本日は、「開業で失敗しないための10ヶ条」の内の 3.「一貫性」についてです。
私がマネジメントの参考書として挙げているビジョナリーカンパニー(2)の中にハリネズミの理論という項目があります。これは古代ギリシャの寓話である「キツネとハリネズミ」からとっています。
キツネは賢く何でもよく知っていて、体つきもスマートで俊敏で、賢い動物として例えられています。ハリネズミは1つの重要な事だけを知っていて頑なにそれだけを実行します。
キツネが毎日ハリネズミを捕まえようとして色んな策を試します。ハリネズミは巣穴から出てきて、餌を探し回ってまた巣穴に戻るわけですがキツネがそこを 狙って捕まえようとした瞬間にハリネズミは体を丸め、自分の針をあらゆる方向にはりめぐらします。するとキツネはなす術なく、その場から立ち去る事しかで きません。
ハリネズミの取る戦略はたった1つですが、キツネが多くの手段を用いても、どんな手を尽くしてもとらえることができません。
この寓話を踏まえ、人間においてもキツネ型の人間とハリネズミ型の人間がいると例えられており、キツネ型の人間はなんでもよく知っていていろんな行動をし ます、ところが中々成功しません。ハリネズミ型の人間はなんでも知っているわけではないけども大切なこと1つだけを知っていて「それだけを実行します。一 貫性をもって実行します。
どちらのタイプが成功しやすいかを考えると、キツネ型よりもハリネズミ型のタイプの方が遥かに成功しやすいのです。過去成功した世界の偉人達を見ても、必ずハリネズミ型の人間が成功しているのです。
昔のことわざで「器用貧乏、となりの阿呆につかわれる」という言葉があったりしますが、例えば飲食の世界であればイタリアン、和食、フレンチなど、いろんな料理をつくろうとした人ほど成功しにくいです。
ビジョナリーカンパニー2では
1.情熱が持てるジャンルだけに集中する
2.世界1になることチャンスがあるジャンルだけに集中する
3.収益が上がるジャンルだけに集中する
この3つが交った部分のみ以外をやらないことが、ハリネズミの理論と書かれています。
以上の3つの絞り込みは非常に重要で、これを一貫性を持って見定めていかなければなりません。日本のビジネスや政治の世界を見ると、うまくいっていない原因のほとんどは一貫性のなさと妥協にあるようです。
実は、一貫性のなさは子供時代から植え付けられます。たとえば、お母さんが子供を連れてスーパーへ行きます。子供はお菓子が欲しくておねだりします。お母 さんが「駄目」と言うと、子供は大きな声で泣き始めます。ほとんどのお母さんは結局、お菓子を買い与えてしまうのではないでしょうか。
子供は、泣き叫んで要求すれば望みがかなうと学習します。一貫性の大切さを教えず、子供を駄目にしてしまう事例です。投資の世界で成功する人は一貫性を持っています。
同じサインを見ても、一貫性のある人は決まった行動を取りますが、一貫性のない人は迷った挙句、違う行動を取ってしまうのです。当社の麺学校の卒業生につ いても同じようなことが起こっています。開業して成功している生徒さんほど、学校で習ったことを忠実に実行しています。
ところが、うまくいっていない生徒さんは善意の第三者のアドバイスに耳を傾け、迷ってしまい、お店を駄目にするのです。リーダーに必要な資質というと、こ れまでは高いスキルやマネジメント能力などがよく挙げられていました。しかし、これからのリーダーに必要なのは「一貫性」です。
一貫性のあるリーダーは目標に向かって愚直に進み、スキルなどは優秀な仲間がサポートしてくれます。そこで共有される「強いストーリー」がチームを束ねるのです。
この典型的な成功事例がアップルの創業者であり、同社を再建し株式価値世界一の会社に育て上げたスティーブ・ジョブズです。ジョブズは、共同創業者のウォズニアックのようなITの才能を持っていませんでした。
何か特別な能力に長けていたわけでもありません。持っていたのは、この惑星に衝撃を与えたいという大きな夢であり情熱でした。これを生涯、一貫して持ち続けたのです。その結果、優秀な人たちが結集し、歴史に残る偉業を成し遂げたのです。
目先の損得に右往左往したり、言行の不一致があったりすると信頼を失います。麺専門店では、商品力・サービス力・店舗力に一貫性を持ったコンセプトが必要です。
明確な使命の下に、一貫性のある戦略が構築でき、明確なコンセプトの下に、日々の行動がなされているかどうかを常にチェックすることです。一言で言えばぶれない心です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジティブなロッキーです。