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ラーメン・そば・うどん屋開業・繁盛店を目指す|名言集 17-14 ピーター・ドラッカー解説(事業の成功に必要なのは決断)

うどん学校の生徒さんの作品

昨日は、1日中本社でのラーメン学校とうどん学校の経営講義で、生徒さんよりさまざまな質問がありましたが、昨日の生徒さんたちにとって一番の課題は、情熱を持ち続けることであったようです。

私は著書「情熱」を書いていますが、書いたきっかけは、出版社より、最近の若い人は情熱を持てない人が多いので、どうすれば情熱を持てるようになるかを教えて下さいとの依頼だったのです。

私は創業以来三十数年間にわたり、麺ビジネスに取り組んで来ていますが、この間ずっと麺ビジネス一本に取り組んで来れたのは、恐らく情熱があったためではなかろうかと思います。

私にとって、情熱を燃やし続ける秘訣の一つは、打ち込んだためではなかろうかと思います。

社内のスタッフを見ても、麺学校の生徒さんを見ても、の大嫌いなことは、真剣に打ち込まないことです。

スタッフでも、真剣に仕事に取り組んでいない姿勢を見ると、激しく叱ります。

やるのであれば、一生懸命に打ち込む、やらないのであれば、一切やらない。

折角、高いお金を払い、人生を大きく変えるために授業を受けに来ているはずなのに、遊び半分でやっていると、幾ら生徒さんと言えども、きつく叱ります。

私は、情熱が持てるかどうかの最も大切な要素は、打ち込むかどうかであると信じています。

例えば、遊びでも熱心に打ち込まないで、中途半端な気持ちで取り組んでいると、面白くも何ともないのです。

例え苦手なことでも、打ち込むと楽しくなってきます。

例えば、コピーを取るような単純な仕事でも打ち込まないと面白くも何ともないのですが、打ち込むと、どうすればきれいに取れるのか、さまざまな工夫をする様になってきます。

だから、どんな仕事でも取り組む以上は、ド真剣に、熱心に取り組むことが、情熱を失わない大きな秘訣ではないかと思います。

真剣に取り組むことによって、今まで見えなかったことが見えてくるようになるのです。

「情熱」の書籍はこちらでも販売しています。キンドル版もありますので、気になった方はぜひご覧ください。

https://www.yamatomfg.com/company/books/jyonetsu/

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本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「事業の成功に必要なのは決断」です。

20.事業の成功に必要なのは決断

誰かが勇気ある決断をしなければ、どんな事業も成功しないだろう。

(解説)上記について、私のドラッカー・マネッジメントの師である、株式会社ポートMの国永先生は、ドラッカー名言録26(Port of Effective Management)で次の様に説明をしています。

「企業経営のエッセンスは、何かに『卓越』することと、『決断』することである」

ドラッカーは、何かに「卓越」するには、本を読んだり、原料や機械を意のままに操作するだけでは達成できにくいとする。

それは、人間の心と、人間の精神の質の問題であると言い切る。

だから、金銭で買うこともできない。

それは、その代償として、一人ひとりの人間のみが支払え努力、決断、良心が請求されるからであると説く。

そして、企業がどの面で卓越しているかが、その企業に興味を抱いて従業員となる人の質をも決定する。

したがって、有能で野心的な人間が求める職場は、自らが貢献し得る長所を備えた職場であるという。

自由社会では、人は常に会社を辞める権利を持っていることを忘れてはならない。

企業の持つ特質は、またその企業の製品やサービスを買う人の質をも決定する。

市場経済の世の中における消費者は、いつでも自分が気に入らないものを買わないでいられること、を忘れてはならないと手厳しい発言が続く。

この名言の後半の「企業経営のエッセンスは『決断』である」については、すべての決断は過去の経緯によって確かめられる事実などではなく、未来を対象にした意思決定あることを強調する。

こうした決定に常につきまとうものは、躊躇と疑念、論争と妥協、五分の成功率と五分の失敗率、辛くて地味な仕事と突如ひらめく素晴らしいインスピレーション、適当なところで手を引こうという誘惑と新しいものをトコトン究極まで見極めたいという誘惑、老人の持つ知恵・経験と若者の持つ情熱とエネルギー…などとの間の、絶え間ない葛藤である。

そして、何よりも、この決断には絶対に確実だということはないということであるとドラッカーは言い切る。

しかも、その正誤・成否が明らかになったときには、すべてがもはや手遅れになっているとする。

多くの優れた経営者の話を聞いてみると、「私の決断は、ごく普通の確率からみても、正しいものより、間違ったもののほうが多いに違いない」と思い悩んでいることを知る人は少ない。

聡明なエグゼクティブでも、常に割り切れない不安と同居していることを知る人は少ない。

多くの決定の背後には、何度かの決定が日の目を見ずにお流れになったことを知る人も少ないとドラッカーは指摘する。

そして傑出するための決断ほど、経営者にとって難しいものは、ほかにないと喝破するのである。

以上の様に、決断をすることは現状の安心領域との決別であり、未来の新しい安心領域を求めての行動のための決断なのです。

既に現状の安心領域から決別する位、勇気のいる決断はなく、経営に求められるのは、勇気なのです。

続いて、同じく国永先生のドラッカー名言録20より、

「デシジョン・メーキングにおいて、2+3=4という具合に、ドンピシャ“正しい答え”が出てくるものはデシジョンとはいわない」

これはかつてドラッカーが来日したときに行ったセミナーでの発言を筆者が記録したメモから採録した文である。

ドラッカーは現代のデシジョン・メーキング理論として、特に経営上の意思決定に関しては、“正しい答え”というときでも、いくつからデシジョンズと複数で考え、かつ使わなければならないとしている。

判断を下す際に、単純に「イエス」か「ノー」でしかいえないようなジャジメントは、そもそも判断とはいえないすら断定する。

いくつかの選択肢があり、いくつかの複数のアプローチや方法が可能なときにのみ、真に問題となっているのは何かについて正しい洞察を得ることができるのだとも述べている。

デシジョン・メーキングを重視するドラッカーは、「組織とは結局のところ、情報と決定(デシジョン)の体系(システム)だ」とも言い切っている。

そして情報やアイデアや質問は組織内部からも、もちろんのこと、外からも流入してくる。

これを単に右から左へと流すのでは不十分で、重要な関連(レレバンス)を持つ事項と、単に面白い(インタレスティング)な事項とも截然と区別しなくてはならないという

そして、その前者をめぐる情報に基づいてデシジョンを下し、それを効果的に実施する場へと伝達されないと、組織は機能しているとはいえないとする。

こうした効果的な決定を行うための5つの原則として、さらに次のポイントを挙げる。

1.問題が一般的であり、そして、それは一定の法則なり原則を確立するような決定を下してのみ解決され得ることを明確に認識すること。

2.問題に対してしてその解が満たすべき要件、すなわち限界条件をはっきりと定義し得ること。

3.<正しい見解>は何かということを事前によく考え抜く(シンク・アウト)しておくこと。すなわち、その決定が呑み込みやすいようにするための条件とか、妥協のあり方とか、適応や譲歩の仕方などを考える前に、とにかく要件を完全に満足させる解決策は何かを考え抜いておかなければならない。

4.決定それ自体の中に、その決定を実行に移すための方策を必ず組み入れておくこと。

5.決定の有効性と妥当性を、その後の現実の成功に照らして検証するための<フィードバック・メカニズム>をあらかじめきちんと設けておくこと。

しかも、デシジョンに関して次の4つの問いに答える必要があると、決定する際のあり方について、これでもかと、くどいように駄目押しをしている。


1.この決定に関して知っているべきは誰か。

2.そのために、どのような行動をとるべきか。

3.その行動をとるのは誰か

4.行動をとるべき人が所期の目的を達成し得るためには、その行動はどのようなものでなければならないか。
以上のように、意思決定の仕組みを組織の中で体系的に組み立てておくことが欠かせないのです。
意思決定は最も難しいリーダーの仕事であり、勇気を伴うと同時に、意思決定の結果で、企業の未来が決まってしまうのです。

同じく国永先生の「5分で学ぶドラッカー」の第11回「組織をイノベーションが生まれやすい体質にすること」より、

「2つの決定」

変化の激しい時代、自分たちの行ってきたことを変えざるを得ないような事象に遭遇することが、多々あります。

変化の後追いばかりでは、組織は消耗し危機に瀕してしまいます。

むしろ自ら正しい方向に向け、変化を起こしていかねばなりません。

そこで必要になってくるのが、イノベーションです。

しかも変革期においては、一つ限りのイノベーションではなく、連続して新しい知識・方法・製品・サービスモデルをつくり出していく、イノベーションのための体質が必要です。

イノベーションで成功するためには、次の2つの決定が必要です。

1.古くなったものを廃棄する決定

2.新しいことを行う決定

新しいことを行うには古いものの廃棄こそが大切ですが、これが盲点になりがちです。

古くなったものの計画的な廃棄こそが、新しい物事を強力に進める唯一の方法なのです。

組織のトップにとって、このような時代は大変な難所であると同時に、多くのチャンスを見つけることのできる力の振るいどころです。

イノベーション体質をつくり、組織を成功に導くためには


・昨日を陳腐化させ、明日を創造する
・組織の資源と労力を、最大の機会
・成果の上がる分野に適切に配分する


ということが、ますます重要なポイントになってくるでしょう。

体系的廃棄

「まさに廃棄は、資源を解放し、古いものに代わるべき新しいものの探求を刺激するがゆえに、イノベーションの鍵である」(『創造する経営者』上田惇生訳、ダイヤモンド社)

これまで一所懸命にやってきた仕事、一時代の花形であった商品を、もう陳腐化したからと言って廃棄するのは勇気のいることです。
しかし、それにしがみついていると、限りある資源、資金、人材が、過去の事業に充てられ続けることになります。
廃棄を迷ってしまうとき、最終的な決断は常にトップの勇気にかかっているでしょう。

判断するときの問いのひとつとして、「まだこれを行っていなかったとして、いまからこれを始めるかどうか」を考えてみてください。

廃棄こそ、過去の安心領域からの決別であり、廃棄を体系的に行なう仕組作り、企業文化の醸成は欠かせないのです
要するに組織を常にイノベーション大切に置いておくことです。

企業は追い風、即ち、良い環境も下でそんなに努力をしないでも楽に運営できる場合がありますが、そのような環境は往々にしてイノベーション体質を駄目にしてしまう可能性があります。
努力に努力を重ねてもなかなか上手くいかないことをずっと体験し、必死に乗り越えようとするときにこそ、イノベーション体質が芽生えやすいのです。

その意味で、人間にとっても、企業にとっても逆境は大きな意味があります。

次に、決断力=「問いの正しさ」×決断の「タイミング」×決断の「正しさ」なのです。

従って決断のスピードとは、決断のタイミングを逸しないための一つの要素に過ぎないのです。

「問いの正しさ」とは、「戦略的な意思決定において重要かつ複雑な仕事は、正しい答えを見つけることではない。それは正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とまではいわないまでも、役に立たないものはない。」と言い、(中略)

「したがって、意思決定において最初の仕事は、本当の問題を見つけ、それを明らかにすることである。この段階では、いくら時間をかけてもかけすぎるということはない。」としているのです。

経営における決断力とは、まず決断すべきことがらの選択が正しいことが前提条件なのです。

「決断のタイミング」とは、適切なタイミングで決定がなされる必要があり、決断を伸ばすと何が得られる可能性があるのか、決断を伸ばすと何を失う可能性があるか、を問うしかないのです。

つまり、決断に必要な情報が入手できた時や、議論が出尽くしたときには決めるべきなのです。

「決断の正しさ」とは、目先の損得ではなく、常に永い繁栄を目指して、リスクを取るような決断がなされているかどうか未来の良い遺産になるような決断がなされているかどうかをシッカリ判断することなのです。

そして、物事を決定する際には、

①その決定の目的は何か?
②達成すべき最低限の目標は何か?
③満足させるべき必要条件は何か?
を明らかにする必要がある。

必要条件を明確にすればするほど、決定による成果があがるのです。

P・F・ドラッカーは、「決定しやすい判断がいい判断ではない」とも唱えています。

以前に掲載したセコム創業者、飯田亮(いいだ・まこと)氏の名言集から、上記に関する話を拾ってきました。

「9.部下が全員反対したことをやり、全員賛成した案件は考えなおす。
私は決して物わかりのいいタイプではありません。
会議で私が提案したことを部下が全員反対したら、よし、やってやろうと考えます。
逆に、部下が全員賛成した案件については、ちょっと待てよと思ってしまいます。
部下の意見におもねることはしないから、物わかりのいい上司ではありません。」

一見、天邪鬼のように聞こえますが、経営者の思考並びに決断は、この様に、非常に厳しいものです。

画像は、一昨日のうどん学校の生徒さんの作品事例です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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