本日のテーマは「人手不足解消の根本は、価値観、使命の明確化」です。
2月9日から始まる、ドリームスタジオ福岡のイベントより、私のセミナーのタイトルが一新するので、セミナーのレジメを仕上げているところで、今回のセミナーのタイトルは、現在の時流に合わせて、次の3本です。
1.麺ビジネスのイノベーション
2.究極の人手(スタッフ)不足解決法は、これだ
3.究極の売上対策
上記のタイトルは、今年の初めに国内営業部門の責任者、太田部長と一緒に考えた内容で、現在、麺ビジネスをやっている方がた、或いは今から始めようとしている方がたに一番役立つようなコンテンツを選んだのです。
最初は、これらの3つのタイトルはそれぞれ、違った内容のように思って選んだのですが、実際にレジメを作り始めると、それぞれの内容が非常に関連しているのです。
そして、レジメを仕上げていくにつれて、それぞれの課題の結論は、価値観と使命を明確にすることが大本の基礎であることに行き着いたのです。
例えば、現在は日本中、たいへんな人手不足であり、日本だけでなく、海外でも人手不足のエリアが広がっているのです。
そして、最近は失敗しないようにするための重要な要素として、人手対策が重要な項目に挙がってきたのです。
人手がいないために、店を開けることが出来なかったり、閉店せざるを得なくなったり、営業時間を短くせざるを得なくなったり、いろんなところに大きな影響が出ているのです。
以前から、私はセミナーとかフェイスブックで伝えている通り、働き盛りである生産年齢人口(15歳から64歳までの人口)は21年前の1995年をピークにして、すでに12%以上もダウンしているのです。
従って、人手不足はこの先も続くし、更に状況は厳しくなるのは当たり前なので、麺ビジネスを成功させるためには、人手対策は最も重要な対策になります。
しかし、現実の店舗を見てみると、人手で困っている店が多い中で、それほど人手で困っていない店もあるのは、事実なのです。
人手で困っている店(会社)と、困っていない店(会社)の究極の差はどこにあるかと言えば、お店の主人(トップ)がどうしても、そのビジネスをやらなければいけない明確な理由(高い価値感の使命)があるかどうかだけなのです。
例えば、当社の場合の使命は、「麺ビジネス成功支援会社」であり、年間約7千軒程度のうどん蕎麦店、ラーメン店が新規に開業し、ほぼ同数、毎年閉店していて、開店1年以内の閉店数は4割以降、3年以内の閉店数は7割以上に達し、人生を賭けて新規開業しても閉店してしまうと、新規開業者の人生設計は狂ってしまいます。
だから、当社はお客さまが失敗しないように、麺学校、製麺機、メンテナンス、今回のようなイベント等を通じ、あらゆる方向からサポートをしているのです。
従って、当社のラーメン学校卒業生のうち、1年未満の閉店はゼロで、3年未満の閉店率は6.6%と当社のラーメン学校の来なかった場合と比べて、極端に低いのが自慢で、当社の製麺機のユーザーさまも同様です。
だから、当社の麺学校、製麺機の導入等を通じて、当社は損得抜きで、お客さまをガイドしているのです。
そして、現在、優秀な人材を集めるのは非常に難しいのですが、最も大きな原因は、マズローの法則の第1階層の生理的欲求とか、第2階層の安全欲求は、ほとんどの人が満たされているので、高い給与とか、金銭的なものにそれほど魅力を感じてないだけでなく、働かなくても食っていくことが出来る人が多いのです。
だから、待遇面を他店より多少良くしても、そこで働く魅力を感じないのです。
ところが、2011年の東北大震災のときも多くの若者がボランテイアで、救援に駆け付けたように、人に尽くすことに意義を見出している人は増えていて、意味のある仕事であれば、給与の多寡は関係なく、その仕事をして世の中への貢献に役立ちたいと思う人が増えているのです。
だから、これからの仕事は、社会的に意義のある仕事であることは非常に重要な要素であり、食を通じて、人びとを元気にしたり、幸せにすることが先で、儲けを前面に出さないことが重要なのです。
要するに価値感の順序が大切であり、志の高い価値感を持つことにより、それに共鳴する素晴らしい人を採用することが出来るのです。
最近は、クラウド・ファウンデイングのような社会的に意味のあることには、多くの人たちが投資をして、少額づつ持ち寄って、それが集まれば大きな額になり、ビジネスが他人のお金で出来るようになっているのです。
お金を集めるのも、人を集めるのも、社会的な意味のある価値感、使命を明確にすることにより、多くの賛同者を得ることなのです。
従業員はすべてビジネスの賛同者であり、応援団であり、お客さまもすべてビジネスの賛同者であり、応援団なのです。
昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
第11章イノベーションの原理
Iイノベーションの原理
医者も長くやっていれば、患者の奇跡的な回復に出会うことがあり、不治の患者が突然治ることがあり、自然に治ることもあれば、信仰によって治ることもあり、奇妙な食餌療法によって治ることもあれば、昼間眠って夜起きることで治ることもあるのです。
このような奇跡をいっさい認めず、単に非科学として片づけることは愚かであり、それらのことは、現実に起こっているのですが、それらの奇跡的な回復を医学書に載せ、医学生相手に講義する医学者はいないのです。
なぜならば、それらのことは、再び行うことも、教えることも、学ぶこともできないからであり、しかも、・・それらの療法では、回復する者はわずかであって、圧倒的に多くが死ぬのです。
◆体系としてのイノベーション
これと同じように、本書において述べてきた、7つの機会と関係なく行われるイノベーションがあり、目的意識もなく、組織的、体系的でもなく行われるイノベーションであり、霊感によるイノベーション、天才のひらめきによるイノベーションであるのですが、そのようなイノベーションは、再度行うことはできず、教えることも、学ぶこともできず、天才になる方法を教えることはできないのです。
そのうえ、発明やイノベーションの逸話集がほのめかすほどには、天才のひらめきはあるものではなく、私自身、ひらめきが実を結んだのを見たことがなく、アイデアは、アイデアのまま終わり、歴史上、最も偉大な発明の天才が、レオナルド・ダヴィンチであることはまちがいなく、彼のノートには、潜水艦、ヘリコプター、溶鉱炉など、息を呑むようなアイデアが記されているのですが、1500年当時の技術や機械では、それらは1つとして、イノベーションとして実を結ぶことがなく、当時の社会や経済に受け入れられるはずもなかったのです。
学校では、蒸気機関はジェイムズ・ワットが発明したと教えているのですが、技術史家は、実用的な最初の蒸気機関をつくったのは、1712年のトーマス・ニューコメンだと言い、それはイギリスの炭抗で水をくみ上げるのに使われたのです。
ワットとニューコメンは目的意識をもちつつ、組織的かつ体系的にイノベーションを行ない、とくにワットの蒸気機関は、(シリンダーの製造技術という)新しい知識と、(コンデンサーという)それまで欠落していた設計とが結合して実現されたイノベーションであり、しかも、ニューコメンの(すでに数千台が実用に供されていた)蒸気機関によって、世に受け入れられる素地ができていたのです。
しかし、最初にエンジンを構想し、ひいては今日の近代技術を生み出しだのは、ワットでもニューコメンでもなく、天才的なひらめきによってそれを構想したアイルランド人の偉大な化学者ロバート・ボイルだったのですが、彼のエンジンは動かなかったし、動くはずもなかったのは、ピストンの動力として火薬の爆発を利用していたため、上下運動の都度、分解してシリンダーの煤を拭かなければならなかったのですが、このボイルのアイデアから出発して、彼の助手たったドゥニ・パパン、ニューコメン、さらにはワットが、実用エンジン開発に取り組んだのです。
天才ボイルが生み出したものはアイデアで、彼の業績は、技術史やイノベーション史ではなく、アイデア史に残されるべきものなのです。
目的意識、分析、体系によるイノベーションだけが、イノベーションの方法として提示され、論ずるに値し、しかも、イノベーションとして成功したもののうち少なくとも90パーセントは、そのようなイノベーションであり、体系を基礎として、かつそれを完全に身につけて、はじめてイノベーションは成功するのです。
イノベーションを起こすことは、何か特別なことではなく、普段の活動の中に組み込んでおかなければならないことなので、イノベーションを起こすのは、特別な人ではなく、誰でも起こすことが出来、新しい知識による技術革新のように目立つイノベーションではなく、むしろ、目立たないイノベーションの方が、われわれのビジネスには大きな影響を及ぼし、大きな成果を上げることが出来るのです。
それには、ドラッカーが体系化した「イノベーション7つの機会」の理解は欠かせず、それを道具として、フルに使いこなすことは必須条件なのです。
それでは、その体系の中核となるべきイノベーションの原理とは何か、イノベーションに必要な「なすべきこと」と「なすべきでないこと」は何か、そして、ドラッカーが必要条件と呼ぶものは何かを以下の章で探求します。
画像は、1月の本社のラーメン学校最終日の生徒さんの作品事例のつけ麺です。
今までのつけ麺とは、圧倒的な差別化を表現したつけ麺です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。