うどん・ラーメン・そば屋開業・繁盛店を目指す|名言集 17-31 ピーター・ドラッカー解説(37.4、5年毎に知識を入れ替えないと生き残れない時代)

うどんそば学校でのネギのかき揚げ 
昨日は休日であったのですが、朝から京都、滋賀のうどん学校を卒業して開業した生徒さんの店の訪問を行ないました。

大成功している生徒さんではなく、どちらかと言えば、問題を抱えている生徒さんの商品、サービス、店舗を見てアドバイスをするためなのです。

最初に訪問した店は、駐車場が少ないのが分かっていたので、車をお店の駐車場に停めずに、近くの駐車場に停めて、車道に沿っている歩道を歩いて行ってみました。

すると、お店の看板が隣の店の看板にかぶって、隠れて見えないのです。

少し、看板を立てる位置をずらしておけば、視認性がはるかに良かったのに、完全にかぶっているのです。

プロの看板屋が立てたはずなのに、考えずにやってしまうとこのような結果になっているのです。

従って、細かいところまで注意することはたいへん重要です。

お店は新築の綺麗な店で、オーナーがオープン・キッチンの真ん前で、熱心に作業をしていて、お客さまが入店しても気付かないので、お客さまへのあいさつが出来ていないのです。

この店は女性を意識している店のはずなのに、肝心のサービス・レベルに問題点がありました。

この点は、既に何度も訪問している当社のスタッフから注意をしているはずですが、まだ、直っていないようです。

男性客だけを対象にするのであれば、商品さえよければ、多少サービス・レベルがお粗末でも来てくれますが、女性客、家族客をターゲットにする場合は、高いサービス・レベルは欠かせないのです。

商品についても、盛り付けの綺麗さに問題がありました。

以上のような点についても、当社のスタッフから幾ら注意をしても、肝心の本人がその気にならないと直らないので、歯がゆいのです。

次に訪問したのは、滋賀県で、ここは最初にうどん学校に来た店長が最近辞めて、経営者たちが代わりに運営していました。

本業が陰っていく中で、新しいビジネスということでうどん店を開店して、本当に良かったと喜んで戴きました。

うどん学校にも、経営講義にも経営者たちはぜんぜん参加していなかったので、改めて経営講義に参加するように伝えました。

この店の課題は、本来、オープン・キッチンになっていたのに、目隠しの板で囲ってしまい、クローズド・キッチンにしているので、オープン・キッチンに戻すように依頼しました。

そして、冬のメニューとして、4種の白味噌と酒粕を使った温かい出汁の指導をしてきました。

昨日の全行程が終わった後で、車で案内して貰った徳島屋の片山社長と一緒にホテルで食事を摂ると、クリスマス・パーテイの日で、男2人のわびしいクリスマスでした。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「37.4、5年毎に知識を入れ替えないと生き残れない時代」です。

37.4、5年毎に知識を入れ替えないと生き残れない時代

新しい組織社会では、知識を有するあらゆる者が、4、5年おきに新しい知識を仕入れなければならない。
さもなければ時代遅れとなる。
このことは、知識に対して最大の影響を与える変化が、その知識の領域で起こるようになっていることからも、重大な意味を持つ。
新しい知識を生み、古い知識を陳腐化させるものは、科学や技術とは限らない。
社会的なイノベーションのほうが大きな役割を果たすことが多い。

(解説)ドラッカーの意味する知識は、一般社会通念の知識の意味とは違い、知恵と考動が組み合わさったようなものだと理解した方が良いと思います。

私のドラッカー・マネッジメントの恩師、国永先生のドラッカーの名言集から「知識は消え去りやすい」を引用すると、次のようになります。

「世はあげて知識社会、知識労働者、知識管理の時代となったが、そもそも、この問題にいち早く着眼したのはドラッカーである。

すでに1959年に刊行された『変貌する産業社会』において、「経済学者の“資本”の本義に“知識”が含まれるということはほとんどない。

しかし、今日では知識だけが真の資本なのである」と喝破している。

そして、その知識に関しても、『創造する経営者』の中で、「知識は消え去りやすいものである。

したがって始終、再確認(リコンファーム)し、学び直し(リラーン)、習練(プラクティス)し直さなければならない」と知識の本質を衝いている。

さらに同書の別の個所でも、「知識が知識であるためには、進歩しなければならない」と述べている。

知識そのものが最も腐りやすいこと、したがって絶えずリニューアルすべきことについては、3年前に博士をカリフォルニア州のフェアモントのご自宅に訪れた ときにも、「知識をラーン(学習)し、リラーン(再学習)し、アンラーン(脱学習)することが知識管理の大前提である」と強調していた。

特に、最後のアンラーン(unlearn)すなわち「学ぶ捨てる、学びはずす」“離脱学習”の重要性について、口を酸っぱくして説いていたのが印象深く残っている。

さらに、ひと昔前になるが、15年ほど前のセミナーで、知識労働について極めて興味深い指摘をしていたのを思い出す。

「知識労働というのは、肉体労働や筋肉労働や、いわゆる物づくりと違って、外からはその営みが見えない。したがって量で測ることもできない。ある社員が外 見的にボーッとしているのを見ると、肉体労働的には、当人は全く何もしていないし、組織に対してはなんらの貢献もしていないように思える。

しかし、仮にその人間が、明日から生産性を2倍にする妙案やシステムを考え抜いていて、その発表の直前だとしよう。

となると、そのアイデアが実現すれば、その組織生産性は極めて高いものとなるので、彼の知識労働の価値は大きいと言えるんだ……」と話してくれた。

したがって、『経営者の条件』においても、「知識労働の価値は量で測定するものではない。

また、それはそのコストで決まるものでもない。

知識労働は、実はその結果、つまりその効果によって決定されるものなのである」とコメントしている。

そして、『断絶の時代』においては、知識と人間に関してさらに省察を深め、「現代社会は新しい知識をつくり出す“偉大な人間”とともに、新しい知識を毎日の活動に転換し得る“職人”も同様に必要とする」という鋭い指摘をしている。

ドラッカーはまた、技能を伴わないような知識は非生産的であると断じ、技能のベースとして知識が活用されてはじめて知識は生産的なものになる、とすら言い切っている。

しかも、知識と情報とは同義語ではなく、情報が、あることを行なうために実際に用いられてこそ、はじめて知識となるとも言っている。

だから知識とは、情報を特定の仕事の達成に応用する能力であるから、人間、すなわち人間の頭脳や技能によって発現するという重要な指摘を行なっていることを付け加えておこう。」

ビジネスの世界を見ていると、以前はソフト専業であったマイクロソフト、或いは、ハード専門であったデルが大成功しました。

しかし、ハードとソフトを一気通貫したビジネス・モデルが特徴であったアップルは倒産の淵まで追い詰められたのですが、故ステイーブ・ジョブズの復帰により大成功し、マイクロソフト、グーグルもソフトだけでなく、ハードの世界に足を踏み入れています。

アマゾンに至っても同様であり、モノづくりのメーカーで成功している日本のコマツ、GE等もハードとソフトを融合して成功しているのです。

知識をソフトとすると、行動にあたるハードとの高度な融合は欠かせないのです。

当社が小型製麺機業界でシェア・トップになることが出来たのも、単にハードだけではなく、ソフト(知識)の習得と進化に力を入れて来たからに他ないのです。

こうして考えてみると、ドラッカーが意味している知識とは、ソフトと置き換えた方が日本人にはピッタリするのかも知れません。

次に、常に日々、新しく取り組まなければいけないこととして、ドラッカーは知識だけではなく、製品についても次のように名言集の中で述べています。

「今日、売れている製品が明日も売れるという保証はない。企業は、絶えず明日を担う製品をつくり出さねばならない」
 
「ドラッカーは、その長い企業コンサルティング体験から、利益面でも成長面でもいつも業界をリードしている会社の経営者は、いかなる場合でも、市場に出している自社の製品やサービスを徹底的かつ持続して分析していると語る。

こういう経営者は、市場でリードしている製品や、じきに市場での優位性を獲得しそうな製品と、単なる経営者の自己満足からの「エゴ(自我)」への投資と、そして、ていのいい失敗にしかすぎないものを厳密に区別し得る人物であるともいっている。

さらに、これまで鍛え抜いてきた人材と資金やシステムという貴重な会社の資源を、市場のリーダーになることによって、大きな利益をもたらす可能性のあるごく限られたわずかな製品の開発のみに割り当てる気持が強いという事実を指摘する。

そして、製品の市場での優秀性というものは、実はあくまでも厳しい経済上の問題であると断言してはばからない。

それが人間行動として正しいとか、道徳上の問題だとか、またきれいだ、好きだとかいう趣味や嗜好の問題などであってはならないと言い切る。

さらに、つくる側の勝手な思い込みや判断で、これは“質”がいいのだからなどと考える製品をいくらつくっても、客側が受け入れなければ全くの徒労に終わってしまうともいう。

そうして打ち出した製品が、実際上は以前のものに比べても大して変わり映えもせず、またよくもなくて、コストばかり高くつくものをいくら製造したとて、何の役にも立たない。

そして、価格は実は2の次であることを銘記しておかなければならないとする。

ビジネスというものは、あくまでも製品の持つ、実際の、そして本当の価値を第一義的に考えるし、値打ちのあるものならばそれだけの金は出すのだ。

製品の生命を支配するには、製品に信頼がおけること、メンテナンスが容易なこと、外観・スタイル・デザインの優れていること、配送が速くて的確なこと・・…を顧客が認めてくれることなのである。

業界で一番規模が大きい会社が一番儲かっているとは限らない時代になってきている。

ほかより抜きんでた製品系列や市場や技術を持たない限り、業界一とはなれない。

会社の規模などは小さくても、かえって内容のよい会社が昨今は目立つようになってきた。

こういう会社は、市場の特定部分に対して特に集中して働きかけることが可能であり、顧客の中の一定の対象のみにアプローチすることもできるし、製品の優位性を確実に保証してくれる特定のテクノロジーにだけ努力を傾注することもできるからなのである、と説く。

「マーケット・シェア」が最大だが、その利益性は同業の群小の競争相手よりもはるかに劣るという会社は、まさにゴマンとあるのを忘れてはならない。

このような大会社は、自分が支払っているものに対してなんらのプラスを受けていないどころか、むしろ持ち出し一方だという事実に目をつむっているとしかいえない。

したがって、変わりやすい市場でそれなりの地位を築きつつ、決してそれに溺れることなく絶えず見直している中小企業のほうが、よほど力があるといえる。」

要するに、知識も製品も常に、エンドレスに磨き続けていかなければならないのです。

画像は生徒さんの店でネギの掻き揚げを指導しているところです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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