本日のテーマは、「周到な準備」です。
本日から海外に長期の出張ですが、海外に行ってよく起きるのは、準備不足のために、十分な目的を達成することが出来ないことです。
私は、過去、限りなく海外に出ていますので、何度も痛い目に遭い、海外では想定外のことが起きるのは当たり前で、予定通り行くことは、ほとんどないので、海外出張を滞りなく、済ませるためのノウハウが出来たのです。
以前は、頭の中に入れていただけであったのですが、最近はそれらをまとめて、PCに入れ始めているので、そのうち、海外出張編のノウハウ集を作ろうと思っています。
念入りに周到な準備を行なえば行なうほど、目的以上の成果を上げることが出来るようになるので、PCに準備するものをすべて入れておくことは、あとあと、たいへん役に立つのです。
従って、出張の途中で、残しておきたいことは即、記録しておくことがたいせつであり、私はPC上で日記帳を作り、毎日起きていることを日付順に入力しているのです。
2年ほど前から、日付順の日記帳をPC上で行なっているのですが、検索機能が付いているので、後から検索したり、ノウハウ集を作るのには、非常に便利です。
以前は、ファイルをたくさん作り、種類ごとのファイルに分類していたのですが、そのような分類したファイルはほとんど活用していなかったので、日付順の日記帳はたいへん重宝しています。
そして、何度も見るような事項は、別ファイルにして、今回のノウハウ集のように、分類してまとめていくのです。
海外出張だけではなく、普段の仕事においても、周到な準備は欠かせず、私の場合は、セミナーのレジメ作りとか、大和通信の原稿作成、社内の会議のための資 料作成、会社全体の戦略構築とか、普段の準備の周到さで、出来上がりの質がまったく異なるので、余計に普段の周到な準備は欠かせないのです。
私の場合は、普段の周到な準備は、何かテーマが決まると、情報を収集していくことがスタートになります。
出来るだけ多くの有効な情報を収集して、思考を重ね、関係者と議論し、さらに思考を深め、試行錯誤しながら、精度をあげていくので、従って、一般的に言われている、仮説と検証も欠かせないのです。
私の場合は、周到な準備においても、PCの活用は欠かせず、PCは思考のツールとしても、記録にも有効で、すべてにおいて、なくてはならない貴重な相棒のような心強い存在です。
PCを使っていなかった以前と比較すると、私の仕事の効率はどれほど改善されたか分からないくらいで、昔の何倍かの仕事が出来ているのです。
私よりもっと多くの仕事している人たちは、もっともっと効率的に周到な準備を行ない、もっと成果をあげているのです。
従って、普段に仕事の成果を上げることは、思考の時間の確保であり、常に、考え続けることが避けられないのです。
会社のトップ・マネッジメントになれば、常に大きいプレッシャーがかかっていますが、プレッシャーを感じずに、楽しく仕事を行ない、日々、愉快に過ごすことが欠かせないのです。
次に、大切なお知らせがあります。
今月26日(火)、27日(水)の2日間、北海道の十勝で、自家製麺出張教室を開催します。
(https://www.yamatomfg.com/special-noodle-events/)
今回は、ドリーム・スタジオ札幌の宍戸だけでなく、ドリーム・スタジオ大阪の看板娘の武藤、そして、福井から篠原が駆けつけ、最近、関西地区でヒットしている面白い麺類の実演も行ないます。
本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(下)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。
ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。
3 必要とされる2つの社会的イノベーション
起業家社会を実現するためには二つの領域において社会的イノベーションを実現することが必要である。
◆雇用問題の解決
第一は、余剰労働者の問題を解決することであり、余剰労働者といっても、絶対数そのものはさして多くないのですが、煙突産業の労働者は、ごく限られた地域に集中していて、アメリカ自動車産業におけるブルーカラー労働者の4分の3は、20の郡に住んでいるのです。
それゆえに、目立つ存在であり、組織率も高く、さらに重要なこととして、彼らは、新しい仕事を見つけ、専門を変え、土地を変わる能力に欠け、教育も技能も社会的な能力も十分ではなく、何よりも自信がないのです。
彼らの多くは求職活動をしたこともなく、働きに出る年齢に達すると、すでに自動車工場で働いていた親戚が現場管理者に紹介してくれ、あるいは教区の牧師が、製鉄所で慟いている信者の1人に紹介状を書いてくれたのです。
イギリスの煙突産業労働者、ウェールズの炭鉱労働者も似たようなものであり、ドイツのルール、フランスのロレーヌ、ベルギーのボリナージュのブルーカラー労働者についても同じことがいえるのです。
彼らは、先進国社会における今世紀の教育と知識の向上から取り残された階層であり、彼らはその能力、経験、技能、教育において、1900年当時の未熟練工 とさして変わらず、この間に起こったことといえば、彼らの所得と政治力の爆発的な増大だけであり、彼らは、福利厚生を含めると、実に今日の産業社会におけ る最大の受益者であるのです。
したがって、個人および階層として自助能力には欠けているものの、何ごとについても反対し、拒否し、阻止する力をもち、もし社会が新しい職場を与えることができなければ、彼らは、社会にとって完全にマイナスの勢力となるのです。
しかし、この問題は、起業家経済の実現によって解決でき、新しい事業が、この10年間にアメリカで見られたように、新しい職場を創出し、伝統的な煙突産業 における大量失業が、これまでのところアメリカで政治問題化せず、保護主義的反応の引き金ともなっていない理由はここにあるのです。
もちろん起業家経済が新しい職場を創出したとしても、煙突産業の余剰労働者を訓練し、転職させるためには、組織的な努力が必要であり、彼らだけでできるこ とではなく、そのような組織的な努力がなければ、煙突産業の余剰労働者は、自らの救済さえ含めて、新しいことにはすべて反対することになるのです。
たとえば電炉は、一貫製鉄所の余剰労働者に職場を提供し、オートメ化した自動車工場は、レイオフされた自動車労働者に職場を提供するのですが、彼らは、現在の職場が長続きするはずのないことを知りながら、電炉の増設や工場のオートメ化に反対するのです。
したがって、煙突産業の余剰労働者に雇用機会を与えなければならず、さもなければ、すでにイギリスで見られるように、そしてアメリカの郵便事業で見られるように、彼らは、その喪失感、恐怖、失望のゆえに、あらゆるイノベーションに抵抗するのです。
そのための組織的な努力は、これまで2度行われ、一度は、1906年の日露戦争後の不況下において、三井財閥によって行われ、もう一度は、第2次大戦後のスウェーデンにおいて、農民と木こりの国を高度な工業国に変えるために行われたのです。
面倒を見るべき余剰労働者の数はさほど多くなく、余剰労働者の3分の1は、早期退職制度の対象となりうる55歳以上の人たちであり、あまり心配しなくとも よく、また3分の1は、自ら職を探すことのできる30歳以下の人たちであって、同じくあまり心配しなくともよいのですが、残る3分の1の人たちについては 必ず、訓練し転職させなければならないのです。
ドラッカーが本書を書いたのは1980年代後半であり、既に25年が経過し、上記に書かれているような煙突産業から、他の産業への人口移動、すなわち、肉 体労働から知識労働への移行はすでに終了し、日本で現在起きている現象は、生産年齢人口の急激な減少による、働き盛りの人口の不足であるのです。
そのために、多くのサービス産業、例えば、外食産業とか、介護事業をはじめ、多くの業種で、人手の不足が起きているのです。
併せて、働いていなかったり、希望する職種に就いていない、働き盛りの人口も多く、就業のミスマッチは起きているのです。
また、同じ外食産業であっても、うどん蕎麦店、ラーメン店で幾ら募集しても集まらないのに、カフェで募集すると、優秀な人たちがたくさん押し寄せるのです。
従って、時代に合ったビジネスを行なうこともたいへん重要であるのです。
◆廃棄の仕組み
第二は、はるかに過激であって、まったく前例のない至難の業であるが、時代遅れとなった社会政策と、陳腐化した社会的機関を組織的に廃棄する仕組みをつくることであるのです。
これは、以前起こった起業家の時代には存在しなかった問題であり、100年前には、そもそもそのような政策や機関がまだほとんど存在していなかったのです が、今日、それらのものはあり余るほど存在していて、永久に存在すべきものは、たとえあったとしても、ごくわずかであり、短い期間を超えて機能しつづける ものさえ、本来はほとんどないはずであるのです。
この20年間における最も基本的な世界観と認識の変化、真に歴史的な転換ともいうべき変化は、政府の政策や機関もまた、神ではなく人がつくったものであり、いずれも急速に陳腐化していくものであることが認識されるようになったことであるのです。
しかるに今日でも、政治の世界だけは、依然として、政府が行うものは人間社会の本質に根ざすものであり、したがって永遠であるとの昔からの前提を堅持し、 その結果、政府が行っている古くなったもの、陳腐化したもの、もはや生産的でなくなったものを切り捨てるためのメカニズムが存在していないのです。
あるいは、新しいメカニズムは、まだ十分に機能するようになっていないというべきかもしれず、アメリカでは最近、法律や政府機関を一定期間後に廃止するというサンセット方式が導入されはじめたのですが、このサンセット方式も、まだ十分機能するにはいたっていないのです。
一つには、法律や政府機関が役に立たなくなったことを判定すべき、客観的な基準が存在していないためであり、一つには、廃棄の具体的かつ組織的な方法が確 立されていないためであり、あるいは、法律や政府機関が実現するはずだったことを実現するための新しい方法の導入の仕方が、確立されていないためであるの です。
今や、このサンセット方式を効果あるものとするための原理と方法を開発することこそ、最も重要な社会的イノベーションであり、しかも、直ちに行うべきイノベーションであり、社会はそれを待っているのです。
廃棄に関する課題は、政府機関が抱えているだけでなく、一般企業も同様であり、当社もまったく同じ課題を抱えているのです。
廃棄は、企業経営の中で難しい課題のひとつであり、難しくしているのは、そこに配置された人材の存在であり、往々にして痛みを伴うのです。
新しく何かを始めるときも痛みを伴うことが多いので、反対する人たちは多く、新しく何かを始めるときは、同時に廃棄が必要であり、これは二重の痛みを伴うようになるので、マネッジメントの力がないと出来ないのです。
画像は、昨日の東京支店のラーメン学校で試作したパイナップル・ラーメンで、スープはパイナップルだけで作りました。
味、ビジュアルとも、まずまずですが、まだ、かなり美味しく出来る可能性があります。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。