昨日は、深い眠りに包まれた、シュッツットガルトのホテルを10時過ぎに、恵子さんが迎えに来てくれたのですが、ホテル内のレストランが素晴らしいというので、一緒にレストランの見学をしました。
昔の皮工場跡の古い工場を雰囲気のあるレストランにリノベーションし、外観、内装ともに、素晴らしい出来上がりでした。
ホテルのレストランの見学の後、TV等でも有名な、ドイツでのトップ・シェフが経営しているレストラン「WIELANDSHOHE ヴィーランツフィーエ」へ案内して戴きました。
シュッツットガルト市内を見下ろす、小高い山の中腹にあり、豪華さの中にも落ち着きのある高級レストランでした。
店内のしつらえ、テーブル・セット、運ばれてくる種々の料理のどれもが、隙のない、完璧さを期している素晴らしい内容でした。
盛り付けの綺麗さ、味付けも繊細で、さすがにプロ中のプロの料理であり、普通のレストランとは違った、素晴らしい内容でした。
料理の途中で、シェフ本人が挨拶に出て来られたのですが、既に70歳は過ぎていると思われ、料理の偏執狂そのものという雰囲気の方でした。
料理のプロの料理を味わい、恵子さんとドイツでの飲食ビジネスの話に夢中になっていると、飛行機の出発の時間が来て、シュッツットガルト空港に向かい、スイスのチューリッヒ空港に向かいました。
フライト時間は1時間足らずで、上昇したら、すぐに下降で、チューリッヒに到着すると、雨で、お客さまの出迎えを受け、お客さまの会社に伺いました。
スイスの片田舎にある会社で、規模はそれほど大きな会社ではないのですが、世界中に製品を輸出し、輸出比率は99%に登り、小さいのですが、グローバルに頑張っている会社で、本社もこじんまりしていて、古い農家を改造した、趣のある建物でした。
会社見学の後、チューリッヒ湖畔のホテルに案内され、その後、山の中腹にある由緒ある古いカソリックの教会に案内して戴きました。
その教会は、900年代に建てられた教会で、規模はバチカンの教会のように、たいへんな規模で、教会内の装飾も荘厳なものでした。
外は既に夕暮れの暗闇で、寒さを感じるのですが、スイス人にとっては、暖かい方だとのことでした。
その後、夕食には、チューリッヒ湖を見下ろす、景観の素晴らしい、別のホテルのレストランへご案内戴きました。
このレストランも、昼間、恵子さんにご案内戴いた、有名シェフのレストランに劣らない位、素晴らしい雰囲気で、料理も最高のレストランでした。
サラダのビュッフェも素晴らしく、すべてが参考になるようなレストランで、観光立国であるスイスのレストラン・ビジネスの一端を垣間見たような素晴らしいレストランでした。
来店しているお客さまを見ても、その辺に当たり前にあるレストランとは異なり、普通ではない雰囲気を醸し出していました。
誰を案内しても、恥ずかしくないレストランと言える様なレストランで、こんなに素晴らしいレストランがあるスイスが羨ましくなった位です。
今回のように、レストラン・ビジネスの視察旅行に来ていて、一番の問題は、食べ過ぎにならないことです。
体調を崩すと、後の旅程に差し支えるので、絶対に体調を崩すわけにはいかないので、食べ過ぎないこと、水分をシッカリ取ること、瞑想、筋トレ等の運動の時間を取ること、思考の時間を取ること等、普段の生活と変わらないようにしなければいけないのです。
会社を代表して、経費をかけて来ていますので、かかった経費の何倍かの成果を上げることが常に求められているのです。
そのような責任を感じながら、初めての土地を訪ねて、興味一杯の楽しい日々を送っています。
本日は朝8時にホテルを出発し、車であちこち訪問する予定です。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「才能より必要な資質」です。
60.才能より必要な資質
学ぶことのできない資質、習得することができず、もともと持っていなければならない資質がある。
他から得ることができず、どうしても自ら身につけていなければならない資質がある。
才能ではなく真摯さである。
(解説)真摯さとは、一途さであり、真剣さであり、真面目に取り組む姿勢であり、妥協しない一貫性でもあります。
下記はドラッカー自身の言葉ですが、この文章を読めば、いかにドラッカー自身が真摯さをビジネス人、知識労働者としての身につけておかねばならない、重要事項として要求していたかがよく分かります。
「うまくいっている組織には、必ず一人は、手をとって助けもせず、人づきあいもよくないボスがいる。
この種のボスは、とっつきにくく気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。
好かれている者よりも尊敬を集める。
一流の仕事を要求し、自らにも要求する。
基準を高く定め、それを守ることを期待する。
何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。
真摯さよりも、知的な能力を評価したりはしない。
このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、人づきがいがよかろうと、またいかに有能であって聡明であろうと危険である。
そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格である。
真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。
それはまず、人事に関する決定において象徴的に表れる。
真摯さは、とってつけるわけにはいかない。
すでに身につけていなければならない。
ごまかしがきかない。
ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは2、3週間でわかる。
無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。
だが、真摯さの欠如は許さない。
決して許さない。
彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。」
更に、ドラッカーの著作「現代の経営」[上]を下記のように引用します。
「日頃言っていることを昇格人事に反映させなければ、 優れた組織をつくることはできない。 本気なことを示す決定打は、人事において、 断固、人格的な真摯さを評価することである。 なぜなら、リーダシップが発揮されるのは、 人格においてだからである」 (ドラッカー名著集②『現代の経営』[上])
「真摯さは習得できない。仕事についたときにもっていなければ、 あとで身につけることはできない。 真摯さはごまかしがきかない。 一緒に働けば、その者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。 部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法など、 ほとんどのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない。 そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さない」 (『現代の経営』[上])
真摯さは、以上の様に、ドラッカーが初めから持っていなければいけない素質として、非常に強く戒めているのです。
ほぼ上記と同じような内容ですが、理解を深めるために、経営のヒント179 ドラッカーの箴言⑩ 「真摯さなくして組織なし」より、更に引用してみます。
真摯さを絶対視して、初めてまともな組織と言える!
ドラッカー曰く、「マネジャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。
マネジャーに出来なければならないことは、そのほとんどが教わらなくても学ぶことができる。
しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、初めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。
才能ではない。真摯さである。」130p
真摯さなくして組織なし、真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。
それはまず、人事に関わる決定において象徴的に表れる。
彼らはそのような者をマネジャーに撰ぶことを許さない。
真摯さの定義は難しい。
だが、マネジャーとして失格とすべき真摯さの欠如を定義することは難しくない
1.強みよりも弱みに目を向ける者を、マネジャーに任命してはならない。
(出来ないことに気づいても、出来ることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。)
2.何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジャーに任命してはならない。
(仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがては組織全体を堕落させる。)
3.真摯さよりも、頭のよさを重視する者をマネジャーに任命してはならない。
(そのような者は人として未熟であって、しかもその未熟さは通常なおらない。)
4.部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。
(そのような者は人間として弱い。)
5.自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネジャーに任命してはならない。
(そのような者をマネジャーにすることは、やがてマネジメントと仕事に対するあなどりを生む。)
知識もさしてなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、マネジャーとして無害なことがある。
しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。
組織にとってもっとも重要な資源である人間を破壊する。
組織の精神を損ない、業績を低下させる。
「マネジメント」より参照
以上、真摯さの重要性について、深く指摘していますが、真摯さと同じような素質で、良心があります。
正しいことを正しいこととして、判断し、行動することが出来る能力であり、勇気なのです。
幾ら良心があっても、勇気がなければ、その行動を、一貫性を持ち実行できないのです。
従って、良心には、必ず勇気が必要なのです。
従って、真摯さをもし方程式で無理やり表すとすれば、次のようになるのではと思います。
「真摯さ=良心×勇気×一貫性」
画像は、昨日夜訪問した、スイス、チューリッヒ湖畔にあるレストランでの食事で、スモーク・サーモンのサラダです。
盛り付けも味も素晴らしかったです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。