本日7月12日(日)から7月14日(火)までの3日間、ドリーム・スタジオ東京にて、「麺専門店繁盛支援イベント」を開催し、さまざまなセミナーがあり、13日は、私も参加します。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-tokyo/)
7月20日(月)、21日(火)の2日間、シンガポールで「1day ramen school」と「1day udon school」を開催し、2日間とも、私も参加します。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-singapore/)
本日のテーマは「イノベーションと起業家精神」です。
昨日の本社での経営講義はいつものクラスのような、前半はうどん学校で、後半はラーメン学校の組合せではなく、前半も後半もラーメン学校で、全員がラーメン店を目指し、或いはすでに開店している生徒さんたちで、経営講義は相当盛り上がるだろうと期待していたのですが、もう一つ盛り上がりに欠けたのです。
以前と比較し、最近の傾向として、経営講義に参加する生徒さんの意識レベルの変化を強く感じるようになり、新規に開業する生徒さんたちの内容が大きく変わってきていることを感じます。
当社が行なっている経営講義の内容が少し生徒さんたちにとっては、難易度が高くなりすぎて、生徒さんたちにとっては、ハードルが高くなり過ぎたのかも知れないのです。
白熱した授業を行ない、生徒さんたちから返ってくる反応を見ていると、われわれが行なっている内容が、生徒さんたちのレベルに合っているかどうかが、良く分かるのです。
今までは、どちらかと言えば、少し難しくても生徒さんたちの理解度をあげ、生徒さんたちのレベルを伸ばしてあげた方が、生徒さんたちにとっては良いのではないかと思って講義を行なっていたのですが、どうも乖離が大きくなってきたようです。
生徒さんたちのクラス分けすることと、初級コースはもっと優しい内容にする必要があることを実感するようになりました。
ラーメン学校は開校以来10年余りですが、10年余りも継続していると、世の中が大きく変化していくことが改めてよく分かります。
今まで当たり前のように思ってやっていたことが、いつしか時代の大きな流れから外れているのです。
失敗しない麺専門店作りのマネッジメントコースとして、経営講義を2日間で開催しているのですが、内容が複雑になり、2日間で理解出来る生徒さんが少なくなり、実際は、2度、3度と受講する生徒さんも出てきているのです。
これらの現象は、イノベーションのための変化であり、これらの変化を受けて新しいイノベーションが必要な時期になってきていることを気付かされます。
多くの生徒さんたちにとって、熱心に学ぶことは苦痛であることは、経営講義を通じて良く分かりました。
すると、学ぶ必要がないようにしてあげれば、生徒さんたちの苦痛を取り除いてあげることが出来るのです。
この部分に大きなビジネスチャンスが横たわっていることが分かったのです。
学ぶ必要がなく、学ばなくても一応の成功を収めることが出来るようにしてあげることこそ、当社のやるべきことであるのです。
生徒さんたちの中には、熱心に学ぶ人たちも出てくるので、そのような人たちには、そのような対応をすれば良いのであり、両面の対策が必要であるのですが、ほとんどの人たちは学ぶことが苦手なのです。
学ぶ代わりに、PCで代行できるようなシステムを作って上げれば良いと言うことがよく分かりました。
世の中がますます複雑になり、新たなニーズが次つぎと沸き起こっていることが分かります。
そのニーズを見つけるのは、新たな変化であり、その変化が起きているのを理解することが大切であり、それには常に異常値を見つけることであるのです。
麺学校を経営しているお蔭で、生徒さんの変化から多くのことを理解することが出来るのです。
変化のきっかけを見分ける数値の理解も大切であるし、どの数字が変化すれば、どこかで新しい変化が起きているということを判断出来る数字を設けておくことも大切であるのです。
麺専門店の場合は、売上数字の変化で判断することが出来るのですが、毎月の変動する数字ではなく、大きな傾向を見ることが出来る年計で見ることが大切であるのです。
世の中は常に変化していますが、自社、自店にとっての影響のある変化の理解こそが、ビジネスを進める上で重要なことであるのです。
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、さらに学びを深めるために、5月26日より7月5日まで41日間の復習を進めてきましたが、さらに理解度を増すため、再再度、チャレンジし、自分自身を大きく変えるのに役立てていきます。
「需要側か供給側か」
もちろんイノベーションを需要と供給のどちら側の概念と捉えるかは、具体的なケースによって異なり、鉄鉱石を原料とする高炉から鉄屑を原料とする電炉への移行は、供給サイドのイノベーションであり、これに対し、テープ・レコーダーやビデオの発明は、同じように技術的イノベーションではあっても、消費者の価値や満足という需要サイドのイノベーションであり、1920年代にヘンリー・ルースが創刊した「タイム」「ライフ」「フォーチューン」などのニュース雑誌や、1970年代後半から80年代前半にかけて発展したマネー・マーケットなどの社会的イノベーションもまた、需要サイドのイノベーションであり、私が創業した40年前になかったもので、最近の車のほとんどに装着しているナビゲーション・システムとか、ETCも技術的なイノベーションですが、これらも消費者の価値や満足という需要サイドのイノベーションで、これらのお蔭で、車でのドライブ、ビジネスにおいてどれだけ便利になったか分かりません。
パソコンとか携帯電話も需要サイドのイノベーションで、われわれの生活をどれほど変えたか分からず、少し考えてみれば分かるのですが、われわれの周りはイノベーションに取り囲まれ、イノベーションのお蔭で、江戸時代のお殿様さえ体験出来なかった生活をわれわれは日々、楽しむことが出来ているので、同様に、われわれはお客さまに対して、イノベーションを提供し続け、価値や満足を高め続けなければ、われわれの存在価値がないことになるのです。
「イノベーションの体系」
われわれはまだ、イノベーションの理論を構築していないのですが、イノベーションの機会をいつ、どこで、いかに体系的に探すべきか、さらには、成功の確率と失敗のリスクを、いかに判断すべきかについては十分知っていて、まだ輪郭だけですが、イノベーションの方法を発展させる上で必要な知識も、十分に得ていて、19世紀における技術史上の最大の偉業は、「発明の発明」であるとされていて、1880年以前には、発明は神秘的なものであり、19世紀の文献は「天才のひらめき」という言葉を繰り返していて、発明家なる者は、屋根裏で何かいじっている夢見る変人だったのですが、第1次世界大戦が勃発した1914年頃には、すでに発明は、開発研究、すなわち目的とする成果と、実現可能な成果について計画を立てる体系的なものになっていたのです。
イノベーションについても、これと同じ発展が必要であり、今や起業家は、体系的にイノベーションを行なわなければいけない時期にきていて、起業家として成功する者は、「女神の口づけ」や「アイデアのひらめき」を持っていないだけでなく、彼らは仕事をして、大穴は狙わず、産業革命をもたらし、10億ドル・ビジネスを生み出し、一夜で成金になるようなイノベーションを求めたりはせず、大金持ちになるのは間違いなしという、アイデアをもとに事を起こす起業家、特に急ぎ過ぎる起業家は、必ず失敗し、失敗を運命づけられ、今日イノベーションと称しているものの多くは、単なる科学技術上の偉業に過ぎないのですが、これに対し、マクドナルドのような、科学技術的には何ら特筆するところのないイノベーションが、高収益の大事業に発展し、企業以外の事業、すなわち社会的機関のイノベーションについても同じことが言え、起業家として成功するものは、その目的が金であれ、力であれ、或いは好奇心であれ、名声であれ、価値を創造し、社会に貢献することなのであり、その目指すものは大きく、既に存在するものの修正や改善では満足しないで、彼らは新しい価値や満足を創造し、単なる素材を資源に変えたり、或いは、新しいビジョンのもとに既存の資源を組み合わせるのです。
「変化が機会」
新しいものを生み出す機会となるものは、組織の外の変化で、イノベーションとは、全社を挙げ、意識的かつ組織的に外の世界の変化を探し出すことであり、それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的に分析することであり、従って、マネッジメント・チームの重要な仕事のうちの一つが、外部の変化に敏感になることであり、外部の変化に敏感になるためには、自社のビジネスのキーになる項目、要するに重要なセンサーのような項目に、常に注意を払うことが大切で、私の場合は、食の世界の変化を見るために、セブン・イレブンの弁当売り場とデパ地下の惣菜売り場がたいへん参考になるのは、セブン・イレブンの弁当売り場は、食の世界の変化の変化をタイミングよく、常に先取りし、大切にすべきは、お客さま方の反応の変化で、時代とともにお客さま方も同じではなく、刻々と変化し、麺専門店に来られるお客さまも価値観の変化、ライフ・スタイルの変化に伴ない、30年前、20年前と現在では、かなり違っていて、30年前、20年前は、もっと家族の単位が大きかったのですが、現在は日本全国どこでも、一人世帯が一番多く、これらの変化は一時には現れないのですが、徐々に、確実に起き、これらの変化に対応出来るかどうかで、ビジネスの成果はまったく異なるのです。
スイーツの世界では、数十年前より、甘さは控えめになり、優しい甘さが主流で、甘さの強いお菓子は食べなくなってきていて、このような変化を早く察知し、対策をたててきたスイーツメーカーだけが、生き残り、成功して来ていて、世の中の変化に敏感であることは、ビジネスを行なう上では欠かせず、グローバル・ビジネスを展開するようになれば、国内だけではなく、関係各国の為替レート、景気の変化、政変、人びとのライフスタイルの変化等々に注目する必要があり、それぞれの異なったビジネス毎に、注目すべき視点は異なり、グローバル・ビジネスを志す場合は、関連している国々への訪問は欠かせず、国々の変化を肌で感じる必要があり、注意していると、行くたびに国の変化が肌で分かるのです。
通常それらの変化は、既に起こった変化や起こりつつある変化であり、成功したイノベーションの圧倒的に多くが、そのような変化を利用しているので、外の世界の少しの変化も見逃さないような、お客さまと接している人たちのセンサーの感度の良さと、それらをマネッジメントが吸い上げる社内のコミュニケーションの良さの双方がないと、外の世界の変化を見落としてしまい、イノベーション自体は組織の体質、組織文化にならなければ成功しないのです。
イノベーションの中には、それ自体が大きな変化であるというものもありますが、ライト兄弟による飛行機の発明と技術的なイノベーションなどは、むしろ例外に属し、成功したイノベーションのほとんどが平凡であり、単に変化を利用したものに過ぎず、起業家精神の基礎とも言うべき、イノベーションの体系とは、具体的、処方的な体系であり、すなわちそれは、変化に関わる方法論、起業家的な機会を提供してくれる典型的な変化を体系的に調べるための方法論であるので、イノベーションとは、決してひらめきを必要とするものでもなく、日々の仕事として、組織を挙げて、コツコツとやり遂げることが大切であり、日々の探求が大きな、価値あるイノベーションに繋がっていることを社員全員が理解し、実行することが大切なのです。
画像は、一昨日の金曜日のラーメン学校実習最終日に生徒さんたちに披露した魚介系スープだけの冷たい塩ラーメンです。
ラーメン学校では、敢えて、新しい、斬新な盛り付けにチャレンジしているのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。