明日7月12日(日)から7月14日(火)までの3日間、ドリーム・スタジオ東京にて、「麺専門店繁盛支援イベント」を開催し、さまざまなセミナーがあり、13日は、私も参加します。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-tokyo/)
7月20日(月)、21日(火)の2日間、シンガポールで「1day ramen school」と「1day udon school」を開催し、2日間とも、私も参加します。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-singapore)
本日のテーマは「現在進行形」です。
昨日は、朝の便で小松空港から羽田に移動し、午後からパレスホテルで開催された一般社団法人「企業価値協会」での2015年下期企業価値フォーラムでの発表会に臨んだのです。
今回、成果の発表をしたのは、すでに企業価値を認定されたいた企業が3社選ばれ、企業が提供している特徴的な価値とその取り組みについての発表を行ない、昨日発表したのは、広島県福山市で31店舗ほどスーパーマーケットを展開していて、伸び率が業界トップの「エブリー」、茨城県でのレストランチェーンの雄「坂東太郎」と当社の合計3社の発表であったのです。
この日のために事前にレジメを準備していたのですが、他社の準備の周到さ、内容の素晴らしさには驚き、たいへん参考になり、学ぶところがたくさんあり、当社が発表させて戴いた以上に、他社の発表からの学びが大きかったのです。
最初に発表したスーパー「エブリー」はスーパー業界の非常識に挑戦し、「超新鮮」を実現し、他社の2倍から3倍の集客に成功しているのです。
そしてスーパーを母体にして、外食、夕食材料の宅配のヨシケイ、障害者支援施設、農業法人、人材教育事業等、幅広い事業を展開し、売上高700弱ですが、売上高の伸び率が国内でのスーパーでトップクラスなのです。
国内のスーパーの売上高がピークであったのが、19年前の1996年で国内のスーパーは市場が縮小しているにもかかわらず、店舗数と売り場面積が増加を続けているのです。
そして、外食産業のピークは1997年なので、小売業、外食ともピークの年は相前後していて、生産年齢人口のピークが1995年なので、小売業、飲食業ともに、生産年齢人口の減少に大きな影響を受けているのは間違いないのです。
スーパーマーケット市場のピークが1996年であり、ピークは終え、市場が縮小しているにもかかわらず、店舗数が増え、売り場面積が増えているので、スーパー各社のテーマは効率化であり、人件費の削減であるのです。
ところが、「エブリー」は他社とは違った戦略を取ったのです。
一般的なコンビニ、スーパーのような小売業は、在庫を切らすのを無くし、いつお客さまが来ても、品切れを起こさない等、効率化の追求を第一番にしているのですが、「エブリー」では、常に鮮度、出来立てを最重要課題にして、朝仕入れた野菜、鮮魚はその日のうちに売り切るようにしているのです。
従って、在庫が切れるのは当たり前で、在庫切れには価値観を置かずに、鮮度を価値感の一番目に置いているのです。
要するにチャンスロスをなくするとか、効率化とか、人件費の削減はテーマになく、出来立てを提供し、コンビニが提供出来ない価値を提供しているのです。
人の教育システムも独自に構築し、全店の仕入は1ヶ所で集中仕入れを行なわずに、全店舗の担当者が全員、直に市場に仕入に行き、自分の目利きで仕入れて、責任を持って売り切る仕組みを取っているのです。
仕入れた魚でもお客さまの時間帯別ニーズに合せ、朝の時間であれば、そのまま売り、昼は切り身で、夜は夕食にすぐ間に合うように、寿司とか、刺身に加工して販売しているのです。
或いは、魚の仕入は漁から帰った船を一艘ごと買い取り、魚種もサイズも、すべて全部買い取るようにしたところ、漁師の売り上げは今までより30%アップし、無駄に捨てる魚がなくなり、たいへん喜ばれているそうです。
以上のように、大手のチェーン店が提供出来ない価値を探し続け、それを提供することをやり続けた結果、素晴らしい成果を上げているのです。
さらに現在、一番力を入れているのが人の教育で、人間塾を始め、店舗での不適切な行動を注目せず、責めないようにして、良い部分だけを褒め合うようにしたところ、ミスがなくなってきたようです。
そして、一般的なレストランはメニューが日々固定ですが、傘下のレストランでは毎日の仕入に合せて、メニューを組んでいるので、メニューは日々変化するのです。
以上のように素晴らしい成果を上げる企業は、日々、進化を続けていて、過去の栄光に頼っておらず、現在のレベルを上げ続けていて、現在進行形で、更に進化を加速させているのです。
外食産業においてもどうようで、現在伸び続けている企業は、大手の外食企業と異なった、独自の戦略で闘っている会社だけなのです。
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、さらに学びを深めるために、5月26日より7月5日まで41日間の復習を進めてきましたが、さらに理解度を増すため、再再度、チャレンジし、自分自身を大きく変えるのに役立てていきます。
「4種類のリスク」
リスクには基本的に、下記の4つの種類があるのです。
(ドラッカー名著集⑥『創造する経営者』)
第一に負うべきリスク、すなわち事業の本質に付随するリスク
第二に負えるリスク、
第三に負えないリスク、
第四に負わないことによるリスク
世界で最初の、かつ今日に至るも最高の経営戦略書とされている本書において、ドラッカーは、経営計画では、まず リスクの種類を明らかにせよといったのです。
第一に、事業を行う限りは、ほとんどあらゆる産業に負うべきリスクがあり、 産業ごとに負うべきリスクは異なり、新薬には人体を傷つけるリスクがりますが、製薬会社にとって、新薬開発に伴うリスクこそ、 負うべきリスクの典型であり、リスクがいやならば撤退するしかなく、人を助けるべきものが人を傷つけるかもしれないという、製薬会社にとっては悲痛なリスクであり、過去には、サリドマイド禍があり、小児麻痺ワクチンによる死亡事故もあったのです。
第二のリスクと第三のリスクはペアであり、 一方に負えるリスクがあり、一方に負えないリスクがあり、 失敗しても多少の損失(資金と労力を失う)ですむというリスクは、負えるリスクであり、 逆に、失敗したら存続できないほどの資金がかかり、会社がつぶれるというリスクは、負えないリスクであり、ここにもう一つ、負えないリスクがあり、成功しても、その成功を利用できなというリスクであり、事業に着手するに当たっては、成功を利用できるか、もたらされる機会を実現できるか、それとも誰かのために機会をつくるだけかを問わなければならず、例えば、失敗すれば、投じた資金を失うだけですむのですが、成功すれば、人手と資金の追加が必要となり、そのときに調達できなければ、それはもともと負えないリスクだったということになるので、新しい事業に手を出すに当たっては、 後からやってくるどこかの大事業の水先案内人に終わらないか考えねばならないのです。
第四が、負わないことによるリスクであり、その典型が、革新的な機会に伴うものであると同時に、乗り遅れのリスクであり、その古典的な例が、第二次大戦直後のGEの原子力発電への進出であり、米GE(ゼネラル・エレクトリック)は、原子力発電は顧客たる電力会社にとって採算が合わないと見て、専門家は原子力を経済的な電力源にできる可能性は低いと見ていたのですが、GEは発電機メーカーの雄として、 たとえ万一であっても乗り遅れるという、リスクを負うわけにはいかなかったので、一流の人材を投入し、膨大な投資を行ったのです。
「もちろん何かを起こすにはリスクを伴う。 しかしそれは合理的な行動である。何も変わらないという居心地のよい仮定に安住したり、ほぼ間違いなく起こることについての 予測に従うよりも、リスクは小さい」(『創造する経営者』)
「トラック企業が負うべきリスクは」(ドラッカー学会理事、上野周雄氏)
リスクは負う価値のあるものにとどめることであり、計画が成功すれば、より大きなリスクを負担できるようになり、新規事業を起こす場合には、一流の人材を投入し膨大な投資を行なうということであり、勘や経験に頼らず、複数のリスクから最も合理的なものを選ぶことが必要です。
トラック運送業界では、交通事故の発生は「負うべきリスク」で、自社のトラックが事故を起こさなくても、他の車の事故に巻き込まれる可能性もあり、交通事故が嫌ならば事業をやめざるを得ないのです。
第二は失敗した場合の損失が少なくてすむ「負えるリスク」です。
第三は失敗したら会社がつぶれる「負えないリスク」ですが、「負えるリスク」と考えていても、成功後に次の資源(人・モノ・カネ)の追加投入ができなければ、もともと第三の負えないリスクだった――ということになるのです。
自社が強みとする最も重要な事業分野に大きな変化があったとすると、このとき新たな資源を投入するべきなのか、他社に先行を許すという大きなリスクがあり、これが第四の「負わないことによるリスク」で、経済活動において何よりも大きなリスクは、リスクを負わないことであり、リスクを負えなくすることであるのです。
「原理と方法」
起業家精神にリスクが伴うのは、一般に、起業家とされる人たちの多くが、自分がしていることをよく理解していないからであり、つまり、方法論を持っていないだけでなく、彼らは初歩的な原理を知らず、このことは、特にハイテクの起業家について言えることであり、特にハイテクによるイノベーションと起業家精神は、リスクが大きく困難なものとなっていて、ハイテクにおける発明発見によるイノベーションは、業績上のギャップや、市場、産業、人口、社会の構造変化に基づくイノベーション、さらには認識の変化にもとづくイノベーションに比べて、きわめてリスクが大きいのですが、ハイテク分野におけるイノベーションや起業家精神でさえ、ベル研究所やIBMの例が示すように、リスクは必ずしも大きい訳ではないのですが、そのためには体系的でなければならず、マネッジメントしなければならず、何にも増して、目的意識を伴ったイノベーションを基礎としなければならないのです。
「イノベーションのための7つの機会」
「1.イノベーションとは何か」
日本では、イノベーションとは技術革新と信じられていますが、ウイキペデイアによれば、イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のことであり、一般には新しい技術の発明を指すと誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味し、それまでのモノ・仕組みなどに対し、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを指すのです。
イノベーションの定義は、1911年に、オーストリア出身の経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターによって、初めて定義され、シュンペーターはイノベーションを、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などを、それまでとは異なる仕方で新結合することと定義し、イノベーションのタイプとして、下記の5つを挙げています。
1.新しい財貨すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産、要するに、企業経営者の創造的活動による新製品の生産等、商品そのものに関わるイノベーション(エジソンの電灯、飛行機、ipod、iphone、ダイソンの掃除機、扇風機)
2.新しい生産方法の導入、新しい輸送方法の実現(コンテナー船)等、生産、輸送に関するイノベーション
3.新しい販路の開拓、新しい販売方法の実現(割賦販売)等、販売に関するもので、消費者の行動や価値観や、市場の面でのイノベーション
4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得、要するに新資源の占有によるイノベーション
5.新しい組織の実現による、受注、発注、間接業務などに関わるイノベーション
起業家はイノベーションを行ない、イノベーションは起業家に特有の道具であり、イノベーションは、富を製造する能力を資源に与えるだけでなく、イノベーションが資源を創造するといってよいのです。
画像は、昨日の企業価値協会での私の発表の様子です。
私の発表よりも、私の前後に発表した「エブリー」と「坂東太郎」の青谷社長の話が素晴らしかったのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。