うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「多角化ではなく、新たな展開を、大企業の優位性、中小企業のイノベーションの特徴」

うどん学校の卒業式の様子

本日のテーマは「マネッジメントの偉大な効果」です。

昨日で、2日間にわたる、うどん学校とラーメン学校の経営講義が終了し、うどん学校の生徒さんたちが巣立っていきました。

最近の経営講義で感じるのは、開業を目指す生徒さんたちに、いかにマネッジメントの大切さを理解して貰えるかということです。

開業するだけであれば、とりあえず、美味しいラーメンを作るだけであれば、製麺、スープ、元ダレ、調合、トッピング作り、盛付のノウハウとテクニックを理解するだけで、何とかなるのですが、長く繁栄するためには、それだけでは足りないのです。

ところが、うどん蕎麦店、ラーメン店の営業において、永く繁盛し続けることは非常に難しいのです。

それには、キチンとしたマネッジメントの理解なくしては、あり得ないのです。

例えば、マクドナルドが創業したころ、アメリカでは各地にたくさんのパパママ・ストアーのハンバーガーレストランがあったのです。

ちょうど、現在の日本国内にたくさんある、うどん蕎麦店のような状態で、日本のうどん蕎麦店の90%近くの店舗は、個人経営の家業の店舗です。

ところが、現在、アメリカへ行くと、そのようなパパママ・ストアーのほとんどは消えてなくなり、ハンバーガーレストランのほぼ100%近くが、何らかのチェーン店だけなのです。

そのような中で、マクドナルドが突出した成功したハンバーガーレストランになることが出来た一番の理由が、マネッジメント技術を取り入れ、その他たくさんあったパパママ・ストアーは、マネッジメント技術を取り入れなかっただけなのですが、その差が、今日の莫大な差を生んだのです。

「イノベーションと起業家精神」によれば、すでにある程度マネッジメントが行なわれている大組織よりも、中小の起業家的な組織こそ、マネッジメントが必要で、かつ大きなインパクト(良い影響)を持ち、マネッジメントが既存の事業同様に、新しい起業家的な事業にとっても大きな力になり、アメリカでは19世紀に誕生したハンバーガー店が、第2次世界大戦後に、あらゆる街角で見られるようになり、無数にあったハンバーガー店の中で、マクドナルドは、パパママ・ストアに、初めてマネッジメントを適用し、最大の成功物語となり、マクドナルドで行なわれたマネッジメントとは、以下の通りです。

1.マクドナルドは、最終製品を規定した
2.次に製造プロセスを規定した
3.設備を再検討し、牛肉、玉ねぎ、パン、フライドポテトの一片に至るまで、同一のものを、同一の時間で、自動的に生産できるようにした
4.顧客にとっての価値が何であるかを考え、それは品質と同質性、サービスの速さ、清潔さと親しみやすさであると結論した
5.そして仕事の基準を定め、従業員を訓練し、給与システムを決めた

以上のように、どちらかと言えば、当たり前のことであり、決して難易度の高い、特別なことでないのですが、単純に粛々とやり遂げたことが、マクドナルドの成功につながったのです。

大切なことは、どんなビジネスにおいても、永く繁栄するためには、マネッジメントの理解、応用は、欠かせないことであり、それを理解すること、当社の麺学校では、生徒さんたちに、その大切さを理解させることが大切なことなのです。

経営講義の度に感じるのは、参加しているほとんどの生徒さんは、マネッジメントの大切さを理解していないので、どのようにして理解させようかというジレンマをいつも感じるのです。

これからの私の課題は、生徒さんたちにマネッジメントの大切さを分かり易く理解させることなのです。

そして、社内をマネッジメントの理解度が高いスタッフたちが働いている社内にして、当社自体をレベルの高いマネッジメントを駆使して成功している企業にすることなのです。

まだまだ課題ばかりで、先が見えないくらい長いですが、やればやるほど、課題が多くなるばかりで、ビジネスも人生もエンドレスに続きます。

本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。

「多角化ではなく、新たな展開を」

先に挙げたパソコンと本のスーパーのケースは、すべて純粋なイノベーションですが、これらのいずれもが、いわゆる多角化ではなく、IBMのパソコン事業は、コンピュータ産業の枠内にあり、書店チェーンは、長い間、ショッピング・センターやブテイックで、小売業に携わっていた人たちが始めたのです。

外部の予期せぬ変化を、イノベーションの機会として利用し、成功するための条件は、その機会が自らの事業の知識と能力に合致していることであり、小売業の能力がないのに、書店チェーンなどの大量流通業に乗り出した企業は、みな惨敗し、自分の持っている強みの活用こそ、新展開には重要であり、われわれはここで、多角化と、自分の持っている強みの新たな展開の違いを理解しなければいけないのです。

従って、外部の予期せぬ変化は、既存の能力の新たな展開の機会として捉え、イノベーションを起こす大きなチャンスとしなければならず、それまで携わってきた「自らの事業」の性格を変えてはいけないし、多角化ではなく、独自の強みを活かせる、関連した方向へ展開出来なければならないのです。

もちろん前述のケースに明らかなように、製品やサービス、流通チャンネルのイノベーションの追加も必要となり、あらゆるイノベーションのチャンスが存在するのです。

「大企業の優位性」

これらのケースについて次に言えることは、すべてが大企業のケースだということであり、本書で紹介するケースの多くは、大企業のもので、原則として、公開された資料、新聞や雑誌の経営欄で取り上げられたケースのほとんどが、大企業のものであり、中小企業のケースは資料を手に入れることが難しく、信頼関係を損なうことなく公開することは、さらに難しく、特に中小企業は、オーナー企業が多く、外部に開かれていない企業が多いので、幾らドラッカーが指導して成功しても、その成果がオープンになることは、少なかったことが想定されるのです。

しかし外部の予期せぬ変化は、むしろ企業として既に確立された企業、しかもある程度の大きさ以上の企業に適した、イノベーションの機会であるように思われ、ドラッカー自身、中小企業が、外部の予期せぬ変化をイノベーションの機会として利用し、成功したという例をあまり知らないし、イノベーションや起業家精神に詳しい、ドラッカーの知人に聞いても、あまり知らないというのです。

単なる偶然かもしれないのですが、既存の大企業の方が、「より大きな構図」を見ることが出来るのかもしれず、消費者が、どこで、いかに消費しているかを示す数字を常に見ている企業は、何と言っても大規模小売業であり、大規模小売業はショッピング・センターが成功する条件を、よく知っていて、いかなるショッピング・センターが良いかを知っているのです。

そもそも中小企業が、IBMのように、まったく新しい製品ラインの開発のために、一流の設計者と技術者からなる2つのプロジェクト・チームを作ることは出来ず、急速に成長しつつある産業に属する中小のハイテク企業は、進行中のプロジェクトに必要な人材にさえ、事欠いているのが普通だからで、従って、外部の予期せぬ変化こそ、おそらく大企業に対し、最小のリスクで、最大のイノベーションの機会を与える領域といってよく、特に既存の大企業によるイノベーションに適しているのです。

専門知識と資源を直ちに動員する能力が大きな意味を持つとは言え、前述のケースも示しているように、単に規模が大きく、事業の基盤が確立しているというだけでは、外部の予期せぬ変化を認識し、イノベーションの機会として利用する体制が取れる訳ではなく、IBMの競争相手も、それぞれの売上数十億ドルという大企業であったのですが、その中に、パソコンを機会として捉えたところは、一社もなく、いずれもIBMとの闘いに忙殺されていたのです。

言い換えるならば、機会は存在しているし、しかも、大きな機会がいくつも存在していて、とくにそれらの機会は、既存の大企業にとって大いなる約束となるのですが、そのようなイノベーションの機会を得るためには、幸運や感覚以上のものが要求され、NYのブレンダーノのような老舗の大規模書店チェーンも、新しい書籍販売市場を自ら構築することは出来なかったのは、意識してイノベーションを求め、イノベーションのために組織し、イノベーションのために、マネッジメントすることが要求されるのです。

ドラッカー博士は上記のように、予期せぬ出来事は中小企業より、大企業の方がイノベーションに有利だと説明していますが、それはイノベーションの大切さを意識している企業だけについての話であり、イノベーションの大切さを理解していないと、IBMのライバルのようになってしまい、現在、大企業であっても、元々は小企業が大企業になった場合がほとんどで、中小企業から大企業に駆け上がる段階では、多くのイノベーションを起こし、自己変革を繰り返してきているはずなのです。

人類の歴史を振り返っても、地球上で一番弱かった生物が進化を続け、人類になり、霊長類の頂点に君臨しているのですが、進化したのは、外部の環境変化によって、進化せざるを得なくなって進化したのであり、われわれのビジネスも人類の歴史と同じであり、中小企業ほど、イノベーションを起こして、進化しないと存続が難しい種であるのです。

中小企業庁と経済産業省による報告書「中小企業におけるイノベーションの特徴」によれば、以下の通りで、イノベーションの実現に向けた中小企業の取組について現状や課題を見ていくと、中小企業によるイノベーションには、どのような特徴があるのかについて、大企業と比較しながら整理してみると以下の通りです。

中小企業のイノベーションの特徴

中小企業は、大企業に比べて経営組織がコンパクトであるといった特性があり、そうした特性を反映して、中小企業によるイノベーションには、次の3つの特徴があると思われる。

1.経営者が、方針策定から現場での創意工夫まで、リーダー・シップをとって取り組んでいること。

2.日常生活でひらめいたアイディアの商品化や、現場での創意工夫による生産工程の改善など、継続的な研究開発活動以外の創意工夫等の役割が大きい。

3.ニッチ市場におけるイノベーションの担い手となっていること。

一方、大企業によるイノベーションについては、大規模な研究開発や、その成果が現れるまでに長期間を要する研究開発のプロジェクトに対し、その組織力を活かして多くの研究者や資金を投入し、イノベーションを実現していることが中小企業と比べた特徴と思われ、中小企業は、イノベーションに向けて「経営者による創意工夫」に最も力点を置いており、また、大企業に比べて「経営者のチャレンジ精神」や「経営者の素早い意思決定」が若干上回っており、経営者の資質やリーダーシップを重視する内容となっている。

一方、「研究開発活動」や「マーケティング活動」では、中小企業は大企業を下回り、大企業は、巨額化している研究開発投資や、大規模な営業網を活用したマーケティング活動にも力点を置いているためと考えられる。

従って、中小企業の場合は、オーナー企業がほとんどで、その強みである経営者の意思決定のスピードが速さ、小回りを利かせた早い展開、全員参加等々、スピードの占める割合が大きく、日本での成功事例としてわれわれが普段見聞きしているのは、小林製薬のユニークな製品群とか、電気配線用機器において、松下電器に一歩も引けを取らない、未来工業等が有名なのです。

従って、中小企業では経営者の力量、リーダー・シップの大切さは大企業と比較しても、比較にならない位、大切なものであり、経営者は現役でいる以上、日々、自分自身との格闘を続けざるを得なく、これは猿の群れを見ていても、ボスざるの生きざまと共通するように思えます。

画像は、昨日の経営講義の最後のうどん学校の卒業式の様子で、ブラジルから来たジョエルさんが、巣立っていきました。

ジョエルさんは、4年前にラーメン学校を卒業し、ブラジルでラーメンの直営店を2店、暖簾分け店舗を4店持ち、ラーメンビジネスでは成功しているので、次にうどん店ビジネスを始めるために、うどん学校に参加したのです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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