昨日は、午後から本社に出社し、全員出勤している讃匠のスタッフたちと一緒に新商品の試食とか、年末年始にかけて販売する商品の試食を行ないました。
新商品では温かい鍋メニューを3種類試食しましたが、何度も試食を繰り返して、問題点を指摘してきたので、かなり商品力は高まってきて、美味しい鍋料理が完成しました。
年越し蕎麦もなかなかの出来で、お正月に食べる餡餅雑煮(餡入りの餅を使った、白味噌仕立ての香川県の中讃地区独自の郷土料理)がいつもながら、たいへん美味しかったです。
餡餅雑煮を知らない人たちは、餡入りの餅の雑煮なんか食べられないと、思う人が多いのですが、実際に食べると全員、その美味しさ、味のバランスに驚きます。
近々に讃匠のHPでもネット販売致しますので、ぜひ、お試しください。
https://www.kijoan.com/
坂出駅のうどん店亀城庵では、人気商品で年中提供しています。
大和では、麺学校を通じて、常に新しいメニュー開発を行なっており、関連会社讃匠では、通信販売でさまざまなメニュー提案をして、同時にそのメニューの販売をしていますので、どんなメニューの人気があるのかがよく分かります。
新しい味の方向性についても、常に研究を重ねております。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、本日はイノベーションについてで、私の著書「金儲けを目指さない店だけが繁盛する」よりの抜粋です。
https://www.yamatomfg.com/company/books/kanemouke-wo-mezasanai/
7.イノベーションを成功させるには、焦点を絞り単純なものにしなければならない
(解説)ドラッカーは企業の2大機能は、マーケテイングとイノベーションであり、理想企業のマーケティングは、広告宣伝を一切しないで、右肩上がりに売れ続ける仕組みを作ることであり、販売を不要にすることなのです。
そして、マーケテイングを常に成功させるためにも、イノベーションは欠かせず、マーケテイングとイノベーションは企業を永く成功させるための車の両輪とも言えるのです。
そして、イノベーションを起こし続けるために、ドラッカーが指摘しているのは次の7項目です。
1.予期せぬ出来事(予期しない成功、予期しない失敗、予期しないお客さまからの要望)に注意する。
2.ギャップを探す(業績ギャップ、認識ギャップ、価値観ギャップ)。
3.ニーズを見つける(ウォンツではなく、ニーズ)。
4.産業構造の変化を知る(急激な成長を遂げている業界)。
5.人口構造の変化に着目する(年齢的、世帯的、性別的)。
6.認識の変化をとらえる(結婚年齢、健康、転職、離婚)。
7.新しい知識を活用する。
次に、イノベーションのためになすべきことは次のとおりです。
1.機会の分析から始める(常に先の七つの視点を持って行なう)。
2.必ず外へ出て、見て、顧客の声を聴く。
3.集中する(あれもこれもやらない)。
4.小さくスタートする。
5.トップを狙う。
そして、何よりも大切なのが、社内にイノベーション体質を持ち続けることで、常に社内が、ベンチャー企業のような若々しいフレキシブルな組織であることが大切で、ドラッカーが指摘するイノベーション成功の条件は次のとおりです。
1.イノベーションは日々の仕事に組み込まれていなければいけない。
2.イノベーションは強みを基盤にしなければいけない。
3.イノベーションは経済、社会、業界、生活を変えるものでなければいけない。
以上の3つの条件を思考すると、真っ先に浮かんできたのはアップルのスティーブ・ジョブズであり、彼がやっていたことは、まさしくイノベーションそのものであったわけです。
たとえば、ipod、iphone、ipadなど、アップルの一連の商品はすべてイノベーションの結果ですが、いずれもロングランのベストセラー商品ばか りで、イノベーションを起こした商品には、素晴らしいコンセプトが練り込まれているので、商品寿命が長く、同様に、ipodが開発される以前の、ソニーの ウォークマンもイノベーションの結果であり、ロングセラーでした。
当社のうどん用製麺機「真打」、ラーメン用製麺機「リッチメン」、そば用製麺機「坂東太郎」、熟成庫「寝太郎」も、商品寿命が長いロングセラー商品ばかりです。
イノベーションを起こすと、少数の商品で勝負出来ることが、アップルとソニーを比較するとよくわかります。
イノベーションを起こすには、絞り込み、集中が不可欠で、その分、商品や技術の精度、品質が桁違いに高くなり、結果、少数の商品で大きい売り上げを上げることが出来るようになるのです。
社会を大きく変えるようなイノベーションのチャンスを常に探すことは、経営者として必然の仕事なのです。
イノベーションとは何かを完結に言うと、〝過去との断絶〟であり、要するに、「過去の世界と縁を切り、明日を創造すること」です。
お客さまは常に、商品やサービスの改善・改良を期待していますが、その期待に応えた商品、サービスを世の中に出しても、それをイノベーションとは言わず、イノベーションとは、過去の改善・改良ではないのです。
では、どのようにしたらイノベーションを起こすことができるのでしょう。
イノベーションを起こす手順を理解するには、武道をマスターする手法である「守・破・離」の順序と方法がわかりやすい参考になると思います。
守・破・離は文字どおり、「守」と「破」と「離」のプロセスより成り立っています。
守……師匠や先輩を完璧にモデリング(Modeling・真似)する。
破……完璧に真似ができているモデリングの状態から、少しずつ自分の考えを取り入れて改良 (Modify)を加える。
離……改良を加えた破の状態から、完全に離れて独自のモノ(Innovation)を生み出す。
まず「守」ですが、この段階では徹底的に〝我〟を捨てて、素直になることが求められ、我が入ってしまうと、完全なモデリングができなくなってしまうからです。
「守」を完璧に実行するには、我を捨てて素直になり、師匠の見えない部分まで完璧にモデリングしてみることが必要で、そうやって、日々モデリングを繰り返していくと、自然に自分の強み、特徴に合った方法が見つかります。
さらに、他の書物とか、関係しているさまざまなノウハウに触れることによって、新しいモノが見つかり、それらが組み合わさり、この過程が「破」、すなわちModifyに当たる部分です。
そして、さらに追求を重ねていくと、師匠に教えてもらった方法から逸脱して、自分独自のオリジナルな理論、概念、方法が生まれてくるのが、「離」、すなわち完全に師匠から離れた、Innovationに当たる部分です。
「守・破・離」は日本古来の手法ではありますが、イノベーションの手順として非常に理にかなった手法だと思います。
ここで一つ、注意しなければいけないことは、商品やサービスとして売り出すのは「守」や「破」の段階ではなく、必ず「離」の段階でなければいけないのです。
その理由は、インターネットの発達した、これからの時代、イノベーションが実現された商品でなければ勝てる商品、サービスにはならないからです。
イノベーションとは、この項の冒頭で述べたように過去との断絶ですが、いきなり過去と断絶するのは得策ではありませんし、現実的に困難です。
したがって、普通はモデリング、要するにコピーから取りかかり、そして次に「破」、さらに「離」といった具合に「守」「破」「離」を繰り返していくと、進化していく自分を実感できるようになり、われわれが人生で成功を得るには、エンドレスにこれを繰り返すことです。
イノベーションを起こす種は、われわれの周りに転がっていますますが、ボーッとしていたら、すぐ目の前にある種に気づかず、チャンスを逃してしまうので、常に感性を研ぎ澄まし、アンテナを張り巡らさなければならないわけです。
イノベーションの種が訪れる前には次のような兆候がある、とドラッカーは言っています。
1.予期せざる顧客、予期せざる顧客からの要望がある
2.予期せざる成功、予期せざる失敗がある
3.新たな事業機会が起きてくる
このようなときこそ、イノベーションを起こす絶好のチャンス、というわけです。
当社でも、新規のお客さまが製麺機の購入を希望されることがあり、しばらく前、麺ビジネスへの参入を検討している福祉施設から引き合いがあり、福祉施設が なぜ、麺ビジネスに参画するのかと、不思議に思って尋ねると、「国からの補助金が将来なくなるのを見越して、自立するための新しいビジネスとして麺ビジネ スを検討している」とのことで、私はハッと思い立ちました。
「自立を迫られているのはここだけじゃない。どこの福祉施設も困っているはずだ」
すぐさま全国の福祉施設に麺ビジネスを提案したところ、全国の多くの福祉施設に製麺機を販売することができました。
このように、予期せざるお客さまからの要望の中には、イノベーションの種が隠れていて、それをいかに発見するかです。
しかし、発見しただけではイノベーションは起こせず、会社や組織をイノベーション体質に変えなければ、イノベーションは起こせないのです。
では、どうしたらイノベーション体質に変えられるのか、それには仕掛けが必要になってきますが、これに関してドラッカーは、4つの問いかけを行ないました。
1.イノベーションを可能にするために何を廃棄するか?
2.機会を体系的に追及しているか?
3.機会を現実のものにするためのプロセスを踏んでいるか?
4.イノベーションのための戦略は、事業戦略と合致しているか?
このうち、意外と言うか斬新な響きで私に迫ってきたのは、一番目の質問で、それまでの私には〝廃棄〟という概念がなかったからです。
考えてみると、当たり前のことですが、なかなかできない、斬新な考え方で、何か新しいビジネスを始めるとき、われわれは往々にして、いままでの古いビジネスを残したまま、新しいビジネスに着手しようとします。
すると、ヒト・モノ・カネの経営資源が不足して、結局、いままでの仕事も、新しい仕事も両方駄目にしてしまう危険性が高いのです。
そうならない方策としてドラッカーは、次の問いかけを自らに行なうことを勧めています。
1.いまその事業を行なっていなかったとしても、そこに人材と資金を投入して、その事業を始めるか?
2.イノベーションのための思考と方法を制約しているものはないか?
3.最高の人材にイノベーションの機会を提供しているか。昨日の問題、昨日の製品にかかりきりにさせていないか?
イノベーションを起こし続けるには、社内に変化を歓迎する社風を育てなければならないのですが、そのためには、あらゆる種類のインセンティブ、雇用保障、評価制度、支援制度を動員する必要があります。
イノベーションを特別なものではなく、不断に行なわなければいけない体系、身に付けておかねばならない体系としてとらえていたドラッカーは、そのための方法を次のように示しています。
1.自らの存続にかかわることとして、イノベーションの機会を探しているか?
2.イノベーションのための7つの機会を常にチェックしているか?
ドラッカーの言う7つの機会とは、
1)予期せぬこと(予期せぬお客さま、予期せぬ成功、予期せぬ失敗)
2)産業構造の変化と地域間格差(インターネットの急激な発達による産業構造、顧客、顧客価値、技術の変化と格差)
3)ギャップの存在(認識、矛盾、顧客ニーズ、プロセスにおける顧客と企業とのギャップ)
4)ニーズ(お客さま自身さえ気づいていない潜在意識にあるニーズ。何かが欠けているとき、困難なとき、有効に機能していないとき、そこにイノベーションの機会がある)
5)人口、世帯構成、年齢構成、男女比率の変化
6)認識の変化(誰もがインターネットを違和感なく使用する時代になった)
7)新しい知識(新しい知識の発見が市場を変革させる)
以上のように、イノベーションは高い意識を持たなければ起こすことはできないので、高い意識、言い換えればトップに立つ〝志〟がないかぎり、社会や業界にインパクトを与えるような大きな革新を起こすことはできないのです。
そして大事なのは、イノベーションはトップだけの仕事ではなく、社員全員が常に取り組まなければいけない仕事であり、そのために会社、組織をイノベーション体質に変え、常に攻撃的な社風をつくり上げることです。
画像は昨日の讃匠の試食での「餡餅雑煮」で、画像では、餅が白味噌の出汁の下に沈んで見えないのですが、いつもながら、たいへん美味しい味でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。