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うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「ニーズを見つける 第3の機会、ニーズはイノベーションの母、プロセス・ニーズ、労働力ニーズ」

いつもきれいに整備されている街路樹。授業は、松原先生が通常のラーメンスープ、私がフルーツのスープを中心に仕上げていきました。

本日のテーマは「ビジネスの根底にあるもの」です。

来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。

※本イベントは終了となりましたが、今後も定期的にイベントを開催しております。最新情報は下記のURLから
https://www.yamatomfg.com/special-noodle-events/

シンガポールでのラーメン学校も本日がいよいよ最終日で、昨日はさまざまなフルーツのラーメンで、通常のスープのある熱いラーメン、冷たいラーメン、つけ麺、混ぜ麺等あらゆるフルーツラーメンを試してみましたが、生徒さんたちにとって参考になるだけでなく、私の学びも深めることが出来、レシピのデータベースをさらに広げることが出来たのです。

使ったフルーツは、パイナップル、ぶどう、リンゴ、なし、そしてトマト、その他の野菜類ですが、どれも思った以上に美味しく出来上がり、今後、使えるフルーツは、マンゴー、ココナッツ、オレンジ、これからの日本であれば、桃等も十分可能性があると思いました。

フルーツ単体だけではなく、野菜との組み合わせも動物系を使わない新しい味作りには欠かせなく、これからはフルーツの香味油も可能性を秘めています。

シンガポールのスーパーで購入したトリュフの香味油も面白い香りと味で、これからの可能性は非常に大きいと思います。

フルーツは火にかけるだけでなく、熱を入れない生のフルーツも冷たいスープには美味しく、熱を入れたフルーツと入れない生のフルーツの組合せもなかなか美味しく、ラーメンの範囲がさらに広まりそうです。

今回も前回と同じように、本日最終日は1日中経営講義の予定でしたが、生徒さんたちのリクエストにより、本日の午前中は盛り付けの最終指導、午後から経営講義に特化するようにしたのです。

日本では、経営講義に時間を大きく費やしているのですが、海外では生徒さんが、ラーメン文化に馴染んでいないので、ラーメンの基本的な部分の指導に時間がかかっているのと、事前の資料の送付の不足に問題があるようです。

今回までの当社の課題(反省)として、次回以降は、生徒さんたちに技術編の資料の送付を早期に行ない、参加する前に生徒さんに麺作り、スープ、トッピング等の全貌について事前知識を十分に持っておいて貰うことが必要であり、参加する前に予習を行なっておかねばならないことがよく分かりました。

また、昨晩はスタッフたちと一緒に勉強のために、早速、若い生徒さんに教えて貰った「LADY M」へ行ってきました。

行って感じたのは、本質的な商品力の高さで、アメリカ発のスイーツとしては、非常にレベルの高さを感じ、コストにこだわっていない商品力の高さで、日本でも、高級なスイーツの店へ行っていつも感じるのは、店舗の内装、外装、接客等のレベルの高さは感じるのですが、コストにとらわれ過ぎていると感じるのです。

サービスレベルは決して高くはなかったのですが、商品レベルにおいては、妥協している部分がぜんぜん見受けられず、明確なコンセプトの確立であり、コンセプトの一貫性です。

日本の場合は、コンセプトの明確さが足りず、部分的にコストダウンに捉われていて、舞台裏を見せてしまっているような気がするのです。

このことを本日、学校に到着してカナダから来ているこの生徒さんと話していると、この生徒さんもまったく同意見であり、コストに捉われない、平均的なものでない、特に突出すべきところは徹底的に突出している。

Iphoneを例に挙げて話し合ったのですが、コストに妥協していないから、このようなレベルの高いデザインが出来るのであり、日本メーカーのようにコストに捉われると、プラスチックの型で成型した製品しか作れず、決してこのようなデザインは出来ないのです。

この生徒さんはもともと台湾出身ですが、台湾国家が最近経済的に上手くいっていないのも、日本の国と同じように、政治がキチンと機能していないことが大きな原因で、台湾の税率も日本とほぼ同じような状態だそうです。

毎回シンガポールへ来て感じるのは、国としてのシンガポールの素晴らしさで、車で走っていると、50年前の建国した当時に植えたであろう道路沿いの樹木が道路上にきれいに生い茂っているのが見えるのです。

気温は毎日34度から26度Cの間で、暑い方ですが、生い茂った樹木のお蔭で、涼しく感じるのです。

ビジネスの成否も、国の成否もまったく同じで、精神の大切さが最も重要であり、われわれはさまざまな事例からたくさんのことを学びとることが出来るのです。

丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

第五章 ニーズを見つける 第3の機会

1.「ニーズはイノベーションの母」

第二章では、すでに存在している(イノベーションの)機会(予期せぬ成功、予期せぬ失敗、ギャップ)について見てきたのですが、「必要は発明の母」という、まだ存在していないもの、すなわちイノベーションの母としてのニーズについて検討を加えると、イノベーションの母としてのニーズは、限定されたニーズであり、漠然とした一般的なニーズではなく、具体的でなければならず、前回の事例の天ぷらを揚げたあとの廃油の処理のように、具体的になっている必要があり、予期せぬ成功や失敗、ギャップは企業や産業の内部に存在しますが、ニーズは、企業の外のお客さまの中に存在し、ニーズは、まだ、自分の会社や仕事の中に表れていないもので、ニーズというのはお客さんが持っているものなのです。

例えば、ステイーブ・ジョブズがipodを発明したのも、ニーズを明確に捉えることができたためであり、その後に続いたipad、iphoneも同様で、ニーズを明確に捉えることが、イノベーションの絶対条件であり、プロセスのイノベーションのニーズは次の3つから成り立っているのです。

① プロセス上のニーズ
② 労働上のニーズ
③ 知識上のニーズ

「プロセス・ニーズ」

イノベーションの機会としてのプロセス・ニーズの利用は、他のイノベーションとは異なり、環境からではなく、課題からスタートし、状況中心ではなく、課題中心であり、それは、知的発見によって、すでに存在するプロセスの弱みや欠落を補うためのイノベーションであり、関係者ならば、誰でもそのようなニーズの存在を知っているのに、誰も手を付けていないので、ひとたびイノベーションが成功すると、直ちに当然のこととして受け入れられ、標準として普及していくのです。

すでに1つの例として、プロセス・ギャップの利用の項で述べたウイリアム・コナーは、ある酵素を白内障の手術に欠かせない製品に転換し、白内障の手術そのものは昔から行われ、数世紀かけて改善が重ねられ、他方、その酵素の存在も、数十年前から知られていたので、そこでコナーは、酵素の保存薬を開発するというイノベーションを行ない、こうして、ひとたびプロセス・ギャップが改善されるや、眼科手術医のうち1人として、コナーの酵素を使わない手術など想像出来なくなったのです。

このイノベーションほど、的が絞られていたのも珍しく、プロセス・ニーズを理解することが、直ちに問題の解決に繋がったのですが、このようなことは、プロセス・ニーズによるイノベーションのすべてとまではいかなくとも、そのほとんどについて言えることで、ここに同じように、プロセス・ニーズによるイノベーションの例があります。

オットマー・メルゲンターラーが植字機を設計したのは1885年であり、それまでの数十年というもの、新聞、雑誌、書籍等、あらゆる出版物の発行部数が、識字率の向上と、輸送手段や通信技術の発達に伴って急速に伸び、同時に、出版に関わるほとんどあらゆる技術が進歩し、高速の製紙機械が開発され、高速の印刷機械が作られたのですが、植字作業だけは、400年前のグーテンベルクの時代から変わっておらず、長い徒弟時代を経た高度な熟練工を必要とする、時間と金のかかる作業だったのです。

メルゲンターラーは、コナーと同じように、ニーズを明確にすることから始め、そして必要な活字を機械的に選ぶキーボード、活字を行に揃えるメカニズム、そして(最も難しい技術として)使用した活字を基に戻す技術を開発し、長い年月と数々の工夫が必要だったのですが、ひとたび生まれるや、植字工たちの激しい抵抗にも関わらず、わずか5年で標準的な機械として普及し、これらのニーズは、プロセス・ニーズから生じていたのです。

麺ビジネスにおけるプロセス・ニーズは、うどんの製造工程における熟成庫の導入があり、過去、うどん業界では、熟成という概念がなく、熟成工程が取られていなかったのですが、当社が熟成の必要性を見つけ、熟成庫「寝太郎」を開発し、販売し、熟成温度も明確に定め、ミキシング直後の第一熟成は、25度Cであれば、3時間、28度Cであれば、2時間の熟成時間であり、プレス後の第二熟成は、1晩の場合は18度C、2晩の場合は16度Cで行ない、この熟成工程を導入することにより、麺質が年中安定するようになると同時に、誰が作っても安定して美味しいうどんを作れるようになったのです。

「労働力ニーズ」

労働力ニーズもまた、きわめてしばしばイノベーションの機会となり、1909年頃、AT&Tの調査部門が、15年後の人口と電話交換手についての予測を行なったのですが、その予測によれば、アメリカでは、電話交換を手作業で行っている限り、1925年ないし30年には、17歳から60歳までの女性のすべてが電話交換手にならなければならず、AT&Tの技術者たちが自動交換機を開発したのは、その2年後で、この問題は解決し、同じように、今日のロボット・ブームも、主として労働力ニーズによるものであり、ロボットに必要な技術は、何年も前から開発されていたのですが、日米を初めとする先進国の製造業が、少子化の結果を身近に感じるようになるまで、半熟練の組立工をロボットに代えるニーズは、大きくならず、ロボットの設計のほとんどは、アメリカからの輸入だったので、日本がロボット先進国となったのは、技術上の優位によるものではなく、日本は、アメリカよりも4,5年早く、ドイツよりも10年早く最初の少子化に襲われたためであり、日本においても、アメリカやドイツと同じように、労働力不足が認識されるようになるには10年の歳月を要したのですが、日本では、その10年がアメリカよりも先に始まっていたのです。

メルゲンターラーによる植字機もまた、かなりの程度、労働力ニーズの圧力のもとに実現し、出版物の爆発的な伸びが、6年から8年の徒弟制度を必要とする植字工の供給を逼迫し、賃金を非常な勢いで押し上げ、その結果、印刷業者たちは、労働力ニーズを痛いほど感じるようになり、高賃金の職人5人を半熟練工に変えてくれる機械には、かなりの金額を払っても良いと思うようになっていたのです。

日本のうどん蕎麦店はもともと手打ちで麺を作っていたのですが、製麺機が開発され、機械で麺を作るようになり、久しいのですが、美味しい麺が作れる製麺機のお蔭で日本のうどん蕎麦、ラーメンが世界に飛躍するようになったのです。

中国の蘭州は、ラーメンの発祥の地であり、4千年の歴史がありますが、麺作りは、今でも手延べであり、職人による手作りで作られていて、100年前に、中国からラーメンが伝わってきた日本は、100年の間に独自に進化し、蘭州のラーメンと日本のラーメンの差は、①手作りか、製麺機であるかということと、②元ダレを使っているかどうかが大きな差で、世界中に広まっているラーメンは、中国のラーメンではなく、日本のラーメンで、麺作りを手作りではなく、製麺機で、楽に美味しい麺が作れるような仕組みが出来ているのが大きな差であり、うどん蕎麦業界における製麺機の活用は、90%をはるかに超え、ラーメン店における自家製麺の比率も急激に上昇を続けているのです。

昨日は、白味噌が無いことに気づき、ジェイソンと一緒に外に出たのですが、街路樹がいつもきれいに整備されている様子が良く分かります。

午後からは、松原先生が通常のラーメンスープ、私がフルーツのスープを中心に仕上げていきました。

楽しい理科の実験のようです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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