ラーメン・そば・うどん屋開業・繁盛店を目指す|17-1 ピーター・ドラッカー解説

うどん学校卒業式の様子

昨日まで、東京支店での経営講義が2日間続き、人生をかけた生徒さんたちとの真剣勝負で、楽しい時間を共有しました。

初日は少しぎこちない生徒さんたちも、2日目になると、お互いに気心が知れて、和んできます。

私の経営講義も14年前に開校した頃とは比較にならないような難しい内容になり、事前に教科書を読んでくる生徒さんたちもたいへんです。

今回の経営講義では、最初の教科書「ラーメン、うどん、蕎麦店の教科書」を出版して戴いた秀和システムの編集者、岩崎さんにも2日間にわたり、参加して戴き、この教科書の改訂版の出版にあたり、さまざまなアドバイスを戴きました

この3年間の間に、経営講義の内容もずいぶん進化し、最初の教科書の内容ではカバーしきれなくなってきたのです。

そして、もっと教科書をマネッジメントの入門者にも分かり易くするために、次回の改訂版では絵とか、図とか、グラフをたくさん使って、読まなくても、見て分かるようにしていく予定です。

そして、経営講義の成果がもっともっと上がるように、取り組んでいきたいと思います。

同時に、もっと深い内容の授業も希望されている生徒さんの要望に沿って、もう一段難しい授業も始めたいと思います。

昨日から、ドラッカーの名言の解説を行なっていますが、内容が深いので、今回は社内のスタッフたちのマネッジメントの教科書にするために、丁寧に書き進めていくことにしました。

6.成果が出ない人の3つの特徴

いかなる成果もあげられない人の方がよく働いている。
成果の上がらない人は、第一に、ひとつの仕事に必要な時間を過小評価する。
第二に、彼らは急ごうとする。
第三に、彼らは同時にいくつかのことをしようとする。

(解説)ドラッカーは、常に肉体労働者の生産性ではなく、知識労働者の生産性について説いていますが、いかなる成果も挙げられない人の方がよく働いているということは、卓見であり、非常にシビアな見方です。

第一番目に挙げているのは、成果の上がらない人は、仕事を成し遂げるに必要な時間を過小評価するということですが、その仕事の完成度を常に期待以上のレベ ルに仕上げようとすると、それなりの時間が必要になり、また、予期せぬトラブルの発生等で、余計に時間を取られる場合もあります。

これは、銀行から融資を受ける場合に、ビジネスに深い経験のある経営者は、返済期間を出来るだけ長く取るのですが、そうでない人は短く取り、無理をしてでも、早く返済しようとします。

しかし、約束の期日より早く返済するのは、信用を落としませんが、少しでも期日を遅らせてしまうと、信頼が一気になくなります。

第二に、成果を上げることが出来ない人は、仕事を急ごうとすることですが、仕事の成果を上げるには、質の高い仕事を、出来るだけ短い期間で成し遂げることが一番良いのですが、仕事を急ごうとすると、往々にして質が犠牲になりがちです。

ものごとをマスターするときの鉄則は、質と速度を比較すると、必ず、質が優先で、高品質を達成してから、速度を速めることをやるべきです。

第三に彼らは同時にいくつもの仕事をしようとするとのことですが、ここでは幾つかの仕事を同時に実行することにより、集中力が保てなくなり、質が低下し、その結果、成果が上がらないようになってしまうことを指しているのです。

同時並行して幾つかの仕事をこなしながらも成果を上げることが出来る人と、そうでない人の場合は、一つひとつの仕事にいかに集中できるかどうかであると思 います。世の中がますます複雑になる現在において、トップになればなるほど、ある程度の仕事の並列進行は避けられないのですが、その場合に重要になるの は、集中度です。その時点、時点でその仕事にいかに集中出来るかが、重要なテーマになってきます。

知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、「何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか」であり、手っ取り早く、しかも、おそらく最も効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義しなおすことなのです。

とくに、成果の上がらない、行う必要のない仕事をやめることであり、効果が出ているかどうか、仕事を再検討することが重要なのです。

往々にして、組織に働く者は、成果に何も寄与しないが、無視できない仕事に時間をとられていて、膨大な時間が、ほとんど役に立たない仕事、あるいはまったく役に立たない仕事に費やされているのが現状です。

また、業績を大幅に改善したいなら既存社員を育てることを勧めています。

仕事や成果を大幅に改善するための唯一の方法は、成果を上げるための能力を向上させることであるのです。

際立って優れた能力を持つ人を雇うことはでき、あるいは際立って優れた知識を持つ人を雇うこともできるのですが、いかに努力したとしても、能力と知識の向上に関しては、それ以上の大幅な期待をすることはできない場合が多いのです。

もはや、これ以上は不可能か、あるいはすくなくとも効果のあまりないような限界に達していて、新種のスーパーマンに育てる上げることはできないのです。

従って、可能性が高いのは、現在の人間をもって、組織をマネジメントしなければならないのです。

次に、成果をあげるには習慣的な力が必要で、成果をあげる人の共通しているのは、自らの能力や存在を成果に結びつける上で、必要とされている習慣的な力であるのです。

習慣的な力の大切さについて、ドラッカーは次のように言っています。

「企業や政府機関で働いていようと、病院の理事長や大学の学長であろうと、まったく同じであり、私の知る限り、知能や勤勉さ、想像力や知識がいかに優れようと、そのような習慣的な力に欠ける人は成果をあげることができなかった。
成果をあげることは一つの習慣であり、習慣的な能力の蓄積であり、習慣的な能力は、常に習得に努めることが必要である。
習慣になるまで、いやになるほど反復しなければならない。」

次に、成果をあげる人の共通点については、次にように述べています。

「私は、成果をあげる人間のタイプなどというものは存在しないことをかなり前に気づいた。
私が知っている成果をあげる人たちは、その気性や能力、仕事や仕事の方法、性格や知識や関心において千差万別で、共通点は、なすべきことを成し遂げる能力を持っていたことだけだった。
成果を上げるには「並みの能力」で十分で、どんな分野でも、普通の人であれば並みの能力は身につけられる。
卓越するには、特別の才能が必要だから、卓越することはできないかもしれないが、成果を上げるには、成果を上げるための並みの能力で十分である。」

成果を上げるには、成果を上げる活動に集中しなければいけないのです。

ものごとをなすべき者の仕事は、成果を上げることであり、ものごとをなすということは、成果を上げるということであり、企業、病院、政府機関、労働組合、軍隊のいずれにあろうとも、そこに働くものは常に、なすべきことをなすことを期待されるのです。

それにもかかわらず、ものごとをなすべき者のうち、大きな成果を上げている者は少ないのは、成果を上げることに集中していないためであるのです。

成果を上げるためには、目標以外考えないことです。

なにかが成し遂げられるときには、かならずその使命のほかには何も考えられない偏執狂的な人間がいるものです。

また、生産性を決定するのは機械ではなく労働者の動機であり、生産性とは機械や道具や手法の問題ではなく、姿勢の問題なのです。

換言するならば、生産性を決定するものは、働く人たちの動機であるのです。

従って、価値観と使命の共有化は成果を上げる上で欠かせないのです。

成果をあげる人の共通点は成すべきことを成していることで、成果をあげる人たちは気性や能力、職種や仕事のやり方、性格や知識や関心において千差万別ですが、共通点は、なすべきことを成し遂げる能力をもっていることだけなのです。

成果を上げる上で欠かせないのは、プロ意識であり、プロ意識とは次のような項目から成り立っているのです。

1) 人間的成長を求め続ける、
2) 自信と誇り、
3) 常に明確な目標を指向、
4) 他人の幸せに役立つ喜び、
5) 可能性に挑戦し続ける、
6) 思い信じ込むことができる、
7) 自己訓練を習慣化、
8) 時間を有効に習慣化、
9) 成功し続ける、
10) 自己投資を続ける、
11) 使命を持つ、
12) 出来る方法を考える、
13) 自分のシナリオを書く、
14) 出来たところがスタート地点、
15) 高さと深さがある、
16) 期待以上の結果を出す、
17) 出し切る、
18) 一貫性、妥協しない、
19) 細部にこだわる(微妙な違いが判る)、
20) 常に、ここ一番、後は無い、
21) 人に感動を与える、
22) 人生を賭けている、
23) 将来を見て、投資している、
24) 信念の違い、人生を楽しんでいる、
25) 重要で緊急でない事に取り組む、
26) 考える事を止めない、
27) 行動し、能力を上げ、環境を変える、
28) 現状否定、
29) 違いに注目する

画像は先月、LAでたいへんお世話になった浅野さんのうどん学校卒業式の様子です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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