本日のテーマは「盛り付けの本質」です。
讃匠の年末の仕事は昨日までで、社員全員が昨日まで出勤でしたが、昨日は給食がなかったので、新人スタッフの山上さんと一緒に、社員全員に天ぷらうどんを振る舞ったのです。
天ぷらの食材は、地エビ、アナゴ、まて貝、イワシ、アジ、玉ねぎの掻き揚げ等で、工場からは前川さん、事務所からは二場さんが手伝ってくれたので、昼食には、十分に間に合わせることが出来たのです。
例年であれば、年末最後の出勤日は昼食がなく、全員、外へ食べに行っていたのですが、今年は、最後の最後まで美味しい昼食を準備したので、社員全員が大喜びで食べていたのです。
また、例年は30日までの稼働ではなく、もっと休みが早かったので、今年は最後の最後まで出勤してくれたので、ねぎらいを込めて、美味しい昼ごはんの準備をしたのです。
冬休みに入り、ずっと、盛り付けの教科書に取り組んでいますが、本日は会社が完全に休みなので、本日は朝から集中し、非常にはかどっているのです。
本の執筆は、以前からずっと取り組んでいるのですが、会社が稼働している平日の昼間は、集中して執筆することが出来ないので、いつも早朝の時間に書いていたのです。
本日も早朝から取り組み始め、出来るだけ、本日中に盛り付けの教科書を済まそうと思って頑張っているのです。
この書籍の原稿も、ほぼ1年前に完成していたのですが、デザインを依頼していた先生の都合で、ぜんぜん進んでなくて、今回新しいデザイナーに依頼して、やっとデザイン的にまとまったので、本文を見直していると、この1年間で、進化した部分が多く、相当の文章を書きなおす羽目になっているのです。
従って、1年前に完成していたときの完成度と、現在の完成度はかなりの違いがあり、出版はだいぶ遅れたのですが、内容はかなり良くなっています。
盛り付けの教科書を書くことを意識しながら、毎月の麺学校で生徒さんたちの指導をしていたので、余計に内容も濃くなったのです。
盛り付けの教科書は、経営講義の教科書と異なり、画像も豊富に必要になり、イラストレーターとか、デザイナーの力を借りなければいけないので、私の文章だけでは出来上がらないのです。
今回も盛り付けの教科書を仕上げながら、このような生徒さんを指導するコンテンツの大切さを改めて感じています。
この教科書を書くにあたり、たくさんの盛り付けに関する指南書のようなものを買ってきましたが、系統立てて説明している書籍は皆無に近かったのです。
今の世の中は、このように専門的に踏み込んでいこうとすると、体系的に網羅されていないノウハウがたくさんあり、ノウハウを体系的にまとめる必要性を改めて感じるのです。
今回出来上がった盛り付けの教科書が販売されるようになり、一般の関係者、麺学校の生徒さんたちの役に立つように、内容を精査しているところです。
盛り付けの教科書のチェックをしながら、改めて、盛り付けの本質、目的、要素等、深く考え直すチャンスがありました。
そして分かったことは、盛り付けのレベルを上げる最終的な目的は、看板商品を作ることであり、強い商品を作ることであったのです。
メーカーであれば、ロングセラー商品、ベストセラー商品が強ければ強いほど、有利に勝ち残り易いのです。
ところが、今の時代は、強い商品よりも、商品のバラエテイとか、幅広さで勝負している会社、店が多いように思います。
盛り付けのレベルアップは、あくまでも強い商品、ロングセラーであり、ベストセラー商品を作るための手段であるのです。
そのために、見た目の綺麗で、インパクトがあり、美味しい商品を作り出すことが出来れば、ロングセラーであり、ベストセラーの商品になり易いのです。
今日は、今年最後の日であり、明日から新しい年が始まりますが、年末の慌ただしい中ですが、どこへも行かずに、自宅にこもって思考に耽るのも、一年の計としては、なかなかいいものです。
本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「多角化ではなく、新たな展開を」
先に挙げたパソコンと本のスーパーのケースは、すべて純粋なイノベーションですが、これらのいずれもが、いわゆる多角化ではなく、IBMのパソコン事業は、コンピュータ産業の枠内にあり、書店チェーンは、長い間、ショッピング・センターやブテイックで、小売業に携わっていた人たちが始めたのです。
外部の予期せぬ変化を、イノベーションの機会として利用し、成功するための条件は、その機会が自らの事業の知識と能力に合致していることであり、小売業の能力がないのに、書店チェーンなどの大量流通業に乗り出した企業は、みな惨敗し、自分の持っている強みの活用こそ、新展開には重要であり、われわれはここで、多角化と、自分の持っている強みの新たな展開の違いを理解しなければいけないのです。
従って、外部の予期せぬ変化は、既存の能力の新たな展開の機会として捉え、イノベーションを起こす大きなチャンスとしなければならず、それまで携わってきた「自らの事業」の性格を変えてはいけないし、多角化ではなく、独自の強みを活かせる、関連した方向へ展開出来なければならないのです。
もちろん前述のケースに明らかなように、製品やサービス、流通チャンネルのイノベーションの追加も必要となり、あらゆるイノベーションのチャンスが存在するのです。
「大企業の優位性」
これらのケースについて次に言えることは、すべてが大企業のケースだということであり、本書で紹介するケースの多くは、大企業のもので、原則として、公開された資料、新聞や雑誌の経営欄で取り上げられたケースのほとんどが、大企業のものであり、中小企業のケースは資料を手に入れることが難しく、信頼関係を損なうことなく公開することは、さらに難しく、特に中小企業は、オーナー企業が多く、外部に開かれていない企業が多いので、幾らドラッカーが指導して成功しても、その成果がオープンになることは、少なかったことが想定されるのです。
しかし外部の予期せぬ変化は、むしろ企業として既に確立された企業、しかもある程度の大きさ以上の企業に適した、イノベーションの機会であるように思われ、ドラッカー自身、中小企業が、外部の予期せぬ変化をイノベーションの機会として利用し、成功したという例をあまり知らないし、イノベーションや起業家精神に詳しい、ドラッカーの知人に聞いても、あまり知らないというのです。
単なる偶然かもしれないのですが、既存の大企業の方が、「より大きな構図」を見ることが出来るのかもしれず、消費者が、どこで、いかに消費しているかを示す数字を常に見ている企業は、何と言っても大規模小売業であり、大規模小売業はショッピング・センターが成功する条件を、よく知っていて、いかなるショッピング・センターが良いかを知っているのです。
そもそも中小企業がIBMのように、まったく新しい製品ラインの開発のために、一流の設計者と技術者からなる2つのプロジェクト・チームを作ることは出来ず、急速に成長しつつある産業に属する中小のハイテク企業は、進行中のプロジェクトに必要な人材にさえ、事欠いているのが普通だからで、従って、外部の予期せぬ変化こそ、おそらく大企業に対し、最小のリスクで、最大のイノベーションの機会を与える領域といってよく、特に既存の大企業によるイノベーションに適しているのです。
専門知識と資源を直ちに動員する能力が大きな意味を持つとは言え、前述のケースも示しているように、単に規模が大きく、事業の基盤が確立しているというだけでは、外部の予期せぬ変化を認識し、イノベーションの機会として利用する体制が取れる訳ではなく、IBMの競争相手も、それぞれの売上数十億ドルという大企業であったのですが、その中に、パソコンを機会として捉えたところは、1社もなく、いずれもIBMとの闘いに忙殺されていたのです。
言い換えるならば、機会は存在しているし、しかも、大きな機会がいくつも存在していて、とくにそれらの機会は、既存の大企業にとって大いなる約束となるのですが、そのようなイノベーションの機会を得るためには、幸運や感覚以上のものが要求され、NYのブレンダーノのような老舗の大規模書店チェーンも、新しい書籍販売市場を自ら構築することは出来なかったのは、意識してイノベーションを求め、イノベーションのために組織し、イノベーションのために、マネッジメントすることが要求されるのです。
ドラッカー博士は上記のように、予期せぬ出来事は中小企業より、大企業の方がイノベーションに有利だと説明していますが、それはイノベーションの大切さを意識している企業だけについての話であり、イノベーションの大切さを理解していないと、IBMのライバルのようになってしまい、現在、大企業であっても、元々は小企業が大企業になった場合がほとんどで、中小企業から大企業に駆け上がる段階では、多くのイノベーションを起こし、自己変革を繰り返してきているはずなのです。
人類の歴史を振り返っても、地球上で一番弱かった生物が進化を続け、人類になり、霊長類の頂点に君臨しているのですが、進化したのは、外部の環境変化によって、進化せざるを得なくなって進化したのであり、われわれのビジネスも人類の歴史と同じであり、中小企業ほど、イノベーションを起こして、進化しないと存続が難しい種であるのです。
中小企業庁と経済産業省による報告書「中小企業におけるイノベーションの特徴」によれば、以下の通りで、イノベーションの実現に向けた中小企業の取組について現状や課題を見ていくと、中小企業によるイノベーションには、どのような特徴があるのかについて、大企業と比較しながら整理してみると以下の通りです。
「中小企業のイノベーションの特徴」
中小企業は、大企業に比べて経営組織がコンパクトであるといった特性があり、そうした特性を反映して、中小企業によるイノベーションには、次の3つの特徴があると思われる。
1.経営者が、方針策定から現場での創意工夫まで、リーダー・シップをとって取り組んでいること。
2.日常生活でひらめいたアイディアの商品化や、現場での創意工夫による生産工程の改善など、継続的な研究開発活動以外の創意工夫等の役割が大きい。
3.ニッチ市場におけるイノベーションの担い手となっていること。
一方、大企業によるイノベーションについては、大規模な研究開発や、その成果が現れるまでに長期間を要する研究開発のプロジェクトに対し、その組織力を活かして多くの研究者や資金を投入し、イノベーションを実現していることが中小企業と比べた特徴と思われ、中小企業は、イノベーションに向けて「経営者による創意工夫」に最も力点を置いており、また、大企業に比べて「経営者のチャレンジ精神」や「経営者の素早い意思決定」が若干上回っており、経営者の資質やリーダーシップを重視する内容となっている。
一方、「研究開発活動」や「マーケティング活動」では、中小企業は大企業を下回り、大企業は、巨額化している研究開発投資や、大規模な営業網を活用したマーケティング活動にも力点を置いているためと考えられる。
従って、中小企業の場合は、オーナー企業がほとんどで、その強みである経営者の意思決定のスピードが速さ、小回りを利かせた早い展開、全員参加等々、スピードの占める割合が大きく、日本での成功事例としてわれわれが普段見聞きしているのは、小林製薬のユニークな製品群とか、電気配線用機器において、松下電器に一歩も引けを取らない、未来工業等が有名なのです。
従って、中小企業では経営者の力量、リーダー・シップの大切さは大企業と比較しても、比較にならない位、大切なものであり、経営者は現役でいる以上、日々、自分自身との格闘を続けざるを得なく、これは猿の群れを見ていても、ボスざるの生きざまと共通するように思えます。
昨日は、朝から工場の前川さんと事務所の二場さんが、惣菜工場へ手伝いに来てくれました。
2人のお蔭で、新人の山上さんも無事に年末を迎えることが出来ました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。