本日のテーマは「ビジネスの成功の秘訣」です。
昨日から、東京支店で経営講義が始まり、今回は実にさまざまな過去を持っている生徒さんたちの集まりで、すでにラーメン店を経営している生徒さんも、国内、海外から数名参加し、本題にいる前から熱心な質疑応答が続き、午前中から午後にかけて、生徒さんたちからさまざまな質問がありました。
生徒さんたちの質問を聞いていると、生徒さんたちがいかに過去に捉われているかがよく分かるような質問が多く、固定観念の大きな枠に縛られて身動きが取れないような状況になっていることが分かります。
そして、今やっていることが本当に正しいかどうか、自分に合っているかを確認するための自分に対する質問は、「もし、今のビジネスをやっていなかったとして、何でも自由に出来る状態にある時、このビジネスを選ぶかどうか?」と聞いて見るのです。
もし、答えがイエスであれば、正しい道を選んでいることになるし、もし、ノーであれば、間違っているので、早く道を改めるべきであるのです。
多くの人にとって難しい選択は、誤っている道が分かっているのに、正しい道に戻らないで、誤った道を進み続けることです。
それが出来ない大きな原因は惰性であり、引き返すことへの自分自身の心の抵抗が大きいのです。
既に進んでいる道なので、周囲に対してのメンツ、今までの投資へのこだわり、さまざまな心の葛藤があり、結論が出せないので引き伸ばし、貴重な人生の時間をロスしてしまっているのです。
これは生徒さんだけの問題ではなく、私自身も何度も経験してきたことなので、痛いほど分かることなのですが、ここで逡巡しているほど、人生の貴重な時間のロスを積み重ね、取り返しがつかないことになるのです。
ビジネス上における日本人の悪い癖は、1.遠慮がち、2.殻を破らない、3.結論を出さないで、引き延ばすことだと言われていますが、まさにこの2番目と3番目の結果、人生を駄目にしているのです。
反対にビジネス上における日本人の良い癖は、1.おもてなし、2.細やか、3.こだわることだと言われていますが、日本の禅の研究を深く行ない、禅の思想をビジネスに取り入れて大成功したアップルのステイーブ・ジョブズは、禅の単純化の思想を活用して、アップルの製品を単純で非常に使い易く、細やかで、細部にこだわった製品に仕立て、併せて、直売店のアップルストアでは、おもてなしの精神で、世界一親切な売り場を目指し、大成功したのです。
同時に、アップルのステイーブ・ジョブズは、1.遠慮せず、2.殻を破り続け、3.結論をすぐに出し、引き伸ばししないで、成功し続けたのです。
以上のように、ビジネスで成功するには、日本人の悪い癖をすべて解き放ち、日本人の良い癖はさらに強化し、その両方とも上手く使い続けることが、大切であることが分かります。
ステイーブ・ジョブズのようなIT業界で大成功した人物の精神的なバックボーンが日本の伝統的な文化である禅の思想であったことは大きな驚きであり、日本人としてのわれわれは、もっと日本の良さに気づきべきであったのです。
そして、ビジネスの世界での成功には、深い学びと深い思考が欠かせないことが、さまざまな成功者の行なってきた結果を見れば、よく分かります。
われわれがビジネスにおいて、まだ十分な成功を収めていないとすると、学びの欠如と思考の欠如であり、本屋に行けば、思考を深めるための助けになる書籍が、内容の深さからすれば、ただのような金額、或いは、その何倍、何十倍であってもおかしくないような金額で売られているのです。
そのような書籍の金額は、高い書籍でも2千円とか、3千円程度で、その気になれば、誰でも買うことの出来る金額で販売されているのです。
その気になりさえすれば、少し学びを深めることを行なえば、われわれは成功出来るチャンスが至るところに転がっていて、こんなにチャンスに恵まれた時代はないのです。
少し犠牲を払って早く起きて、瞑想を行ない、散歩を行ない、筋トレを行なえば、われわれの人生の質を大きく変えることが出来るのです。
少し犠牲を払って、思考の時間を余分に取れば、われわれのビジネスを根本から大きく変えることの出来るチャンスが幾らでも転がっているのです。
少し犠牲を払って、役に立つ書籍を買って学びの時間を取り、学んだことを実践すれば、人生を大きく変えることが出来るのです。
それらを選ぶかどうかは、われわれ自身で幾らでも自由に決めることが出来、幾らでも自分自身を変えることが出来るチャンスを、われわれは持っているのです。
昨日も散歩の途中で、大きな書店に寄れば、新しい概念をもたらせてくれる書籍に出会いました。
また、少しのお金を払って、2日間の時間を犠牲にして、当社の麺學校の経営講義に参加すれば、人生を大きく変えることが出来るチャンスに出会うことが出来るのです。
人生を大きく変えることが出来るチャンスは至るところに転がっていますが、選択するかどうかは、われわれ自身であり、引き延ばすか、早くチャンスをつかむかもわれわれ自身がすべて決めることが出来るのです。
今回のラーメン学校の参加者も、ラーメン学校がいつも満員だから、参加するのが遅れたと言っている生徒さんがいました。
それでも、即、申し込むとそれだけ早く順番が回ってきます。
ビジネスにおける成功の秘訣は、1.遠慮しないで積極的、2.殻を破り続ける、3.引き延ばさいで即決、4.おもてなし、5.細やか、6.こだわることであるのです。
本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
◆マーケティングの基本
ベンチャー・ビジネスを市場志向のものにすることは、とくに難しいことではないのですが、そのために必要とされることは、起業家の性向に反し、予期せぬ成功や失敗など、予斯せぬものを体系的に探さなければならず、予期せぬものを例外として片づけず、機会として調べなければならないのです。
第2次大戦の直後、インドのある小さなエンジニアリング会社が、ヨーロッパから原動機付き自転車のライセンスを買ったのは、インドにはうってつけの製品に見えたのですが、あまり売れなかったのですが、その会社のオーナーは、モーターのみの注文がかなりあることに気づいたのですが、初め、彼はあのように小さな原動機で何ができるというのか、無視しようとしたのです。
だが彼は、ともかくたくさん注文のきていた地方へ行ってみると、彼は、農民たちが、それまで人力で行っていた灌漑を、自転車から外した原動機で行っているのを見て、このエンジニアリング会社は、今日では灌漑用小型ポンプの世界最大のメーカーとして、年間数百万台を販売していて、この会社のポンプが東南アジア全体に農業革命をもたらしているのです。
市場志向であるためには、実験が必要であり、当初、考えてもいなかった顧客や市場が、自らの製品やサービスに多少なりとも関心があるとわかったら、その製品やサービスを、実際に使ってくれる人を探さなければならず、なじみのない人たちに無料のサンプルを提供し、彼らがそれをいかに使うかを調べなければならない、さらには、彼らを顧客にするには製品やサービスをいかに変えるべきかを調べなければならない、何らかの関心が示されたならば、直ちに関連する専門紙に広告を載せ、協力してくれる人たちを探さなければならないのです。
以上のことをいつも徹底的に行ない、今までにない商品をベスト・セラーにしているのが大塚製薬で、オロナミンC、ポカリスエット、ソイジョイ等の発売時にサンプルを徹底的に配り、ベスト・セラーを作り続け、少ない商品数ですが、すべてベスト・セラーで、ロング・セラーであり、たいへん効率の良い、理想的な経営を行なっていて、それらの商品は、ボンカレーのようなレトルト商品であったり、オロナミンCのような栄養ドリンクであったり、ポカリスエットのようなスポーツ・ドリンクであったり、ソイジョイのような健康補助食品であったりとバラエテイに富んでいるのですが、すべて、大塚製薬という、製薬会社の持つイメージに助けられて、素晴らしい相乗効果を果たしている、凄い戦略で組み立てられているのです。
当初、デュポンは、ナイロンが自動車タイヤに利用できるとは考えていなかったのですが、オハイオ州アクロンのタイヤ・メーカーが関心を示したことをきっかけとして、タイヤ生産用のナイロン工場を建て、数年後には、デュポンのナイロンにとって、タイヤは最も利益のあがる市場となったのです。
予期せぬ市場からの予期せぬ関心が、本当の可能性を示すものか、単なる好奇心にすぎないかを見分けるには、さしてコストはかからず、若干の感受性と体系的な作業が必要なだけであり、ベンチャー・ビジネスのマネジメントは、以下のことを体系的に実施しなければいけないのです。
1.外へ出ていかなければならないのであり、市場に出て、顧客や自社のセールスマンと時間を過ごし、見たり聞いたりしなければならないのです。
2.製品やサービスの意味を決めるのは、顧客であって生産者ではないことを、つねに思い起こせる仕組みをつくっておかなければならないのです。
3.製品やサービスが顧客に提供している効用や価値に関し、絶えず自らに疑問を投げかけていかなければならないのです。
4.最大の危険は、製品やサービスが何であり、何であるべきかであり、いかに買われ、何のために使われるかについて、顧客以上に知っていると思い込むことにあるのです。
5.予期せぬ成功を、侮辱ではなく機会として見なければならないのです。
6.企業は、顧客を満足させることによって対価を得て、顧客を替えることによって対価を得るのではないという、マーケティングの基本を受け入れなければならないのです。
2財務上の見通し
設立間もないベンチャー・ビジネスに特有の病気が、市場志向の欠如であり、それは初期段階における深刻な病で、ベンチャー・ビジネスを殺しはしないまでも、その発育を完全に止めてしまいかねず、これに対し、財務志向の欠如と財務政策の欠如は、成長の次の段階における最大の病気となり、とくに、急成長しつつあるベンチャー・ビジネスにとって脅威となり、財務上の見通しをもたないことは、成功すればするほど大きな危険となるのです。
◆ベンチャー・ビジネスの挫折
ベンチャー・ビジネスが製品やサービスで成功し、急成長すると、大幅な増益とばら色の見通しを発表し、株式市場の注目が集まり、とくに、ハイテクなどの流行の分野であれば、大きな注目が集まり、5年以内に売り上げ10億ドルという見通しさえ、あちこちで聞かれるようになるのですが、1年半後、そのベンチャー・ビジネスは挫折し、倒産はしないかもしれないが、赤字のために、275人の従業員のうち180人を解雇せざるをえなくなり、社長は退陣させられ、あるいは大企業に安い値で買い取られるのですが、原因はいつも以下のように同じ3つの原因である。
第1に、今日のための現金がない。
第2に、事業の拡大資本がない。
第3に、支出や在庫や債権を管理できない。
おまけにこれら3つの症状は、同時に起こることがあり、これらの病気のうちの1つにでもかかると、大さく体力を損ない、財務上の危機はひとたび起こるならば、立て直しに非常な苦労と苦痛が伴うのですが、3つの症状は、いずれも予防することができ、ベンチャー・ビジネスの起業家が、金に無頓着であることはほとんどなく、逆にきわめて貪欲であり、そのため、彼らは利益を重視するのですが、それは、ベンチャー・ビジネスとしては間違った態度であるのです。
利益は結果としてもたらされるものであって、最初に考えるべきものではなく、利益よりも現金、資本、管理のほうが、先に問題となり、これらのものがなければ、利益の数字も虚構に終わり、目の前の利益など、1年から1年半で消えてしまい、成長には栄養が必要であり、成長するということは、資金の余剰ではなく、資金の不足を意味し、成長には現金と資本が必要であるので、利益は虚構であり、バランスシートの1項目にすぎなく、しかもこの虚構に対し、ほとんどの国が税金をかけているのです。
成長は、余剰の発生ではなく、債務の発生と現金の流出をもたらし、ベンチャー・ビジネスは、成長が健全であって早いほど、より多くの財務上の栄養を必要とし、新聞や株式情報に大きく取り上げられたベンチャー・ビジネスや、史上最高利益を更新したベンチャー・ビジネスが、2年後には無惨な苦境に陥るのです。
画像は、一昨日の東京支店の蕎麦学校での作品事例で、リンゴの細切りをアレンジした冷たい蕎麦です。
この時期にピッタリの冷たい蕎麦で、リンゴの酸味が効いて美味しいのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。