昨日夜、亀城庵で年賀状用の画像撮影をしていると、私を知っている方が食事をしていて、呼び止められたのです。
その方がたは、宮崎県から来られた71歳のお父さんと40歳の息子さんで、本日から始まる本社でのうどん学校に参加するために、昨日夜に宮崎県から車で一緒に乗って来て、今朝、当社に来た後、お父さんだけ、宮崎に変えられたのです。
今朝は朝から、うどん学校の生徒さんとの挨拶、その後、お父さんとの話合いを行ないました。
1年前に息子さんが開業したラーメン店が上手くいかなかったので、今回は当社の麺学校に入学して、ゼロから再出発をしようとのことでした。
そして、息子さんのために、飲食事業を成功させたいとお父さんも力が入っていました。
こちらのお父さんは、定年まで市役所で勤め上げ、定年後、老人ホームを3ヵ所経営し、非常に成功されたのです。
しかし、現在は老人ホームの経営も安定していますが、将来の次の柱として、息子さんに飲食事業を成功して貰いたいと願っているのです。
お父さんの心意気に感銘し、息子さんの成功をお手伝いする約束をして、お父さんには一旦帰って戴き、再度、今週末の経営講義に参加戴くように約束しました。
夕方は、台湾から亀城庵研修に入っている生徒さんとの、開店前のさまざまな問題点の打合せを行ないました。
こちらの生徒さんは、1月末頃の開店予定で、経営講義の中で私が説明した開業手順に従って開業する予定です。
こちらの方もたまたま40歳で、台湾の南の島、膨湖島(ぼうことう)出身で、日本での勤務経験があり、日本語もなかなか上手で、既に台中で和食の店で成功し、今度はうどん店に挑戦です。
こうして、一人ひとりの生徒さんたちの人生に深く関わっていることに、大きな責任と喜びを感じる次第です。
双方とも、開店したら、ぜひ、確認に行きたいと思っています。
お父さんに参加いただく経営ノウハウ講義はこちらでご案内しています。
https://menkaigyou.com/school/lecture_sc
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「経営者は他人の短所ではなく長所を見ろ」です。
15.経営者は他人の短所ではなく長所を見ろ
他人の短所が目につきすぎる人は、経営者には向いていない。
長所を効果的に発揮させるのが自分の仕事だと考える人が、有能な経営者になれる。
(解説)ドラッカーは自らの強みと弱みの理解について、以下のように述べているのです。
「自らの強みは案外わからないもので、誰でも自らの強みについてはよく分かっているつもりでいるが、だが、たいていは間違っている。
わかっているのはせいぜい弱みであるが、それさえ間違っていることが多い。」
最近も麺学校に参加される生徒さんで、気になるのは他店の長所を見ないで、短所ばかりを見ている人が多いことです。
例えば、生徒さんから「どこか参考店はありませんか?」と聞かれることが多いので、参考になる店を教えるのです。
その後、行ってきた生徒さんから、「あの店はどこが悪い、ここが悪かった」等々の問題点ばかりを指摘することが良くあります。
そのような場合は、私は必ず「人間がやることですから、探せば、問題点は必ずあります。紹介したのは、良い点を見て来て欲しいので、紹介したのです。」と説明せざるを得ないのです。
生徒さんの様子を見ても、短所を探すのではなく、長所を探す人ほど、成功する確率が高いと思います。
一緒に働く人についても、短所ではなく、長所を探し、長所を活用することが大切なのです。
但し、ここで大切なことは、一緒に働く人は価値観が共有出来ることが大前提です。
幾ら、長所を探し、長所を活用しようとしても、価値観が共有出来ない、考え方の異なる人であれば、一緒に長く働くことは出来ないし、同じ方向を向いて協働で、成果を上げ続けることは無理なのです。
これは、結婚相手を探す場合もまったく同様で、価値観の共有は絶対に外せないのです。
人は誰しも短所、弱点を持っているのですが、短所について、ピーター・ドラッカーは、「欠点なんて放っておけ!」と言っているのです。
更にドラッカーは、「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。」と、言っているのです。<出典:地球の名言>
一般的に、多くの人は欠点をなくすべきものだと考えますが、ドラッカーは逆の考えを持っており、欠点は直さなくてもよいと述べていて、自分の短所を改善するのは時間もかかるのです。
次にドラッカーは、「いまさら、自分を変えようとしてはならない。うまくいくわけがない。自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに、力を入れるべきである。人の卓越性は、ひとつの分野、あるいはわずかの分野において、実現されるのみである。」<出典:素晴らしき放浪者の戯れ>
クセや短所はなかなか変えられないので、それよりも自分の長所をのばすことが重要だとドラッガーは言っています。
何でもそつなく器用にこなせる人がいます。そのような人は往々にして、次のように言われています。
「器用貧乏、村宝(むらたから)、隣の阿呆に使われた!」
われわれは往々にして、このような状態になりがちで、頑張って、何でもやろうと努力している人こそ、このような状態に陥りがちなのです。
「これなら誰にも負けない!」という得意ジャンルが一つあれば、強力な支えになり、長所があることは自信に繋がり、長所をもつことで短所の改善も期待できます。
以下は、私の著書「情熱」より、引用です。
一自分の強みを知り、強化しよう一
イノベーションに関するビジネスの成功事例のビデオをANAの機内で上映していて、その中に、長野県の小布施でアメリカ人女性セーラが日本酒の古い蔵を立て直した物語がありました。
セーラは長野オリンピックのアメリカ選手団の一員として来日し、日本に興味を持って住みついたそうです。
葛飾北斎「富嶽三十六景」に描かれた巨大な桶を見て、木桶で醸造された日本酒を飲みたいと思い、日本酒醸造の研究を始めたのですが、単なる興味本位でなく、杜氏に交じって早朝から現場に入り、本格的に学びました。
しかし現在の蔵では木桶がほとんど使われておらず、セーラは西欧人初の利き酒師となり、木桶による酒作りを再開し、使わなくなった蔵を利用して蔵部(くらぶ)という和食店を作り、自分の作った酒を出すことにより蔵元をよみがえらせました。
さらには、消滅しかけていた手作り瓦の製造技術も復活させ、古き良き日本の生活体験の場として、欧米からの観光客を呼び始めています。
われわれ日本人が忘れ去った日本の良さ、文化遺産は、外国人を呼ぶことができる大きな観光資源で、それを守り、発信し、観光客の来日を促進することはわれわれ日本人の使命ではないでしょうか。
パリは頑なにフランス文化を守っていて、ラスベガスはアメリカ文化の象徴のような街です。
だからこそ、これらの都市は観光客を魅了していて、日本人が忘れているのはこの部分で、日本にも独自の素晴らしい文化がありますますが、その強みを忘れているだけなのです。
ラスベガスへ行ったとき、ハーレーダビッドソン・カフェを訪ねてみると、店の内外にはハーレーのバイクが飾られ、エンジンや関連アイテムが多数ディスプレーされ、天井からもバイクが吊るされ、ハーレーマニアにとってはよだれの出そうな施設でした。
店員はいかにもハーレーの似合いそうな外見で、ハーレーに魅せられたお客様でにぎわっていて、メニューブックはハーレーのカタログを思わせる楽しいデザイン、店内すべてがハーレーの歴史博物館のようです。
ハーレーが誕生したのはおよそ百年前、一度は倒産の危機にさらされましたが、復活した現在は大型バイク市場で世界トップに君臨し、日本でも大変人気があります。
ハーレーはオートバイとしての機能的には高価格で故障しやすく、メカとして劣っていますが、その短所を逆に強みにしています。
決してスマートなバイクではなく、日本製バイクに比べると時代遅れの鈍重なイメージで、日本製バイクとの競争に敗れ倒産直前までいきました。
新しい経営陣はそんな特徴(強み)を逆手に取り、熱狂的マニアのクラブを作り、ハーレーのある楽しいライフスタイルを提案して奇跡の復活を遂げたのです。
単にバイクを売るのではなく、大排気量・大迫力のマシンをアメリカ文化とともに販売しています。
この営業方針は世界中に広がり、日本でもハーレーは大成功し、400ccを超える大型バイク市場でシェア一位を維持しています。
自分の強みを活かし、強みに則ったマネジメントをハーレーに学ぶべきです。
成功の心得62
短所が強みになることもあるのです。
昨日は、お袋の89回目の誕生日パーテイでした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。