まずは、2つほど、お知らせです。
来週13日(火)、14日(水)の2日間、奈良市、エルトピア奈良にて、ラーメン、まぜ蕎麦等の無料自家製麺無料体験教室が開催します。
同じく、来週14日(水)、15日(木)の2日間、松山市、松山市民会館にて、自家製麺体験教室in松山があり、ラーメン、つけ麺、うどん、蕎麦の無料自家製麺実演講習会を開催します。
※イベントは終了いたしましたが、そのほか定期的にイベントを開催しております
本日のテーマは「現地、現物を見る大切さ」です。
昨日の昼に本社を出て、姫路経由で、大阪に入り、最後に、滋賀県に入り、昨晩は大津市で一泊し、早朝から琵琶湖湖岸を散歩しました。
昨日の姫路、大阪は、以前から調べたいと思っていることがあり、たまたま昨日午後から本日一杯の空き時間が出来たので、讃匠の新人スタッフと一緒に出てきたのです。
ネット等で調べても、十分に分からないことでも、現地に来れば、簡単に分かり、想像以上であったので、たいへん驚きました。
世の中には、われわれの想像を超えた素晴らしい成果を出している人たちがいるのですが、ほとんど知られていないのです。
昨日訪問したきっかけは、ネットで検索したのが原因ですが、実際に来てみると、ネットで検索して分かったレベルではなく、もっと素晴らしい成果を上げていて、それが私にとって、たいへん参考になったのです。
幾らネットで情報が得られるような時代になっても、やはり現地に行ってみないと、真実の情報、或いは、自分の想像を超えた、思ってもいなかったような情報は得られないことが、よく分かりました。
やはり、経営陣とか、会社のトップレベルにいる人たちこそ、フットワークを軽くしなければいけないことがよく分かりました。
昨日も、あるお店を突然、訪問したのですが、たいへん親切に、さまざまことを教えてくれました。
ほとんどすべてが、想像を超えていた話で、当社の役に立っただけでなく、お互いにコラボレーション出来そうなことがたくさんありました。
現在の少子高齢化で、人口減の日本において伸びているビジネスはすべて、時代のトレンド、環境に即応したビジネスであり、伸びているビジネスはすべて共通項があるのです。
今の日本のように、全体的には右肩下がりのビジネスの時代において、伸びている店、伸びている会社、伸びているビジネスは、時代に合っているのです。
従って、繁盛して多くのお客さまを集めている店、ビジネスはこれからの日本でのビジネスのあり方を研究するのにたいへん役立つのです。
昨日も、大阪のセブンイレブンに寄ってみると、カットフルーツ、高品質な調理めんの販売をしていました。
私は、海外に出るたびに、空港でもどこでも、簡単にフルーツが買えるのに、日本でフルーツを買おうとすると、羽田空港では、買える場所がほとんどないのです。
市内においても同様で、最近、コンビニでバナナを置き始めているのですが、まだ海外と比べると、比較にならないレベルです。
海外では、カットフルーツは、スーパーでもどこでも簡単に買えるのです。
そして、昨日はセブンイレブンで売っている惣菜のレベルの高さに驚きました。
デパ地下で販売している惣菜のレベルとほとんど変わらないのです。
注意して観察すればするほど、世の中は、日々、進化し続けていて、変わり続けていることがよく分かり、われわれ自身も変わり続けなければいけない大切さを外へ出て、世間の進化を見れば見るほど、よく分かります。
そして、今朝は早朝から、昨日お伺いしたお店を訪問していますが、昨日聞いて理解していた内容と、実際の作業の様子を見ると、さらに思っていたことと、違いがあるのです。
いずれにしても、現地、現物、現実の3現主義は欠かせないのです。
だから、私の経営講義を継ごうと思うと、4冊の教科書の理解は欠かせないのです。
本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。
「業績ギャップは、需給のギャップ」
ここに、似たような問題を抱える産業がもう一つあり、製紙業にも、生産プロセスにかかわる業績ギャップがあるのですが、製紙業界では、このギャップをイノベーションの機会として利用する方法を、まだ開発しておらず、あらゆる先進国とほとんどの途上国が、紙の需要を伸ばしてきたにも関わらず、製紙業の業績はかんばしくなく、史上最高の利益を3年続けると、そのあとで必ず過剰設備と不況の年が5年続くのですが、製紙業界ではいまだに、製鉄業の電炉に相当するものを発見するに至っていないのが、大きな課題なのです。
パルプの繊維が、モノマーであることが認識されたのは100年以上も前のことであり、これをポリマーによってつくることなど、さほど困難ではないはずであり、無駄の多い非効率的な機械的プロセスを効率的な化学的プロセスに変えることが出来、すでに衣料用繊維については、1880年に開発したレーヨンによって、これを実現しているのですが、巨額の研究開発費を投じているにも関わらず、そのような紙の開発には、誰も成功していないのです。
これらの例が示すように、業績ギャップをイノベーションの機会として利用するためには、まず、解決すべき問題を明確にしなければならず、そして、既知の技術と既存の資源を利用してイノベーションを実現しなければならないので、開発のための努力が必要なのですが、革新的な知的発見を必要とする状況であるならば、起業家の出番はまだ早く、機は熟していないと言うべきであり、しかもイノベーションは、複雑であってはならず、単純でなければならないのと、華々しいものではなく、当たり前のものでなければならないのです。
以上より、よく分かるのは業績ギャップの原因は、需要と供給のギャップであり、需要が供給を上回れば、業績が上がり、需要が供給を下回ったときには、業績が下がり、それをビジネスに非常に有効に活用しているのはフェラーリで、新しいモデルを開発して、もし需要が世界中で4千台あるとすれば、3999台しか作らず、常に需要を少し下回る供給しかしないので、高い価格を守り通せ、同じような戦略を取っているのが、ブランドのルイ・ヴィトンで、フェラーリと同様に、需要と供給のバランスを巧みに操り、決して作り過ぎをしないのです。
高炉一貫製鉄業、製紙業、いずれの場合も装置産業であり、1回の設備投資が巨大で、設備投資により一気に供給が増え、需要を上回り、価格バランスが崩れ、業績が悪化する、業界の構造的要因で、需要と供給のバランスを緩和して、価格下落を防ぐことが出来るのが、製鉄業では電炉であり、われわれのビジネスにおいても、どんなビジネスにおいても、業績が落ちる原因は、需要と供給のバランスが大本の原因であり、その面白い事例がコーヒー・チェーンのドトールとスターバックスなのです。
セルフ式コーヒーは、日本では最初にドトールが口火を切り、その後、スターバックスが参入してきたのですが、今は、スターバックスはドトールの約2倍の売上に達し、私の宿泊するホテルの隣にドトールがあり、たまに利用するのが、気になるのがタバコの臭いで、分煙にはなっているのですが、禁煙席でも匂い、その点、スターバックスは完全に禁煙を貫いていて、タバコを吸わない私でもまったく気にならないし、スターバックスでは、第3の場所を活用して、PCを開き、コンセントを使って仕事をし、価格は、ドトールの1.5倍ほどですが、まったく気にならないのです。
ドトールとスターバックスの差こそ、需要と供給の差で、禁煙を好むお客さま、雰囲気を好むお客さまの数が、喫煙で価格の安いコーヒーを好むお客さまの数を上回り、それぞれのお客さまの需要と供給の差であったのです。
この様に、需要と供給のギャップにより、業績のギャップが生まれているので、業績ギャップの原因になっている需要と供給のギャップに注目することが大切であり、どんなビジネスでも業績を落としているビジネスは、需給ギャップが生じていて、需給ギャップが改善されると、自然に業績ギャップは改善されるのです。
コーヒーの原料である、コーヒー豆の輸入量は漸減しているにも関わらず、セブン・イレブンがコーヒーを始めたり、コメダ珈琲が郊外型店舗で活躍しているのも、需要と供給のバランスで、新しいタイプの需要が増え、古いタイプの需要が減り、需要と供給のバランスで業績が決まり、われわれは常に、新しい需要を創り出していかねばならず、まさに、ビジネスの本質は顧客創造にほかならず、新しい需要の目を見つけ続けることが、マーケテイングであり、それを結果として成功させるのが、イノベーションであるのです。
「医療の例」
社会部部門にも業績ギャップは存在し、先進国における医療サービスは、その典型で、1929年では、医療サービスにかかる費用は、GNPの1%をはるかに下回っていたのですが、そのわずか50年後の1980頃には、病院を中心とする医療サービスは、あらゆる先進国でGNPが増大しているにも関わらず、アメリカでは、7%から11%に達し、しかも医療サービスの生産性は、向上するどころか低下し、サービスの質よりも、費用の方が急激に上昇していて、3倍から5倍の速さで増加し、ドラッカーの想定通り、2012年の日本における対GDP当たりの医療費は10.3%、ドイツ11.3%、イギリス9.3%、フランス11.6%、アメリカは16.9%に達し、今後も伸び続けることが想定され、先進国では今後も、高齢者人口の増大に伴い、医療に対する需要は伸び続け、しかも費用は年齢と相関関係にあり、医療サービスの費用は、今後さらに急速に上昇を続けるのですが、医療サービスの費用の上昇の現象の本当の原因は、明らかにされているわけではなく、イギリスとアメリカでは、すでに的を絞り込んだイノベーションが行なわれ、成功していて、いずれも国の医療システムの欠陥を機会としてとらえているのです。
イギリスの民間医療保険は成長を続け、専門医による診断と手術を保証する企業内福祉制度として人気を得ていて、イギリスでは、医療費削減のため、政府管掌保険は疾病を優先させ、整形外科については保険金の給付を限定していて、関節炎による股関節の変形など、生命に関係ない手術は数年待たされるのですが、この民間医療保険は、その種の手術についても直ちに保険金を払うのですが、これに対し、医療費の上昇などに配慮せず、あらゆるニーズに応えようとしているアメリカでは、入院費の個人負担が爆発的に上昇していて、そこにイノベーションの機会が生まれたのです。
すなわち、病院機能の解体で、スキャナー、コバルト照射装置、自動検査装置、リハビリテーション装置など、高額の医療器具を必要としない医療サービスが、新事業として続々病院の外に出され、妊産婦と新生児のための宿泊施設的な妊産婦センター、入院や術後措置を必要としない手術のための外科センター、神経科センター、高齢者医療センターであり、これらの医療施設は、病院に代わるものではなく、集中治療や緊急治療の役割は病院が担い、これらの医療部門の新事業は、今日の医療に関わる業績ギャップを、イノベーションの機会として捉えたものであり、これらいずれも、産業や社会的部門におけるイノベーションとして理解し易い例なのです。
まさに業績ギャップが、なぜ大きなイノベーションの機会となるかを教えてくれ、産業や社会的部門の内部では、誰もがギャップの存在に気づきながら、無視せざるを得ず、それに気づかない多くのライバルは、あちらをいじり、こちらを直し、こちらの火を消し、あちらの穴を埋めるのに忙しいので、誰かが行なったイノベーションと闘うどころか、それを検討する余裕さえなく、取り返しがつかなくなるまで気付きもしないのです。
その間、イノベーションを行なったものは、誰にも煩わされることがなく、成果を独り占めでき、社会部門における業績ギャップも、需要と供給のギャップで起きていて、新しい需要に新しい供給が追い付いておらず、古い需要には供給が間に合っていて、需給のギャップが起き、従って、われわれは常に新しい需要の起きている現場を理解しなければいけないので、それには、街に出て、現場を確認しなければいけないのです。
昨日も博多の街に出て、新しい上質な蕎麦店が2時頃でもひっきりなしにお客さまが来店しているのを見て、新しい需要は起きているのに、ほとんどの人は気付かず、古い需要を追いかけ続け、供給過剰で業績が上がらず、新しい需要は、街に出て自分の目で見て、確認する他はないのです。
画像は、今朝の琵琶湖の様子で、シカゴのミシガン湖そのものです。
しかし、ミシガン湖と比べると、心なしか、寂れているような気がしました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。