うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(まとめ)」「価値観ギャップ、消費者が求めているもの」

今回学んだ新川さんの著書

明日9月1日(火)から3日(木)の3日間、ドリームスタジオ札幌では、私のセミナー他、多彩なイベントが開催され、私のセミナーは下記の通りです。
http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=1197&ref=top

9月1日(火)『オーナー様、店長、スタッフ必聴!~スタッフのモチベーションアップ・セミナー』
9月2日(水)『麺専門店の皆様必聴!麺専門店のレイアウト・事業計画のポイント・儲からない3大要因』、『商品力・サービス力アップ!~他店が追随できない圧倒的な商品力・サービス力の上げ方~』
9月3日(木)「藤井流!女性にウケる店舗とは?」

上記のセミナーのうち、初めてのタイトルについては、レジメを作成中で、レジメを作りながら、私自身の学びが深まっていますが、まだ理解が十分でない分野についても、無謀でもレジメを作り、セミナーを行なうことにより、どれほど、自分自身の学びになるかしれません。

本日のテーマは「飲食ビジネスのサービスについて」です。

昨日日曜日は、明日から始まる札幌のイベントのためのレジメ作成を、1日中家に閉じこもってやっていました。

私にとって今回のレジメのうち、テクニックとしてのサービス力の上げ方は、得意分野でないので、参考になる書籍を探していました。

国内の高級ではなく、その気になれば、誰でも気軽に行くことが出来るレストランで、サービスレベルが非常に高いレストランは、新丸ビルのリゴレットが素晴らしいと思っていて、リゴレットを展開している会社のオーナーが書いた本を見つけ、読んでみると、飲食ビジネスにおけるサービスについて、実践者として、詳しく書いてあり、たいへん参考になったのです。

著者はもともと、モンスーン・カフェとか、権八で有名な、グローバル・ダイニングのトップの片腕として活躍した新川義弘さんで、2005年に新しい会社「HUGE」を立ち上げ、銀座のダズルを開業し、その後、リゴレット他のレストラン展開を行なっているのです。

私はリゴレット、ダズルを自分でもたびたび利用し、接客と料理が素晴らしい店として、麺学校の教科書でも取り上げ、生徒さんにも常に紹介していたので、そのオーナーが書いた本を見つけたことに驚いたのです。

今回、新川義弘さんが書いている書籍「愛されるサービス」をじっくり読んでみると、サービスについてのプロ中のプロとして、考え方とテクニックが詳しく書かれていました。

私も、今から30年前から10年前にかけて、快進撃していたグローバル・ダイニングのレストランのモンスーン・カフェとか、権八等にもよく行っており、その頃のモンスーン・カフェとか、権八はキラキラと光り輝いていて、常に長蛇の列の人気レストランでした。

ところが、ある時からモンスーン・カフェ等のサービスレベルがおかしいと思うようになり、行かなくなり、新しく見つけたリゴレットの商品力、サービス力が素晴らしかったので、そちらへ行くようになったのです。

最近、久しぶりにモンスーン・カフェに行ってみると、サービスレベルが改善され、昔のようなフレンドリーで、楽しいサービスが行なわれていました。

このたび、新川さんの書籍で分かったことは、モンスーン・カフェの輝きがなくなったころと、新川さんがグローバル・ダイニングを去った時期が、符合していたのです。

中心人物が去っても、高いサービス・レベルを保ち続ける大切さを教えてくれる大切な事例であり、併せて、高いサービス・レベルを維持しながら、長く多店舗展開を続けていく難しさを教えてくれる事例でもあります。

高いサービスレベルを保ちながら、ビッグ・ビジネスで成功している事例として、最も身近なのは、デイズニーランドです。

永い繁栄を目指しながら、高いサービス・レベルを保ち続けるには、サービスを企業文化にしてしまうことが重要であり、デイズニーランドは、企業の行動指針に価値感を埋め込んでいるのです。

デイズニーの行動指針は次の4つからなっていて、この順序が重要であるのです。

1. Safety  何があっても安全の追求
2. Courtesy 礼儀正しさ
3. Show パーフォーマンス、商品力
4. Efficiency 効率の追求

上記のように、安全の追求が最優先で、何があっても、これは絶対に譲らず、次が礼儀正しさ、その次がプロとしての高い商品力の追求、最後が利益の追求なのです。

この順序を大切にしていたので、東日本大震災のときも、施設に来ていたお客さま全員を施設内に泊め、寒くないように、カーテンで包み、館内にあった食糧を全員に提供し、安全に一晩過ごすことが出来たのです。

震災の日は、JR東日本は駅構内にいたお客さまを全員、駅から外に出し、他のほとんどの企業も同じようなことを行なったのです。

お客さまの信頼を一気に得た企業と失った企業の違いが、おきな災害で試されたのです。

本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。

「3.価値観ギャップ」

戦後の日本におけるテレビ販売の成功という予期せぬ成功は、消費者の価値観についての認識ギャップがもたらした機会を示していて、日本の経済界の大物がアメリカでの講演で、テレビは高すぎるので、日本の貧しい人たちには買う余裕がないと言った時点のはるか前に欧米の貧しい人たちは、テレビの与えるものが経済合理性の枠外にあることを、身をもって示していたのですが、この日本の知的な経営者は、消費者とくに豊かでない人たちにとって、テレビは単なるモノではないことが見えてなく、豊かでない消費者にとって、テレビは新しい世界との接触であり、新しい生活と人生だったのです。

フルシチョフもまた、1956年の訪米時に「ロシア人はマイカーを必要としない。タクシーの方が安くていい。」と言ったのですが、車が単なるモノでないことが見えてなく、アメリカのテイーン・エイジャーならば誰でも、フルシチョフに対し、車が単なる輸送手段ではなく、自由、移動、力、ロマンであることを教えることが出来、そしてまさにこのフルシチョフの誤解が、ソ連において、世界で最も荒々しく、起業家的なイノベーションの機会をもたらしたのが、車の闇市で、以上の事例は、「価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断がある」としていますが、まさにその通りであり、成功すればするほど、このような罠に陥り易く、少し興味を持って、周りを見渡せば、誰でも分かることなのですが、外に出ないと分からないのです。

外に出て、多くの物を見る意味は非常に大きく、私もお蔭で世界中を回っているので、同じ製麺機メーカーの経営者の中では、外をたくさん見ている方であり、多くの物を見て、現実を知ることは大きな意味があり、日本は世界の常識から大きく外れていることが分かります。

「消費者が求めているもの」

以上の例は、一般的であり、次に、これらの例と同じように一般的ではあるが、事実上大きな意味のあった別の例をあげてみると、アメリカ中西部のある都市の郊外に、数年間で急成長した金融機関の1つがあり、2千支店を持つ、この証券会社は、顧客と証券業界の価値観のギャップに目をつけ、成功し、成長したのです。

メリル・リンチ、デイーン・ウイッターズ、E・F・ハットンズなどの大手証券会社は、あらゆる顧客は、自分たちと同じ価値観を持っているものと信じ、NY証券取引所の会員にとっては、行動の動機や成功の基準は利殖であると信じているのですが、そのような価値観を持つ者だけが、一般的投資家ではなく、投資家の多くは投資のプロではないのです。

一般的投資家は、プロの投資家として金を儲けるためには、十分な知識のもとに、四六時中、資金の運用に取り組まなければいけないことを知っていますが、地方の自由業の人たちや、豊かな農家や、中小企業の経営者には、そのための知識や時間がなく、本業が忙しく、稼いだものを運用に回す時間がないのです。

その中西部の証券会社が目につけたのは、価値観ギャップで、外見上は、ほかの証券会社と変わらないし、NY証券取引所の会員でもあるのですが、この証券会社は業務のうち、取引所を通すものは全体の8分の1に過ぎず、ウオール・ストリートの証券会社が力を入れているオプション取引や先物取引には手を出さず、もっぱら自分たちが「懸命な投資家」と呼ぶ人たちを顧客にしていて、利殖の約束はしないのです。

実は、この利殖をしないということが、アメリカ証券業界ではイノベーションであり、株の売買に精を出す顧客を求めないで、自由業の人たちや豊かな農家や中小企業の経営者など、支出が堅実で、収入が支出を上回るという人たちを顧客にしているだけで、この証券会社は、財産を守りたいという彼らの心理に働きかけていて、扱う商品は、株式、公社債に加え、年金、パートナーシップ投資、不動産投資信託などであり、この証券会社が提供するものは、ウオール・ストリートの証券会社が売ってきたものとはまったく異なる価値、すなわち安心であり、これこそが、「賢明な投資家」にとっての魅力ある価値あるものだったのです。

そのような顧客は、ウオール・ストリートの証券会社の価値観に反しているので、最初は、ウオール・ストリートの証券会社は、そのような顧客の存在さえ知らなかったのですが、今日では、この証券会社の名前は広く知られていて、成長している証券会社として必ず名前が出てくるのですが、今日にいたるも、大証券会社のトップたちは、そのような競争相手が成功していることはもちろん、存在していることさえ認めようとしないのです。

このように、価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断があり、「貧しい人たちが何を買えるかを知っているのは、彼ら貧しい人たちではなく私である。」という考え方があり、フルシチョフが言ったことも、「マルクス主義者ならば誰でも知っているように、人間というものは経済的合理性に従って行動するものである。」ということで、あらゆるギャップのうちで最も多く見られるのが、この価値観ギャップであり、イノベーションを行なう者が価値観ギャップを利用しやすいのは、このためで、しかも彼らは、邪魔されずに放っておかれるのです。

以上の例では、一般的な証券会社にとっての、自分たちと価値観を共有出来る顧客だけを証券会社の顧客と信じていたのですが、新しい証券会社はそうではなく、今まで一般的な証券会社の価値観とは相容れない顧客、即ち、ノン・カスターを顧客にし、今までの証券会社と価値観のまったく異なる顧客をカスタマーにして、大成功したのです。

ドラッカーは、まだ顧客になっていない人たち、すなわち、ノン・カスターへのフォーカスを勧めていて、その人たちは、自分たちの今までの価値観とは違った価値観を持っている可能性の高い顧客で、ノン・カスタマーこそ、これからの可能性の高い顧客になる得る存在であり、生産者や販売者は、ほとんど常にと言ってよいほど、顧客が本当に買っているものが何であるかを誤解しているのです。

もちろん彼らは、自分たちにとっての提供している価値が、顧客にとって価値があるという信念をもたなければならないのは言うまでもなく、いかなるものであれ、一つの仕事に成功するためには、その仕事の価値を信じ、真剣に取り組む必要があり、化粧品の生産者は化粧品の意義を信じなければならず、さもなければ、製品そのものが陳腐化し、顧客を失っていき、病院の経営者は、医療を絶対的な善として信じなければならず、さもなければ、医療も看護も直ちに質が低下していくのです。

しかしそれにもかかわらず、生産者や販売者が提供していると思っているものを買っている顧客は、ほとんどいないのであり、彼らにとっての価値や期待は、ほとんど常に供給者の考えているものとは異なり、そのようなとき、生産者や販売者が示す典型的な反応が、消費者は「不合理」であって「品質に対し金を払おうとしない。」と言うのですが、実は、この種の苦情が聞かれるときこそ、まさに生産者や販売者が顧客の価値と信じているものと、顧客にとっての本当の価値との間にギャップが存在すると考えるべきなのです。

したがって当然、具体的で、しかも成功する確率の大きなイノベーションの機会を探さなければならず、価値観ギャップは、すべてのギャップの根本であり、価値観ギャップを理解することが、すべてのギャップからイノベーションを起こす、最も近道であることが分かるのです。

自社、自店のカスタマーとノンカスタマーを比較すると、ノンカスタマーの方がはるかに多く、お客さまの数を増やし続けるには、ノンカスタマーをカスタマーに変え続ける以外にはなく、ノンカスタマーの持っている価値感は、自社、自店の持っている過去の価値感と異なることが多く、お客さまが持っている価値感は時代と共に変化し続けているので、過去の価値感に固執し続けていると、ビジネスの世界から置いてけぼりを食ってしまうことがあるのです。

従って、お客さまの価値感の変化に気づくことは非常に重要であり、麺ビジネスの世界で、お客さまの価値感の変化を捉えて非常に成功した事例は多くあり、イノベーションを起こして成功した麺ビジネスはすべて、価値観ギャップを活用して成功しているのです。

セルフのさぬきうどんで最初に成功した「はなまる」は、それまでのセルフのさぬきうどん店は、主に男性向けで、女性が胸を張って入れるようなきれいな店ではなく、どちらかと言えば、「早い、安い、旨い」を実現していたのですが、「はなまる」はその上に、きれいな店を作り、女性でも胸を張って入れるようなきれいな店を作ったのです。

次に「丸亀製麺」は、それまでのさぬきうどん店、或いは一般的な麺専門店は製麺機をバックヤードに置いて、わざとお客さまの眼に触れないようにして、実際は機械製麺をしているのに、手打ちと謳っている店が多い中で、製麺機を前面に置いて、実演自家製麺の店を作り、過去の価値感を打ち破り、今までの麺専門店の店主の、お客さまは手打ちを好んでいるが、機械製麺は好んでいないという価値感を打破したのが、「丸亀製麺」であったのです。

そして、「はなまる」とか「丸亀製麺」が麺専門店の価格破壊を起こし、かけうどん1杯100円とか、280円の価格が、それまで都内の蕎麦店等では、かけそば、かけうどんの価格を500円~600円に設定していたのですが、価格に関する信頼性を失わせる原因になり、余計にビジネスに大きな影響を与えたのです。

過去、多くのうどん店、蕎麦店のお客さまは昼のサラリーマンであり、昼の営業で成り立っていて、昼間の回転率を上げることがビジネスで成功する原則であると認識していたのですが、生産年齢人口の減少と共に、サラリーマンの数が減少し、サラリーマンをターゲットにした、高回転型ビジネスが成り立ち難くなり、反対に、東京の町田市になる当社のユーザーさまである、「カフェ中野屋」のように、本格的なカフェで、うどんを提供し、昼間の時間当たりの回転数は重視せず、1日を通してのトータルの回転数で非常によい成果を上げているのです。

以上のように、最近、成功しているビジネスのほとんどは価値感ギャップを活用していて、現在の業績が伸びなかったり、少しでも下降しているのであれば、価値観ギャップが起きていると理解し、解決策を見出すことが、イノベーションによる成果を上げる一番の近道であるのです。

画像は、今回学んだ新川さんの著書で、飲食ビジネスのプロ中のプロが書いたサービスレベルを高める実践的な書籍です。

これからの日本の飲食ビジネスには、非常に役立つ書籍です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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