まず、お知らせで、来月9月1日(火)~3日(木)の3日間、ドリームスタジオ札幌で、久しぶりのイベントを開催し、私のセミナー他、多彩なイベントが開催されます。
(https://www.yamatomfg.com/special-noodle-events/)
1.『オーナー様、店長、スタッフ必聴!~スタッフのモチベーションアップセミナー』
2.『麺専門店の皆様必聴!麺専門店のレイアウト・事業計画のポイント・儲からない3大要因』
3.『商品力・サービス力アップ!~他店が追随できない圧倒的な商品力・サービス力の上げ方~』
4.「藤井流!女性にウケる店舗とは?」
上記、1は9月1日(火)、2,3は2日(水)、4は3日(木)の開催で、現在、レジメを作成中ですが、特に、3,4についてのレジメは、私にとって、新しい課題で、レジメを作りながら、私自身の学びが深まっています。
このように、まだ理解が十分でない分野についても、無謀にセミナーを受け、レジメを作り、セミナーを行なうことにより、どれほど、自分自身の学びになるかしれません。
昨日も、愛知県の自動車修理組合から、「従業員満足度」について講演の依頼があり、最初は当社に関連のない部分なので、受けないでおこうと思っていたのですが、セミナーを受けることにより、再度深く学習をしなければいけないので、私自身の学びになるので、受けることにしたのです。
本日のテーマは「常に高みを目指す」です。
当社は、創業の頃は、自社で設計から始まり、部品からすべてを社内製作して、製品として組み立てて、出荷をしていたのです。
要するに、社内で、すべての作業を行ない、製麺機を作っていたのです。
ほとんどの部品を社内製作していたのですが、社内の部品作りのレベルよりも、社外の専門業者のレベルの方が高く、販売台数が増加するのにつれ、社内ですべてを作ることが出来なくなってきたのです。
そこで、外部の下請け業者を探し、部品作りをお願いしてきたのです。
最初は、地元の近くの業者がほとんどだったのですが、機械が高度化し、精度が上がり、難易度が高まるにつれて、地元の外注業者だけでは対応出来ない部品が増え、遠方のレベルの高い取引業者が増えてきているのです。
本当は、創業当初から付き合っている、地元の業者に頑張って貰いたかったのですが、地元の業者の場合は、家族経営の場合が多く、新しい技術導入に積極的でなく、やむなく、遠方の熱心な業者に移行することが多くなりました。
私の創業したころは、地元に小さい規模の鉄工所がたくさんあったのですが、家業のままやっていた多くの地方の鉄工所は、技術レベルを上げることが出来ないで、淘汰されてしまい、ほとんどなくなっているか、さらに規模を縮小しているのです。
丁度、昔、どこの街にもたくさんあった、八百屋、魚屋、肉屋、酒屋、米屋等が淘汰されたのと同じようなものなのです。
最初は、家業のような状態でスタートしても、上を目指さないと、生き残ることが出来ないのです。
当社も、もし、家業のままであれば、40周年を迎えることが出来ていなかったと思います。
昨日は、午後から製造の橋本部長と一緒に、創業年度が当社とほぼ同じ長さの岡山にある製造業者を訪ねたのですが、最新の製造設備をたくさん揃え、地元香川にはないような規模で、高度な技術を持った業者でした。
その会社は、世界的な大手メーカーの下請け加工を行なっているので、技術力が非常に高く、依頼先企業のほとんどは、地元企業ではなかったのです。
高度な設備と高い技術レベルを持っているので、県外大手メーカーの精密部品の製造を専門で行なっており、どんなビジネスにおいても、生き残れるのは、安心領域に止まっていない、進化を続けている企業だけだという事例でした。
この会社の経営者は創業者で、75歳くらいの方ですが、年齢より若く見え、非常にエネルギッシュな方でした。
この会社の得意分野の範囲は狭く、その分野では、日本でも最高クラスの高い技術力を持っているので、大手企業から評価されているのです。
アップルの製品が評価され、販売が非常に成功しているのは、お客さまのニーズをつかんだ、商品のコンセプトが素晴らしいのと、妥協をしない高い技術力に裏打ちされた、デザインと加工精度です。
私はiphone5を使っていますが、エンジニアなので、卓越したデザインとそれを支えている加工技術のレベルの高さが良く分かります。
アップルの企画力、デザイン力が幾ら高くても、それを実現する加工技術がなければ、あの商品は存在しないのです。
これからは、メーカーは商品のコンセプト作りの企画は自社で行ない、さまざまな外部の優れたものを持っている、専門的な加工技術会社とアライアンスを組み、初めて、最高の商品を世に送り出すことが出来るのです。
従って、われわれは常に、関連分野の情報を仕入れておかねばならないのです。
本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。
「ギャップを探す – 第2の機会」
ここでいうギャップとは、現実にあるものとあるべきものとの乖離、あるいは誰もがそうあるべきとしているものとの乖離であり、不一致であり、原因は分からないことがあり、検討さえつかないこともあるのですが、それにも関わらず、ギャップの存在は、イノベーションの機会を示す兆候であり、それは、地質学でいう「断層」の存在を示し、まさに断層はイノベーションへの招待であり、断層では、わずかな力が、社会を動かし、経済構造や社会構造に変化をもたらす不安定状態を生み出すのです。
このギャップは、通常、マネッジメントに提示され、検討を加えられるような数字や報告の形では現れないで、定量的というよりは定性的であり、ギャップとは、予期せぬ成功や失敗と同じように、すでに起こった変化や起こり得る変化の兆候であり、ギャップは予期せぬ事象と同じように、1つの産業、市場、プロセスの内部に存在するので、その産業や市場、プロセスの内部、或いは周辺にいる者は、ハッキリ認識することが出来、まさに彼らの目の前にあるのですが、同時に、ギャップは、それを当然のこととして受け止めてしまいがちな、内部の者が見逃しやすいものであり、彼らは「ずっとそうだった」と言うのですが、多くの場合、その「ずっと」が、実は最近のことにすぎなく、イノベーションの機会としてのギャップは、以下のように、幾つかに分類できるのです。
1.業績ギャップ
2.認識ギャップ
3.価値観ギャップ
4.プロセス・ギャップ
「業績ギャップ」
製品やサービスに対する需要が順調に伸びているならば、業績も順調に伸びていなければならないし、需要が順調に伸びている産業では、利益を上げることは容易なはずであり、しかも、上げ潮に乗っているはずであり、そのような産業にありながら業績が上がっていないのであれば、何らかのギャップが存在すると見るべきであり、それらのギャップは、1つの産業全体、あるいは、社会的部門全体におけるマクロ的な現象であることが多いのです。
通常、それらのギャップをイノベーションの機会として利用するのは、中小の専門企業であり、しかも、この機会を利用する者は、長期にわたってその利益を享受することが出来、予期せぬできごとによるイノベーションは、大企業の方が有利であったのですが、ギャップをイノベーションの機会として利用出来るのは、中小の専門企業であり、長期にわたり、その利益を享受出来るので、われわれ中小企業は最もギャップに注目すべきなのです。
ほかの企業や社会的機関が、この危険な競争相手に気づくのは、かなり経ってからであり、ほかの企業や社会的機関は、需要の増大と業績不振とのギャップを埋めるのに忙しく、誰かほかの者が何か別のこと、成果の上がること、需要の増大を利していることに気づかないのです。
しかし、イノベーションを行なうためには、必ずしも、ものごとが動くべきであるのに、動かない原因を知ろうとして苦労する必要はなく、「このギャップをイノベーションの機会として利用するためにはどうすべきか、何がそれを機会に変えてくれるか、何が出来るか」を問えばよいのです。
「鉄鋼業と製紙業の例」
業績ギャップは行動を要求し、問題が明らかでなくとも、とるべき行動が明らかなことがあり、もちろん、問題が明らかでありながら、取るべき行動が明らかでないこともあり、鉄鋼業における電炉の例は、ギャップをイノベーションの機会として利用することに成功した良い例であり、第一次大戦後から今日に至るおよそ50年間、先進国の高炉メーカーがブーム的な好業績をあげたのは、戦時中だけで、鉄鋼に対する需要は、少なくとも1973年までは着実に伸びていましたが、平時における高炉メーカーの業績は、失望させられることが多く、この業績ギャップの原因は昔から明らかだったのです。
高炉の場合、需要の増加に応じた生産量の増加の最小単位がきわめて大きく、必要とされる設備投資が巨額にのぼり、生産能力が大幅に増大してしまうからであり、新設の高炉の稼働率は、需要が新たな生産能力に追いつくまでの間、低いものとならざるを得なく、しかも、戦時を除き、需要は徐々にしか増加せず、需要が増加しているときに、生産設備の増設を行なわないことは、シェアの喪失、ときには恒久的な喪失を意味するので、そのようなリスクを冒せる高炉メーカーはないので、高炉が高収益は享受できるのはごく限られた期間、すなわちあらゆる高炉メーカーが、設備の更新を開始してから完成するまでのわずかな期間と言うことになるのです。
その上、1870年代に発明された製鉄のプロセスそのものが、これも昔から知られているように、基本的に不経済であり、物理の法則に反し、従って経済の法則に反し、物理の世界では、温度の変化は、重力や慣性に対する抵抗に次いで大きなエネルギーを要求し、一貫製鉄所では、加熱と冷却を4度繰り返し、そのうえ高熱の重量物を持ち上げ、相当の距離を運ばねばならないので、このような高炉の特有の弱みを緩和するイノベーションを行なえば、鉄鋼の生産コストを大幅に引き下げられることは、かなり前から明らかになっていたのです。
そして、電炉が行なったことが、まさにそれであり、電炉は、決して小さな製鉄所ではなく、最低規模の電炉さえ、年間売上1億ドルであるのですが、最低規模の一貫製鉄所と比べて、6分の1から、10分の1に過ぎず、従って、電炉は、すでに市場に存在する需要に合わせて、生産能力の増大を小刻みに行なうことが出来、しかも、電炉は一度加熱するだけであり、冷却を行なわず、そのまま全プロセスを終了し、電炉は、原料として鉄鉱石の代わりに鉄屑を使い、最終製品も鋼板や棒鋼に特化しているので、高炉が労働集約的であるのに対し、オートメ化が容易であり、電炉の生産コストは高炉の半分以下であるのです。
各国の政府、労働組合一貫製鉄所は、あらゆる方策をもって電炉の発展を抑えようとしたのですが、電炉は増え続けていて、2000年には、アメリカで消費される鉄鋼の半分以上が電炉によるものかもしれないのですが、その間、高炉のよる大規模一貫製鉄所のシェアは低下していったのです。
私は機械工学出身でしたが、上記の高炉一貫生産製鉄所のジレンマを知らなかったので、改めてドラッカー博士の見識の広さに驚くと同時に、一つの産業の中にこのような問題の存在にも驚き、ライバルとの競争に明け暮れる以上に、業界の構造にメスを入れ、自社が存在している、業界の特質を理解することの大切さを改めて理解しました。
多分、どのような業界でも深く掘りすると、恐らくこのようなギャップ、ジレンマを抱えているはずで、ほとんどの業者は、ライバル業者との間の競争に明け暮れていて、このようなギャップの存在を掘り下げようとしている者はいないのです。
日本の外食産業は、ピークの1997年(18年前)まで右肩上がりで成長し、その後、ほぼ一貫して右肩下がりで落ち続け、それはまさに、1995年にピークを打った生産年齢人口の推移と、ほぼ同じ推移を辿っているのですが、生産年齢人口の減少幅(12%)よりも、落ち幅が大きく、約20%程度、ピークより減少しているのです。
この余分な落ち幅がギャップであり、サラリーマンの小遣いのピーク比での半減が大きく影響をしていると見ていて、サラリーマンの小遣いの半減が、居酒屋市場を直撃して、居酒屋市場はピークと比べると、市場規模を3分の2以下にしているのですが、外食市場全体の数字に比較して、うどん蕎麦店市場は堅調で、2013年のデータでも、過去、最高の市場規模を誇っているのは、生産年齢人口の落ち込みを完全にカバーしているシニア世代の影響が大きく、以上の事実より、私はこれからうどん、蕎麦、ラーメン店が狙っていくべきお客さまは、女性とシニアであるとの結論を導き出し、この事実を麺学校で指導し、現に、サラリーマンを対象の麺専門店ビジネスは苦戦し、女性、シニアを狙っている坂東太郎とか、ラッキー・ピエロのような飲食店が成功しているのです。
当社の場合も、麺市場の規模と、製麺機市場の間のギャップの存在に気づいていて、製麺機を購入するお客さまは、新規にうどん蕎麦店、ラーメン店を開業するお客さまと、既に開業しているお客さまが大きな需要者であり、新規開業者が増えれば増える毎に、需要は大きくなり、製麺機市場は、麺市場の景気の波に左右されたのですが、現在は景気よりも製麺機を使用する人手の過不足に影響をされているのです。
画像は、昨日の食堂での風景で、昨日は一昨日のメニューの撮影用に準備した色とりどりの食用花が余っていたので、食堂で、みんなに食べて貰いました。
きれいな食用花に、みんな驚き、楽しそうに料理の上に飾っていました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。