開業で繁盛店に!ラーメン・うどん・そば・パスタ|「イノベーションと起業家精神(上)」「業績ギャップは需給ギャップ」

讃匠カタログのカレーうどん

 

昨日は、9時半からセミナーが始まり、12時頃にはセミナーが終わり、親しいお客さまの案内で新しい業態の蕎麦店に行ってきました。

上質志向の蕎麦店で、昼の時間を過ぎても、次つぎとお客さまが来店し、新しいビジネス・モデルとしての成功の兆しが見えました。

昔からの麺の本場である博多では、次々とこのような新しい麺専門店のビジネス・モデルが出来ていますが、最近の様子を見ていると、新しいビジネス・モデルで、10年間継続するのは難しいような気がします。

昨日、福岡空港から羽田空港に移動し、東京支店の前田さんが迎えに来てくれたのですが、車中で面白い話を聞いたのです。

昨日、前田さんは長野県のお客さまを訪問し、蕎麦のセルフ店を展開していて、1食と2食が同じ価格の500円で、美味しくて、お値打ちなので、お客さまの数が多いそうです。

この様に、今までの需要と供給のバランスを破るビジネスが常に出現し、新しい需要を開拓しているのです。

長野県はもともと蕎麦の本場で、蕎麦は美味しいのですが、価格は高かったので、美味しい長野県産蕎麦粉に限定し、美味しい蕎麦をリーズナブルな価格で提供出来る仕組みを作り上げたのです。

このように、美味しい蕎麦を安い価格ではなく、リーズナブルな価格で食べたいというお客さまのニーズに注目し、今まで、そのような需要はあったのに、需給とのバランスが取れていなかったのを解決したのです。

併せて、全国的に蕎麦に対するニーズが広がりつつあり、蕎麦に関する引合が増加し、これからは蕎麦が広がっていく可能性が見て取れます。

また、一時のようにセルフのうどん店に対するニーズが減少し、お手軽志向ではなく、上質志向への方向性が見て取れるのです。

こうして考えてみると、ビジネスとは常に、需要と供給のバランスの取れていない部分を見つけて、それを解決する作業であると言えるのです。

世の中は変化を続け、人びとの価値観も変化を続けているので、常にどこかで需要と供給のバランスが崩れているのです。

従って、需要と供給のバランスの崩れを認識する方法は、定点観察と分析であり、その点、セブン・イレブンの食品売り場は素晴らしい定点観測地点であるのです。

分析については、業界情報、一般的な社会の情報等の数字は誰でもいつでも、無料で、或いは安く手に入れることが出来るので、これらの既に分かっている情報をもとにして、独自の分析をかけるのです。

私も常に心掛けているのは、私独自の視点での分析で、この分析を行なうことにより、今まで見えなかったものを見えるようにすることが出来るのです。

但し、分析が出来るだけの、数字の上の頭の良い人は世間にはたくさんいますが、分析するだけでは意味がないのです。

分析されたデータから、その背後に隠れているさまざまな要素を独自の視点で読み取ることが大切で、その背後にある新しい事実を発見することが大切であり、それは数字に強く、当事者意識を持ち、責任感のある人でないと出来ないのです。

従って、分析の担当者が作ってきたデータを基にして、深堀することが本当の分析であり、分析の担当者が作ってきたデータは、分析を始めるための資料にすぎないのです。

分析の担当者が作ってきたデータを基に、深堀して新しい発見をすることこそ、本当の分析であるのです。

これこそが、経営者に要求される洞察力であり、経営者が果たさなければならない重要な役割の一つなのです。

従って、経営者に問われるのは責任以外にはないのです。

来週、3月15日(日)より、札幌でイベントが始まり、私も参加します。(http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=1851&ref=top

尚、札幌のイベントでも、今回のLAの出張で垣間見た面白いレストラン事情を共有します。

本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(上)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。

ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。

「業績ギャップは、需給のギャップ」

ここに、似たような問題を抱える産業がもう一つあり、製紙業にも、生産プロセスにかかわる業績ギャップがあるのですが、製紙業界では、このギャップをイノベーションの機会として利用する方法を、まだ開発していないのです。

あらゆる先進国とほとんどの途上国が、紙の需要を伸ばしてきたにも関わらず、製紙業の業績はかんばしくなく、史上最高の利益を3年続けると、そのあとで必ず過剰設備と不況の年が5年続くのです。

しかるに製紙業界ではいまだに、製鉄業の電炉に相当するものを発見するに至っていないのが、大きな課題なのです。

パルプの繊維が、モノマーであることが認識されたのは80年から90年も前のことであり、これをポリマーによってつくることなど、さほど困難ではないはずであり、無駄の多い非効率的な機械的プロセスを効率的な化学的プロセスに変えることが出来たのです。

すでに衣料用繊維については、1880年に開発したレーヨンによって、これを実現しているのですが、巨額の研究開発費を投じているにも関わらず、そのような紙の開発には、誰も成功していないのです。

これらの例が示すように、業績ギャップをイノベーションの機会として利用するためには、まず、解決すべき問題を明確にしなければならないのです。

そして、既知の技術と既存の資源を利用してイノベーションを実現しなければならないので、開発のための努力が必要なのですが、革新的な知的発見を必要とする状況であるならば、起業家の出番はまだ早く、機は熟していないと言うべきであるのです。

しかもイノベーションは、複雑であってはならず、単純でなければならないのと、華々しいものではなく、当たり前のものでなければならないのです。

以上より、よく分かるのは業績ギャップの原因は、需要と供給のギャップであり、需要が供給を上回れば、業績が上がり、需要が供給を下回ったときには、業績が下がるのです。

それをビジネスに非常に有効に活用しているのはフェラーリで、新しいモデルを開発して、もし需要が世界中で4千台あるとすれば、3999台しか作らず、常に需要を少し下回る供給しかしないので、高い価格を守り通せるのです。

同じような戦略を取っているのが、ブランドのルイ・ヴィトンで、フェラーリと同様に、需要と供給のバランスを巧みに操り、決して作り過ぎをしないのです。

高炉一貫製鉄業、製紙業、いずれの場合も装置産業であり、1回の設備投資が巨大で、設備投資により一気に供給が増え、需要を上回り、価格バランスが崩れ、業績が悪化する、業界の構造的要因なのです。

需要と供給のバランスを緩和して、価格下落を防ぐことが出来るのが、製鉄業では電炉であったのです。

われわれのビジネスにおいても、どんなビジネスにおいても、業績が落ちる原因は、需要と供給のバランスが大本の原因であり、その面白い事例がコーヒー・チェーンのドトールとスターバックスなのです。

セルフ式コーヒーは、日本では最初にドトールが口火を切り、その後、スターバックスが参入してきたのですが、今は、スターバックスはドトールの約2倍の売上に達しているのです。

私の宿泊するホテルの隣にドトールがあり、たまに利用するのが、気になるのがタバコの臭いで、分煙にはなっているのですが、禁煙席でも匂ってきます。

その点、スターバックスは完全に禁煙を貫いていて、タバコを吸わない私でもまったく気にならないし、スターバックスでは、第三の場所を活用して、PCを開き、コンセントを使って仕事をしたりします。

価格は、ドトールの1.5倍ほどですが、まったく気にならないのです。

ドトールとスターバックスの差こそ、需要と供給の差で、禁煙を好むお客さま、雰囲気を好むお客さまの数が、喫煙で価格の安いコーヒーを好むお客さまの数を上回ったのです。

それぞれの業績の差は、お客さまの需要と供給の差であったのです。

この様に、需要と供給のギャップにより、業績のギャップが生まれているので、業績ギャップの原因になっている需要と供給のギャップに注目することが大切であり、どんなビジネスでも業績を落としているビジネスは、需給ギャップが生じているのです。

そして、需給ギャップが改善されると、自然に業績ギャップは改善されるのです。

コーヒーの原料である、コーヒー豆の輸入量は漸減しているにも関わらず、セブン・イレブンがコーヒーを始めたり、コメダ珈琲が郊外型店舗で活躍しているの も、需要と供給のバランスで、新しいタイプの需要が増え、古いタイプの需要が減り、需要と供給のバランスで業績が決まっているのです。

従って、われわれは常に、新しい需要を創り出していかねばならないのであり、まさに、ビジネスの本質は顧客創造にほかならず、新しい需要の目を見つけ続けることが、マーケテイングであり、それを結果として成功させるのが、イノベーションであるのです。

「医療の例」

社会部部門にも業績ギャップは存在し、先進国における医療サービスは、その典型です。

1929年では、医療サービスにかかる費用は、GNPの1%をはるかに下回っていたのですが、そのわずか50年後の1980頃には、病院を中心とする医療 サービスは、あらゆる先進国でGNPが増大しているにも関わらず、アメリカでは、7%から11%に達し、しかも医療サービスの生産性は、向上するどころか 低下し、サービスの質よりも、費用の方が急激に上昇していて、3倍から5倍の速さで増加しているのです。

ドラッカーの想定通り、2012年の日本における対GDP当たりの医療費は、10.3%、ドイツ11.3%、イギリス9.3%、フランス11.6%、アメリカは16.9%に達し、今後も伸び続けることが想定されています。

先進国では今後も、高齢者人口の増大に伴い、医療に対する需要は伸び続け、しかも費用は年齢と相関関係にあり、医療サービスの費用は、今後さらに急速に上昇を続けるのです。

ところが、医療サービスの費用の上昇の現象の本当の原因は、明らかにされているわけではなく、イギリスとアメリカでは、すでに的を絞り込んだイノベーションが行なわれ、成功していて、いずれも国の医療システムの欠陥を機会としてとらえているのです。

イギリスの民間医療保険は成長を続け、専門医による診断と手術を保証する企業内福祉制度として人気を得ているのです。

イギリスでは、医療費削減のため、政府管掌保険は疾病を優先させ、整形外科については保険金の給付を限定していて、関節炎による股関節の変形など、生命に関係ない手術は数年待たされるのですが、この民間医療保険は、その種の手術についても直ちに保険金を払うのです。

これに対し、医療費の上昇などに配慮せず、あらゆるニーズに応えようとしているアメリカでは、入院費の個人負担が爆発的に上昇していて、そこにイノベーションの機会が生まれたのです。

すなわち、病院機能の解体で、スキャナー、コバルト照射装置、自動検査装置、リハビリテーション装置など、高額の医療器具を必要としない医療サービスが、新事業として続々病院の外に出されているのです。

妊産婦と新生児のための宿泊施設的な妊産婦センター、入院や術後措置を必要としない手術のための外科センター、神経科センター、高齢者医療センターであり、これらの医療施設は、病院に代わるものではなく、集中治療や緊急治療の役割は病院が担っているのです。

これらの医療部門の新事業は、今日の医療に関わる業績ギャップを、イノベーションの機会として捉えたものであり、これらいずれも、産業や社会的部門におけるイノベーションとして理解し易い例なのです。

まさに業績ギャップが、なぜ大きなイノベーションの機会となるかを教えてくれ、産業や社会的部門の内部では、誰もがギャップの存在に気づきながら、無視せざるを得ないのです。

それに気づかない多くのライバルは、あちらをいじり、こちらを直し、こちらの火を消し、あちらの穴を埋めるのに忙しいので、誰かが行なったイノベーションと闘うどころか、それを検討する余裕さえなく、取り返しがつかなくなるまで気付きもしないのです。

その間、イノベーションを行なったものは、誰にも煩わされることがなく、成果を独り占めできるのです。

社会部門における業績ギャップも、需要と供給のギャップで起きていて、新しい需要に新しい供給が追い付いておらず、古い需要には供給が間に合っていて、需給のギャップが起きているのです。

従って、われわれは常に新しい需要の起きている現場を理解しなければいけないのです。

それには、街に出て、現場を確認しなければいけないのです。

昨日も博多の街に出て、新しい上質な蕎麦店が2時頃でもひっきりなしにお客さまが来店しているのを見て、新しい需要は起きているのに、ほとんどの人は気付かず、古い需要を追いかけ続け、供給過剰で業績が上がっていないのです。

新しい需要は、街に出て自分の目で見て、確認する他はないのです。

画像は先日の讃匠のメニュー撮影の一つの事例です。

このような、夏メニュー用の美味しそうな画像をたくさん、撮影しました。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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