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開業で繁盛店に!ラーメン・うどん・そば・パスタ|「イノベーションと起業家精神(上)」「ギャップを探す – 第二の機会」

麺繁盛店応援イベントドリーム・スタジオ福岡のセミナー

昨日は、11時からドリーム・スタジオで私のセミナーが始まりましたが、質問が多く、30分も延長し、スタッフの石川さんからストップの合図があり、最初のセミナーを終了しました。

午後からのセミナーも同様にたくさんの質問があり、質疑応答に時間を費やしました。

私のセミナーの場合は、常に質疑応答を挟みながらのセミナーなので、質問がたくさんあればあるほど、モチベーションが上がるのと、質問の内容により、参加者の方がたの興味中心がよく分かり、興味に沿った話が出来るのです。

同時に、質問の内容により、今まで気付かなかった新たな気付きが得られるのです。

昨日も国民一人当たりのGDPの説明をしていて、国民一人当たりのGDPの高い国ほど、付加価値の低いビジネスを国外に放出し、付加価値の高いビジネスだけを国内に留めておくのです。

スイスとか、北欧の国々はこのようにして、国民一人当たりのGDPを高めているのです。

だから、普通の国であれば基幹産業である自動車産業でさえ、スエーデンでは国が救済しなかったのです。

日本の場合は、国民感情からしてこのようなことには非常にネガテイブなので、少なくとも企業自身が行なわなければいけないのです。

昨日のセミナーでも、参加者から話題になったのは、外食産業の収益の低さであり、外食産業の魅力の乏しさのために、有為の若い人たちを集められていないのです。

日本の外食産業の地位が低く、外食産業への参入者、外食産業で働く人たちが少ないのです。

これは、外食産業が儲からないビジネスになっていることに大きな関係があるのです。

例えば、外食産業と同じように農業も魅力のない産業と言われ、農家には嫁が来ないのが、問題であったのですが、長野県のレタス農家は平均的な世帯収入が2 千万円から2千5百万円あり、豊かな生活を送ることが出来ているので、都会から嫁に来る若い女性が多く、この点ではぜんぜん困っていないそうです。

従って、ビジネスにおいては、高い収益は欠かせなく、働く人たちを真に幸せにするためには、イノベーションによる自己革新により、常に強いビジネス・モデルを作り続けることが大切なのです。

業界平均がこうであるから、自店、自社も同様である必要は、一切ないのです。

スイスも北欧もかつては、非常に貧しい国々でしたが、それぞれ独自の活路を見出し、今日の繁栄を勝ち取っているのです。

日本の外食産業もかつては、たいへん儲からない、たいへんなビジネスであったが、今はたいへん恵まれていると、言われるようにならないと、業界の人たちが幸せになる事ができないのです。

それには、本日のドラッカーのイノベーションのテーマである、ギャップに注目すると、われわれ、中小ビジネスは成功しやすいのです。

ギャップを見つけるのは、業界のさまざまな数字に注目し、分析を繰り返すと、見えないものが見えてくるのです。

当社の場合でも、外食産業の市場規模、うどん蕎麦業界の市場規模、日経平均株価のグラフを重ね合わせてみると、今まで見えなかったものが見えてきたのです。

このようなさまざまなデータは、既に存在していのですが、別々に存在していて、誰も重ね合わせてみようとした人はいなかったのです。

だから、既に存在しているデータを加工してみると、今までに見えなかったギャップも見えるようになるのです。

社内の中で誰か一人でも、このようなことに注目し、熱心に分析し、常にギャップの存在に注目している人は必要なのです。

学びを深めれば深めるほど、今まで見えなかったものが見えてくるのです。

来週、3月15日(日)より、札幌でイベントが始まり、私も当然、参加します。(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-sapporo/)

尚、札幌のイベントでも、今回のLAの出張で垣間見た面白いレストラン事情を共有します。

本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(上)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。

ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。

「ギャップを探す – 第二の機会」

ここでいうギャップとは、現実にあるものとあるべきものとの乖離、あるいは誰もがそうあるべきとしているものとの乖離であり、不一致であり、原因は分から ないことがあり、検討さえつかないこともあるのですが、それにも関わらず、ギャップの存在は、イノベーションの機会を示す兆候であるのです。

それは、地質学でいう「断層」の存在を示し、まさに断層はイノベーションへの招待であり、断層では、わずかな力が、社会を動かし、経済構造や社会構造に変化をもたらす不安定状態を生み出すのです。

このギャップは、通常、マネッジメントに提示され、検討を加えられるような数字や報告の形では現れないで、定量的というよりは定性的であるのです。

ギャップとは、予期せぬ成功や失敗と同じように、すでに起こった変化や起こり得る変化の兆候であり、ギャップは予期せぬ事象と同じように、1つの産業、市場、プロセスの内部に存在するのです。

従って、その産業や市場、プロセスの内部、或いは周辺にいる者は、ハッキリ認識することが出来、まさに彼らの目の前にあるのですが、同時に、ギャップは、 それを当然のこととして受け止めてしまいがちな、内部の者が見逃しやすいものであり、彼らは「ずっとそうだった」と言うのですが、多くの場合、その「ずっ と」が、実は最近のことにすぎないのです。

イノベーションの機会としてのギャップは、以下のように、幾つかに分類できるのです。

1.業績ギャップ
2.認識ギャップ
3.価値観ギャップ
4.プロセス・ギャップ

「業績ギャップ」

製品やサービスに対する需要が順調に伸びているならば、業績も順調に伸びていなければならないし、需要が順調に伸びている産業では、利益を上げることは容易なはずであり、しかも、上げ潮に乗っているはずであるのです。

そのような産業にありながら業績が上がっていないのであれば、何らかのギャップが存在すると見るべきであり、それらのギャップは、1つの産業全体、あるいは、社会的部門全体におけるマクロ的な現象であることが多いのです。

通常、それらのギャップをイノベーションの機会として利用するのは、中小の専門企業であり、しかも、この機会を利用する者は、長期にわたってその利益を享受することが出来るのです。

予期せぬできごとによるイノベーションは、大企業の方が有利であったのですが、ギャップをイノベーションの機会として利用出来るのは、中小の専門企業であり、長期にわたり、その利益を享受出来るので、われわれ中小企業は最もギャップに注目すべきなのです。

ほかの企業や社会的機関が、この危険な競争相手に気づくのは、かなり経ってからであり、ほかの企業や社会的機関は、需要の増大と業績不振とのギャップを埋めるのに忙しく、誰かほかの者が何か別のこと、成果の上がること、需要の増大を利していることに気づかないのです。

しかし、イノベーションを行なうためには、必ずしも、ものごとが動くべきであるのに、動かない原因を知ろうとして苦労する必要はなく、「このギャップをイ ノベーションの機会として利用するためにはどうすべきか、何がそれを機会に変えてくれるか、何が出来るか」を問えばよいのです。

「鉄鋼業と製紙業の例」

業績ギャップは行動を要求し、問題が明らかでなくとも、とるべき行動が明らかなことがあり、もちろん、問題が明らかでありながら、取るべき行動が明らかでないこともあるのです。

鉄鋼業における電炉の例は、ギャップをイノベーションの機会として利用することに成功した良い例であり、第一次大戦後から今日に至るおよそ50年間、先進国の高炉メーカーがブーム的な好業績をあげたのは、戦時中だけなのです。

鉄鋼に対する需要は、少なくとも1973年までは着実に伸びていましたが、平時における高炉メーカーの業績は、失望させられることが多く、この業績ギャップの原因は昔から明らかだったのです。

高炉の場合、需要の増加に応じた生産量の増加の最小単位がきわめて大きく、必要とされる設備投資が巨額にのぼり、生産能力が大幅に増大してしまうからであり、新設の高炉の稼働率は、需要が新たな生産能力に追いつくまでの間、低いものとならざるを得ないのです。

しかも、戦時を除き、需要は徐々にしか増加せず、需要が増加しているときに、生産設備の増設を行なわないことは、シェアの喪失、ときには恒久的な喪失を意味するので、そのようなリスクを冒せる高炉メーカーはないのです。

従って、高炉が高収益は享受できるのはごく限られた期間、すなわちあらゆる高炉メーカーが、設備の更新を開始してから完成するまでのわずかな期間と言うことになるのです。

その上、1870年代に発明された製鉄のプロセスそのものが、これも昔から知られているように、基本的に不経済であり、物理の法則に反し、従って経済の法則に反するのです。

物理の世界では、温度の変化は、重力や慣性に対する抵抗に次いで大きなエネルギーを要求し、一貫製鉄所では、加熱と冷却を4度繰り返し、そのうえ高熱の重量物を持ち上げ、相当の距離を運ばねばならないのです。

このような高炉の特有の弱みを緩和するイノベーションを行なえば、鉄鋼の生産コストを大幅に引き下げられることは、かなり前から明らかになっていたのです。

そして、電炉が行なったことが、まさにそれであり、電炉は、決して小さな製鉄所ではなく、最低規模の電炉さえ、年間売上1億ドルであるのですが、最低規模の一貫製鉄所と比べて、6分の1から、10分の1に過ぎないのです。

従って、電炉は、すでに市場に存在する需要に合わせて、生産能力の増大を小刻みに行なうことが出来、しかも、電炉は一度加熱するだけであり、冷却を行なわず、そのまま全プロセスを終了するのです。

電炉は、原料として鉄鉱石の代わりに鉄屑を使い、最終製品も鋼板や棒鋼に特化しているので、高炉が労働集約的であるのに対し、オートメ化が容易であり、
電炉の生産コストは高炉の半分以下であるのです。

各国の政府、労働組合一貫製鉄所は、あらゆる方策をもって電炉の発展を抑えようとしたのですが、電炉は増え続けているのです。

2000年には、アメリカで消費される鉄鋼の半分以上が電炉によるものとなるかもしれないのですが、その間、高炉のよる大規模一貫製鉄所のシェアは低下していくのです。

私は機械工学出身でしたが、上記の高炉一貫生産製鉄所のジレンマを知らなかったので、改めてドラッカー博士の見識の広さに驚くと同時に、一つの産業の中にこのような問題があったことにも驚きました。

同時に、ライバルとの競争に明け暮れる以上に、業界の構造にメスを入れ、自社が存在している、業界の特質を理解することの大切さを改めて理解しました。

多分、どのような業界でも業界のことを深く掘り下げてみると、恐らくこのようなギャップ、ジレンマを抱えているはずで、ほとんどの業者は、ライバル業者との間の競争に明け暮れていて、このようなギャップの存在を掘り下げようとしている者はいないのです。

日本の外食産業は、ピークの1997年(18年前)まで右肩上がりで成長し、その後、ほぼ一貫して右肩下がりで落ち続けてきたのです。

それはまさに、1995年にピークを打った生産年齢人口の推移と、ほぼ同じ推移を辿っているのですが、生産年齢人口の減少幅(12%)よりも、落ち幅が大きく、約20%程度、ピークより減少しているのです。

私はこの余分な落ち幅は、サラリーマンの小遣いのピーク比での半減が大きく影響をしていると見ているのです。

そして、サラリーマンの小遣いの半減が、居酒屋市場を直撃して、居酒屋市場はピークと比べると、市場規模を3分の2以下にしているのです。

以上の外食市場全体の数字に比較して、うどん蕎麦店市場は堅調で、2013年のデータでも、過去、最高の市場規模を誇っているのは、生産年齢人口の落ち込みを完全にカバーしているシニア世代の影響が大きいとみているのです。

従って、以上の事実より、私はこれからうどん、蕎麦、ラーメン店が狙っていくべきお客さまは、女性とシニアであるとの結論を導き出しているのです。

現に、サラリーマンを対象の麺専門店ビジネスは苦戦し、女性、シニアを狙っている坂東太郎とか、ラッキー・ピエロのような飲食店が成功しているのです。

当社の場合も、麺市場の規模と、製麺機市場の間のギャップの存在に気づいているのです。

製麺機を購入するお客さまは、新規にうどん蕎麦店、ラーメン店を開業するお客さまと、既に開業しているお客さまが大きな需要者であり、新規開業者が増えれば増える毎に、需要は大きくなるのです。

既存店への販売は、麺市場の景気の波に左右されるのです。

今までは需給のギャップについて、深く追求したことがなかったのですが、改めて、この大切さがよく分かりました。

画像は昨日のドリーム・スタジオ福岡のセミナーの様子です。

多くの質問が飛び交いました。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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