うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「4つの条件、起業家精神のための経営政策、廃棄の制度化1」

麺學校の経営講義で、生徒さんからの熱心な質問に対するやり取り

先ずは、お知らせで、明日11月10日(火)~12日(木)の3日間、ドリームスタジオ東京で、創業40周年記念イベントがあり、初日10日だけ少し余裕があります。

http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2574&ref=top

本日のテーマは「数字の理解」です。

今回の経営講義の初日は、いつもと異なり、ユニークな生徒さんがいて、質問が非常に多く、たいへん楽しい経営講義になり、参加する生徒さんが変われば、こんなにも変わるものかというような経営講義になったのです。

昨日2日目は、生徒さんたちも少し疲れたのか、初日ほどの活発な質問は出なかったのですが、それでもいつもよりは賑やかな、楽しい経営講義で、授業を行なった私のモチベーションも非常に上がった2日間で、経営講義は難しい、たくさんの質問があればあるほど、楽しくなります。

昨日の経営講義では、下記のような質問があり、その質問に対し、以下のような回答をしたのです。

最初の生徒さんからの質問は、「1号店で成功し、2号店を開店するときの条件はどのような条件をクリアしたら良いのですか?」だったので、私はそれについて、さらに質問をしたのです。

「1号店で、どの程度の売上の店を考えているのですか。」と、確認をすると、それに対して、250万円から、300万円との回答があったのです。

すると、私は「250万円から、300万円の売上では、利益はいくらくらい出ると思いますか」と確認すると、よく出て1割の25万円から30万円くらいとの回答がありました。

そこで私は、オーナー自身が店にいて、250万円から300万円であれば、2号店が出来て、もし、どちらかにしか入ることが出来ないとすると、入っていない方の店の売り上げはいる店より落ち、もし、2号店に入ると、1号店の売上は確実に落ち、1割の利益はゼロ、或いはマイナスになりかねないのです。

これは、多くの店主の陥る盲点で、売上の少ない、小さい店の多展開をやってしまうと、起こす問題店なのです。

念のために事例で示したのが、次のようなサンプルデータです。

1. 売上300万円、変動費率40%で120万円、人件費100万円、経費60万円、利益20万円
2. 売上600万円、変動費率40%で240万円、人件費160万円、経費90万円、利益110万円
3. 売上900万円、変動費率40%で360万円、人件費220万円、経費120万円、利益200万円

以上のように、売上高に応じて、出る利益がまったく異なり、売上300万円の店舗を3店作っても、得られる利益は合計60万円であり、売上900万円の店舗を1店舗作ると、得られる利益は200万円になり、3倍以上の差になるのです。

さらに、1店舗の売上が300万円の店舗の場合、店舗数が増えると、1店舗の場合より、売上が下がることが大いにあるのです。

だから、多店舗展開を狙う場合は、1店舗の売上高は500万円以上の出来るだけ高い金額、出来れば、1千万円を狙うべきであるのです。

次に、1店目だけの場合はオーナーとか、主人が店舗にいるのですが、2号店以降の場合は、オーナーが不在になるので、店長あるいは、店舗の責任者のレベルで、売上が変動します。

従って、多店舗展開をするためには、充分な売上高があることと同時に、店舗の責任者としての能力の高い人が育っているかどうかが、決め手になります。

多くの店舗の場合、人が育つ前に、多店舗展開を行ない、経営がおかしくなる会社が多く、2店舗目以降の出店が出来るかどうかの判断基準は、1店舗目に
オーナーがいない状態で、1店舗目が問題なく運営でき、売上が下がったり、顧客満足度が落ちることがないことが重要なのです。

次に、質問で多かったのが、変動費率と人件費の問題で、外食ビジネスのコンサルタントの中には、過去、FL(Food CostとLabor Cost、要するに食材費と人件費を足したもの)が幾ら以内でなければいけないということが流行したことがあるのですが、食材費は売上に比例して変動する変動費であり、売上がゼロであれば、基本的には食材費もゼロになり、人件費等の固定費は、売上に応じて比例して変動しない固定費であり、売上がゼロでも、家賃、人件費等の
固定費は常にかかっているのですが、食材費は売上に対して、何パーセントという表示は意味があり、人件費は売上の何パーセントという表示は意味がないのです。

昔は、Food CostとLabor Costがそれぞれ、30%づつで、合計60%以内であることが必須であるとか言われてきたのですが、最近ではFood Costが40~50%程度に上昇し、売上をシッカリ上げて、Labor Costの売上に対する比率を下げるようなビジネスモデルが通用しているのです。

以上のようなことは、外食においては、基本中の基本ですが、学校に参加した生徒さんでまだ理解していない生徒さんも多いのが事実です。

しかし、これから経営者になる以上、欠かせないデータであり、キチンと理解して貰うために、さまざまな資料で説明を加えるのです。

本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

◆4つの条件

起業家精神を発揮するには、以下の4つの条件があるのです。

第1に、イノベーションを受け入れ、変化を脅威ではなく機会とみなす組織をつくりあげる必要があり、起業家としての厳しい仕事を遂行できる組織をつくる必要があり、起業家的な環境を整えるための経営政策と、具体的な方策のいくつかを実践する必要があるのです。

第2に、イノベーションを組織に組み込むとともに、イノベーションの成果を体系的に測定する必要、あるいは、少なくとも評価する必要があるのです。

第3に、組織、人事、報酬について、特別の措置を講じる必要があります。

第4に、いくつかのタブーを理解する必要があり、行ってはならないことを知る必要があるのです。

以上より、イノベーションを常に起こすことが出来る組織にするには、組織の風土をイノベーション歓迎型或いは、イノベーション必須型の組織風土に創りかえる必要があり、イノベーションが絶対的に重要で、イノベーションを歓迎するような組織にするためには、人事、報酬体系も変えなければならず、さらに、イノベーションの成果を常に測定できる仕組みを作らなければならないのです。

2起業家精神のための経営政策

ローマの詩人は、人間を「新しいものを求める存在(レールム・ノバルム・クピトウス)」と呼び、起業家精神のためには、経営管理者の1人ひとりが新しいものを求める存在となる必要があり、トップ・マネジメントは、「いかにしてイノベーションに対する障害を克服するか」に関心を持たねばならないのですが、たとえ、この問いに答えがあったとしても、そもそも問いが間違っているのであって、正しい問いは「いかにしてイノベーションを当然のこととし、それを望み、その実現のために働くようにさせるか」であり、イノベーションを大事とまではいかなくとも、異質なものとして推進していたのでは何も起こらず、些事とまではいかなくとも、正常な、普通の仕事の1つとする必要があり、そのためには、起業家精神のための経営政策といくつかの具体的な方策が必要であるのです。

何よりも経営管理者1人ひとりにとって、イノベーションを既存の事業よりも魅力的かつ、得なものにする必要があり、イノベーションこそ、組織を維持し、発展させるための最高の手段であり、1人ひとりの経営管理者の成功にとって、最も確実な基盤であることを周知させる必要があり、そのうえで、イノベーションの必要度を明らかにする必要があり、さらには、具体的な目標のもとに計画を立てる必要があるのです。

経営管理者だけでなく、企業のすべてのスタッフが普段の仕事にイノベーションを起こせるような体質にすると、企業は大きく進化し続けるのであり、毎年、大きく変貌を遂げていくはずで、われわれは、企業には、イノベーションが必須であること、イノベーションは今やっている仕事を大きく進化させるためには、欠かせないものであることを1人ひとりが理解し、イノベーションを会社の風土にしてしまえば良く、そのためのさまざまな施策が必要なのです。

◆廃棄の制度化(1)

イノベーションを、経営管理者にとって魅力的なものにするための第1の段階は、もはや活力を失ったもの、陳腐化したもの、生産的でなくなったものの廃棄を制度化することで、スタッフ活動についてはもちろんのこと、1つひとつの製品、工場、技術、市場、流通チャネルの継続の可否についても、3年ごとに判定しなければならず、その方法は、これまで手がけていなかったとしたら、「今日これから、この製品、市場、流通チャネル、技術を手がけるか」を問わなければならないのです。

もし、その答えが「ノー」であれば、「それでは検討しよう」ではなく、「それでは、この製品、市場、流通チャネル、スタッフ活動に資源を浪費するのをやめるにはどうすべきか」を問わなければならず、ときには、既存のものの廃棄が答えではないことがあり、廃棄が不可能なこともあるのですが、そのようなときでも、少なくともそれ以上の労力はかけないようにしなければならないのです。

人材と資金という生産資源を、すでに過去のものとなっているものに投じてはならないのであり、実はこれは、あらゆる種類の組織が自らの健康を維持するために行っていて、いかなる有機体といえども、老廃物を排泄しないものはなく、さもなければ自家中毒を起こすので、既存のものの廃棄は、企業がイノベーションを行い、受け入れるようになるうえで、絶対に必要なことであり、「翌朝絞首台にあがることを知ることほど、人の心を集中させるものはない」とは、かのジョンソン博士の言葉であり、製品やサービスが近いうちに廃棄されることを知ることほど、経営管理者の心をイノベーションに集中させるものはないのです。

イノベーションには人間のエネルギーが必要であり、有能な人間という、最も稀少な資源による厳しい働きが必要であり、しかるに、「死体が臭わないようにすることほど、涙ぐましく、しかも不毛な仕事はない」とは、昔の医学の諺であり、私の知っている組織のほとんどにおいて、有能な人間がこの不毛な仕事を担当させられていて、しかも彼らに期待できることは、膨大なコストをかけて、避け難いことを若干先延ばしすることだけであるのですが、死体は直ちに埋葬されることが知れ渡っていれば、イノベーションにも速やかに取り組めるようになり、イノベーションを行うためには、イノベーションに挑戦できる最高の人材を自由にしておかなければならないのと、同時に、資金を投入できるようにしておかなければならないのです。

いずれも、過去の成功や失敗、とくに惜しくも失敗したものや、うまくいったはずのものを廃棄しないかぎり、不可能であり、それらのものの廃棄が原則となっていれば、みなが進んで起業家精神をかきたてるべきことを認識するにいたり、これが第1の段階であり、いわば組織の衛生学であるのです。

私はもし、ドラッカー・マネッジメントを学習していなければ、廃棄の重要性を理解していなかったのですが、新しいことを始めるには、何かを止めなければいけないと学んだ時に、これは今まで出来ていなかったことであると、直ぐに気づき、過去、多くのことに取り組んできましたが、何か新しいことを始めても、元のことを止めないで、やりながらであれば、新しいことに全力投球が出来なくて、新しいことも、古いことも中途半端になってしまうので、新しいイノベーションに取り組む場合は、必ず、成果が上がらなくなってきていることを廃棄する必要があると同時に、既存の事業の寿命を延ばしながら、新しい事業に取り組む方法もあり、既存の製品等は、可能な範囲で改善改良を繰り返して、寿命を延ばしても、そのことに必要な資源は知れているのと、そこから得られる利益は大きく、この利益を活用して、新しい事業をやれば良く、大きなエネルギーが必要なのは、新しい事業の立ち上げで、社内の大切な人材、お金等の資源が必要で、イノベーションには普通は、大きなエネルギーが伴うので、片方で利益を生みながらでなければ、並行して行なうことが出来ないのです。

イノベーションは、事業のあらゆる局面で行なわれ、設計、製品、マーケティングのイノベーションがあり、価格や顧客サービスのイノベーションがあり、組織や手法のイノベーションがあり、また、イノベーションは、あらゆる企業において行なわれ、それは、生産や技術の現場におけると同様、銀行や、保険会社や、小売店において行なわれ、市場志向であるがゆえに、イノベーションの戦略は、既存のものはすべて市場において陳腐化することを前提としイノベーションの戦略の第一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることであるのです。

画像は、昨日の麺學校の経営講義での、生徒さんからの熱心な質問に対するやり取りです。

実に楽しい経営講義でした。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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