抜けないのと、何か困ったことが起きると、常に、誰かの弱点に目がいってしまうのです。
しかし、弱点を幾ら強化したところで、卓越することが出来ないのです。
私もいつも麺学校の経営講義で話していることですが、現在、新規に開業して上手くいかない理由のほとんどが、平均点並の商品、サービスでやっているからなのです。
インターネットがこれだけ発達した現在は、商品力、サービス力とも、95点以上の高いレベルでないといけないのです。
殆どの上手くいっていない店は、60~80点レベルの商品、サービスを提供しているのです。
インターネットが発達する前は、60~80点レベルでも十分、上手くやっていくことが出来たのです。
インターネットの発達がビジネスの競争状態を変えてしまったのです。
しかし、ほとんどの新規開業者はこのことを十分に理解しておらず、開業時で食べログの点数を3.0点付近の点数を最初に来た食べログのブロガーに点を付けられて、ずっと上がらないままになっていることが多いのです。
画像は、先週のラーメン学校の生徒さんの作品事例で、つけ麺です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
▼うどん製麺機製麺の様子