来週3月7日(月)から9日(水)までの3日間、ドリームスタジオ名古屋で、恒例のパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(1.麺ビジネスのイノベーション、2.究極の人手不足解決法はこれだ、3.究極の売上対策)を用意しました。
※イベントは終了しましたが、大和製作所では定期的にイベントを開催しております
本日のテーマは「結論は先に」です。
本日は、シンガポールの最初のラーメン学校の3日で丁度折り返し地点ですが、本日朝、企画部門のスタッフより連絡があり、メルマガ読者の1人の方より、次のような貴重なご意見を戴きました。
「いつもメルマガ拝見していますが、文章をもっと簡潔に結論を先に出したほうが読みやすいです。今の文章は非常に読みづらいので改善下さい。よろしくお願い致します。」
これに対して、私は以下のようにご返事をしました。
「貴重なご意見有り難うございます。今後、気を付けます。今後とも、何か気がついたことがありましたら、ぜひ、教えて下さい。宜しくお願いします。」
この読者の方は、私が普段気付いていないこと、又は、気付いていても、何気なしに起こしてしまっている問題点を指摘してくれました。
われわれは日々の行動において、考え方において、習慣においても自分の悪い癖、習慣を抱えたまま、日々の行動を行なっていて、その結果、成果が現われない結果に繋がっているのです。
従って、それらの問題点に自分自身で気付くことはなかなか難しく、第3者に指摘されたり、大きな失敗を通してしか、なかなか理解出来ないのです。
だから、この読者の方のようなご指摘は非常に有難く、私の問題点を的確に指摘して戴き、気付かせて戴いたのです。
私は、私のメルマガを書いているのは、当社のスタッフにとって、麺学校の生徒さんたちにとって、当社のユーザーさまにとって、そして関係するすべての方がたにとって、非常に参考になり、進化に役立つようにとの思いで、日々、メルマガを綴っているのです。
だから、このようなご指摘は非常に有難く、他の読者の方も、もし、私のメルマガで何か気が付いたことがあれば、このようなご指摘を戴ければ、非常に有難いと思います。
早速ですが、本日のご指摘により、文章を変えていきたいと思います。
昨日は、シンガポールのラーメン学校は2日目で、スープを朝から炊いたのですが、設備面の問題が起こりましたが、その問題が起きた結果、今までにやったことの新しい方法を試すことが出来、面白い成果を得ることが出来たのです。
今回のラーメン学校に合せ、設備面を改変し、濃厚なスープを炊くIHヒーターも新しく導入し、IHヒーター容量が7kwだと思っていたのが、5kwだったので、博多トンコツと鶏白湯のスープの炊く時間が少し長くかかりました。
しかし、IHヒーター容量が低かったために、普通は1段仕込みで鶏白湯を作るところを、試しに2段仕込みで作り、その他にも初めての試みを色々とやってみたところ、今まで得られなかったような、たいへんクリーミーなスープが完成しました。
面白い方法を見つけたので、次回の東京のラーメン学校で再度、試してみて、この方法を確立してみます。
最近、私はスープベース作りの部分にはスタッフ任せでやっていなかったのですが、久しぶりにやってみると、次つぎと面白い発見がありました。
このようなことも、実際に自分で試してみなければ分からないことばかりで、やったことのないことを試してみるのは面白いし、そうしないと新しい発見もなく、イノベーションも起こせないのです。
最近は国内、海外で鶏白湯の人気が高いのですが、今回のスープ作りを通じて本当に美味しい鶏白湯のスープベース作りのきっかけが出来たように思います。
昨日のメルマガに書いたことでもあるのですが、その仕事を長くやっていると、いつしか安心領域にどっぷりつかり、今までの固定観念に取り巻かれてしまうのが、非常に危険なのです。
今までのやり方に固執し、同じことばかり繰り返していると、いつしか思いもよらぬところからのライバルにあっさり負かされてしまう可能性があるのです。
われわれ人間は、習慣になっている安心領域に浸ってしまい勝ちなので、これを打ち破り続けるには、一番難しい、一番心地良くない、自己否定、現状否定が欠かせないのです。
安心領域に浸り、自己肯定をするのは、非常に心地よいのですが、自己肯定をしていると、いつしか安全領域から取り残されて、安全領域の外に出てしまうのです。
これを避けるのには、非常に強い意志力を要し、常に自分自身を孤独な場所に置かないと出来ないことがよく分かり、ビジネスを真剣にやればやるほど、一番大切なことは現状に甘んじない、自分に対しての自己否定だったのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
I創造的模倣
「弱みへの攻撃」は、起業家戦略としては、「創造的模倣」と「起業家的柔道」という2つの戦略が、これに該当するのです。
◆イノベーターよりも創造的
創造的模倣は、ハーバード・ビジネススクールのセオドア・レヴィットの造語で、明らかに矛盾した概念であり、創造的ということは、オリジナルということであり、あらゆる模倣に共通していることは、オリジナルではないということであるのですが、これは、まさに内容とぴったりの言葉であり、この戦略は模倣であり、この戦略では、起業家は、すでにほかの誰かが行ったことを行うのですが、この創造的模倣の戦略を使う起業家は、最初にイノベーションを行った者よりも、そのイノベーションの意味をより深く理解しているがゆえに、創造的となるのです。
日本の場合でも、模倣戦略はたびたび実行されるのですが、最近ではそのほとんどが失敗しているのは、イノベーションを行なった者よりもはるかに低いレベルの模倣を行ない、形だけ真似て、イノベーションのコンセプト、要するに本質を理解していないためで、創造的模倣においては、本質の理解が欠かせず、IBMがこの戦略を最も多く使い、大きな成果をあげていて、P&Gが、石鹸、洗剤、トイレタリーの市場でトップの地位を獲得し維持するために使い、日本の服部セイコーが昔の世界の時計市場において、トップの地位を得るために使っているのです。
1930年代初め、IBMはニューヨークのコロンビア大学の天文学者のために高速の計算機をつくり、その数年後の1930年代半ばには、ハーバード大学の天文学者のために、コンピュータの原型ともいうべき計算機をつくり、第2次大戦が終わる頃には、記憶装置とプログラム能力を備えたコンピュータをつくったのですが、そのIBMが、コンピュータのイノベーターとして歴史の本で取り上げられることはあまりないのには、それなりの根拠があり、IBMは、その先駆的な1945年のコンピュータを完成し、二ユーヨークの街中で大勢の人たちを集めて実演した後、自らの設計を捨て、ペンシルベニア大学で開発されたENIACに乗り換えたのは、ENIACの設計者は認識していなかったのですが、給与計算に使いやすかったのです。
IBMは、計算事務という平凡な仕事に使えるよう、ENIACの設計を取り入れ、生産し、アフターサービスすることにし、1953年、ENIACのIBM版が世に出るや、直ちにそれは、企業用の多目的メインフレーム・コンピュータの標準となったのであり、これが創造的模倣の戦略であり、誰かが新しいものを完成間近までつくりあげるのを待ち、そこで仕事に取りかかり、短期間で、顧客が望み、満足し、代価を払ってくれるものをつくりあげ、直ちにそれは標準となり、市場を奪うのです。
IBMは、パソコンについても創造的模倣の戦略を使い、アイデアそのものはアップルのものであり、IBMは、パソコンが経済的でなく、最適にほど遠く、金のかかる間違った製品と見ていたのですが、なぜかそれは成功していたので、
IBMは直ちに、パソコンの標準となり、支配者となり、少なくとも先端的となるべき製品の設計にかかり、その成果がPCで、2年後には、IBMのPCはアップルのリーダーシップを奪い、最も売れる製品、標準たる製品となり、P&Gもまた、石鹸、洗剤、トイレタリー、加工食品などの市場で、ほとんど同じ戦略を使ったのです。
時計業界は、半導体が開発されたとき、それまでの時計よりも正確で信頼性が高く、しかも安い時計がつくれることを知り、スイスの時計メーカーもクォーツ・デジタル時計を開発したのですが、すでに従来型の時計に多額の投資を行っていた彼らは、新製品を贅沢品として位置づけ、時間をかけて導入していくことにしたのですが、他方、国内市場向けに腕時計をつくっていたセイコーは、約50年前に、半導体にイノベーションの機会を見出し、創造的模倣の戦略をとって、クォーツ・デジクル時計を普及品として世に出し、スイスのメーカーが気づいたときには、すでに遅く、セイコーの腕時計が世界のベストセラーとなり、スイスのメーカーは、ほとんど市場から追いやられ、腕時計は単価の安い、コモデイテイとなってしまったのですが、現在は機械式時計の強みと巧みなデザイン力で、反対にスイスの時計メーカーが世界を席巻しているのです。
創造的模倣の戦略は、「総力による攻撃」と同じように、市場や産業の支配まではできなくとも、トップの地位の獲得を目指すのですが、リスクははるかに小さく、創造的模倣を行う者が動き出す頃には、市場は確立し、製品が市場で受け入れられているどころか、通常、最初のベンチャー・ビジネスが供給できる以上の需要が生まれ、市場もすでに明らかになっていて、少なくとも明らかにできるようになっていて、しかも、顧客が何を買っているか、いかに買っているか、何を価値としているかを、市場調査によって明らかにすることができるようになっているのです。
最初のベンチャー・ビジネスが直面した無数の不確定要素も、ほとんどが明らかにされているか、少なくとも、分析し調べることが可能になっていて、もはやパソコンやクォーツ・デジタル時計が何であるか、何をするものなのかを説明する必要はなく、もちろん、イノベーションを行った者が、最初からすべてを行ってしまい、創造的模倣の戦略に対して戸を閉めていることもあり、ビタミンのホフマン・ラロッシュ、ナイロンのデュポンのように、行うべきことをすべて行ってしまっているのですが、これまで創造的模倣に成功した起業家の数を見るかぎり、最初にイノベーションを行った者が、すべてのことを行い、市場を占有してしまっていることは、それほど多くはないのです。
創造的模倣のもう1つのよい例が、「非ピリン系アスピリン」ともいうべきタイレノールであり、これほど創造的模倣の戦略が何であり、成功するための条件が何であり、いかにうまくいくかを示してくれる例はなく、アメリカでタイレノールなる商標名で売られている、アセトアミノフェンは、長年鎮痛剤として使われていたが、ごく最近まで、処方箋がなければ手に入れられない医薬品であり、アセトアミノフェンよりもはるかに古いアスピリンが市場を独占していたのですが、アセトアミノフェンは、アスピリンほどの効き目はなく、鎮痛剤としては効いても、解熱剤としては効かないのですが、その反面、血液の凝固作用がないので、アスピリンのように、長期間にわたって大量に投与しても胃の異常や出血をもたらすという副作用もないのです。
したがって、ようやくアセトアミノフェンが処方箋なしで売られることになったとき、最初に市場に出された製品はアスピリンの副作用に苦しむ患者のための薬として売られ、それは成功し、成功は予想をはるかに上回り、まさにその成功が創造的模倣の機会を生み出したのですが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アスピリンに代わる鎮痛剤の市場が存在すること、しかもアスピリンのほうが、やがて解熱や血液凝固を必要とする限定された市場になってしまうであろうことを理解し、そこで、タイレノールを一般薬として売り、2年のうちに、このタイレノールが市場を獲得したのです。
この戦略は以上の様に、たいへん有効性が高い割りに、リスクが少ないので、使い易い戦略なのですが、いかに本質を極めているかが重要であり、本質を極めていないと、単に時間とお金の膨大なロスに繋がるだけなのです。
ステイーブ・ジョブズが再復帰後、アップルが大成功した戦略もすべて創造的模倣戦略ばかりで、ipodはソニーのウオークマン以来の携帯型音楽プレーヤーを再設計し、iphoneは通常の携帯電話の問題点を見つけて再設計したものであり、ipadはPCを再設計したのでした。
そして単なる模倣ではなく、それぞれの本質的な役割の時代に合った変化を深く理解し、その本質を独自に掘り下げ、現在のライフスタイルに合わせて再設計を行なったのです。
創造的模倣を活用したイノベーションが次つぎと起きるのは、時代が次つぎと大きく変化しているためであり、最初はウオークマンで満足した人たちも、そのうちに、ウオークマンでは満足しなくなったのです。
ipadとか、iphoneも同様ですが、アップルが起こしたイノベーションのこれらの製品のうち、最も成功を収めたのは、iphoneであり、iphoneがこれだけ成功を収めることが出来た大きな理由は、ipod、ipad等の良さをすべて取り込み、最初に成功したipodもipadもiphoneですべて兼ねることが出来ているのです。
昨日のスープ取り作業は、現地時間の深夜12時(日本時間1時)までかかり、キッチンを離れたのは1時近くになっていました。
スタッフたちも日々、ホテルに帰るのは現地時間で12時ですが、皆元気で頑張っています。
本日は、継続のスープ取りと午後から、スープ合わせが始まり、明日で実技はすべて終了します。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。