昨日は、午前10時の関空発、香港行きのANAに乗り込み、4時間のフライト中は、ずっと、3月に改訂版が出る「ラーメン、うどん、蕎麦店の教科書」の校正を行ないました。
香港空港に到着するまでにすべてを終え、空港に到着すると、以前から親しくさせて貰っている、投資コンサルタント会社「グローバル・サポート」の中村社長の部下の方がたの出迎えを受け、ホテルまで直行し、ホテルで中村社長と5年ぶりに再会しました。
以前から、香港に来る度に、面白い、進化した飲食店をご案内して戴いていましたが、今回は、カフェが人気であるとのことで、カフェを中心に案内して戴きました。
途中で、たいへん興味があった香港事情について、さまざまな質問をしてみると、面白いことが分かってきました。
香港の人口は約700万人で、東京23区の約2倍程度の広さの人口過密地帯であり、ロンドン、NYに次ぐ、世界第3位の金融センターになっているのです。
大学の初任給は約35万円で、日本の1.5倍以上ですが、消費税はなく、所得税の最高税率は15%で、ほとんどのサラリーマンの税金は、5%以下の数パーセントで、2%程度が多いそうです。
企業の所得税もほぼ同様で安く、香港はシンガポール同様、輸入税がなく、税金面では、優遇された国の一つです。
一番高いのは住居費で、案内してくれたスタッフの話によれば、風呂、キッチンのない、5坪のスペースでも1ヶ月の家賃は15万円程度で、日本では考えられないようなバカ高い家賃で、私が単純な計算をしてみると、東京の家賃のほぼ2倍程度でした。
だから、バカ高い家賃をカバーするために、給与も高くなっているような気がしました。
反対に、税金が非常に安いので、その点ではビジネスをする上では大きなメリットがあるようです。
食料品は99%が輸入で、価格は一般的に日本より高く、外食コストも高く感じました。
5年ぶりの香港であったので、市内のショッピング・センターは日本資本から海外資本にすべて入れ替わっていて、昔、話題になったヤオハン、日本のデパートもすべて撤退し、街の佇まいも相当な変化が見て取れました。
香港へ来ても、前回のスイス同様に、日本を追い抜き、世界的な地位を高めていることがよく分かりました。
昨日訪問した、非常に繁盛していたカフェの一つは香港発で、店頭でパンのミキサーとか、ドウ・シーターを置き、パンの自家製造をアピールし、席数も多く、お客さまのほとんどは女性客で、食べ物にウエイトを置いていました。
数点、食べ物を注文しましたが、どれも、美味しくて、コスト・パーフォーマンスの高い、価値の高いものでした。
次に訪問したカフェは、台湾発のカフェで、珈琲弄(Coffee Alley)と言い、店作り、商品作りがアウトスタンデイングで、お客さまを感激させるような素晴らしい内容でした。
今年には、東京の原宿に出店を予定しているとのことで、温かいフルーツのお茶もソウルで昨年末に飲んだ、温かいミカンのジュースより洗練されていました。
このカフェはドリンク、食事、デザートもすべて、際立った個性があり、明日から訪問する台湾が楽しみですが、今回は時間が充分ではないので、ゆっくり、次回は台湾も視察をしてみたい場所です。
最後に案内して貰ったアジアの繁盛店50店の中に入っている焼き鳥店では、量目の少ないカラスミの焼きうどんが2400円には驚きました。
このように、海外の次々と進化している様子を見れば、大きな刺激になるとともにたいへんな参考になります。
次に、機内で読んだクーリエ・ジャポンの3月18日号より、以下の面白い、気になる言葉を見つけたの、引用します。
1.トップに立つことが出来る人は、苦しむことに慣れている人だけ。
2.圧倒的な差を付けないと、勝利とは言えない、トップとは言えない。
3.退屈しないために、進化しなきゃいけない。
どれも真実であり、これらの言葉を発している人たちは、20歳代から30歳代の若い人たちばかりです。
海外に出る度に、もっと何とかしなければと思う事ばかりです。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「より少ない努力で成功するには」です。
80.より少ない努力で成功するには
自らに求めるものが少なければ、成長しない。
多くを自らに求めるなら、成長しない者と同程度の努力で巨人に成長できる
(解説)成果を上げている者は努力して能力を身につける、その習慣が成果を上げる(3分間ドラッカー、上田惇生、【第224回】 2010年12月27日)
「知識があって、理解力があり、懸命に働くだけでは十分でない。成果をあげるにはこれらとは違う何かが必要である」(ドラッカー名著集(1)『経営者の条件』)
ドラッカーは、仕事において成果を上げるには、特別の才能や適性は必要ないと言い、いくつかの簡単なことを行なうだけでよく、簡単な習慣を身につければよいというのです。
第一が、常に貢献を考えることであるが、これは簡単なことのように思えて、じつはそうではなく、「業績」という言葉が出てきそうになったら、そのつど「貢献」と言い換えなさいというのです。
第二が、常に集中することであるが、これも簡単なことに思えるが、そうではなく、集中するには優先順位を決めなければならない。
第三が、目線を高くすることである。何をどうしようとも、「世のため人のため」という目線の高さがなければ飛躍は無理であり、必ず、欲という落とし穴に落ち込む。
そしてもう一つ、ドラッカーが口を酸っぱくして説くものがあり、成果を上げるための必須の資質は「真摯たること」であり、これなくしては、長期的な成果を望むことは不可能である。
ドラッカーは、成果を上げる者は、成果を上げる能力を努力して身につけていると言い、彼らは、成果を上げることを習慣にし、成果を上げるよう努める者は、皆が皆、成果を上げられるようになっている。
「成果をあげることは修得できる。そして修得しなければならない」(『経営者の条件』)
以上より、成果を挙げ、成功を目指すのであれば、自分自身に高いレベルの要求をしなければいけないのです。
自分自身を変革し続けることしか、成功があり得ないのは真実なのです。
また、ドラッカーは「1つの成果をうるためには数千のアイデアを育てなければならない。(ピーター・ドラッカー)」と言い、1つの成果のために、数千の努力が要求されることを示しています。
電灯を発明したエジソン、掃除機に革命を起こしたイギリスのダイソンも同じような努力を払っているのです。
従って、「1つの大きな成果=数千の努力」が成り立つとも言えるのです。
日々、われわれはさまざまな努力を行なっていますが、数千回くらい行っても大きな成果になって現われるのは、1個だけであることを理解すると、日々の努力の積み重ねは当たり前に思えるのです。
次に、ドラッカー学会で活躍されている上野周雄氏の文章より引用します。
「無駄な努力はダメ――自分の強み生かして」(ドラッカー学会、上野周雄氏)
卓越した仕事を生き生きとしている人がいるが、彼は単に有能な働き者ではなく、自らの強みを知り、自らの属する場所を得た人がゆえであると、ドラッカーは言う。
「誰でも、自らの強みについてはよくわかっていると思っている。だが、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違って いることが多い。しかし何ごとかをなし遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かをおこなうことはできない。」(『プロフェッショナルの条 件』)。
どうすれば自らの強みを知ることができるかについて、ドラッカーは、フィードバック分析しかないと言い、ドラッカー自身が50年以上続けてきた方法なのです。
方法は簡単で、まず何かをすることを決めたら、「自分はそれに何を期待するか」を記録しておき、そして9ヵ月~1年後に、自分が期待した内容と実際の結果とを比較、フィードバック分析により、強みを生かすために行うべきことが明らかになる。
要するに、期待以上の成果が出た場合は、自分の強みの分野であり、期待以下の成果しか得られなかった場合は、強みではなかったのです。
1.結果を生み出す強みに集中する
2.誰にでも学べる技能や知識は身に付ける
3.専門馬鹿にならない
4.成果を挙げるうえで邪魔になっている悪癖、仕事ぶりは直す
5.人への対し方、礼儀はわきまえる
6.苦手の分野の仕事は引き受けない
7.努力しても並にしかなれないことはしない
「苦手克服し強み伸ばせ」
海外向け電子機器の商品企画者として活躍している人がいて、彼には、その商品分野が好きで顧客視点で商品を見ることができるという強みがあり、彼が成果をあげているのは、前述の①~⑦全体ができているからである。
上記7は言い換えれば、「強みに集中し無駄な努力はしてはならない」ということで、ドラッカーは「無能を並にすることは一流を超一流にすることよりもはるかに難しい」と言い、無能者を並に育てるために使う組織の時間と資源こそ無駄である。
もちろん、誰でも知りえることを、苦手だから専門外だからと、知らなくて良いわけではなく、知らないことが仕事の失敗につながり、技能や知識を身に付ける努力は、強みを伸ばし生かすために重要なことである。
商品企画の彼は、もともと英語は大の苦手で、英語会話を努力で身に付けたために、一流の会話力ではなくても、誠意を持った人への対し方が会話を助け、顧客 の意見を聞き、自身の企画を技術者に伝え、顧客に商品をアピールすることが出来、正に自身の強みを伸ばすことにつなげた。
自らの強みを知っても意味のない時代があった。
農民の子は農民、職人の子は職人として生まれながらにして仕事が決まっていた。
しかし今は選択の自由があり、自らの強みを知ることで、自らをもっと貢献できる場所に置き、成長していくことができる。(輸送経済新聞 平成24年9月4日より引用)
以上より、成果を挙げるには、自分の強みに根差し、方向性を間違わない努力が必要であると同時に、例え苦手なことであっても、そのビジネスを遂行する上で必要なことは最低限身につける必要があるのです。
例えば、コミュニケーション等は、必須のアイテムで、上記の英語力についても実はコミュニケーションには、欠かせない道具なのです。
ラーメン・うどん・蕎麦・パスタなどの麺ビジネスにおいても、マネッジメント能力を身につけることは、例え苦手であっても必須アイテムであるのです。
画像は、昨日ご案内戴いた台湾発のカフェ、「珈琲弄(Coffee Alley)」の店内での画像で、後列右端が中村社長です。
同行した讃匠の武内常務が持っているのが、温かいフルーツのお茶です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。