まずは、お知らせです。
来週9月27日(日)から29日(火)の3日間、ドリームスタジオ福岡でパワーアップイベントを開催し、私のセミナーは次の通りです。
1. 業界の異変速報!!~40年業界をみてきた藤井だからわかる!変化し続けてきた業界の最新情報~
2. 人材育成・多店舗展開・海外進出するためには
3. 女性にウケる店舗とは?
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-fukuoka/)
昨日は「One day udon school」で、昨日で3日間にわたるシンガポールのイベントが無事終了し、今回のスタッフと海外責任者の三井、そして、シンガポール大学を卒業し、シンガポールで3年間働いていたハンさん、そして、私以外の3名は、シンガポールが初めてのスタッフたちでした。
3日間通して参加の生徒さんたちが多く、3日間の間にすっかり親しくなり、モスクワ、ベルギーとか、スラバヤ、ミャンマー、オーストラリア、ベトナム、タイ、地元シンガポールと、実にあちこちの国からのご参加で、セミナーの間に質疑応答していると、それぞれの国の事情が良く分かります。
モスクワでは、家賃が東京の都心の一番高い家賃とほぼ同じですが、寒い国であり、家庭内で食事をする習慣が多く、外食に対する需要は日本ほど多くないので、相対的に外食ビジネスは厳しいのです。
反対に東南アジア等の暑い国は、ほとんど外食だけで済ませる人たちが多く、外食に対する需要が大きく、気温の高低により、外食に対する需要の差が良く分かります。
今回シンガポールに来て驚いたことは、毎日、スモッグで太陽が見えないのです。
原因は、インドネシア側がパームオイルを取るために栽培しているアブラヤシのために、山を焼いている煙だったのです。
それが夏から秋にかけて、何ヶ月も続き、注意報まで出て、今朝はスモッグが濃いので、外を歩かないようにとの注意報が出ていたのです。
今朝は、スタッフたちと一緒にホテルの近くにある公設市場で地元料理の朝ご飯を一緒に食べる約束をしていたのですが、余りにも煙がひどかったので、取り止めて、ホテル内での食事に切り替えたのです。
いつもは外の散歩をしているのですが、さすがに今朝は外の散歩は取り止めて、室内の散歩に切り替え、長いホテルの廊下を何往復もして、朝だけで6千歩を稼いだのです。
1日、1万歩以上歩くためには、毎朝、最低5千歩程度は歩いていないと、寝るまでに1万歩は歩けないのです。
ホテルの1階の廊下には、リゾートホテルのようにたくさんの植栽がしてあり、その植物から光合成で、酸素が作られているので、まるで植物園の中を散歩している様で、清々しかったのです。
植物の中の散歩は、朝の散歩には最高で、自宅でいるときも、いつも緑地帯の中を散歩しているのです。
シンガポールを建国の折に、シンガポールを建国したリークワンユーは、外国から多くの観光客を呼ぶために、緑の植栽を行なったそうです。
それが50年後の今日では、国中が緑に溢れていて、われわれが泊まったホテルの中にも、緑の植栽が溢れていました。
緑の植栽は、人びとの心を癒してくれる働きがあるのです。
われわれが宿泊したのは、決して高級なホテルではないのですが、毎朝、無料の簡単な食事が付いていて、私の大好きなスイカが提供されているのです。
シンガポールは自国では、緑にこだわった国造りをしているのに、隣国のインドネシアのアブラヤシの栽培の被害で、スモッグに悩まされているのは、可愛そうな気がします。
本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。
「4種類のリスク」
リスクには基本的に、下記の4つの種類があるのです。
第1に負うべきリスク、すなわち事業の本質に付随するリスク
第2に負えるリスク、
第3に負えないリスク、
第4に負わないことによるリスク
ドラッカーは、経営計画では、まず リスクの種類を明らかにせよといったのです。
第1に、事業を行う限りは、ほとんどあらゆる産業に負うべきリスクがあり、 産業ごとに負うべきリスクは異なり、新薬には人体を傷つけるリスクがりますが、製薬会社にとって、新薬開発に伴うリスクこそ、負うべきリスクの典型であり、リスクがいやならば撤退するしかなく、人を助けるべきものが人を傷つけるかもしれないという、製薬会社にとっては悲痛なリスクであり、過去には、サリドマイド禍があり、小児麻痺ワクチンによる死亡事故もあったのです。
第2のリスクと第3のリスクはペアであり、 一方に負えるリスクがあり、一方に負えないリスクがあり、 失敗しても多少の損失(資金と労力を失う)ですむというリスクは、負えるリスクであり、 逆に、失敗したら存続できないほどの資金がかかり、会社がつぶれるというリスクは、負えないリスクであり、ここにもう一つ、負えないリスクがあり、成功しても、その成功を利用できなというリスクであり、事業に着手するに当たっては、成功を利用できるか、もたらされる機会を実現できるか、それとも誰かのために機会をつくるだけかを問わなければならず、例えば、失敗すれば、投じた資金を失うだけですむのですが、成功すれば、人手と資金の追加が必要となり、そのときに調達できなければ、それはもともと負えないリスクだったということになるので、新しい事業に手を出すに当たっては、 後からやってくるどこかの大事業の水先案内人に終わらないか考えねばならないのです。
第4が、負わないことによるリスクであり、その典型が、革新的な機会に伴うものであると同時に、乗り遅れのリスクであり、第2次大戦直後のGEの原子力発電への進出であり、GEは、原子力発電は顧客たる電力会社にとって採算が合わないと見て、専門家は原子力を経済的な電力源にできる可能性は低いと見ていたのですが、GEは発電機メーカーの雄として、 たとえ万一であっても乗り遅れるという、リスクを負うわけにはいかなかったので、一流の人材を投入し、膨大な投資を行ったのです。
「もちろん何かを起こすにはリスクを伴う。 しかしそれは合理的な行動である。何も変わらないという居心地のよい仮定に安住したり、ほぼ間違いなく起こることについての 予測に従うよりも、リスクは小さい」(『創造する経営者』)
「トラック企業が負うべきリスクは」(ドラッカー学会理事、上野周雄氏)
リスクは負う価値のあるものにとどめることが重要で、計画が成功すれば、より大きなリスクを負担できるようになり、新規事業を起こす場合には、一流の人材を投入し膨大な投資を行なうので、勘や経験に頼らず、複数のリスクから最も合理的なものを選ぶことが必要で、トラック運送業界では、交通事故の発生は「負うべきリスク」で、自社のトラックが事故を起こさなくても、他の車の事故に巻き込まれる可能性もあり、交通事故が嫌ならば事業をやめざるを得ないのです。
第2は失敗した場合の損失が少なくてすむ「負えるリスク」で、第3は失敗したら会社がつぶれる「負えないリスク」ですが、「負えるリスク」と考えていても、成功後に次の資源(人・モノ・カネ)の追加投入ができなければ、もともと第3の負えないリスクだったのです。
自社が強みとする最も重要な事業分野に大きな変化があったとすると、このとき新たな資源を投入するべきなのか、他社に先行を許すという大きなリスクがあり、これが第4の「負わないことによるリスク」で、経済活動において何よりも大きなリスクは、リスクを負わないことであり、リスクを負えなくすることであるのです。
「原理と方法」
起業家精神にリスクが伴うのは、一般に、起業家とされる人たちの多くが、自分がしていることをよく理解していないからであり、つまり、方法論を持っていないだけでなく、彼らは初歩的な原理を知らず、このことは、特にハイテクの起業家について言えることであり、特にハイテクによるイノベーションと起業家精神は、リスクが大きく困難なものとなっていて、ハイテクにおける発明発見によるイノベーションは、業績上のギャップや、市場、産業、人口、社会の構造変化に基づくイノベーション、さらには認識の変化にもとづくイノベーションに比べて、きわめてリスクが大きいのですが、ハイテク分野におけるイノベーションや起業家精神でさえ、ベル研究所やIBMの例が示すように、リスクは必ずしも大きい訳ではなく、そのためには体系的にマネッジメントしなければならず、何にも増して、目的意識を伴ったイノベーションを基礎としなければならないのです。
「イノベーションのための7つの機会」
「1.イノベーションとは何か」
日本では、イノベーションとは技術革新と信じられていますが、ウイキペデイアによれば、イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のことであり、一般には新しい技術の発明を指すと誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味し、それまでのモノ・仕組みなどに対し、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを指すのです。
イノベーションの定義は、1911年に、オーストリア出身の経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターによって、初めて定義され、シュンペーターはイノベーションを、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などを、それまでとは異なる仕方で新結合することと定義し、イノベーションのタイプとして、下記の5つを挙げています。
1.新しい財貨すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産、要するに、企業経営者の創造的活動による新製品の生産等、商品そのものに関わるイノベーション(エジソンの電灯、飛行機、ipod、iphone、ダイソンの掃除機、扇風機)
2.新しい生産方法の導入、新しい輸送方法の実現(コンテナー船)等、生産、輸送に関するイノベーション
3.新しい販路の開拓、新しい販売方法の実現(割賦販売)等、販売に関するもので、消費者の行動や価値観や、市場の面でのイノベーション(アマゾン、e-bay、楽天モール)
4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得、要するに新資源の占有によるイノベーション(製造受託企業)
5.新しい組織の実現による、受注、発注、間接業務などに関わるイノベーション(宅配便)
起業家はイノベーションを行ない、イノベーションは起業家に特有の道具であり、イノベーションは、富を製造する能力を資源に与えるだけでなく、イノベーションが資源を創造するのです。
「資源の創造」
人間が利用の方法を見つけ、経済的な価値を与えない限り、何ものも資源とはなり得ず、例えば、植物は雑草にすぎず、鉱物は岩にすぎず、地表に沁み出る原油やアルミの原料であるボーキサイトが資源となったのは、1世紀少々前のことであり、それまでは、単に知力を損なう厄介物にすぎず、ペニシリウムなるカビも単なる厄介物であり、資源ではなく、細菌学者たちは、ペニシリウムから細菌の培養液を守ることに苦労をしていたのですが、1920年代になり、ロンドンの医師アレキサンダー・フレミングが、この厄介物こそ細菌学者が求めているものであることに気づき、そのとき、初めてそれは、ペニシリンをもたらす価値ある資源となったのです。
社会や経済の領域でも同じことが起こり、経済においては、購買力に勝る資源はなく、購買力もまた、起業家のイノベーションによって創造され、19世紀の初め、アメリカの農民には事実上購買力がなかったので、数十種類もの収穫機が出ていたが、買えなかったのですが、そのとき収穫機の発明者の1人、サイラス・マコーミックが割賦販売を考え出し、農民は、過去の蓄えからではなく、未来の稼ぎから収穫機を購入できるようになり、突然、農機具購入のための購買力が生まれたのです。
画像は、昨日の製麺風景で、ラーメンが希望の生徒さんたちも熱心に見入っていました。
今回ご参加の生徒さんの中には、NYの有名な大学で研究していた生徒さんもいて、学歴の高い生徒さんが多かったのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。