うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(まとめ)」「価値の創造、効用戦略、真の効用の追求、価格戦略」

一昨日のラーメン学校での実習最終の盛り付け

まずは、お知らせです。

明日9月14日(月)から16日(水)の3日間、本社にて、創業40周年記念イベントを開催し、私のセミナーは14日「変化し続けてきた業界の最新情報」、15日「麺業界の5年後を読み解く。女性にウケる店舗とは?」、16日「人材育成・多店舗展開・海外進出するためには」の3本です。

そして、16日には、人気TV番組「カンブリア宮殿」ディレクター江藤様によるセミナー、「カンブリア宮殿10年で出会った経営者たち」と、麺学校卒業生の同窓会が開催されます。

本日のテーマは「5年後の麺専門店、飲食店業界」です。

5年後の麺専門店ビジネス、飲食店ビジネスを想定してみるには、下記のような項目が参考になるのです。

第一は、既に起きている世の中の変化、例えば、生産年齢の減少、総人口の減少から、5年後を見通すと、5年後にはもっと人手不足になり、国内の市場規模が更に減少していることが簡単に分かるのです。

サラリーマンの数、消費者の数が減少するのは、過去の日本では考えられなかったことなのですが、これからの時代、市場は縮小していくのです。

縮小する市場とは、不景気な市場と同じことで、生き残りを戦略のテーマにし、生き残ることに一番エネルギーを注ぐことが大切なのです。

不景気に強く、生き残ることが出来る店とは、地域一番店であったり、食べログ点数が高かったり、その地域で突出して強い店であり、認知されている繁盛店なのです。

従って、市場規模が小さくなる日本において、麺専門店、飲食店に共通する戦略は、商品力、サービス力、店舗力を磨き続け、地域にとってなくてはならない店になることであり、どこにでもあるような平凡な店を目指すのではなく、際立った個性のある強い店になることなのです。

第二の対策は、大きなトレンドを理解することで、業界における大きなトレンドは、健康志向、安全衛生志向、オープンキッチン、エンターテイメント志向等、大きな時代の方向性を理解することです。

健康志向では、安全な食材の使用、化学調味料、防腐剤等の不使用、料理としての栄養バランス、栄養分を損なわない調理方法、但し、健康志向であったも美味しいことは欠かせないのです。

健康志向で往々にして見落としているのは、健康志向は主に女性客ターゲットの場合が多いのですが、女性客は盛り付けの素材として、野菜だけで良いと勘違いしている男性が多いのです。

健康志向で大切なことは、栄養のバランスで、野菜類、タンパク質、デンプン質のバランスで、女性客だから野菜だけで良いという訳ではなく、最近の活発な女性はほとんどが肉食系女子なので、健康に良い肉類、魚類のタンパク質類は欠かせないのです。

そして、これからは健康志向であっても、美味しいことと、盛付のきれいさも欠かせないのですが、多くの店で出来ていないのが、際立った個性のある盛り付けのきれいさです。

盛り付けのきれいさは、食事の楽しさの演出にも欠かせず、ビックリするようなきれいな盛り付けの食事が出てくれば、女性客から歓声が上がり、あちこちでカメラで撮影が始まります。

大きなトレンドとして欠かせないのは、エンターテイメント性で、レストランビジネスは楽しさの要素が欠かせなくなり、実演自家製麺で大成功した丸亀製麺は、そのファーストランナーであったのです。

これから続々と、楽しいレストランの登場が続き、同時に、人手不足の解消を兼ねて、レストランビジネスに、ハイテクが次つぎと導入されるようになってくるのです。

既に、スーパー、コンビニはハイテク機器が満載され、科学的な経営がされていますが、麺専門店、飲食店が同じような状態になってくるのです。

すると、規模の小さい単独の個人店はよほどの強み、特徴がないと生き残るのが難しくなってくるのです。

そして、このような変化は徐々に起き、気が付いたときには、取り返しのつかない大きな変化になっているのです。

昔、どんな街にもあった八百屋、魚屋、米屋等もいつの間にか、消えてしまったのです。

いずれにしても、5年後には現在の延長線上のビジネスではなく、大きく変貌を遂げた外食企業が生き残り、新しいビジネスモデルが多く出現しています。

詳しい話は、ぜひ、来週火曜日15日のセミナーにお出で下さい。

本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。

価値の創造

これまで述べてきた起業家戦略においては、イノベーションを利用することが戦略で、本章で論じる起業家戦略は、それ自体がイノベーションであり、製品なりサービスは昔からあるものでよく、例として最初に取り上げる郵便などは、すでに2000年前からあり、その昔からある製品やサービスを新しい何かに変え、その効用や価値、あるいは経済的な特性を変化させ、物理的にはいかなる変化も起こさなくてよいのですが、経済的にはまったく新しい価値を創造するのです。

本章で論じる起業家戦略には、1つの共通項があり、いずれも顧客を創造し、この顧客の創造こそ、つねに事業の目的であり、あらゆる経済活動が究極の目的とするものであり、(ドラッカー著『現代の経営』参照)そのための方法は、以下の4つ戦略であるのです。

1.効用戦略
2.価格戦略
3.顧客戦略
4.価値戦略

I効用戦略

イギリスの学校では、郵便制度は1837年、ローランド・ヒルによって発明されたと教えているのですが、実際はそうではなく、シーザーの古代ローマにも優れた郵便制度があり、帝国の隅々まで配達人たちが定期的に郵便を届け、1516年、スペイン王カルロス1世は、この古代ローマに立ち返り、郵便の独占権をタキシス家に与え、タキシス家からの献金などによって選挙侯たちを買収し、神聖ローマ帝国の皇帝の地位に就き、切手収集家ならば周知のように、タキシス家による郵便の独占は1866年まで続いたのです。

17世紀の半ばには、他のヨーロッパ諸国がドイツにならい、100年後には、アメリカの植民地が続き、そしてキケロ、セヴィニェ夫人、チェスターフィールド、ヴォルテールなどヨーロッパの偉大な書簡作家たちが、後世に残る手紙を書いたのは、すべてローランド・ヒル以前のことだったのですが、いかなる技術も、いかなる新しいものも、特許がとれそうないかなるものも生み出さなかったにもかかわらず、今日の郵便制度を発明したのは、やはりローランド・ヒルで、当時、郵便の料金は、受取人払いであって、距離と重さによって計算していて、料金が高く、時間もかかり、いちいち重さを量らなければならなかったのです。

ヒルは、この料金を距離にかかわりなく一律にし、前払いとし、印紙を貼らせ、一夜にして、郵便は便利で簡単になり、投函さえすればよくなり、値段も安くなり、職人1日分の賃金である1シリングに相当していた料金が、1ペンスとなり、大きさの制限もなくなり、こうして、郵便制度が生まれ、ヒルは、サービスとしての郵便を変え、新しい効用を創造し、これこそ重要なことであり、ヒルによって実現された90パーセント安という料金の低下さえ、二義的なことにすぎなく、重要なことは、郵便が便利になり、誰でも利用できるようになり、もはや儀礼や訓戒のための書簡だけではなくなり、洋服屋が、郵便で請求書を送れるようになり、郵便は爆発的な伸びを見せ、4年で2倍、次の10年でそのさらに4倍となり、値段も無視できる水準になったのです。

◆真の効用の追求

効用戦略には、価格はほとんど関係なく、この戦略は、顧客が目的を達成するうえで必要なサービスを提供し、この戦略は、顧客にとって真のサービスは何か、真の効用は何かを追求するのです。

アメリカの花嫁は陶磁器を欲しがるのですが、結婚祝いを贈る側としては、一揃いでは高すぎ、何か1つを選ぶにしても、何を欲しがっているかがわからないので、陶磁器以外のものにしてしまうので、陶磁器の需要はあったのですが、効用に結びついていなかったので、中堅食器メーカーのレノックス・チャイナは、これをイノベーションの機会としてとらえ、昔の習慣である「花嫁目録」を使って、食器の注文を受けたのです。

花嫁は、小売店を選び、欲しいセットと、お祝いをくれそうな人たちの名前を伝えておき、小売店はそれらの人たちに「いくらぐらいのものがよろしいですか」「それではコーヒーカップ2つでいかがでしょう」「もうコーヒーカップは揃いましたので、デザート用のお皿がよろしいようです」と勧め、こうして花嫁は満足し、贈り主も満足し、レノックス・チャイナは大いに満足するのですが、そこにはハイテクも特許もない、あるのは、顧客のニーズに焦点を合わせることだけであり、この花嫁目録は、その単純さにもかかわらず、いや、むしろその単純さのゆえに、レノックス・チャイナを人気ある陶磁器メーカーに押し上げ、アメリカで最も急速に成長する中堅企業の1つにし、この戦略によって、顧客は自分の欲求やニーズを、自由に満足させることができるようになったのです。

洋服屋は、受け付けに3時間かかり、料金は受取人払いであって、しかも洋服そのものと同じような値段では、郵便で請求書を送ることができないのですが、ローランド・ヒルは、サービス自体は変えず、それまでと同じ郵便係と郵便馬車、配達人を使ったのですが、彼の郵便は、まったく新しいサービスとなり、効用が新しくなったのです。

2価格戦略

◆ジレットとゼロックス

長年の間、世界で最も有名なアメリカ人の顔は、かみそりの刃の箱を飾っているキング・ジレットであり、毎朝、世界中の何百万という男たちがジレットのかみそりの刃を使ったのですが、安全かみそりを発明したのはキング・ジレットではなく、安全かみそりについては、19世紀末の10年間に、数十にのぼる特許が認められ、1860年、70年頃までは、ひげの手入れをしなければならないのは、貴族、自由業、大商人など、ごくわずかの男たちだけであって、彼らは床屋に行くことができたのですが、突如、商人、店員、事務員などが、外見を立派に見せる必要が出てきたのですが、自分で西洋かみそりを使える者、平気でそのような危ない刃物を便える者はあまりいなかったし、床屋は高く、もっと悪いことに時間がかかったのです。

そこで多くの発明家が、安全かみそりなるものを考案したのですが、いずれも売れなかったのは、床屋は10セントだったが、最も安い安全かみそりが5ドルであり、1日1ドルが高い賃金だった頃としては、あまりに高く、ジレットの安全かみそりが、とくに優れているわけではなく、生産コストはむしろ高かったのですが、ジレットは、安全かみそりを売ったわけではなく、彼は、卸値22セント、小売値55セントという、生産コストの5分の1の価格をつけ、自社の刃しか使えないように、安全かみそりを設計し、刃は1枚の生産コストが1セント以下で、それを5セントで売り、刃は6、7回使えたので、床屋の10分の1以下の料金の1セント以下でひげをそることができ、ジレットが行ったことは、メーカーが売るものではなく消費者が買うもの、すなわちひげそりそのものに値をつけることであり、ジレットのとりこになった消費者は、同社の競争相手の安全かみそりを5ドルで買い、1セントか2セントで刃を買ったほうが、総額としては安上がりで、彼らもそのことを知っていて、消費者というものは、広告代理店やラルフ・ネーダーが思っている以上に賢明であるのですが、ジレットの価格設定は、彼らにとって意味があり、彼らはひげそりに対して対価を払うのであって、モノに対して払うのではなく、ジレットのかみそりとその刃は、西洋かみそりよりもはるかに快適であり、かつ近くの床屋よりもはるかに安かったのです。

コピー機の特許が、ハロイドというニューヨーク州ロチェスターの無名の会社に属することになり、印刷機械の大手メーカーのものとならなかったのは、後者が、コピー機が売れる可能性を見出せなかったからであり、彼らの計算では、コピー機は最低4000ドルで売らなければならなかったのです。

カーボン紙がただ同然のときに、コピー機にそれだけの金を払う者がいるはずがなく、しかも、4000ドルを支出するには、投資に対する見返りを説明する計算書と、取締役会用の承認要請書という、秘書用の事務機としてはとても考えられない書類を必要としたので、ハロイドすなわち今日のゼロックスは、特許を買い取ったそのコピー機に大幅に手を加えたのですが、最大のイノベーションは、価格設定の仕方にあり、同社はコピー機を売らないで、コピー機が生み出すもの、すなわちコピーを売り、コピー1枚当たり、5セントや10セントならば、購入のための承認要請書など必要なく、上司の許可なく、雑費として秘書が支出でき、コピー機の価格をコピー1枚5セントとして設定したことがイノベーションとなったのです。

社会的機関を含め、供給者のほとんどが、戦略として価格設定をとらえようとしないのですが、価格設定の仕方によって、顧客は、供給者が生産するものではなく自分かちが買うもの、すなわち1回のひげそり、1枚のコピーに対し対価を払うようになり、もちろん総額として払う額はさして変わらず、支払いの方法を、消費者のニーズと事情に合わせることが必要であり、消費者が実際に買うものに合わせなければならず、供給者にとってのコストではなく、顧客にとっての価値に対して価格を設定しなければならないのです。

画像は一昨日のラーメン学校の実習最終の盛り付けで、冷たい魚介だけのスープに、鯛の刺身です。

旬のフルーツとか、新鮮な魚介もこれからのラーメンの盛り付けのテーマです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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