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女性が力を発揮し始める

亀城庵

更に継続の「素晴らしい従業員を確保し、確保した従業員をシッカリとした戦力に育成するために」で、この10年間で、実際に当社で起きたことなのです。

この10年間で当社は大きな変貌を遂げ、10年前に入社した社員はまだ現在の本社も、元の坂出の営業本部の影も形もなかった時に、入社したのです。

以前にも触れたように、それ以前の当社は完全な男性社会であったのです。
10年余り前から徐々に、女性の入社が増し、女性が徐々に力を発揮し始めるようになったのです。
その頃、入社した女性たちが次々と新しいアイデアを出して、新しい試みを始めたのです。

10年前にスタートしたラーメン学校も、そのようなアイデアが実った一つのケースです。
ラーメン学校も今でこそ、完全な安心領域になっていますが、始めたときは、当社にとっての大きなチャレンジでした。
まだ、十分なノウハウが構築出来ていなかったのですから。
最初の2~3年は、たいへんな時期を経験し、松原先生は今でのその頃のことを思い出すと、涙を流してしまいます。
そのような厳しい時期も諦めなかったので、今日を迎えることが出来たのです。

この10年間、当社が大きく変貌したように、支えてくれたスタッフたちも、大きく成長したのです。
入社したときには、家庭の主婦しか経験していなかった藤澤常務はパソコンの入力さえも心許なかったのです。
入社してからの1ヵ月間は、パソコンの入力の特訓からのスタートでした。
しかし、直ぐにブラインド・タッチが出来るようになり、会議の議事録さえも聞きながら入力できるようになるのには、時間がかからなかったのです。
現在、活躍している女性の多くが、最初は十分にPCを使うことが出来なかったのは、今から振り返れば、嘘のような話です。
従って、現在、当社で活躍している幹部の人たちは皆、入社後に現在の能力を身に付けた人ばかりで、最初から素晴らしい能力を身につけていたのではなかったのです。

途中入社で、最初から素晴らしい能力を身につけていた人たちで、その前後で途中入社した人たちも何人もいましたが、その人たちのほとんどは、現在当社にはいないのです。
私は自分自身の事業体験を通じて言えるのは、素晴らしい能力は会社に入ってから伸ばすものであり、素晴らしい人間性は入社前に備えていることです。

昨日も経営ノウハウ講義の中で、人の採用についての質問が多かったのです。
現在の日本では、特に、生産年齢人口の急激な減少により、人の採用が一番のテーマになっているのです。

外食産業には、優秀な人どころか、応募が来ないのです。これからの外食産業を志す人は、人の問題は避けて通ることが出来ないのです。
現在の日本では、どんな大手企業にとっても、優秀な人材の採用は、経営上の一番重要な課題になっているのです。

私は、過去の自分自身の経験を通じて、専門的な能力は高いが、頭の硬い専門家を採用するのではなく、専門的な能力は高くはないが、柔軟性があり、素直で情熱を持った人を採用する方がよほど、その企業の将来に役立つと思います。

現在の日本では、たいへんな人手不足で、優秀で、人間性の高い人材の確保は至難の技です。
従って、人間性にだけ、重点を置き、専門的なレベルには重点を置かないことです。
そして、その人たちを、時間をかけて育て上げるのです。

今回、当社の新任役員になった人たちは丁度、入社したのが10年前のスタッフたちばかりです。
だから、10年間位かけて、マネッジメントの中枢に育てあげることが出来れば、丁度、良いのではと思います。
これからの時代は、もっと高速な時代になるので、最短5年位まで短縮出来るようになるかもしれません。

従って、素晴らしい人材の採用は、麺専門店開業で失敗しないための10ヶ条とほぼ同じ内容がダブっているのです。

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念のために、麺専門店開業で失敗しないための10ヶ条は次の通りです。

1.まず、情熱です。
2.次が、素直、プラス発想、学び好きであることです。
3.その次がぶれない、一貫性
4.周到な準備(失敗する人のほとんどがこの理由)
5.深い思考(同上)
6.トップを目指す
7.他店の真似をしない
8.際立った個性
9.資金余裕を持つ
10.ネバーギブアップ(忍耐力)

私自身のサラリーマン時代を振り返って、仕事には大変情熱を燃やして取り組んでいたことを思い出します。
給料をもらってのサラリーマン時代は、そこそこの仕事で力を温存しておき、独立起業してから全速力で働くというのは、あり得ないのです。

企業でも幹部になるような人たちは、自分で独立起業しても十分にやっていける人たちばかりなのです。
そのような人たちを集め、養成するのがこれからの伸びていく企業であり、麺専門店であるのです。
情熱のない、素直でなく、柔軟性のない人たちを幾ら集めても、企業は成功するとは思えません。

本日の内容は、社内カスタマーに対する補償の話でした。

当社の社内でも社内カスタマーという発想を、余り持っていなくて、例えば、
讃匠から大和製作所は麺を購入したり、麺生地を購入していますが、讃匠の担
当者は身内だからという発想で、社外のお客さまに対する対応と比較すると、
真剣度が異なり、甘い対応になり易いのです。

社外カスタマーに対するのと同じように、社内カスタマーに対応させるのは、
保証制度は重要であると思います。

社内の場合、どうしても馴れ過ぎているので、それも社外より、もっと厳しい
位の保証制度があっても良いのではと、思います。

GTEのような大きい組織ではなく、われわれのような小さい組織でも、社内カスタマーとして、意識出来るようになるには、相当厳しい意識改革が重要になります。

もし、これがキチンと出来るようになれば、素晴らしい組織が出来上がっているはずです。

本日も朝から、大和の役員会議、経営会議を順番に行なってきましたが、このような会議をやればやるほど、まだ足りない部分が山のように見つかります。そして、自分も含めての意識改革の大切さ、難しさが浮き彫りになります。

呆れる位、次々と課題が出てきます。

当社も10年前とは、比較にならない位に社内も進化しているはずなのに、まだまだ多くの課題を抱え過ぎているのです。もっと言えば、10年前とは比較にならない位、難しい課題をたくさん抱えています。
企業経営は、進化するほど、更に難しい課題をたくさん抱えるような仕組みになっているのかも知れません。

私は、企業は進化すると、何ごとももっと楽になるような気持ちでいたのですが、本当はそうではなく、進化すればするほど、さらに難しくなるようです。毎日、こうして日々の課題、中期的な課題、長期的な課題と常に格闘し続けているのが、経営者の姿なのです。
人生には、いつしか終わりがありますが、会社の経営には終わりがないので、余計に会社経営は難しいのです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジティブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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