本日のテーマは「ビジネスの成果」です。
シンガポールのラーメン学校の経営講義で使用するコンテンツを「ラーメン、うどん、蕎麦店の教科書」より、抜粋しますが、本日は第2章からです。
(http://www.yamatomfg.com/book/schoolbook.php)
私自身が、ビジネスで成果を挙げるために必要な要素について考えてみたのが、次の方程式です。
「ビジネスの成果=責任×夢×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐力」
1.まず、最初に、情熱の根底には、責任があるのです。
ビジネスは一種の仕組み(システム)ですから、必ずタイムラグがあり、今日からサービス・レベル上げたり、商品力を上げても、結果が出るのは、ずっと後からで、そのため、情熱がないと、タイムラグがあったり、厳しい状態になったり、困難な目に遭ったときに、諦めたり、くじけてしまうのです。
そして、情熱の根底にあるものは、お客様、社員、家族に対する責任の意識で、 以下は、私の実体験です。
当社は、ユーザー様に納入した機械の寿命が続く限り、メーカーとして責任を果たす義務があり、少なくとも10年や20年は責任があります。
製麺機を日々納入していることを考えれば、永遠に健全な会社であり続けなければならず、経営の苦しいときも持ちこたえることができたのは、こうした責任の重さを肝に銘じていたからです。
経営していると、お客様の数も増え、スタッフの数も増え、責任の重さはますます大きくなるので、簡単に投げることができませんから、責任の重さが大きければ大きいほど、ビジネスは成功しやすいのです。
責任の重さは自覚の深さであり、自分自身で、責任の及ぶ範囲を広げれば広げるほど、責任を重く感じるようになります。
日本国で言えば、一番責任の重いのは総理大臣で、総理大臣に負けないくらい、自分の責任を重く感じれば、何を行なうにしても、覚悟が違ってきます。
2.大きな夢が情熱の源泉で、情熱の炎を燃やす燃料は夢であり、野望であり、妄想です。
夢があれば、前を向いて進み続けることができ、夢を失えばすべて消えてしまい、大きな夢を持つことが情熱の源泉なのです。
さらに情熱の炎を燃やし続ける燃料は、屈辱感で、大きな夢を持てば持つほど、達成できない屈辱感も大きくなり、なかなか、思ったような成果が出ない時の屈辱感こそ、野心、夢の入り囗です。
多くの人たちに貢献する健全な野心や夢こそ情熱の素であり、エネルギーです。
同じ能力を持っていても、偉大なことを成し遂げた人とそうでない人の違いは、夢の大きさで、人の能力の差は、ほとんどないと言われていますが、数十年間にわたる人生の結果に大きな差が出るのは、夢の大きさです。
3.意志力の差で人生は変わる
『スタンフォード大学の人生を変える教室』(ケリー・マクゴニガル著、大和書房刊)では、豊かな成功の人生を送ることができるのも、そうでないのも一番大きな要素は、意志力の差であったと述べています。
例えば、90歳以上の長命で、豊かな生涯を送ることができる人とそうでない人の差は意志力の差であり、意志力は次の3つから成り立っています。
①止める力
例えば、タバコが身体に悪いとわかって、止める力です。
②始める力
例えば、早起きが良いとわかって、早起きをする力です。
③望む力
例えば、自分が望む方向に向かっていく力です。
4.集中してそれに取り組む
太陽光線を虫眼鏡で集め、紙の上に焦点を絞ると、太陽の光でも紙を燃やすことができ、集中は大きな力になります。
何かの仕事で成果を上げようとするためには、集中してそれに取り組むことが大切で、一度に、2つ以上の仕事をしようと思わないで、1つに集中することで、成果が早く得られるのです。
偉大なことを成し遂げるには集中力は必須であり、重要でないこと、必要でないことはすべて排除し、重要なことだけに集中するだけで良いのです。
5.問題意識を持って経験を積む
経験と直観力は密接な関連があり、経験の数が多ければ多いほど、直観力は高まりますが、経験を積む場合でも、常に問題意識を持って経験を積むことが大切です。
6.直観力を磨く
直観力が働くことによって、短時間で簡単に望む結果を得ることができ、ビジネスにおいて、直観を磨くことは欠かせないのです。
経験と直観力は密接な関連があり、経験の数が多ければ多いほど、直観力は高まりますが、経験を積む場合でも、常に問題意識を持って経験を積むことが大切です。
私がうどんとか蕎麦の麺質を判断する場合、茹で上がった麺を見れば、食べてみなくても品質を理解することが出来、ラーメンスープを少し飲んでみると、スープのレベルを理解でき、更に何を加えるか、或いは何を省くかで、もっと良くなるかが分かります。
これも経験の数と深さで、このような味の分野だけでなく、経営の分野でも同様で、当社の経営であれば、毎月経理部門から上がってくる数字を見れば、どこがおかしいか、どこが間違っているのかが分かります。
経営の数字は、さまざまな部署から上がってくるデータの組み合わせなので、或る部門がキチンとしたデータを上げていないと、他に影響を及ぼし、結果として違った数字(利益)になってしまい、経験が深いと、どの部門がおかしいデータを上げているのか、すぐに理解することが出来ます。
このように直観が働くことによって、短時間で簡単に望む結果を得ることが出来るようになり、ビジネスにおいて、直観を磨くことは欠かせないのです。
直観とよく似ているのが習慣で、車を運転出来るのは、すべての動作、アクセル、ブレーキを踏む、ハンドルを回す等はいちいち考えなくても、馴れて習慣になっているので、とっさの動作が出来るのです。
習慣は身体の動きを伴う癖付けですが、直観は頭脳の習慣のようなものです。
7.最後は、忍耐力です。
世の中の仕組みはシステムで成り立ち、ビジネスもシステムであり、因果の関係で、必ず、原因(インプット)があり、結果(アウトプット)があるのです。
同時に、システムですから、かならず、タイムラグがあり、麺の熟成のようなもので、熟成時間が必要なのです。
この時間経過を耐え忍ぶ、忍耐力は必須で、忍耐力の強さがビジネスの勝敗を決し、故ステイーブ・ジョブズは忍耐力がビジネスの成否の半分を占めると言っている位、忍耐力は重要であり、絶対に諦めない力です。
昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
2社会的機関の起業家原理
前記はすべてアメリカの例であり、もちろんヨーロッパや日本にも、成功の例は多く、ここにあげた例は、数は少ないものの、社会的機関がイノベーションを行ううえで必要とされる起業家原理を示すうえでは十分と思われるのです。
◆目的を明確に
第1に、社会的機関は以下のような、明確な目的をもたなければならないのです。
1.自分たちは何をしようとしているのか。
2.なぜ存在しているのか。
社会的機関は、個々のプロジェクトではなく、目的そのものに的を絞らなければならず、個々のプロジェクトは、目的のための手段であり、一時的なものであり、しかも短命なものと考えなければならないのです。
◆目標を現実的に
第2に、社会的機関は現実的な目標をもたなければならず、目標は、「空腹の根絶」ではなく「飢餓の減少」でなければならず、社会的機関は実現可能な目標を必要とし、やがて「達成した」といえる実現可能な目標を必要とし、実現が不可能であってはならず、完全なる正義の実現は永遠の課題であり、いかに控え目にいっても正義が完全に実現することはありえず、ほとんどの目標は、最大ではなく最適の水準で規定することができ、またそのように規定する必要があり、そうしてはじめて「達成した」と言うことができるのです。
このことは、これまで小中学校が目標としてきたこと、すなわち就学年限の延長だったのですが、先進国では、すでにこの目標は達成されているので、それでは、今日、教育は何を目標としなければならないのかと言えば、単に学校に行くことを超えた意味における「教育」とは、何を意味するのかを、再度、深く考えなければいけないのです。
◆目標を再点検
第3に、社会的機関は、いつになっても目標を達成することができなければ、目標そのものが間違っていたか、あるいは少なくとも、目標の定義の仕方が間違っていた可能性のあることを認めなければならず、目標は、大義ではなく、費用対効果にかかわるものとして、とらえなければならず、いかに努力しても達成できない目標は、目標として間違っていると考えるべきであり、目標を達成できないからといって、それをさらに努力すべき理由としてはならないのです。
数学の世界ではすでに300年前に明らかにされているように、成功の確率は、回を追うごとに下がり、つねに前回の半分以下となり、目標を達成できないということは、社会的機関の多くが考えることとは逆に、目標そのものの有効性を疑うべき理由となるのです。
昨日は、うどん学校の卒業生の中で、大阪で非常に成功している「極楽うどんTKU」を経営している、田中さんの新しい店「極楽うどん Ah麺」へ、スタッフたちと一緒に行ってきました。
寒い夜でしたが、待っている間も次つぎとお客さまが来られ、たいへんな繁盛ぶりが見て取れました。
繁盛しても1店だけで終わる生徒さんが多い中で、2店舗とも繁盛店にして頑張っています。
昨日は、美味しいカレーうどんを御馳走になり、スタッフたちと美味しさに感激してきました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。