本日のテーマは「トップはスーパーマン」で、トップでいることは、当たり前ではないのです。
讃匠は食品メーカーであるので、異物混入は会社にとっての大きな問題であり、常日頃、非常に気を付けているテーマなので、本日、讃匠の朝の全体朝礼で、異物混入の注意について、全員に話をしたのです。
異物混入は食品メーカーにあってはいけない重大事項であり、食品メーカーだけでなく、飲食店にとってもたいへん重要なことであるのです。
飲食店でも経験するのが、髪の毛とか、虫の混入で、もし、このようなことがあれば、お客さまの信頼は一気になくなるのです。
讃匠社内でも、以前から異物混入の件は非常に注意していて、計量包装のスタッフたちが小さい異物の混入を見逃さないために、社内に落ちているどんなに小さいゴミでも、見つけたらすぐに拾うという習慣を社員全員に徹底しているのです。
そのために、「ゴミひとつない社内」を標語にして、ゴミを無くするのと同時に、異物混入が起きないようにしているのです。
ところが、今朝、朝礼で食堂に入った途端に足元に、見たらすぐわかるようなゴミが3個も落ちていたのです。
私より先に、30人程度の人たちが先に食堂にいたのですが、誰も気づいていなかったので、ゴミが落ちたままになっていたのです。
今まで、ゴミを見つけたら、すぐに拾いなさいと言い続けていたのですが、余り効果がなかったので、今朝の朝礼では、少し方向性を変えた話をしたのです。
社内でゴミを拾っている人を見かけると、表彰するようにしたのです。
社員がゴミを拾っている人を見つけたら、報告して貰い、その情報を集めておいて、全体朝礼の折に、報告を基にして、ゴミを拾うことに、熱心な人を表彰するようにしたのです。
今までは、ゴミを見つけたら必ず、拾って下さいと頼んでいたのですが、それでは効果が無いことが分かり、熱心に拾っている人を褒めるようにしたのです。
そして、本日、讃匠の経営会議をしていて、讃匠の商品を買ったお客さまから、だしの袋の中から、細い針金の異物が出てきたとの連絡があったのですが、讃匠は、このだしを外部の業者から仕入れていたのです。
当然、当社の担当者は、そのだしのメーカーに連絡を取り、だしメーカーより担当者が異物を取りに来て、確認したのだそうです。
異物混入は、メーカーにとって、たいへん重大な問題なので、だしのメーカーの責任者或いは、それに近い上層部の人が挨拶に来ているのかと確認すると、それらしいことはぜんぜんなかったので、私から先方の社長に電話を入れて、いきさつを確認すると、先方は今回のことをぜんぜん重く受け止めていないことが分かりました。
このことにより、だしのメーカーは、異物混入のたいへんさの意識が低いことが分かったのです。
当社の担当者が先方の工場を訪ねた結果の画像もあったので、確認すると、疑問に感じるところがあったので、明日、早速、先方の工場を訪ねてみることにしたのです。
食品の安全に対する消費者の意識レベルは、以前とは比べものにならない位、厳しくなっているので、このようなレベルでは駄目なのです。
このように、ビジネスの種類により、押さえなければいけない重点は異なり、重点で問題が起きると、その対処の仕方は非常に重要になるのです。
このように考えると、問題を起こす大きな原因は、規律のなさ、規律の徹底の不十分であることが分かります。
当社の社内でも、決めたことを守っているかと言えば、決してそうではなく、成果を上げている人の中にも、守っていない人がいるのです。
ここで大切なことは、幾ら成果を上げたとしても、規則を守らない人は問題であり、守らない人がいると、全体に悪い影響を与えるのです。
これは社内の規律が取れているかどうかであり、規律は非常に重要なことで、成果を上げれば、規律を守っていなくても良いではないかと考える人が中にはいるのですが、これは大きな間違いなのです。
もし、今は成果が上がっているとしても、規律を守っていないと、そのうちに成果が上がらなくなるのです。
規律を守るかどうかも、最初は小さいところから規律を守らなくなり、それが注意されなくなると、だんだんと大きいところで守らなくなり、全体の風紀が乱れてしまうのです。
従って、組織のリーダーは規律を守ることにも、キチガイのようにならなければいけないのです。
このように考えると、ビジネスの成功は、規律を守る一貫性であり、常に、チャレンジを続けるイノベーションであり、お客さまのニーズの変化を探り続けるマーケテイングであり、あらゆる方向に、目配せが必要であるのです。
要するに、トップは、スーパーマンでなければ務まらないのです。
再々度、触れますが、当社の40周年を記念して、当社の正規ユーザーさまに限り、当面、麺学校の2日間の経営講義の授業料を無料にして、再度、最新の情報、ノウハウの提供と、もし、悩んでいるユーザーさまがいれば、悩み解決の場にしたいと思ったのです。
2日間の経営講義は、土日の2日間で、受講出来、東京と香川でほぼ毎月開催しているので、気軽に参加できると思います。
但し、通常の麺学校の生徒さんがいらっしゃるので、当社のユーザーさまは、毎回3名までと限定させて戴きます。
少しでも、お客さまの成功に役立てばということで、このような企画を考えてみました。
悩んでいる方の一番の課題は、誰に相談するかということで、相談相手がネガテイブであったり、利益関係者である場合は、正しいアドバイスを受けることが出来ない場合が多いのです。
経営者は、苦しい時も精神的に安定で居続けることが非常に難しいので、誰か相談者がいれば、案外うまくいく場合が多いのです。
『People want to help you. (You just have not asked.)』人々はあなたを助けたがっているのです。
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、さらに学びを深めるために、5月26日より7月5日まで41日間の復習を進めてきましたが、さらに理解度を増すため、再再度、チャレンジし、自分自身を大きく変えるのに役立てていきます。
機能しないもの
起業家社会において必要とされる政策と対策について考えるとき、最も重要なことは、機能しないものを明確にすることであり、なぜならば、機能しない政策が今日あまりにも人気があり、一般に理解されている意味のプランニングは、起業家的な社会や経済とは両立せず、たしかに、イノベーションは、目的意識をもって行わなければならず、起業家精神はマネジメントしなければならないのですが、イノベーションは、その本質からして、分権的、暫定的、自律的、具体的、ミクロ経済的であり、そして小さなもの、暫定的なもの、柔軟なものとしてスタートするのです。
事実、イノベーションの機会は通常、現場に近いところでのみ見出され、イノベーションの機会は、プランナーが対象とする膨大な総体ではなく、そこから逸脱したもののなかに見出され、予期せぬ成功や失敗、ギャップ、ニーズ、「半分入っている」から「半分空である」への認識の変化に見出され、それら逸脱したものが、プランナーの目にとまるようになった頃にはもう遅く、イノベーションの機会は、暴風雨のようにではなく、そよ風のように来て、去るのです。
以上より、われわれ企業人にとって大切なことは、普段のビジネスの端々に静かに訪れているイノベーションの機会に気づくことであり、普段からイノベーション7つの機会を見つけるためのアンテナを張り巡らせておくことで、もっと大切なことは、社内全体をイノベーション体質にすることであり、企業文化にイノベーションを作り込むことなのです。
◆ハイテクだけではない
今日、とくにヨーロッパでは、ハイテクの起業家精神だけをもとうとすることが流行っていて、フランス、ドイツ、さらにはイギリスさえも、この前提のうえに政策を立てているのですが、それは幻想であり、それどころか、ハイテクのみを推進し、ハイテク以外についての起業家精神を敵視するという政策では、当のハイテクさえ生み出すことができず、そのような政策から生み出されるものは、もう一つの高価な失敗作、もう一つのコンコルドにすぎず、わずかな栄光と大きな赤字をもたらすだけであって、雇用も技術的なりリーダーシップも、もたらすことはできず、そもそもハイテクは、本書が重要な前提の一つとしているように、イノベーションと起業家精神の領域の一つにすぎず、膨大な数のイノベーションは、ほかの領域にあるのです。
しかもハイテク重視の政策は、政治的な障害に突き当たり、直ちに挫折させられ、職場創出の観点から見ても、ハイテクは明日のものであって、今日のものではなく、すでに述べたように、1970年から84年までにアメリカのハイテクが創出した雇用は、煙突産業が失った500万人から600万人を超えず、この間、アメリカで創出された3500万人の雇用はすべて、ハイテク以外のミドルテク、ローテク、ノーテクのベンチャー企業が生み出したのです。
今後ヨーロッパでは、増大する労働力人口を吸収するための雇用創出の圧力が高まっていき、そのとき、ハイテクにのみ焦点を合わせていたならば、病める巨大産業を支えるという今日のニーズを犠牲にするような政策はとるべきでないとの要求に対し、抗することができなくなり、フランスでは、すでにこの問題が争点となっていて、1984年には、共産党がミッテラン政権から閣僚を引き揚げる原因となり、ミッテラン自身が属する社会党左派が不満と不安を募らせる原因となっているのです。
この書籍が書かれた時代とは異なり、現在の先進国では高齢化による人手不足が大きな課題になっていて、特に日本では15歳から64歳までの働き盛りの生産年齢人口が1995年をピークにして、既に12%以上ダウンし、従って、これからの先進国の課題は、生産性の向上であり、付加価値の高いビジネスを国内に残すことであり、そうでないビジネスは新興国に譲ることで、これをすでに早い時代から実践して、大成功している国々は、国民一人当たりのGDPの高い北欧4カ国とか、スイスで、日本が早期に取り組まなければいけない課題であるのです。
◆山腹のない山頂
そして何よりも、ノーテク、ローテク、ミドルテクにおける広範な起業家経済を基盤とすることなくハイテクをもとうとすることは、山腹抜きに山頂をもとうとするに似ていて、そのような状況では、ハイテクの人間でさえ、リスクの大きなハイテクのベンチャー・ビジネスに就職しようとはしなくなり、すでに確立された大企業や政府機関の安定性を選び、しかもハイテクのベンチャー・ビジネスは、たとえば会計、販売、管理など、ハイテクの技術そのものとは無関係の大勢の人たちを必要とし、華々しくはあっても、小さな寸劇以外の何ものでもないハイテクのベンチャー・ビジネスにのみ関心をもち、ほかの分野でのイノベーションと起業家精神を鼻であしらうような経済社会においては、ハイテクに強い人たちも、まさにその経済と社会(すなわち級友、両親、先生)が勧める既存の安定した大組織に職場とキャリアを求めることになり、流通チャネルは、ハイテク以外のベンチャー・ビジネスの製品を扱おうとせず、投資家は支援しなくなるのです。
ハイテク以外のベンチャー・ビジネスは、ハイテクが必要とする資金を供給するうえでも必要であり、知識によるイノベーション、とくにハイテクのイノベーションは、投資から収益までのリードタイムがあまりに長く、世界のコンピュータ産業の帳尻が合うようになったのは1970年代の後半であり、それまでは30年におよぶ長い赤字の時代があり、たしかにIBMは、かなり早くから利益をあげ、小さなコンピュータ・メーカーも、1960年代後半以降、次々に黒字に転じていったのですが、それらの企業があげた利益は、ほかの企業、とくにコンピュータに完全に失敗した大企業、すなわちアメリカのGE、ウェスチングハウス、ITT、RCA、イギリスのGE、フェランティ、プレッシー、フランスのトムソン・ウーストン、ドイツのジーメンス、テレフンケン、オランダのフィリップスなどが蒙った膨大な赤字の数分の一に相当するにすぎないのです。
歴史は、ミニコンピュータやパソコンで繰り返されていて、この業界もまた、全体として黒字になるには、何年かかかり、バイオでも同じことが起こっていて、100年前の1880年代には電機産業で起こり、1900年から10年にかけては自動車産業で起こり、このハイテクの長い懐胎期においてハイテクの赤字を埋め、ハイテクに必要な資金を供給するためには、ハイテクではないベンチャー・ビジネスが必要とされるのです。
フランスの気持ちは正しく、今日、経済的、政治的に大国たるためには、情報技術、バイオ、オートメーションなど、ハイテクで一定の地位を得なければならず、しかもフランスには科学や技術の才があるのですが、それにもかかわらず、いかなる国といえども、経済全体としての起業家経済をもたないかぎり、ハイテクにおいてイノベーション志向となり、起業家的となることは至難であり、あるいは不可能であるのです。
たしかにハイテクこそ刃であるのですが、そもそもナイフがなければ、刃は存在すらできず、活力にあふれたハイテク部門は、死体に健康な頭脳がありえないのと同じように、それだけで存在することはなく、ベンチャー・キャピタルへのアクセスが容易であって、起業家的なビジョンと起業家的な価値観をもつ、活力あるイノベーターや、起業家であふれた経済が、まず存在していなければならず、現在の日本においては、ハイテク偏重の時代は終わり、ビジネスで大きなシェアを占めているのは、医療、介護、福祉等、高齢化社会に関連するビジネスが大きく伸びているのです。
画像は、本日朝の讃匠の全体朝礼で、誕生日のお祝いの風景で、お花とお菓子のプレゼントです。
7月と8月の合併の全体朝礼であったので、総計で17名、誕生日のスタッフがいたのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。