うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ| 「イノベーションと起業家精神(最終)」「産業構造の変化を知る(第4の機会)、産業の不安定性、産業構造は不変か、自動車産業の構造変化の第1の波」

年の初めの営業会議の様子

本日のテーマは「10年後も変わらないもの」です。

昨日は、朝から各地の全員が集まった勉強会で、われわれの周りで起こりつつある大きな変化について、説明を加えていきました。

今までの世の中の進化の速度とは、次元の異なる変化の時代に突入していこうとしていて、本日の「イノベーションと起業家精神」の内容とがっちするような話でした。

まさに産業の構造変化が起きようとしていて、自動車産業の場合も、第1の波から、第5の波まで以下のような産業構造の変遷があったのです。

1.第1の波:使命を明確にしたメーカーだけが生き残った
2.第2の波:グローバル化に成功したメーカーだけが生き残った
3.第3の波:小型化と品質向上に対応
4.第4の波:電気、ハイブリッド、水素、燃料電池等の新しいエネルギーへの対応
5.第5の波:自動運転への対応

こうしてみると、自動車業界は世界のビジネスをリードしている業界なので、構造変化の大きさも大きく、激しく、正しい戦略を構築しないと生き残ることは難しいのです。

第4の波のエネルギーの決着はまだ着いておらず、多分、10年後くらいにはある程度、業界内での優劣が明確になり、第5の波の自動運転車はまだ始まったところなのです。

しかし、過去と大きく変わるのは、それぞれの波のスパンが短くなり、特に第4の波では過去の自動車メーカーだけではなく、アメリカのテスラモーターのようなまったく違った分野から、新しい自動車メーカーが誕生しているのです。

そして、第3の波で培った日本独自の内燃機関の摺合せの技術の強さが、すでになくなりつつあり、今まで自動車を作っていなかった会社が自動車のメーカーになることが出来るのです。

自動運転車については、2008年にスバルのアイサイトが業界で初めて、障害物を察知して止まる技術が実用化され、その後、進化を続け、すでにグーグルを初め、世界の自動車メーカーが自動運転車の試験を繰り返しているのは、周知の事実です。

これらの技術もすべてIT化を伴なった技術ばかりなので、進化の速度が早く、正しい戦略を選んだ会社と、そうでない会社の盛衰のスピードが非常に早いのです。

このことは、われわれが最近よくニュースになるシャープの現状をみると、非常に分かり易く、技術がIT化されるほど、進化の速度、没落の速度が早まり、取った戦略の違いにより、急激に大成功することも出来るし、反対のことも起こり得るのです。

併せて、われわれの周りは、物凄い速度でIT化が進み、昔は、本を出版することは、たいへんなことでしたが、今は、本の出版は簡単に出来るのです。

私も書店で販売しているマネッジメントの書籍だけでも、4冊出版し、麺技術の教科書も含めると、10冊は出版しているのです。

簡単に出版出来るようになったのはPCのお蔭で、PCを使えば、簡単に書き直すことも出来るし、過去の文章を保管し、再利用することも出来るので、文章をだんだんと磨き上げることも出来、文章作成の速度が手書きの何倍の速さになり、品質を高めることが出来るのです。

私がPCを使い始めたのは1990年ころなので、すでに25年間くらい使っていますが、当社の進化にも、PCは大きく貢献し、PCとインターネット無しでは考えられないような時代になっています。

麺ビジネスも同様で、店舗にはPCで作成したマニュアルがあり、オーダー・エントリー・システムの端末で注文を取り、レジもITで自動化され、ますます店内もIT化され、人手の部分をITに置き換えているのです。

これからの麺ビジネスは、バックヤードの部分では、ますます、ITが活用されて、省力化、自動化される部分と、お客さまへのサービスの部分ではより、サービスレベルの高まりが重要になるのです。

当社が開発している製麺機も、ますます省力化、自動化され、人手不足の時代への対応が必要になり、人手が要らずにより美味しい麺が出来るようになるのです。

10年後も、一般の消費者が麺ビジネスに求めるものは、麺の美味しさ、商品全体のレベルの高さ、価格と品質のバランス、バランスの取れたサービス・レベル、食の安全、健康志向等、時代が変わっても変化しないことに集中し、麺ビジネスを行なえば、ますます強くなっていくことが出来るのです。

10年後も変化しないものは何かを見つめていくことは、ビジネスの未来を考える場合の大きなヒントになるのです。

今年も本社での経営講義が来週の土日、16、17日の両日、本社で開催します。

まだ、ご参加されていない新規開業希望者の方は、取り敢えず、経営講義だけでも参加されると、大きなリスクヘッジになるはずです。

昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

第六章 産業構造の変化を知る(第4の機会)

1.「産業の不安定性」

「産業構造は不変か」

産業や市場の構造は、下記のように永続的であり、きわめて安定的に見えるのです。

世界のアルミ産業は、基本特許を持っているピッツバーグのアルミニウム・カンパニー・オブ・アメリカと、そのカナダの系列会社、モントリオールのアルキャンにより、1世紀の間支配されてきて、世界のタバコ産業は1920年代以降、大手の新規参入者としては南アフリカのレンブラント・グループを迎えただけであり、世界の家電業界でこの1世紀間に登場した大手メーカーは、オランダのフィリップス社と日本の日立だけで、アメリカの小売チェーン業界では、シアーズ・ローバックが通信販売から小売店舗業に進出し、1920年代から、10セント・ストアのクレスゲがデイスカウント・ストアのKマートを始めた1960年代までの40年間に、大手の新規参入はなかったのです。

従って、産業や市場の構造は非常に安定的に見えるため、内部の人間にとって、そのような状態こそ秩序であり、自然であり、永久に続くものと考えるのですが、現実には、産業や市場の構造は脆弱であり、小さな力によって、簡単に、しかも瞬時に解体するので、産業構造の変化が少しでも見えると、その産業に属するあらゆる者が、直ちに行動を起こさなければならなくなり、昨日までと同じ仕事のやり方をしていたのでは惨事を避けられなり、潰れ、少なくともトップの地位を失い、その地位はほとんど取り戻せないのですが、産業や市場の構造変化は、イノベーションをもたらす機会でもあり、実にそれは、その業界に関わる全ての者に対し、起業家精神を要求し、あらゆる者が「わが社の事業は何か?」を改めて問わなければならなくなり、あらゆる者が、この問いに対して新しい答えを出さなければならなくなるのです。

以上のような産業と市場の構造変化が、自動車産業では下記のように、何度も起きたのです。

「自動車産業の構造変化の第1の波」

20世紀の初め、世界の自動車産業が破竹の勢いで成長し、それまで「馬車階級(金持ち階級)」用の贅沢品だった車の売り上げが3年ごとに倍増し、市場が急速に拡大し、市場の構造が大きく変化したのですが、この変化に対しては4種類の対応が取られ、いずれも成功を収めたのです。

「第1の対応」

1906年に創立されたロールス・ロイスの戦略は、車が普通の商品になる事を見越し、逆に王侯の象徴となる車に特化することにし、そのため、熟練工が手作業によって1台づつ生産するという、当時でさえ時代遅れになっていた生産方法に戻し、顧客に対しては、半永久的な使用に耐えることを約束し、ロールスロイス自らが運転手を訓練し、売る相手も原則として爵位を持つ者に限定し、並の人間は間違っても買うことがないように、ほぼヨットと同じ価格、熟練工や繁盛している商人の年収の40倍に相当する価格を付けたのです。

「第2の対応」

その数年後、デトロイトでヘンリー・フォードという若者が、自動車市場の変化を見て、同じく車が金持ちの贅沢品ではなくなったことに気づいたのですが、彼の対応は、半熟練工によって大量生産する車、しかも車の所有者自身が運転し、修理さえ出来る車だったのですが、1908年のT型フォードは、今日伝えられているほどの低価格車ではなく、当時、世界最高の収入を得ていたアメリカの熟練工の年収を上回っていたのですが、それでも、T型フォードは、それまでの最も安い車の約5分の1の価格であり、運転も修理もやさしかったのです。
(今日、アメリカ市場で最も安い車は、未熟練工の年収の10分の1なのです)

「第3の対応」

同じころ、ウイリアム・クレイポ・デユラントというアメリカ人が、自動車市場の変化を見て、やがて膨大な市場になる事を見越し、あらゆる階層を客とする自動車メーカー、専門経営者がマネッジメントする自動車メーカーを作り、1908年にGMを設立し、他のメーカーを徐々に吸収合併していったのです。

「第4の対応」

その少し前の1899年、ジョヴァンニ・アニエッリというイタリアの若者が、自動車が軍の必需品、とくに将校用車両となり得ることを見越し、彼がトリノに設立したフィアットは、数年後にはイタリア軍、ロシア軍、オーストリア・ハンガリー軍の将校用車両のメーカーになったのです。

自動車産業の構造変化の第1の波は、既に100年以上も前に起きた出来事で、既に100年後に生きているわれわれは、第1の波、第2の波、第3の波の結果もすべて知っているのです。

そして、2013年における世界の自動車メーカーの販売ランキングは次のようになっています。(カッコ内は前年順位と増減率、▲はマイナス)

1位(1)トヨタ 998万台 (2%)
2位(3)VW 973万台 (5%)
3位(2)GM 971万台 (4%)
4位(4)日産・ルノー 826万台 (2%)
5位(5)ヒュンダイ 756万台 (6%)
6位(6)フォード 633万台 (12%)
7位(-)FCA 435万台 (3%)
8位(7)ホンダ 428万台 (12%)
9位(8)PSA 282万台 (▲5%)
10位(9)スズキ 269万台 (2%)

(注記)*FCAはフィアット・クライスラー・オートモーティブ、同じく、PSAはプジョー・シトロエン・オートモテイブ

第1の波において4つの異なった対応をしたメーカーは、現在、すべて生き残っていますが、第1の対応をしたロールス・ロイスは、BMW傘下になり、第2の対応を行なった、フォードはアメリカのビッグ・スリーの中で唯一、破綻を免れたのですが、第3の波では相当、本体を揺さぶられて、破綻の寸前までいったのですが、踏みとどまり、第3の対応を行なったGMは、第3の波では小型化と品質向上に乗り遅れ、破綻後、アメリカ政府による救済が行なわれ、再上場の後は、順調に伸びていて、第4の対応を行なったフィアットも決して順調とは言えないまでも、したたかに生き残り、クライスラー他、多くのメーカーを傘下に入れて、世界ランキングでは第7位につけているのです。

第1の波で、生き残った自動車メーカーとそうでないメーカーを比較すると、生き残ることが出来たメーカーは、生き方を明確にしたメーカーだけであり、生き方(要するに、命の使い方、即ち、使命)を明確にしたメーカーだけが、第1の波を上手く乗り越えることが許され、現在、世界ランキング10位以内にいるメーカーのうち、第1の波の時代に存在していたメーカーは、3位のGM、6位のフォード、7位のフィアットの3社だけで、現在、ランキング10位以内に駒を進めているメーカーも決して安泰な位置にいるのではなく、新興国市場の台頭と内燃機関から、第四の波では電気自動車、燃料電池等の新しいエネルギーの時代を迎え、第五の波では自動運転車になり、厳しい技術革新に生き残れるメーカーであるかどうかが問われているのです。

あと100年経ったら、今日の上位10社もほとんどの会社は残っていないか、或いは、もし残っていても、会社の形は相当変わってしまっているはずで、このように、100年経ったら、産業構造も大きく変貌し、昔隆盛を極めていた会社のほとんどは消え去り、新しい時代を迎えていることがよく分かり、現在に生きるわれわれも、将来のために、今、何をしなければいけないかが、問われているのです。

画像は、年の初めの営業会議の様子です。

大きな時代の変化の中で、皆真剣に取り組んでいます。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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