昨日から、本社では今年初めての経営講義が始まりました。
昨日の経営講義は熱心な生徒さんが多く、経営講義が終了したのは午後7時半で、質問が多い経営講義は、私のモチベーションが非常に上がるのです。
そして、今朝も早朝からドラッカー・マネッジメントに取り組んでいて、今まで気付いていなかった重要な点を理解することが出来たのです。
過去、ドラッカー塾に2回通いましたが、ドラッカーの究極の質問の重要さをそれほど理解していなかったのですが、本日は、この質問こそ、自己変革を促す重要な究極の質問であることがよく分かりました。
毎朝早朝の時間をこうして、学びの時間に充てて深く思考していると、思いがけない発見に繋がるのです。
改めて早朝の思考の大切さが分かります。
昨日も生徒さんからさまざまな質問が出た中で、自分自身のモチベーションを上げ続ける方法として私の見解を問われたときに、真っ先に挙げたのは、早朝の活用です。
私は、学生時代を終えて、川崎重工へ入社した時から、毎日夜は9時就寝、朝は3時起きの生活を繰り返してきました。
その頃も体調はよく、心身ともに最高の状態の生活を送ることが出来、高いモチベーションで日々を過ごしていたのです。
毎朝3時に起きるので、朝の時間で相当のことが出来、これが365日なので、年間を通すと大きな時間の蓄積になります。
川崎重工で勤務していた頃は、このような生活をずっと送っていたのですが、開業後に、徹夜の連続になったり、或いはお客さまを接待して遅くまで飲みに出るようになったりして、早朝の学習を継続し続けていなかったのです。
ところが、最近、早朝の学習の継続を再開してみると、その良さを以前にも増して、深く理解出来るようになったのです。
早朝に思考に取り組んだり、仕事に取り組む成果は次の通りです。
1.電話が鳴ることもなく、誰かが来ることもなく、誰にも邪魔されずに、一人になって、集中して取り組むことが出来るのです。
2.音のしない、静まり返った状態での思考は、頭も冴え、思考に集中出来るので、成果が非常に上がり易く、短時間で大きい成果が上がるのです。
3.朝の凛とした雰囲気自体が気持ちを高めてくれるのです。
4.その日1日にやらなければいけないことの項目をチェックし、1日の時間管理の設計が、十分に出来るのです。
5.3時位に起きると、8時まででも5時間もあるので、まとまったことに時間を投入することが出来、大きなことが出来易いのです。
6.朝の時間で、その日の仕事の一部分、場合によっては大部分が処理できるので、その日一日の余裕を持って、仕事に取り組むことが出来るのです。
7.早朝に起床することにより、当然、就寝も早くなり、理想的な睡眠時間である夜10時から朝の2時までの時間の睡眠が取れ、ぐっすり眠ることが出来、睡眠の質が向上するのです。
8.朝の時間の神秘的な雰囲気に触れることにより、自分自身の中にある何かが変わり始め、自己変革の近道にたどり着くことが出来るのです。
以上のように、昔から、早起きは三文の徳と言われてきましたが、それ以上に素晴らしいことがたくさんあり、新たな発見に出会うことが出来るのです。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「良いコンサルタントの条件」です。
70.良いコンサルタントの条件
コンサルタントとしての私の最大の長所は無知になり、いくつかの質問をすることである。
My greatest strength as a consultant is to be ignorant and ask a few questions.
(解説)当社も過去、たくさんのコンサルタントの先生のお世話になりましたが、真に成果を上げることが出来たコンサルタントは、ほとんどいないのです。
そして、現在でも日本にはたくさんのコンサルタントが存在していて、コンサルタントを育成するコンサルタントもいる位に、至るところにコンサルタントがいます。
そして、ほとんどのコンサルタントは鳴かず飛ばずで、人生を終わっていると思います。
ドラッカーのような、人びとの記憶に残るようなコンサルタントになるには、単にクライアントに教えるのではなく、クライアントを自己変革に導くことが必須であったのです。
このことに気づいているコンサルタント自身は、非常に少ないと思います。
ロバを水飲み場まで連れていくことは出来ても、水を飲むのはロバ自身の意志なのです。
従って、コンサルタントに頼っても、クライアント自身が変わらなかったら、成果は上がらないのです。
更に、コンサルタントについて指導して貰っている間は業績が良くなっても、コンサルタントが離れると、業績が元へ戻るのでは意味がないのです。
従って、成果を上げるコンサルタントは教えないで、自己変革を要求し、誰でもクライアントにせずに、成果が上がる可能性のある客しか、クライアントにしないのです。
教えるのではなく、自己変革を促すコンサルタントこそ、コンサルタントの中のコンサルタントなのです。
従って、私も14年間、大和麺学校の経営講義を行なってきて感じるのは、生徒さん自身の自己変革の大切さです。
幾ら、大切なことを教えて、生徒さん自身がその場で納得しても、自己変革して、実行し、大きな成果を上げることが出来ないと、意味がないのです。
人は変わることでしか、成長を期すことが出来ないのですから。
当然、私自身も自己変革を行ない続け、当社のスタッフにも自己変革を促すのです。
次に、ドラッカーのコンサルタントとしての質問に関しては、ドラッカーの翻訳の第一人者である上田敦夫氏の文章を引用すると、以下のようになります。
「質問によって行われるドラッカーのコンサルティング 究極の問いとは」
「13歳のとき、宗教の先生のフリーグラー牧師が、何によって憶えられたいかねと聞いた。誰も答えられなかった。すると、今答えられると思って聞いたわけ ではない。でも50になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ、と言った」(『ドラッカー 時代を超える言葉──洞察力を鍛える160の英知』)
ドラッカーのコンサルティングが、質問によって行われていたことは、よく知られている通りであり、大きな成果を上げていたのです。
ゲーテにもダンテにも先生はいた。しかし、2人とも、彼らの先生が思いもつかないほどの巨人に成長した。先生方の持ついかなるスペック(仕様)をも超えた。
最高の教育者はスペックを持たない。理想像は持っていても、その理想像に生徒を押し込めようとはしない。自らの理想像をも超えて成長してくれることこそ、教師冥利に尽きる。同じことは、コンサルタントについてもいえる。
だから、最高の教師とコンサルタントは、質問によって生徒とクライアントを刺激する。
その質問魔のドラッカーが究極の質問と位置づけていたのが、この「What to be remembered for? 何によって憶えられたいか?」あるいは「何をもって憶えられたいか?」だった。
経済学の巨人シュンペーターが、ウィーン時代の年長の友人、ドラッカーの父アドルフ・ドラッカーに聞かれての最晩年の答えが、「何人か一流の経済学者を育てた教師として憶えられたい」だった。
同じように、ドラッカーのかかりつけの歯科医が、突然ドラッカーに聞かれて、ちょっとむっとしての答えが「変死したドラッカーさんを検死した解剖医が、『この人は一流の歯医者にかかっていた』と言ってくれることだ」だった。
もちろん日本人の場合、10人に1人は、どう憶えられるかにかかわりなく、信ずるところに向かうと答える。最高の心掛けであり、心意気である。しかし、ドラッカーは、憶えられるという色気を是とする。これならば、10人が10人とも望むことができる。
「今日でも私は、この問い、つまり何によって憶えられたいかを自らに問いかけている。これは、自己刷新を促す問いである。自分自身を今日の自分とは若干違う人間として見るよう仕向けてくれる問いである」(『ドラッカー 時代を超える言葉』)
ドラッカーの有名な究極の質問が上記のように、「何によって覚えられたいか?」であり、この質問を自分自身に発することにより、常に自分自身を自己改革するためのツールとして使っていたのです。
更に、この言葉を生徒とか、クライアントに発することにより、生徒とか、クライアントの成長を無限に促す道具として使っていたのです。
これは企業についても、同様なことであり、上司より会社の将来を担う後輩の部下たちが、最終的により高度に進化しなければ、企業は危ういのです。
当社で言えば、私より後に続く人たちが、私とか周りの経営陣を超えて成長しないと、当社の明日はないのです。
従って、当社の今後を考えると、この質問の意味は非常に大きく、部下の無限大なる成長を促すには、単に教えるのではなく、質問が最高の成長を促す道具であることがよく分かります。
ところが、一般的に企業では、部下が自分より成長して、自分を追い抜く部下が出ることを喜ばない上司がほとんどです。
上司が部下の成長を喜ぶような仕組み作りが、組織の中に出来ていることが、最も重要なのです。
部下、スタッフを成長させた上司を評価したり、部下が成長することにより、上司も、組織全体が恵まれような仕組みが組織には必要なのです。
今まで、この質問については、ドラッカー塾では学んでいたのですが、改めてこの言葉が、自己改革とか、他人の改革を促す意味があったことに対する理解に乏しかったのです。
この言葉に対する深い理解がもしあったら、もっとこの言葉を活用して自己改革に取り組んでおくべきであったのです。
そして、われわれは一人ひとり、自分自身のコンサルタントであるべきなのです。
従って、一番大切なことは、自分自身への問いであったのです。
画像は、昨日の経営講義で、生徒さんたちからの難しい質問が多ければ多いほど、私のモチベーションが上がり、素晴らしい経営講義になるのです。
このような地味な経営講義ですが、毎回、生徒さんに真剣勝負で向かい合っています。
このような経営講義を地味にコツコツと重ねていき、いつか大きな成果となる日が来ることを夢見ています。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。