本日のテーマは「期末と新しい目標設定」です。
昨日の日曜日は珍しく、会社のイベントもなく、朝から瞑想、散歩、筋トレを済ませ、自宅に閉じこもり、仕事に取り組んでいると、誰にも邪魔されずに深い思考が出来るので、何もスケジュールの入っていない日曜日は、普段の時間では出来ない、深い思考を要する仕事には最適です。
日曜日は時間的な制約がないので、深い思考しながら、過去のデータを突き合わせたり、気になるところを徹底的に調べたり、さまざまな取り組みを行ない、今期の問題点と来期の計画のチェックを行ない、本日午前中の役員会議と経営会議用の資料を作成したのです。
若いころは、体力勝負で仕事をしていたのですが、この年齢になると体力勝負という訳にもいかず、他のスタッフが思いつかないような、深い思考で勝負しなければ、私の存在価値がないのです。
今期も数日を残すだけになり、今期の決算は見えてきたのですが、振り返ってみると、なぜ、最初からこうしていなかったのだろうかとか、もっと良い方法があったのにとかの反省ばかりです。
その時点、時点では最大の努力をしたつもりではあったのですが、振り返ってみると、まだまだ出来る努力があったことが分かるのです。
併せて、スピードが遅かったことも問題で、その時点、時点で、もっと真剣に問題点を出しきっていれば、もっと速度が上がっていたことが大きな反省材料です。
その時点では、問題点を残さずに潰していたつもりですが、振り返ってみると、まだまだ出来る範囲が残っていたのです。
反省ばかりが多かった今期ですが、その反省の多かった分を2度と同じことをしないように、来期の準備を行なっているのです。
この時期は、期の移り変わりになるので、年末から元旦にかけて新しい年を迎えるような雰囲気で、新しい計画を練りに練っているのです。
以前には、このような計画はほとんど私が作っていたのですが、現在はスタッフたち全員を巻き込んで作っているのです。
私が中心で作っていたころは、スタッフたちにとっては、計画は自分たちで作ったものでないので、計画に対しての責任感が薄かったのですが、最近の計画はすべて、スタッフたちが参加して作っているので、スタッフたちの責任も大きいのです。
担当者の責任感に関しては、役職に関係なく、責任感の強いスタッフとそうでないスタッフの落差があり、全員に重い責任を持って貰えるようにするのも、じれったいくらいの時間経過と社内文化の醸成が必要なのです。
昨年1年間は、あるスタッフに、完全に責任感を理解して貰うために、取り組んだような1年でした。
当社は、元の営業本部から新社屋に移転して丁度5年を経過しましたが、この5年間を振り返ってみると、新しい体制作りのための生みの苦しみを味わった5年間でもあったのです。
過去5年間には、想定外のことがたくさんあり、たいへん鍛えられた5年間でしたが、これからの方向性を明確にするための5年間でもあったのです。
熱心に日々を過ごしていると、上手くいってもいかなくても、社内とスタッフ本人の中に財産が出来ているのです。
だから、われわれの日々の活動は、未来へ引き継ぐ財産作りを行なっていることになり、上手くいくかどうかは別にして、いかに大きな財産を残していくかが問われているのです。
乱気流に揉まれた5年間であり、まったく予定通りにいかなかった5年間ではありますが、目に見えない財産は少し残せたかと思います。
期の終わり、新しい期の始まりは、今やっていることを改めて検証する素晴らしいチャンスでもあり、長期の計画を立てるチャンスでもあるのです。
過去を振り返り、今から始まる未来を見通し、新しい計画を立てるのは経営者としての大きな醍醐味であり、計画の達成が難しければ難しいほど、モチベーションが上がるのです。
簡単に達成できる目標ではなく、スタッフたちがシッカリ鍛えられるような目標設定は、たいへん意味のある目標であり、簡単に到達できる目的地ではなく、到達できるかどうか分からないくらいの、難しい目的地を設定することが大切なのです。
もうすぐ、桜の開花の時期を迎えますが、桜の開花の時期にこのような目標を立て、新しい清々しい期に突入するのは、毎年のことではありますが、ビジネスマン人生の醍醐味なのです。
1年後に、どのような結果になっているか、今からワクワクするのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「予期せぬ失敗」
予期せぬ成功とは異なり、予期せぬ失敗は、取り上げることを拒否されたり、気付かれずにいることはないのですが、それが機会の兆候と受け取られることは殆どないので、現実にビジネスでもっとも多いのは予期せぬ失敗で、件数が多いだけに、単なる失敗とか、警告と受け取らずにイノベーションのための機会と、とらえることにより、新しい可能性が開け、麺専門店開業における失敗も、ほとんどすべてが、本人にとっては予期せぬ失敗で、開業に当たって、本人は当然上手くいくと思って開業しているので、上手くいかないのは、予想外の予期せぬことで、下記のデータのように、うどん、そば、ラーメン店の新規開業者の40%以上が1開店年以内に、70%以上が、開店3年以内に閉店しているのです。(シンクロ・フードの過去に閉店した飲食店の特徴より)
それに比較して、当社の製麺機のユーザーさまと麺学校の卒業生の閉店率は、以下の通りです。
「製麺機のユーザーさま(麺学校に参加していないお客さまの閉店率)」
うどん蕎麦店で、1年未満が6.3%、3年未満が14.4%
ラーメン店では、1年未満は4.6%で、3年未満が12.9%
「うどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校の卒業生で製麺機のユーザー」
うどん蕎麦店で、1年未満が4.9%、3年未満が12.7%
ラーメン店では、1年未満は0%で、3年未満は6.6%
以上より、明確なことは新規開業者の閉店による失敗は、本当は、予期せぬ失敗ではなく、下記にドラッカーが指摘しているように、単に計画や実施の段階における過失、貪欲、愚鈍、雷同、無能などの結果に過ぎないのです。
「失敗が教える機会の存在」
予期せぬ失敗の多くは、単に計画や実施の段階における過失、貪欲、愚鈍、雷同、無能などの結果に過ぎないのですが、慎重に計画し、設計し、実施したものが失敗したときには、その失敗そのものが、変化とともに機会の存在を教えることが多く、製品やサービスの設計、マーケテイングの前提となっていたものが、もはや現実と乖離するに至っているのかもしれないし、顧客の価値観や認識が変わっているのかもしれないのです。
同じように売れ続けていても、同じものを買ってはいるが、違う価値を買っているのかもしれず、かっては1つの市場、1つの最終用途であったものが、まったく異質の2つ、或いはそれ以上の市場や最終用途に分かれてしまったのかもしれなず、そのような事例が、下記の錠前の話です。
「それらの変化はイノベーションの機会である」
ドラッカー自身、高校を出て社会に入った早々、予期せぬ失敗を目にし、見習として働いていた商社は、英国領土インド向けに100年以上も前から金物、とくに錠前を輸出し、毎月、船1隻分の錠前を輸出し、それらの錠前は、ピンで簡単に開けられる安物だったのですが、1920年代当時、インドでは所得が上がってくるにつれて、錠前の売れ行きは伸びるどころか、かなり急激に減り始めたので、ドラッカーの雇用主は、対策を講じたのです。
錠前を頑丈なものに、つまり上等なものに設計し直させ、しかも余計なコストをかけずに品質を向上したが、新しい錠前はまったく売れなかっただけでなく、この錠前の輸出の不振が原因となり、この商社は4年後に倒産し、その商社の10分の1の規模しかない、生き残るだけで精一杯だった弱小の競争相手が、この予期せぬ失敗の中に、大きな変化の兆候があることを知ったのです。
インド人のほとんどを占める田舎に住む農民にとって、錠前は神秘的な存在であり、いかなる泥棒も、錠前を開けようとしなかっただけでなく、鍵がかけられることはなく、たいてい、鍵はどこかに無くされていたので、ドラッカーの雇用主が生産コストを抑えつつ、苦労して作った頑丈な錠前は、鍵なしでは開けられず、農民にとっては便利などころか、不便極まりない代物で、一方で、当時成長しつつあった中流階級は頑丈な錠前を必要とし、そもそも錠前が売れなくなったのは、彼らが安物の錠前を買わなくなったことが原因であり、彼らにとっては、改良後の錠前でさえ十分に頑丈ではなかったのです。
そこでドラッカーの働いていた会社の競争相手は、インド向けの錠前を2種類作り、1つは、価格はそれまでの3分の1、利幅は2倍という押しボタン式の超安物の鍵なし錠前、もう一つの価格は2倍、利幅も大きい3つの鍵を付けた頑丈な錠前で、いずれの売れ行きは好調で、その商社は、2年足らずでヨーロッパ最大のインド向け金物輸出業者になり、そして10年後、第2次世界大戦によってヨーロッパのインド向け輸出が中断されるまで、その地位は続き、これは昔の面白い話の1つに過ぎず、コンピュータ、市場調査、ビジネススクール出身の経営学修士(MBA)の時代である今日では、われわれは少し賢くなっているのです。
新規開業者が失敗する理由の大半が、過去の常識、過去のノウハウ、過去の知識で開店しているのですが、現在は、既に始まっている未来で、過去ではなく、多くの人が現在だと思っている、既に過ぎ去った日本の過去は次の通りです。
1.生産年齢人口の減少に伴う、働き盛りの人口の大幅な減少(売上(市場)縮小、人手不足に拍車)。
2.サラリーマンの小遣いの半減(サラリーマンから、女性とシニアへ)
3.世帯構成の変化で、1人世帯の大幅な増加
4.世界的に草食男子化、肉食女子化で、女性パワー増大
5.機能的ベネフィットから、感情的ベネフィットへ
6.インターネットの発達による、パラダイムの変換
(事例:①95点以上の高い商品力、②開店チラシ、開店広告は絶対にやってはいけない、③一番でなければ生き残れない、④小が大に勝つ戦略しか有効でなくなる(●競争変数を増やす、●強烈な個性で勝負する)、⑤競争は絶対にしない、⑥学ぶ人とそうでない人のギャップが非常に大きくなる)
以上のように、われわれを取り巻く環境は、われわれが気付かない間に、大きく変貌し、さらに変化が加速していこうとしているので、われわれは日々、学びの時間を確保しないと成功しない時代に生きているのです。
従って、これからの時代を見据えて言えるのは、一生懸命に努力する1%以下の人たちだけが成功の恩恵に預かれて、その他大勢の人たちは日々、生きていくだけに汗を流し、そんなに楽しくない人生を送らざるを得ないのです。
われわれは、真剣に学びの時代に生きていることを自覚しなければいけないのですが、当社の麺學校に入学する、どちかと言えば比較的意識レベルの高いはずの人たちでさえ、十分にマネッジメントの教科書を読んでいなかったり、理解せずに経営講義に参加する生徒さんが多いのが現状で、当社の麺學校に来ないで開店する、99%の人たちのほとんどは、十分なマネッジメントの学びをなしで、開店しているので、上手くいく方が珍しいので、学びには情熱とエネルギーが必要であるのと、日々継続の忍耐と習慣が必要なのです。
「ビジネスの成功=責任×夢×情熱×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐」
そして、技術革新によるイノベーションのほとんどは、予期せぬ失敗を起点とし、エジソンの電灯の発明のための何千回にわたる失敗、ダイソンの掃除機の開発の途上で起きた5千回の失敗もすべて、予期せぬ失敗を繰り返し、克服したので成功したので、予期せぬ失敗をイノベーションに活用している多くの事例は、技術革新の分野に見られるのです。
画像は、昨日の私の散歩の様子で、自宅前にある讃匠の売店の駐車場では、毎年恒例のチューリップがきれいな花を咲かせ、毎朝散歩しているグリーンベルトでも、さまざまな草花が芽を吹き、桜が徐々に咲き始めたのです。
私が毎日歩いているグリーンベルトは、季節の移ろいを移し出し、清々しい朝の空気の中を散歩出来る素晴らしい場所なのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。