昨日は麺学校の経営講義2日目で、事業計画書作成とか、商圏分析等、主に経営数字についての学習でした。
事業計画書を作成していて驚いたことは、台湾とか、ロンドン等の外国での開業予定の生徒さんのシュミレーションをやってみると、驚くような利益が出るのです。
台湾の場合は、食材費も安いし、家賃も安いし、人件費も安く、特に人件費は日本の半分以下の相場です。
ところが、日本食のような外食の値段は日本と変わらないか、或いは、日本より高い位なのです。
従って、売価が高いにも関わらず、食材費、人件費、家賃等が安いので、大きい利益が得られるのは、当たり前なのです。
ロンドンの場合は少し違い、家賃、人件費は高いのですが、売価が日本の2倍以上なのです。
従って、麺類の競争の非常に厳しい日本での開業よりも、外国での開業の方がはるかに楽なのです。
外国での開業の場合は、言葉の壁、国情、文化、法律の違い等々の高いハードルとリスクがありますが、それだけ、成功した場合の可能性が高いのです。
国内市場では、過去成功したビジネス・モデルではなく、新しいビジネス・モデルが要求されています。
一方、海外の場合は、未開の土地なので、日本の今までのビジネス・モデルに近いもので通用するのです。
しかし、まったく同じビジネス・モデルではなく、その国の事情に合わせて、ある程度カスタマイズしたビジネス・モデルは必要になります。
日本人と外国人の場合の食事習慣が異なる部分が多いのです。
例えば、日本人は世界で一番位、塩辛い食べ物を平気で食べ、猫舌ではなく、熱いものも平気で食べることが出来るのです。
従って、世界中で人気のあるラーメンは、味噌ラーメンとか、醤油ラーメンではなく、濃厚なスープのトンコツ・ラーメンなのです。
濃厚なスープのトンコツ・ラーメンは、スープが濃厚なので、元ダレが少量で、スープ全体の塩度が低いのに美味しく食べることが出来るのです。
香港ではラーメン店だけではなく、うどん店でも一番人気のスープは、トンコツ・スープで、二番目がトマト、三番目が日本と同じような魚介のスープです。
このように、世界中でトンコツ・スープは人気が高いのです。
しかし、インドネシアとかマレーシアのイスラム教のハラルの国では、豚類を一切食べることが出来ないので、代わりに、鶏白湯の濃厚なスープになります。
この場合も、鶏白湯の濃厚なスープであれば、塩度が低くても美味しく食べることが出来るのです。
また、日本以外の国では、ランチにラーメン一杯を急いで食べて、食べ終わるとすぐに店を出ていくようなお客さまはいないのです。
ランチでも、友人、知人等と長々と話をしながら食べる習慣があり、日本人のように昼食は短時間で済ませるという習慣はないのです。
従って、日本のように9席とか、18席のような高回転型の店舗を作ることが出来ず、少ない席数で売上を上げることは出来ないので、ビジネスとして成立するには、ある程度の席数が必要になります。
更に、回転率が悪いので、売上を上げるために、ラーメンとか、うどん蕎麦の麺だけの勝負ではなく、サイド・メニューがシッカリ必要になります。
回転率の悪い分を、トータルの客単価でカバーします。
更に、アメリカ市場の場合は、量目が重要な要素になります。
日本人の食事の量と一般的なアメリカ人の食事の量はまったく異なります。
量目が多いことが、美味しいことに繋がるのです。
麺専門店の場合は、自家製麺すれば、麺のコストは非常に安くなるので、量目をシッカリつけてあげることが出来ます。
私が初めてアメリカに行った30年前は、アメリカ人はうどんのような丼の中に白い虫が泳いでいるような食べ物は絶対に食べないと言われていました。
ところが、今はアメリカのどこのスーパーに行っても、冷凍うどんを販売しています。
そして麺類を食べるときに音を立てて食べるのは、マナー違反だと言われていたのですが、それも緩和されつつあるのです。
以上のように、海外における日本の麺類もますます現地化し、活躍の場が広がっています。
縮小している国内市場で、新しいビジネス・モデルにチャレンジするか、或いは、思い切り、未開の新天地で新しいビジネスに取り組むのも、たいへん、面白い人生を送ることが出来るのではないかと思います。
本日から、飯田亮(いいだ・まこと)さんで、日本初の警備保障会社セコム創業者。
東京出身で、学習院大学政経学部経済学科卒業後、家業の酒販売会社「岡永」に入社し、29歳で独立し、セコムを創業する。
警備保障業は日本ではまったくなじみのない新しい事業であったが、同社を大きく成長させ東証一部に上場させた。
そのほか日本経済団体連合会常任理事、全国警備業協会顧問、特殊法人等改革推進本部参与会議座長などを務めた。
1.閉塞感は心の中のものでしかない
閉塞感なんていうのは、人の心に巣食うものです。
実際の世の中に蓋がされているわけじゃないでしょう。
理屈をこねる前に、一生懸命働くべきだと思います。
2.可能性ある人はたくさんいる
現状を悲観して「次代を担う人材がいない」と嘆くのは間違いでしょう。
そんな中でも確かに優れた人材はいます。
私は多くのベンチャービジネスの経営者と接してきましたが、可能性ある人にもたくさん出会いました。
3.頼りになるのは自らの力だけ
私は終戦を経験しています。
国は崩壊していて、頼りになるのは自らの力だけ。
私が常識外の力を発揮できた背景には、こうした社会状況もあったのでしょう。
4.当たり前のことを当たり前にやったことが成長要因
創業50周年のとき、なぜ自分はここまで会社を成長させることができたのか、改めて思いを巡らせてみました。
「ひとつのことに熱中してきたから」とか「一生懸命に努力してきたから」などとも考えたのですが、どれも当たり前のことで、正直これといった理由が見つかりませんでした。
結局、当たり前のことを当たり前にやっていたら成長していたのです。
5.駄目なら変えることが大切
漁師は釣れなければ狙う魚を変え、道具を変え、場所を変える。
いつも同じところでじっとしていて、「魚がいないね」と嘆いているだけでは駄目だ。
6.セコム憲法
セコムには事業と運営の憲法があります。
それは、「正しいことをやる。間違ったことはやるな」「正しいこととは会社にとっての正しさではなく、社会にとっての正しさだ」というものです。
経営者としてそういった正論を吐いてきたから、私は社員が胸を張ってやれる仕事だけを選んできました。
7.信じることが部下を育てる
部下の育て方なんて、いくつもの方法があるわけではありません。
経営者や幹部でありながら社員を信用できないなんて大変な不幸です。
信じることが部下を育てることです。
8.サービスの質を保つために全員を正社員にする
うちでは現場にパートはいません。
パートを雇っていた時代もありましたが、あるときから全部やめました。
正社員とパート社員が混在していたら、セキュリティの質を保つことができないと思ったからです。
9.部下が全員反対したことをやり、全員賛成した案件は考えなおす
私は決して物わかりのいいタイプではありません。
会議で私が提案したことを部下が全員反対したら、よし、やってやろうと考えます。
逆に、部下が全員賛成した案件については、ちょっと待てよと思ってしまいます。
部下の意見におもねることはしないから、物わかりのいい上司ではありません。
画像は、関連会社「讃匠」の冬シーズンの通販用カタログです。
美味しいうどん、ラーメン類の販売をしております。
お歳暮、自家需要にご利用下さい。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。