本日、製造チームの若いメンバーたちと話していると、いつしか、責任の大切さについての話になりました。
当社も、日々、活動をしていると、大きい問題から小さい問題まで、実にさまざまな問題が起き、お客さまを巻き込んだ問題から、社内だけの不注意による問題等、次つぎと起き上がってくるのです。
問題を常に起こす人と、そうでない人を比較すると、問題を常に起こす人は、
本人は気付いていないかも知れないのですが、ほぼいつも決まっているのです。
社内で起きる問題は、ちょっとした単純な問題ですが、それが、外へ出てしまうと、大きな問題になってくるのです。
例えば、ラーメン店とか、うどん店等でも同じで、ちょっとした不注意で調理のミスをしてしまうと、内容によっては、食中毒になり、大きな事故につながるのです。
忙しい店で、1日に千人分を超える調理をするような店でも、このような事故は絶対に起こしてはいけないし、もし、起こしてしまうと、命取りになってしまうのです。
飲食ビジネスでは、常に大きなリスクと隣り合わせの、薄利多売のビジネスを行ないながら、このような危険と、日々、立ち向かっているのです。
何十年にわたり、食中毒とか、このような一切の問題を出さずに、ビジネスを継続出来ているのは、トップの危機意識だけでなく、トップの責任感、プロ意識が明確で、末端のパート・アルバイトの人たちにまで、そのDNAが染みついているのです。
さらに、衛生管理が管理マネッジメントとして、組織に浸透しているのです。
私は過去、このような問題に取り組んで来て、プロ意識、責任感の欠如が大きな問題に繋がり、それには、それぞれ一人ひとりの価値感が大きな影響を及ぼしているのです。
少しの問題でも、自分の問題として、取り組む人と、そうでなく何か問題が起きても、他人事で過ごす人の価値感の差が大きく、この責任感の感じ方の差がプロ意識の差であり、プロ意識が乏しく、責任感の乏しい人ほど、何度でも同じような間違いを起こすのです。
プロ意識とは、自分のやっていることについて、責任を持つことであり、自分がやることについてのすべての責任は自分にあり、幾ら上司から言われようと、自分が納得出来ないことはしないことです。
そして、プロ意識のない人は、問題を起こしてから、常に他人のせいにしたがるので、いつまで経っても、問題がなくならないのです。
従って、プロであるためには、プロとしての気概を持つことであり、今日、入店したパートさんでも、プロとしての気概を持って仕事に取り組めば、場合によっては社員より、プロであるのです。
私も多くの社員を見てきて、今になって感じるのは、責任感、プロ意識はそれぞれのスタッフの持っている価値感であり、入社年歴が古くても、責任感、プロ意識に乏しい人はいるし、入社年歴が新しくても、責任感、プロ意識に強い価値感を持っている人はいるのです。
そして、この価値感は本人が自覚する以外に、簡単には変えることが出来ないのです。
今回のドラッカー・マネッジメントでテーマになっているトップ・マネッジメント・チームの結成を考えると、余計に、責任感、プロ意識の大切さを思い至ります。
トップ・マネッジメント・チームにおいて大切なことは、専門的な能力は勿論ですが、それ以上に、責任感、プロ意識の大切さに思い至ります。
エンジニアの私が、今のように料理が出来たり、デジタル・クッキングを考案出来たり、盛付の大切さを理解出来ているのは、単に私が器用なだけではないはずで、責任感の成せる技ではないかと思います。
むしろ不得手であったマネッジメントに深く取り組むのも責任感であり、プロ意識であるので、社内のスタッフで、本気でプロ意識とか、責任感を感じていないスタッフがいると、たいへん勿体ない人生を送っていると、思います。
本日も、若い製造のメンバーに対して言ったのは、若い時に楽な人生を送り、年を取ってから辛い人生を送るのと、その反対を比べて、どちらが良いかと、尋ねたら、全員、若い時に苦労しても、年を取ってから楽な人生を送りたいとのことでした。
若い時から、思い切りプロ意識を持ち、逃げないで、大きな責任を取り続けると、若いときはたいへんでも、年を取るに従い、楽な人生になるように思います。
本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(下)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。
ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。
3トップ・マネジメント・チームの構築
市場において、しかるべき地位を確立し、しかるべき資金構造と財務システムを確立するにもかかわらず、数年後、深刻な危機に陥ることがあり、まさに確立した事業体として成功し、成人したかに思われたそのときに、理解できない苦境に立ち、製品は一流、見通しも明るいのですが、事業は成長しないで、収益や財務体質などの重要な分野で成果があがらないことがあるのです。
ほとんどの経営者は、この原因が分からずに、下記のマネッジメント・チームの構築以外のところに原因を求めるのですが、私もドラッカー・マネッジメントを学ぶ前は、トップ・マネッジメント・チーム結成の必要性等は、考えたこともなかったのです。
◆トップ・マネジメントの欠落
原因はつねに同じであり、トップ・マネジメントの欠落であり、企業の成長が、少人数でマネジメントできる限界を超えてしまった結果であるのです。
今や、トップ・マネジメントのチームが必要であるのですが、実際には、そのときすでに、適切なトップ・マネジメントチームがなければ、手遅れであり、生き延びることで精一杯となり、たとえ生き延びたとしても、不治の機能障害に陥るか、少なくとも数年は出血がとまらず、志気は衰え、従業員は幻滅し、熱気は失われ、事業をつくり、築き上げた創業者は追い出され、辛い思いをするのです。
◆対策
対策は簡単であり、トップ・マネジメントチームが必要となる前に、前もって構築しておくことであり、チームは一夜ではできず、機能するようになるには時間がかかり、チームは相互信頼と相互理解でできるのですが、そのためには数年を要し、私の経験では3年以上かかるのです。
しかし、成長しつつある小さなベンチャー・ビジネスがトップ・マネジメントチームをもつ余裕はなく、立派な肩書と、相応の報酬を伴う人たちを6人も抱えることはできず、ベンチャー・ビジネスは、ごくわずかの人間で、出てくる問題を処理していかなければならないのです。
それでは、いかにして、この円を四角にするかの対策は、かなり簡単であり、ただしそのためには、創業者自身が、いつまでも自らマネジメントするのではなく、やがてはトップ・マネジメントチームに引き継がせるという意思をもたなければならないのです。
もし、トップの1人ないし2人が、あらゆることを自ら行いつづけるつもりでいたならば、数か月あるいは遅くとも数年後には、経営危機が不可避となるのです。
市場や人口などの客観的な指標によって、3年から5年後に倍の規模に成長することが明らかになったならば、やがて間もなく必要となるトップ・マネジメントチームの構築が急務となり、これは、いわば予防策であり、トップ・マネッジメント・チームの具体的な構築方法は下記の通りです。
1.まず初めに、創業者自身が、事業にとって、とくに重要な活動について、主な人たちと相談しなければならないのです。
2.存続と成功がかかっている活動は何か、何が重要な活動かについては、あまり異論はないはずであり、もし意見の違いや対立があるならば真剣に検討しなければならないのです。
3.重要な活動としてあげられたものは、すべて検討の対象としなければならず、重要な活動といって、本のなかから探すことはできず、実際の事業の分析から見出すべきものであり、同じ種類の事業に見えても、重要な活動として位置づけられるものが、まったく異なることがあり、生産活動かもしれないし、顧客サービスかもしれないのです。
4.あらゆる組織に共通する重要な活動は2つしかなく、人の管理と資金の管理であり、それ以外の活動は、事業や仕事、価値観や目標を内部から見ている人たちが決めなければならないのです。
5.次に、創業者をはじめとする主な人たちの1人1人が、「自分が得意とするものは何か。ほかの大たちが得意とするものは何か」を考えなければならず、このときも、それぞれが得意とするものについては、考えが一致するはずであり、一致しない点については、すべて検討の対象として取り上げなければならないのです。
6.次に「それぞれの強みに応じて、いずれの活動を担当すべきか、誰がどの活動に適しているか」を考えなければならず、こうしてようやく、トップ・マネジメントチームが構築されるのです。
7.創業者といえども、人事が自分に適した活動でなければ、手を出さないよう自制しなければならないのであり、強みは新製品や新技術にあるかもしれないのです。
8.あるいは、日常業務、製造、物流、アフターサービスにあるかもしれない、財務かもしれない、人事は他人に任せたほうがよいかもしれない、重要な仕事はすべて、実績によって能力が証明されている人が担当しなければならないのであり、CEOは何を担当すべきであるというルールはないのです。
9.もちろんCEOは、最高の意思決定機関であって、最終責任を負うので、この最終責任を果たすうえで必要な情報は、必ず入るようにしておかなければならないのですが、CEO自身の仕事は、企業が何を必要とし、彼自身がいかなる人間であるかによって決まり、仕事が何であれ、企業にとって重要な活動を担当するのであれば、立派なCEOであるのです。
10.だが、ほかの重要な活動のすべてが、誰かによって担当されるようにはしなければならないのです。
11.最後に、重要な活動のすべてについて、目的と目標を定めなければならず、製品開発、人事、資金のいずれにせよ、重要な活動に責任を負うことになったすべての人に対し、「何を期待できるか。何に責任を負ってもらえるか。何をいつまでに実現するつもりか」を問わなければならず、これはマネジメントの初歩にすぎないのです。
以上のような手順で、スタートしてみて、トップ・マネッジメント・チームの問題点を解決しながら、チームのレベルを永遠に上げ続けていくことが大切であるのです。
◆準備が必要
当初は、このトップ・マネジメントチームを、非公式のものとしなければならないのです。
成長しつつあるベンチャー・ビジネスでは、肩書を与えることも、公表することも、上乗せの報酬を払うことも必要なく、新しい陣容が機能し、その様子が明らかになるまで、1年ほど待つべきであり、その間、チーム全員が、それぞれの仕事、協力の仕方、互いの仕事をしやすくするために行わなければならないことなど、多くのことを学ぶ必要があるのです。
こうして2、3年後、いよいよトップ・マネジメントチームが必要になったとき、まさにそれは存在していることになり、しかも、もしそのようになっていないようであれば、そのはるか前に、マネジメントの能力そのものが失われてしまっているにちがいなく、創業者は仕事の負荷に耐えられなくなり、重要な仕事は行われなくなっているのです。
考えられるケースは2つあり、1つは、創業者自身が能力と関心をもつ1つか2つの活動に没頭したままでいるケースであり、たしかに、それらの活動は重要であるのですが、それ
だけが重要というわけではなく、それら以外の活動は、見る人もないまま放っておかれていて、2年後には、事業は苦境に陥るのです。
もう一つの、さらに悪いケースは、創業者が良心的すぎる場合であり、彼は、人と資金が重要であること、そしてそれらをマネジメントしなければならないことを知っていて、そこで彼は、自分の能力と関心が新製品の設計と開発にあるにもかかわらず、人と資金を自らマネジメントしようとするのですが、才能がないために、いずれもうまくいかなく、意思決定や行動に時間がかかり、そのため時間がなくなり、自分が得意とする肝心の新製品や新技術の開発がなおざりになり、3年後には、必要な製品もなく、人や資金のマネジメントもない抜け殼となるのです。
前者のケースであれば、企業を救うことは不可能ではなく、つまるところ製品はあり、創業者が、トップの座を、再建のために乗り込んできた人に取って代わられるだけであるのですが、後者のケースでは、事業は再建することさえできないので、事業は身売りされるか清算されることになるのです。
したがってベンチャー・ビジネスは、トップ・マネジメントチームを必要とするはるか前に、ワンマンによるマネジメントが機能せず、失敗するはるか前に、構築しておかなければならないのです。
そのワンマン自身が、同僚と協力すること、人を信頼すること、さらには、人に責任をもたせることを学ばなければならないので、創業者は、付き人をもつスターではなく、チームのリーダーになることを学ばなければならないのです。
しかし、ベンチャー・ビジネスがスタートアップして順調に推移している間は、上記のように、トップ・マネッジメント・チームの必要性をほとんどの創業者は知らない間に、苦境に陥るのです。
画像は、ANAのラウンジの野菜サラダで、今まで見てきた野菜サラダの中でもトップクラスで、エアラインのラウンジの料理のレベルはますます上がります。
過去、体験した中では、シンガポール・エアラインのチャンギ空港のラウンジの料理が最高でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。