うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「ニッチの占拠、関所戦略、関所戦略が成立する条件、限界とリスク」

一昨日のうどん学校での新しいざるうどんの盛り付け

本日のテーマは「生徒さんといたちごっこ」です。

昨日からうどん学校とラーメン学校の経営講義がスタートしていますが、今回の生徒さんは非常に質問が少ないので、授業がスムーズに進み過ぎ、早く終わってしまいました。

最近の経営講義では、熱心な生徒さんが多く、質問の嵐で授業が遅くなることが多かったので、今回の経営講義は最近では非常に珍しいくらい、質問の少ない経営講義になりました。

経営講義では、質問が多いほど、授業自体が盛り上がり、私のモチベーションも上がるのですが、生徒さんの参加意欲が低く、質問が少ないと、単調になってしまうのです。

昨日も、余りにも不活発であったので、マクドナルドの事例より、マネッジメントの大切さの説明をしたのです。

昨日は、授業の後、まだウオーキングの歩数が足りなかったので、講師見習いのクオンさん、キムさんと一緒に会社の周りを散歩しながら、いろんな話合いを行ないましたが、仕事の間は話合いの時間が取れないので、貴重な時間になり、ウオーキングしながら、打合せするのは、一石二鳥で時間の有効活用になります。

今朝も朝早くから仕事に取組み、筋トレ、ウオーキングを行ないましたが、毎日1万歩以上歩いていると、いろんなことに気づくのです。

例えば、身体の問題のある部分が歩いている間に出てきて、身体のどこに問題があるのかが分かると同時に、歩き続けていると、それがだんだんと解消され、自然に治癒されていくのが分かります。

人間にとって、正しい姿勢で毎日1万歩程度歩き続けることは、身体の異状を修復し、常に健康体に保つのには、欠かせないようです。

まだ私自身、これらの研究を行なっているわけではないので、詳しい原理は分かりませんが、歩き続けていると、いろんな現象が身体に現れ、その後、修復されていくのです。

また、以前から気づいているように、歩き続けていると、基礎体温が上がり、夏の暑さ、冬の寒さに対する抵抗力が非常に強くなってきています。

また、ウオーキングには思考を深める効果があり、本日のウオーキング中に、昨日の経営講義の結果を受け、次のようなことを思いついたのです。

1.経営講義に参加するまでに、何らかの手段を通じて、経営講義ならびに、学校参加のためのオリエンテーションを行ない、学校参加時点では、生徒さん全員が同じ程度のレベルに到達している状態にする。

2.オリエンテーションの段階で、生徒さんのレベルを判断し、レベルの差により、クラス分けする。

3.オリエンテーションの段階で、生徒さん一人ひとりのニーズを徹底的に理解し、学校参加時にはオリエンテーションの結果に沿って、対応する。

最近、経営講義をやっていて特に感じるのは、生徒さんのレベルのバラつきの大きさと、取り組む姿勢の差です。

真剣勝負で臨んでいる生徒さんもいれば、遊び半分とまでは言わないまでも、自覚の足りない生徒さんが多いのです。

事前のオリエンテーションを通じて、自覚とか、覚悟を促がしたり、場合によっては、開業を諦めさせたりする必要があるのです。

麺学校の理想状態とすれば、意欲満々の生徒さんだけが参加する方がはるかに全体のレベル、意識が高まるので、事前にそのような状態を作り出すことが重要で、われわれ学校側は、生徒さんの新たな問題に取り組まなければいけない状態に直面しているのです。

15年前から始めたうどん学校、12年前から始めたラーメン学校も今までのやり方で過去は良かったのですが、今の時代にはすでに通用しなくなり、あるビジネスモデルが通用する期間が短くなっていることが分かります。

われわれは常にお客さま(麺学校の場合は生徒さん)の変化に常に注意し、変化に合わせて柔軟に事業全体を変えていかねばならないことを、今回の経営講義を通じて、実感しました。

併せて、生徒さんのレベルに凹凸があり、全体のレベルに合わせていると、モチベーション高く参加している生徒さんにとって、非常に退屈な授業になるのです。

以上は麺学校で起きている事象ではありますが、うどん蕎麦店、ラーメンも似たような変化に遭遇していて、常に新しい変化に対応していかねばならないのです。

本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

第18章 ニッチの占拠

総力戦、創造的模倣、起業家的柔道というこれら3つの起業家戦略は、市場や業界において、支配的とまではいかなくとも、トップの地位を目指すのですが、これに対し、隙間(ニッチ)の占拠を目指す戦略は、目標を限定し、すでに述べた3つの戦略が、大きな市場や業界で、支配的な地位を占めようとするのに対し、ニッチ戦略は、限定した領域で実質的な独占を目指し、3つの戦略が競争を覚悟しているのに対し、ニッチ戦略は、競争に免疫になる(競争とは縁のない世界でいる)ことを目指し、そもそも挑戦を受けることさえないようにし、総力戦、創造的模倣、起業家的柔道の戦略に成功すれば、大企業となり、普通名詞とまではなれなくとも、目立つ存在となるのですが、これに対し、ニッチ戦略に成功しても名をあげることはなく、実をとるだけであり、それらの企業は、目立たず優雅に暮らすのです。

実際、ニッチ戦略の成功のポイントは、製品としては決定的に重要でありながら、ほとんど目立たず、誰も競争を仕掛けてこない点にあり、ニッチ(隙間)戦略は、市場の一部で、代替のきかない存在になることであり、限定された分野で、圧倒的に有利なポジションを占める事ができるのですが、限定されているので、競争相手が現れにくく、限られた領域の目立たない支配企業になる方法で、ニッチ戦略は以下のように、3つあり、そのそれぞれが、特有の条件、限界、リスクを伴うのです。

1.関所戦略
2.専門技術戦略
3.専門市場戦略

I関所戦略

すでに述べたように、アルコン・ラボラトリーズは、老人性白内障の手術の流れに合わないプロセスを除去することのできる酵素を開発し、その酵素は、ひとたび開発し特許をとると、関所の地位を得ることが出来、手術用の酵素小さじ1杯分は、いかに価格が高くとも、手術全体の費用からすれば微々たるものであり、この酵素のコストを調べたことのある眼科医や病院はまず、あり得ず、市場は非常に小さく、世界全体でも年間売り上げは5000万ドル程度であり、競合品を開発するだけの価値はなく、価格を下げても、白内障の手術が増えるわけではないので、いかなる競争相手といえども、できることは、せいぜい世の中のために価格を下げることだけであって、自らは利益をあげられないのです。

これと似た関所的な地位を長年占めてきたのが、5、60年前に油井の火災防止装置を開発したある中堅の機械メーカーで、油井の掘削コストは数百万ドルに達し、火災が起これば、油井そのものを破壊し、それまでの投資を無駄にするので、掘削中の油井を災害から守る火災防止装置は、いかなる価格であろうとも、安い保険であり、この場合も、市場は非常に小さく、競争相手となりうる企業にとって魅力はなく、掘削費用の1パーセント程度にすぎない火災防止装置の価格を下げても、掘削する油井が増えるわけではなく、したがって、競争は価格を下げるだけであって、需要を増やさないのです。

関所戦略のもう一つの例示は、現在、W・R・グレースの1部門となっているデューイ&アルミーの事業で、同社は、1930年代に、缶詰の缶を密閉するための材料を開発したのですが、缶の密閉は缶詰に欠かせず、欠陥があれば破滅的な事故を起こし、ボツリヌス菌によって1人でも死ねば、缶詰会社は簡単に破産するので、缶詰の腐敗を防止する缶の密閉材料は、いかなる値段でも安く、しかも、1缶当たり1セント以下という密閉コストは、缶詰全体のコスト、あるいは事故のコストと比べて、ずっと安く、誰も気にせず、問題はコストではなく、この市場も、前述の酵素や火災防止装置の市場よりは大きいが、きわめて限定されていて、価格を引き下げたからといって、缶の需要を増やすことにはならないのです。

◆関所戦略が成立する条件

このように、関所の地位は、企業にとって最も望ましい場所であるのですが、この戦略には厳しい条件があり、製品が、いずれかのプロセスにおいて不可欠なものでなければならなく、しかも、失明させるリスク、油井を失うリスク、缶詰を腐敗当せるリスクが、製品の価格よりも圧倒的に大きくなければならず、また、市場の規模は、最初にその場を占めた者が、占拠できるほどの小ささでなければならず、それは、どこか1社だけが占拠でき、しかもあまりに小さく目立たないために、競争相手が現れようのない、真に生態学的なニッチでなければならないのです。

もちろんそのような関所的な場所は、簡単には見つからず、通常それは、何かのギャップのなかにあり、それは、アルコンの酵素の例のように、プロセス上のギャップにあり、あるいは火災防止装眞や缶詰密閉用の材料のように、機能不全のもたらすコストとその防止のためのコストとの間のギャップにあるのです。

これは、麺専門店ビジネスにおいても、同じようなことが言えるのです。

多くの新規開業者は出来るだけ、お客さまの数の多い場所、賑やかな場所に出店をしたがるのですが、そのような場所は、競争が厳しく、家賃が高く、駐車場の確保が難しい場所が多く、もし、そのような賑やかな場所で開業し、繁盛すると、多くの強いライバルが押し寄せるのですが、田舎の人口の少ないが、駐車場のシッカリ取れる場所で開業すると、幾ら繁盛しても、人口が少ないので、強いライバルは出て来ず、市場が少ないのが分かっているので、出店しても、採算が取れないのが分かっているのです。

従って、新規開業者は、ニッチ戦略を取るべきなのですが、ほとんどの新規開業者は、反対のことを行なっています。

◆限界とリスク

この関所戦略には、厳しい限界とリスクが伴い、そもそもそれは、静的な空間であり、ひとたびその適所を占めてしまえば、大きな成長は見込めず、関所の地位を占めた企業が、勝手に事業を拡大したり、変えたりすることはできず、いかに優れ、いかに安くとも、需要は、その製品が組み込まれているプロセスや製品への需要によって規定され、このことは、アルコンにとってさほど深刻な意味はなく、白内障は景気の影響を受けないのですが、油井の火災防止装置メーカーは、1973年に石油掘削が急増したときと、1979年に石油ショックが起こったとき、巨額の設備投資を余儀なくされ、ブームが長続きするはずはなかったし、投資しても回収できないことは明らかだったのですが、投資にせざるを得なく、投資しなければ市場を失い、2度と取り返せないかもしれなかったのですが、その数年後、現実に石油ブームが去り、年間の油井掘削が80パーセント減少し、それとともに火災防止装置の需要が激減したとき、なす術はまったくなかったのです。

関所戦略は、ひとたび目標を達成してしまえば、すでに成熟期にあり、最終需要者の成長と同じ速さでしか成長できないのですが、需要の減退は急速に起こり得て、需要を満たすほかの方法が発見されるならば、ほとんど一夜で陳腐化し、デューイ&アルミーは、缶詰の缶が、ガラス、紙、プラスティックの容器に取って代わられたり、冷凍や放射線照射による食物保存の方法が現れても、講じるべき対策がなく、しかも、関所戦略をとった者は、その独占を濫用することができず、山賊となって、山すその細道や峡谷を通る無防備な旅人を、強奪したり凌辱することを許されず、独占を濫用して、顧客を搾取、強要、虐待することが出来ず、もし、そのようなことをすれば、ユーザーは別のメーカーを招き入れるか、あるいは、たとえ優れたものでなくとも、ほかの製品に切り替えるのです。

ニッチ戦略の正しい戦略は、デューイ&アルミーが、すでに40年以上にわたりとってきた戦略であり、同社は、広範囲の技術サービスを提供し、ユーザーの従業員を訓練し、同社の材料を使用する製缶機械や缶詰機械の設計まで行ない、しかも、絶えず品質の向上をはかっているのです。

関所戦略においては、関所の周りを固めてしまう、デューイ&アルミーの戦略は、非常に的を得た戦略であり、ここまで関所の周りを固めてしまうと、追随者の参入障壁は限りなく高くなり、参入はほぼ不可能になり、関所は難攻不落であるのですが、その守備範囲は狭く、そのためアルコンは、この限界を乗り越えるべく、人工涙、コンタクトレンズ用液、非アレルギー性点眼薬など、目に関するあらゆる消費財へと多角化し、それらの新事業は、スイス系多国籍企業の大手消費財メーカー、ネスレの関心を誘い、巨額の資金で買収されるにいたったというかぎりにおいては、成功だったのです。

ドラッカーの知るかぎり、アルコンは、関所戦略で成功しながら、自らが占拠した関所以外の市場において、関所とならない製品でも成功した、唯一の企業ですが、アルコンにとって、経験のない競争の激しい消費財市場に多角化したことが本当に利益になっていたかどうかはわからず、関所戦略の場合の問題点は、時代の流れを敏感に読み取り、1つの関所戦略で成功したら、その余力のあるうちに、次の新しいニッチの関所を見つけることであり、決して、油断することは出来ないし、一つの関所だけに依存していると、上記の油井の火災防止装置メーカーの事例のように、景気の変動を受けて、危うい状態になりかねないのです。

画像は、一昨日のうどん学校の盛り付けで、新しいざるうどんの盛り付けにチャレンジしてみました。

新しいチャレンジでは、まだまだ課題がありますが、慣れた同じパターンを繰り返すのでなく、新しいチャレンジにより、新しい盛り付けの方法を見つけることが出来るのです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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