来週3月7日(月)から9日(水)までの3日間、ドリームスタジオ名古屋で、恒例のパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(1.麺ビジネスのイノベーション、2.究極の人手不足解決法はこれだ、3.究極の売上対策)を用意しました。
※イベントは終了しましたが、大和製作所では定期的にイベントを開催しております
本日のテーマは「自己否定」です。
昨日からシンガポールでのラーメン学校がスタートし、遠いところは、カナダ、NY、パナマ、オーストラリアからの参加者があり、残りはマレーシア、インドネシア、シンガポールからの多彩な顔ぶれですが、1人を除いて、ほとんどの生徒さんは中華系で、世界中で中華系出身者が、頑張っていることがよく分かります。
飲食ビジネスをすでにスタートしている生徒さんもいたり、これからラーメンビジネスを考えているサラリーマンもいたり、男性だけでなく、熱心な女性もいて、どちらの生徒さんも真剣で、非常に熱心です。
事前アンケートを読んでみると、まだラーメンビジネスをやっていない生徒さんでも、やりたい内容を詳しく書き、日本の国内にある私の知らないラーメン店を参考店にしていたり、すでにラーメンビジネスのことを深く研究している生徒さんもいました。
彼らは日本人ではないのですが、この様にラーメンビジネスに真剣に取り組もうとしている人たちが世界中にいることが驚きであり、最近の日本では、若者が和食の職人になりたがらないのに反して、外国人のシェフが和食を学ぼうとしているのと、対照的なのです。
昨年1月にロンドンで見た、ロンドンで一番人気の和食店「ROKA」で働いているシェフのほとんどは、ニュージーランド人であったことも、このような時代背景を反映しているのです。
和食であれ、ラーメンであれ、情熱を燃やして取り組めば、日本人であろうと、外国人であろうと、高いレベルに到達することには関係なく、最近では日本の古武道をマスターしようとする人たちのほとんどは、日本人の若者ではなく、海外からの若者なのです。
外国人と日本人の一番の違いは、和食はこうでなければいけないとか、ラーメンはこうだとかいう、先入観念とか、固定観念がなく、自由でフレキシブルな発想で取り組むことが出来るのです。
どうしても、その仕事を長くやっていると、いつしか安心領域にどっぷりつかり、固定観念に取り巻かれてしまうのが、非常に危険なのです。
固定観念にどっぷり浸っていると、いつしか思いもよらぬところからのライバルにあっさり負かされてしまう可能性があるのです。
われわれも同様で、常に安心領域に浸ってしまい勝ちなので、これを打ち破り続けるには、一番難しい、一番心地良くない、自己否定、現状否定が欠かせないのです。
安心領域に浸り、自己肯定をし、現状に満足しているのは、非常に心地よいのですが、自己肯定をしていると、いつしか安全領域から取り残されて、安全領域の外に出てしっているのです。
これを避けるのには、非常に強い意志力を要し、常に自分自身を孤独な場所に置かないと出来ないことがよく分かり、ビジネスを真剣にやればやるほど分かった一番大切なことは現状に甘んじない、自分に対しての自己否定だったのです。
一生懸命に日々ビジネスをやっていて、いつも問題意識を持ってビジネスに取り組んでいると、自分が巡り合わなければいけない事件とか、巡り合わなければいけない書籍に、不思議なほど巡り合います。
自分の足りない部分を思い知らされるような事件とか、足りない部分を教えてくれる書籍に巡り合うのです。
この世で起きることには一切の無駄がなく、起きることはすべて必然であり、どんなに不都合なことが起きているように見えても、必要であるので起きているのであって、不都合なことが起きるのは、将来においてそれが必要なので、起きているのです。
最近もいろんなことが起きていますが、不必要なことはぜんぜん起きていないことがよく分かります。
今回、シンガポールでラーメン学校を始めたことも必然であり、初日の昨日を終えて、生徒さん全員と非常に親しい関係を構築することが出来たのです。
もし、安心領域を乗り越えて、このようなラーメン学校を開催していなければ、絶対に構築出来ないような人間関係を構築出来たのです。
私は毎月の麺学校を通じて、多くの生徒さんたちと巡り合い、生徒さんたちの人生に影響を与え続けているのですが、熱心な生徒さんたちに出会えば出会うほど、生徒さんの人生の成功に役立ちたいとの思いが一杯になります。
昨日もラーメン学校の最後に生徒さんたちの今回のラーメン学校参加に当ってのリクエストを1人づつ確認していったのですが、当然、1人づつ異なったニーズを持っていて、われわれインストラクターは、毎回の麺学校で、それらのニーズに出来るだけ対応しているのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
◆さらに走りつづける
この戦略では、明確な目標を1つ掲げ、そこに全エネルギーを集中しなければならない上に、成果が出はじめるや、さらに大量に資源を投入しなければならず、デュポンは、実用に堪える合成繊維の開発に成功するや、市場が反応するはるか前に、大工場を建設し、繊維メーカーや一般消費者向けに、広告、展示、見本提供の絨毯爆撃を行ない、イノベーションが事業として成功したあと、本当の仕事が始まり、この戦略は、トップの地位を維持していくための継続的な努力を要求し、さもなければ、すべては競争相手のために市場を生むだけに終わるのです。
リーダーシップを握った以上、前よりも激しく走らなければならず、イノベーションの努力をさらに大規模に続けなければならなくなり、開発費も、イノベーションが成功した後においてこそ、増額しなければならず、新しい製品の利用法を開発し、新しい顧客を発掘し、新しい製品を試してもらわなければならず、この戦略は、天下を取るための昔の武将の闘いであり、或いは、第1世界大戦とか、第2次世界大戦と同じような戦争に相当し、一旦戦争が始まったら、2度と後に引き返すことが出来ないし、負けることが出来ないのです。
従って、下記のように、常に戦争の勝敗の推移を見てきたダイナマイトを発明したノーベルが、ダイナマイトの製造でカルテルを戦略的に結成したのは、勝つための戦略の大切さを見てきたためであろうと考えられるのです。
◆自らの手による陳腐化
そして何にもまして、この戦略によって成功した起業家は、競争相手によってではなく、自らの手によって、自社製品や工程を陳腐化させていく必要があり、次世代の製品や工程を開発するためには、最初の成功をもたらしたと同じだけの努力と資源を投入しなければならず、さらには、価格を立てつづけに下げなければならず、高価格を維持することは、競争相手に傘をさしかけ、やる気を起こさせるだけであるのです。
経済史上最も長く続いた私的独占、すなわちアルフレッド・ノーベルがダイナマイトを発明したあとに結成したカルテルが、この方針を堅持し、ダイナマイト・カルテルは、ノーベルの特許が消滅してかなり年月のたった第1次犬戦後も、世界市場を独占し、彼らは、需要が10パーセントから20パーセント増大するごとに価格を引き下げ、生産増に必要な投資は償却ずみだったので、その結果、カルテルは高収益を維持し、したがって、新規参人者にとって工場の新設は魅力がなかったのです。
デュポンが、ナイロンについてこれと同じ方針をとったことは偶然ではなく、そもそもデュポンは、ダイナマイト・カルテルのアメリカのメンバーであり、ワングはワープロについて、3Mはあらゆる製品について、同じ方針をとったのです。
3リスクの大きさ
前記の例は、すべて成功物語であり、したがって、実際にこの戦略がいかに大きなリスクを伴っているかは示していないのは、失敗の例は、紹介したくとも残っていないからですが、われわれは、成功よりも失敗のほうがはるかに多いことを知っているのです。
この戦略には、チャンスは一度しかなく、直ちに成功するか、さもなければ完全な失敗であり、息子の頭に載せたリンゴを1の矢で射ち落とさなければならなかったスイスの射手ウィリアム・テルと同じであり、失敗すれば息子を殺してしまうかもしれないだけでなく、しかも自分も殺され、これこそまさに、この戦略をとったときに起業家がおかれる状況であり、まずまずの成功や惜しい失敗などなく、成功と失敗しかなく、成功でさえ、あとからしかわからないのです。
少なくともわれわれは、次の例が失敗していた可能性のあることを知っていて、運や偶然によって救われたにすぎないのです。
ナイロンの成功は僥倖であり、1930年代には、事実上ナイロンのための市場はなく、綿糸やレーヨンと競争するには、あまりに値段が高く、当時の最も贅沢な繊維、絹よりもさらに高く、しかも厳しい不況のさなかにあって、日本は絹をいかなる安値でも輸出するつもりだったのですが、ナイロンを救ったのは、日本の絹輸出にストップをかけた第2次大戦の勃発で、1950年頃、日本が絹産業を再建したときには、すでにナイロンはゆるぎない地位を築き、コストと価格もはるかに安くなっていたのです。
3Mの最も有名な製品であるスコッチテープについては、すでに述べたとおりであり、ここでも、偶然がなければ、失敗のまま終わっていたにちがいない。
◆リスクの大きさ
この戦略は、リスクが大きく、ほかの戦略、たとえば創造的模倣(次章参照)がとられるのは、この戦略では成功よりも失敗のリスクのほうが大きいからであり、強い意志がなければ失敗し、努力が十分でなければ失敗し、イノベーションとして成功しても、十分な資源を投入しなければ失敗し、事業として成功しても、十分な追加資源を投入しなければ失敗に終わり、成功すれば報奨は大きいが、リスクが大きく、非常な困難を伴い、したがって、この戦略は大きなイノベーションにしか使うべきではなく、たとえば、フンボルトのように新しい政治秩序を生み出すことや、ホフマン・ラロッシュのビタミンのように新しい医療分野を生み出すこと、あるいはメイヨー兄弟のように診断と治療について新しい医療の方法を生み出すことにしか、使うべきではないのです。
実際、これが使えるイノベーションの種類はごく限られていて、しかも、イノベーションの機会についての深い分析と正しい理解が必要であり、エネルギーと資源の集中が必要であり、多くの場合、ほかの戦略を使うべきであり、ほかの戦略のほうが望ましく、リスクが大きいからではなく、「総力による攻撃」に必要なコスト、努力、資源に見合うほど大きなイノベーションの機会はあまりないからであるのです。
以上の様に、この戦略に長けた企業の多くは、大きな戦争を経験したり、戦略の大切さを理解している人たちだけで、西ヨーロッパ大陸は、現在こそ平和な時代が続いていますが、第2次世界大戦以前は、常に戦火に見舞われていたのです。
昨日から、海外で初めてのラーメン学校がスタートし、最初の挨拶の緊張感みなぎる瞬間です。
遠方から参加の生徒さんたちと、最初はぎこちない状態であったのですが、夕方には、家族のような雰囲気に溶け込み、参加の生徒さんたちは、皆、非常に熱心で、質問も日本の学校の2倍くらい多く、いろんな作業に取り組んでいました。
当社のスタッフたちも連日、ホテルへ帰るには12時頃で、本日はスープを炊くので、更に遅くなりそうですが、皆、安心領域からはみ出して、頑張っています。
日本のラーメン学校とは異なった部分も多く、日本のラーメン学校の進化にとってもたいへん役立ちそうです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。